2018-02-21 13:54

ソクラテスの恋人 梟雄アルキビアデス伝

 アルキビアデスをどう描くか?

 ワタシは塩野七生さんの「ギリシャ人の物語」で、これが大変興味がありました。

 何しろこの男、古代西洋史きっての美男です。 しかもアテネ一の名門で大富豪の生まれで、その上ソクラテスをも魅了した知性の持ち主です。
 
 おお、完全に塩野さんの好みのタイプ!!
 
 しかし一方でペロポネソス戦争でアテネを無条件降伏に追い込んだ主犯とも言える人間です。
 そしてそうした彼の言動が、後にソクラテス処刑の遠因になりました。

 だから彼に着いての歴史家の評価は概ね非常に否定的です。 
 それでは塩野さんは?

 勿論大甘でした。
 だって大の美男好きの女性が、古代史一の美男を厳しく裁けるわけがないでしょう?

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 それではこのアルキビアデスってホントはどんな奴だったのでしょうか?

 この男は悪人なのか、英雄なのか?
 この男はさほど長くもない生涯の間に、輝かしい愛国者で英雄と、裏切り者の売国奴の間を、二度往復しました。

 だから何と評価した物がわからないのです。

 しかしこの男がそういう一生を送るようになったのは、彼個人の人格の問題でもありますが、アテネの民主制の問題によるではないかと思います。

 つまり彼はアテネの民主制により英雄になり、またその民主制により国家の敵とされ、また英雄になり、また敵とされると言う事になったのです。

 だから彼の生涯を見るとアテネの民主制の問題が浮かび上がります。 そしてそのような制度の下でペロポネソス戦争と言う、国家の運命を賭けた戦争をやってしまった事の問題が理解できると思うのです。

 それでワタシ的に見たアルキビアデスの生涯を描いてみたいと思います。

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 アルキビアデスに着いて残された資料の中で、彼の人格が最も活き活きと描かれているので、プラトンの「饗宴」です。

 この饗宴が催されたのは、アテネがペロポネソス戦争に突入して既に10年余、戦線は完全に膠着し、出口が見えなくなり、人々は閉塞感に苦しんいた頃です。

 しかし文化都市アテネではこうした状況でも、毎年恒例の演劇祭は開催されていました。

 そしてその演劇祭で若い悲劇作家アガトンが優勝したのです。

 そこでアガトンは自宅で祝いの饗宴を開き友人達を招待ました。

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 因みにアガトンは恋人のパウサニアスと同棲中でした。 二人はアテネ切っての美男カップルとして有名でした。 

 招かれたのはソクラテス、喜劇作家アリストファネス始め当時のアテネの知性と良心を代表する人々です。

 この時代のアテネではこうした友人達を招いての小規模な宴会では、飲食と共に決められたテーマに着いての討論を楽しみました。

 この饗宴ではホスト二人が同性愛カップルと言う事もあって、討論のテーマを「エロス」つまり愛、男性同性愛にしたのです。
 因みにこの時代「愛」と言えば同性愛をさします。 婚姻は子孫を残す為の物で愛は関係ないのです。

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 ツィッターでゲイの人達を見ていると、なんかもうやたらにあけすけに性欲をストレートに性欲を表現するのでワタシのような淑女は戸惑うのですが、しかしこの饗宴の参加者は元祖プラトニックラブの人々ですから、そういう事はしません。

 皆大変格調高く、精神性を中心にエロスについて語るのです。
 
 そして最後の締めがソクラテスの「愛する側に神がある」とあの有名な説話になり、一同感動しました。

 こうして饗宴は格調高く終わるはずでした。

 ところがそこにアルキビアデスが楽師や遊び女の一群を連れて乱入してきたのです。

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 アルキビアデスはこの饗宴には招待されていなかったのですが、しかし元来ホストのアガトンとパウサニアス始め、出席者一同とは親しい間柄でした。

 アルキビアデスは当時30代前半の若さでしたが、既にアテネ政界をナンバーワン争いの最中でした。

 因み当時のアテネの政治はストラテゴスと言う10人の指導者の合議制です。 そのストラテゴスへの被選挙権はは30歳以上からです。 アルキビアデスは30歳になって直ぐにこのストラテゴスに当選しているのです。

 そして直ぐにアテネ政界のトップ争い加わりました。 

 ペリクレスの近親者で、しかも大富豪と言うバックグランドに加えて、大変な雄弁家で、アテネ一と言われる美男なのですから、大衆の絶大な支持を得たのです。
 
 彼にはRとLの発音が不明瞭と言う癖があったのですが、普通なら政治家に不利なこの癖も、アルキビアデスの特徴と言う事で、アテネの若者の半数が真似ると言う有様です。

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 これほどの政治家ですから古い友人達も招待を遠慮したのでしょう。 実際彼は既にどこかの宴会に出た後だったらしく、パウサニアス邸に乱入した時、すでにかなり出来上がっていたのです。

 しかしこうしてワザワザ来てくれたのですから拒む理由はありません。

 皆喜んで彼を歓迎し、この饗宴の討論のテーマである「愛」についての意見を求めました。

 アルキビアデスはそこで、漸くここにソクラテスが出席しているのに気づきました。 しかも若く美しいアガトンはソクラテスの隣に座ったのです。

 そこでアルキビアデスはこれに嫉妬して、ソクラテスと自分の「愛」について語り始めるのです。

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 アルキビアデスはアテネ一の名門で大富豪の跡取りとして生まれました。 唯一の不幸は幼い時に父親に死なれた事ですが、しかし近縁のペリクレスが後見人として父親代わりを務めました。
 
 このペリクレスの愛人で彼と同棲してたのがミレトス生まれのヘタイラだったアスパシアです。 

 ヘタイラとは宴会に出て歌や踊りを披露し、また座持ちもすると言う女達で、古代ギリシャの芸者さんでした。 勿論良家の子女がする仕事ではありません。

 しかしアスパシアは古代史最高の才女でした、だからペリクレスは彼女を愛して、正妻と別居して彼女と同棲していたのです。

 そのアスパシアの友達がソクラテスだったのです。
 このような縁から、ペリクレスの被後見人だったアルキビアデスは、少年時代にソクラテスと知り合う事になったのです。

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 その頃のアルキビアデスはアテネ一の美少年で、アテネ中の男達が彼の美貌に魅せれていました。 そしてアルキビアデスはそう言う事を十分承知している少年だったのです。

 門地・富・美貌を兼ね備え、その価値を十分知っている少年アルキビアデス。
 
 一方ソクラテスときては、ギリギリ中産階級です。 つまり勤労収入が無くてもなんとか生活はできるので、哲学三昧で暮らせると言うだけで、アルキビアデスの所属する階級から見れば微々たる庶民です。
 しかも禿げ頭の醜男です。

 ところがアルキビアデスがこのソクラテスの内面を垣間見て、その燦然たる輝きの虜になってしまいます。
 そこで彼は何とかソクラテスを誘惑して、欲望によりソクラテスを我が物としようと考えたのです。

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 その為、彼はソクラテスを競技場に誘い、一緒にトレーニングをして一緒にレスリングをしました。 
 そしてその後、夕食に招待し、二人で夕食を食べた後は、泊まっていくようにすすめ、同室で眠るように仕向けました。

 こうして二人が床に就いて暫くするとアルキビアデスは、ソクラテスの床に入り込み、抱き着いて誘惑したのです。

 アテネ一の美少年がここまでやるのですから、一発で陥落するはず・・・・・・。

 ところがソクラテスはこのアルキビアデスの誘惑には全く動じず、結局二人は兄弟や父子のように清い関係のまま朝を迎えたのです。
 
 これはアルキビアデスの自尊心を大いに傷つけました。
 その為彼の心は後々長く「蛇に噛まれたように心がうずき続けた」のです。

 けれどもソクラテスの自制心と人格への尊敬は揺るぎない物になりました。

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 しかしその後アルキビアデスが20歳になり初陣すると、戦場で見たソクラテスは更に彼を驚嘆させます。

 厳しい寒さや飢餓で皆が苦しむ中、ソクラテスは寒さも飢餓も物ともせず常に泰然自若しとしており、そして戦闘になると類ない勇気を発揮して皆を力づけました。
 
 アルキビアデスが負傷した時は、自身の危険をものともせずに救助に駆けつけ、更に混乱した部隊を建て直し、遂には全軍を勝利へと導いたのです。

 しかしソクラテスはそれを自身の手柄とはせず、指揮官にはアルキビアデスの手柄とするように求めたのです。

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 「饗宴」はこのアルキビアデスの乱入の場面で一気にフェーズが変わります。
 
 言ってみればそれまではモノクロ学術映画だったのが、突然フルカラーのスペクタクル映画になるような・・・・・。

 或いは、当にに現代のシンポジュウムのような学術講演会が、一瞬にして豪華絢爛なオペラの舞台に変わるのような・・・・・。

 そのオペラでカリスマテナーが歌うのはソクラテスの賛歌ですが、観客はその賛歌により、歌手の美声と技量に魅せられるのです。
 
 そしてこの美声は2500年の時を超えて今も我々を魅了するのです。

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 それにしても「饗宴」を読むと、このアルキビアデスと言う男が持って生まれたのは富や門地、知性や美貌なんて物じゃなくて、格別なカリスマ、或いは華だっのだと思うしかありません。

 しかしその素晴らしい天分は結局、本人にとっても、またアテネとギリシャ世界にとっても幸福な結果を産まなかったのです。

 何でそんなことになってしまったのか?

 それは前記のようにアテネの民主制の問題だと思うのです。

 だからワタシがこれに着いて考えた事を、これから少しずつ書いて行きたいと思います。
 
  1. 古本
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2018-02-20 21:43

同じ景色

 この所、タイチョウ殿の機嫌が悪くて、散歩もあまりしませんでした。

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 尤も冬の間は自転車も使えず、遠出ができないので同じ所を歩くばかりなので、飽きちゃったと言うのもあります。

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 それでも昔はもう少し頑張って歩いたけれど、今年はすっかり雄着になって、午後遅くなって出かけて、暫く歩くと直ぐに日が暮れてくると言う事になるから、同じ景色ばかり見る事になるのです。

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 札幌は今年は馬鹿に暖かく、その上雪も少ないので歩きやすいはずなのですが、それでも出不精になるのは、もう年だからでしょうか?

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 ワタシは実は2月生まれなので、少し前の誕生日で64歳になりました。

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 つまり来年は65歳です。

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 ところでワタシの父は65歳で死にました。

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 多発性骨髄腫と言い悪性腫瘍で、年末にわかって春先に死にました。 
 超特急でした。

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 父はそれまで頗る健康で、親族もおおむね長寿だった事から、自分も長寿の心算だったのです。

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 そしてその心算で老後の資金計画もしっかりと立てていたのです。
 父は用心深く、また物事を常に計画的に行う人でしたから。

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 しかし「人の命程測りがたきはなし」と言う事を忘れていたのでしょう。

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 老後資金は一切使う事無く、また年金を貰い始めて直ぐに死んでしまったのです。

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 そしてワタシも来年は父が死んだのと同じ年になります。

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 あの頃に父に比べて自分のダメチン振りに辟易していますが、しかしとにかく父が死んだ年になったのです。

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 父と違ってワタシは病持ちだし、その上2年前から更に喘息を背負い込んだので益々へ垂れています。

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 それで今は同じ景色の中をウロウロするしかないのです。

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 ウチの近所が絶景で格別風光明媚なわけもありません。

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 それでもこうして歩いていると、同じ景色も時間と季節と天候で少しずつ変わっていきます。

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 だから自分としてそれなりに楽しんで歩いてきました。

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 そもそも好きな時に好きなように散歩をできるのだから良い身分なわけで、文句を言ったら罰が当たります。

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 それで今日もまた同じ景色の中を歩きました。

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 夕べ降った雪がふわふわと綺麗でした。

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 しかし非常に寒いです。

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 十分に着込んで出かけた心算なのに、寒さがダウンを抜けて染み透ってきます。

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 用もないのに途中でスーパーに入ったら、買う物もないのに、なぜか店内をウロウロしていました。

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 頭脳とは別に体が勝手に「寒いから外に出たくない」と言っていたのです。

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 しかしそういつまでスーパーにいるわけにもいきません。

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 外に出れば黄昏ていました。

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 そして直ぐ真っ暗になりました。

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 しかしワタシはまた別のスーパーに入り込んでしまいました。
 そうやってワタシは同じ景色の中を彷徨い続けるのです。

 
  1. 札幌の四季
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2018-02-19 16:23

馬鹿フェミ雑感

 所謂フェミニストの中には、男性が女性を性的に見る事を絶対に許さない人がいます。
 例えばこの人ですね。

 牟田和恵 
 まったく違います。胸の大きい女性はしばしば、文脈見境なく、自らの意思に反して、「性的」に見られることに、尊厳を傷つけられています。それこそが女性差別です。あなたの発想はまさにそれです。

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 そりゃワタシだって、女性ですから助平男から、いやらしい目で見られるのは気持ち悪いし、怖いです。

 しかし「自らの意思に反して」なんて言っても、そもそも他人が自分をどう見るかなどコントロールできるわけもありません。

 自分の気に入る見方しか許さないって、何処の独裁者ですか?

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 ところでワタシは、最近ツィッターを良く使うようになったのだけれど、LGBTの話しでゲイの男性達をフォローしたら、筋肉美青年の写真がやたらに出てくるようになりました。

 みんなギリシャ彫刻のよう美しいとは思います。 
 ワタシは中学生の頃、ギリシャ彫刻に感動して古代ギリシャ史に嵌っていました。

 それがこの三年、塩野七生さんの「ギリシャ人の物語」でまた古代ギリシャへの憧れが復活しました。

 しかしギリシャ彫刻のように端正でも、写真は余りに生々しく怖いです。 

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 でもこれを見ていてわかりました。

 男性って性的な欲望を実にストレートにあけすけに表現するんですね。

 ゲイの人達の筋肉美青年写真は、異性愛者の巨乳美人写真と同じ感覚なのでしょうが、それにしてもおおらかと言うか、やりたい放題と言うか、ノリノリ、ルンルンで楽しんでるようです。

 ゲイでない男性なら、女性に嫌われたくないと言う意識が働くので、もう少し遠慮するのでしょう。
 でもゲイの男性は男性同志なので、そんな遠慮は一切必要なしで、ストレートに欲望を表現しているようです。

 また同じゲイの男性にモテるようになる為に、自身も筋肉マンになるべく、ジム通いなどに励んでいるようです。

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 これは牟田理論によれば、「筋肉青年は自らの意思に反して「性的」にみられる事に、尊厳を傷つけられています。 それこそ男性差別です。」と言う事になります。
 
 またゲイの仲間にもるようにジム通いをしている人達は、自身の尊厳を傷つけられて、男性差別されるために努力している事になります。

 イヤ~~、それナンセンスでしょう?

 男性は女性と違い、自分の性欲はストレートにあけすけに表現するだけでしょう?

 これはつまり男性と女性の性欲の表現の違いと言うだけで、怒るような話ではないのです。

 男性はそういう者だと理解するしかないじゃないですか?

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 そりゃ相手が不快に思う事は遠慮するのがマナーです。 だから女性の胸をジロジロ見るような不作法な事をする奴には、一発かましても良いとは思います。

 しかしマナーと言えば女性の側だって男性の気持ちを理解し、思いやるべきなのです。

 それをひたすら男性を責めて、悪口雑言を喚き散らすって男性の尊厳を傷つけ差別する行為じゃないですか?

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 そもそもこの人一応学者さんなんですよね。 何と社会学。ジェンダー学の研究をしているんだそうです。

 しかし学者としてジェンダーや社会を研究するなら、女性の都合ばっかり言うんじゃなくて、男性の心理や都合だって理解するべきでしょう?

 それをしないでひたすら女性に不都合な事、気に入らない事は「尊厳を傷つける!!」「差別ニダ!!」と喚くばかりで、本当に社会やジェンダーを理解する事ができるのでしょうか?

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 因みにこの人は王子様が白雪姫にキスしたのは強制猥褻だと言ってネットで有名になった人です。

 つまり何でも性にかこつけて、何でも女性は被害者と言うのです。

 これじゃ馬鹿フェミって皆、淫乱症で頭オカシイのか?と思われても仕方ありません。

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 そしてこの手の馬鹿フェミは結局、女性の自立や社会進出を阻害すのです。

 だって社会に女性が社会に出て男性と一緒に働けば、男性から性的に見られる事もあります。

 その度に「セクハラだ!!」「尊厳を傷つける!!」「差別だ!!」と騒がれるのでは、男性だって自衛するしかありません。


 

 この手の馬鹿フェミが騒ぎまわった結果、セクハラの嫌疑をかけられると男性が100%不利になります。

 そこで男性の上司は女性の部下とは、絶対に一緒に食事をしない、社内でも二人きりにはならない、タクシーにも一緒に乗らないと言う事になったのだそうです。

 なるほどこれならセクハラはされないけれど、その代りに上司から親密なアドバイスを受けたり相談に乗って貰う事もできません。

 そういう事をしてもらえる男性の同僚とは差がつくばかりでしょう。

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 そもそも昔、良家の子女は外で働かない事になっていたのは、外に出て働けば、男性から性的にみられる事もあり、またセクハラ等を受ける可能性があるからです。

 だから女性が外で働かなくても生活できる階級なら、女性は外に出るべきではないとされていたのです。

 しかし一人前の女性ならセクハラぐらい自分で撃退して、自分で自分を守る事ができる。
 家族の男性の庇護を受けなくても大丈夫。
 だからリスクがあっても外に出て働き、男性と対等な経済力と社会的地位を得る為に頑張ろう!!

 このような精神で女性の自立を即したのがフェミニズムだったはずです。

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 ところが女性がそれで社会進出を果たしたら、今度はまた自称フェミニストがヴィクトリア朝の女子修道院長みたいなことを言って、男女隔離を即しているのです。

 男性がそれほど危険で、女性の貞操がそれほど大事なら、ヴィクトリア朝の令嬢と同様、外に出てはイケナイのです。
  
 社会に出れば相応のリスクはあるのは当然なのに、それが受け入れられない人が、一体どうしようと言うのでしょうか?

 女性として思います。
 こういう馬鹿フェミこそが女性の敵だと。
  1. 差別ニダ!!
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2018-02-19 13:36

猫の時間

 昨日の夜明け過ぎに、よもちゃんはお外に出ました。 そしてアッと言う間に近くのマンションの駐車場へ行き、車の下の入り込みました。
 
 
 よもさん!!
 何しているの? 出てきなさい!!

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 イヤよ!!

 何でそんなところに入るの? 
 何が良いの?
 出てきなさい!!

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 イヤよ!!
 

 わたしが何度呼んでもよもちゃんは車の下から出るのを拒否しました。 そして結局1時間余り車の下で頑張り続けました。

 この駐車場はロードヒーティングをしているので、地面は冷たくなのでしょう。 でも明け方の車の下の何が楽しいのかわかりません。

 しかし少し暖かくなると、よもちゃんは早朝この駐車場の車の下で過ごしたがるのです。

 わたしはよもちゃんが帰ってくるまで心配なのですが、しかしよもちゃんはそんなことは一切お構いなしなのです。

 しかし大変不思議な事に、昼間は決してこの駐車場には行きません。 昼間は別の駐車場に行くのです。 ここは直ぐご近所の家の駐車場で、ロードヒーティングはないけれど屋根があるので雪は積もりません。


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 あ~あ、お日様の光は良い気持ち!!

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 今年は馬鹿に雪が少ないわねえ。

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 岩見沢と滝川の間で特急が何両も立往生したなんて嘘みたい。

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 どうなっているんだろう?

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 それにしても同居人ってうざいわね。

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 ワタシの大切な猫の時間を必ず邪魔しにくるんだから。

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 幾ら一緒に暮らしているからと言っても、ワタシにはワタシのプライバシーと言う物があるのよ。

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 それをアイツは未だに理解できないのよ。
 それで毎度毎度ワタシの帰りが少し遅いと大騒ぎして探し回り、帰りが遅いと言ってワタシを責めるのよ。

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 お日様、どう思われますか?
 これがフェアと言えるでしょうか?

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 愚かな人間にフェアネスを期待するのが間違いです。

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 そうね。

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 お日様の言う通りね。 
 お日様は天の高みから全てを公正に見て判断していらっしゃるんだわ。

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 で、そういう立場から現実の社会を見ると、理解力のない愚かな側に限って、公正とか正義とか差別反対とか人権とかを喚くのよ。

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 なぜなら理解力のない愚かな人間は、他人の立場や他人の正義を理解できないので、自分の立場と自分の正義が全てなのよ。

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 元々頭のキャパが小さいから、違った立場、違った正義と言う物を入れておく場所がないから仕方ないのよ。

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 だからそういう連中を相手にする場合は、こちらが相手を理解してやるように心掛けるしかないのよね。

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 おお、もうすぐこの車の下へも入れる季節がくるわ。

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 でも車の下で過ごす時間は猫にとっては大切な時間だと言う事を、同居人に理解させる方法はないわ。

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 だったら自分には理解できないのだと言う事を理解してくれたら良いけれど、アイツの知能ではそれも無理。

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 そもそもアイツは理性で行動しているわけじゃないのだから、論理的説得など不可能なのよ。
 だからそういう奴だと思って対応するしかないよね。

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 さあ、もう帰ろう。 もう少しゆっくりしたいけれど、これ以上遅くなると、またあいつが猫探知機片手にパニック状態で探しに来るわ。

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 そうなると近所迷惑この上ないものね。

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 おお、蓬屋の玄関にも春の光が!!
 お日様、有難う!!


 散々遊んでよもちゃんは帰ってきました。
 もう少し遅くなったら、探しに行こうと思っていたのですが、とにかく帰ってきたので安心です。


 よもさん、どこに行っていたの? 
 帰りが遅いから心配したわよ。

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 パトロールとお散歩よ。

 だから何処をパトロールとお散歩していたのよ?

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 ご近所よ。

 よもさん!! わたしがどんなに心配したかわかってるの?

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 わかってるわよ。 でも同居人の心配に付き合っていたら、ワタシは猫を止めて縫いぐるみにでもなるしかないのよ。
 猫には猫の立場があるのだから同居人の都合ばかり聞いていられないのよ。


 そうですね。
 そうやってよもちゃんはいつも、わたしには不可解な猫の時間を守るのです。
  1. 猫の生活
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2018-02-17 15:01

問題を解決しないと言う選択 外交雑感

 内藤陽介さんの「シリア現代史」は凄く面白いです。 ユダヤシリーズも面白かったけれど、いずれも内藤さんの脅威の博覧強記ぶりもさることながら、この人独特に鋭い情勢解説が秀逸です。



 今回もまた目から鱗です。

 イスラエルがゴラン高原を占領し続ける事に対して、シリアのアサド政権(現アサド大統領のパパ)は、イスラエルとのどんな交渉にも応じず、無条件で全部返せと言い続けました。

 しかしシリア軍は中東で最低の弱っちい軍隊で、イスラエル軍と戦う事なんかできないし、イスラエルがゴラン高原を返す気もさらさらないのです。

 それなのに何でこんな超強気な事を言うのか?

 それはつまりアサド政権にはこの問題は解決する意思がないから、、またアサド政権にとっては解決しないで放置するのが得策だから、実現不能な強硬論を言っていくのだと言うのです。

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 イスラエル軍と戦えない以上、解決するのは難しいというのは普通にわかるよ。
 でも、解決しないのが得策とはどういう意味?

 つまりゴラン高原の問題が解決しないと、シリア国内で何勝揉め事があった時に「ゴラン高原が占領されている状態なのに、シリア国内で揉めていていいのか?」と言う風に話を振り、揉め事を抑え込むのに使うのだと言うのです。

 どうせ軍事的にイスラエルには勝てないし、現実的に奪還は難しい。 
 だったらおもっきり強き=カッコイイ事を言って、国内対策に利用するのです。

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 内藤さんによれば、これは例えばインド・パキスタンのカシミール紛争も同様だと言うのです。

 インド・パキスタンならインド軍が圧倒的に強いのだから、さっさとカシミールを制圧してしまえば良いのに、そうはせず延々と揉め続けている。
 
 これはインド・パキスタン双方、敢えてこの問題を温存して、国内で揉め事があった時に、「カシミール問題があるのに、国内で揉めている場合か?」と言う風に利用する。

 これをインド・パキスタン阿吽の呼吸でやり続ける。

 問題が解決しなくても、紛争が悪化せずに、バランスが保たれたらそれで良い。

 だからこのような状況を維持するのだと言うのです。

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 なるほど外交の世界では、問題と言うのは、必ずしも解決しなければならいないわけではないのです。
 
 それどころか問題は問題として利用価値があるのです。

 そして実際歴史を学ぶと、一つの問題を解決した事が、次の問題を生み出す事は珍しくありません。 しかも最初の問題を解決した事で生まれた問題の方がさらに厄介だったと言う事が多数あります。

 また一つの戦争の終わりが、更なる戦争を招くことは普通にあります。

 だから戦争は早く終わらせるべきとはいっても、それが更なる厄介な戦争のネタになるなら、終わらせずにチンタラ続けると言うのも一つの方策なのです。

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 ワタシはこの数年古代ギリシャ史に嵌っているのですが、ペロポネソス戦争の発端など当にそれです。

 つまり古代ギリシャ諸都市は団結して、ペルシャ帝国の侵略を退けました。

 ペルシャ帝国は二度にギリシャ侵攻を企てたのですか、二度ともペルシャ側が甚大な被害を蒙って撤退しました。

 これでペルシャ帝国はもうギリシャ侵攻を諦めました。
 またペルシャ帝国の支配下にあったアナトリア半島の地中海岸のギリシャ諸都市も独立を回復します。

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 しかし後背地はまだペルシャ帝国領なのです。 そしてペルシャ戦役で敗戦を喫してもペルシャ帝国が、途方もない大帝国だと言う事実は変わりません。

 だからペルシャ戦役後も、ギリシャ諸都市はペルシャ帝国に対して強い警戒感を持っていました。

 その状態が30年程続いた後に、アテネがペルシャと恒久的な講和条約を締結したのです。

 すると間もなくギリシャ諸都市間の紛争が始まったのです。

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 ギリシャ諸都市同士は元来始終戦争をしていました。 戦争を止めるのはオリンピック期間ぐらいだっとのです。

 でもペルシャ帝国の侵略を受けて以降は、ギリシャ諸都市同志で戦争している場合じゃないと、ギリシャ人同志の戦争は自重していたのです。

 その間にギリシャ諸都市は大いに繁栄しました。 実際この時代こそギリシャ文化の黄金時代です。

 ところがペルシャ帝国と講和条約が締結されて、ペルシャ帝国の侵略の心配がなくなると、この自重がアッサリと吹き飛んでしまいました。

 そこで早速ギリシャ諸都市間の紛争が再開しました。

 そしてこれがエスカレートしていき、遂にペロポネソス戦争に突入するのです。

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 なんだかなあ・・・・、ワタシが中学・高校で習った「平和の尊さ」なんか糞喰らじゃないですか?

 しかし冷戦後にワラワラと起きた民族紛争を見たら、この焼き直しだってわかるでしょう?

 ワタシの青春時代は米ソ冷戦だったのですが、しかし当時は右も左も冷戦さへ終われば世界は平和になるように言っていたのです。

 だからおバカなワタシもそう思っていました。 
 しかし現実には平和になるどころではありませんでした。
 
 そしてソ連がヘタレたことで、中国と言う更なる厄介者がのさばっているのです。

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 しかし歴史を学べば、このように厄介な国と揉め続けた挙句、その厄介な国を始末したらそれが更に厄介な国をのさばらせたなんて例はいくらでもありますからね。

 だから今の厄介とその厄介の種を始末した後に湧いてくる予想される厄介を天秤にかけて、今の厄介をどうするか考えるしかないのです。

 だって世界って超自己中な人間が、大勢ギュウギュウ詰めになって押し競饅頭をしているみたいなモノだから、自分の廻りの奴を突き離しても、それでスッキリするわけじゃないのですよね。

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 だから今後日本がこの世界で生き延びる為には、この厄介な現実を知り、「問題を解決しない事」で問題を悪化させないなんてすごい裏ワザまで使う奴等が一杯いるんだって事を知るべきなのです。

 ため息が出るけれど、これが現実なんだから現実を認めそれと対峙するしかないのです。

 だからゲンナリするけれど、日本人は今後こうした知恵を学び、頑張っていくしかありません。

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 平和なんか絶対に来ない!!

 人類は愚劣な戦いを続ける。

 でもその中を生きていくしかない。

 そのことをシッカリと認識するべきなのです。
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