あらら、武者さんがネトウヨ誌willに出ている!!
今回の出演者武者陵司さんって株屋さんと言うか経済評論家と言うか、そういう方では結構有名な人で、数十年前から経済紙とか経済関係にテレビには結構出ていたのでワタシも知っています。
しかしそういう人ですから、これまで政治的やイデオロギーに関わる話は一切したことがないし、関心があるとも思えませんでした。
それなのに前々からチョイチョイ右翼雑誌willに出ているなんて驚きました。
時代が変わったのか?
それとも唯この人の発言がネトウヨの好みに合うようになったのか?
でもワタシもネトウヨで、それに僅少ながら株も持っているので、今回の話には色々思い当たる所があります。
日経平均が近々4万円を超えるとかではなく、バブル以降の日本の没落についての話です。
バブル以降、日本の経済はひたすらデフレ衰亡を続けたのですが、しかしこれは日本政府と日銀の間違った経済政策だけが原因ではありません。
勿論、間違った経済政策も大きな要因ですが、しかしそれだけではなくこの動画で武者氏が言うようにアメリカとの関係も悪化も大きな要因なのです。
別にこの時期、日本がアメリカに敵対するとか、そういう事は一切ありません。
バブル期もまたバブル以降のデフレ時代も、日本は安全保障は全面的にアメリカに頼っていたし、国民は完璧に平和ボケしていて迎撃能力とか集団的自衛権なんて言葉は完全にタブーでした。
日本国民にとってもアメリカは敵対する国と言う発想は皆無で、反米を喚く事を仕事にしている左翼だって、実はファッションや音楽その他の文化はアメリカべったりでした。
ところがアメリカはソ連崩壊後(1989年)からの敵を、それまでの共産主義から日本やドイツの経済発展に切り替えました。
前記のように日本もそしてドイツもアメリカに敵対する意思は全くなかったのですが、しかしクリントン政権(1993~2002年)は、日本経済を徹底的に攻撃しました。
そして日本に対抗する勢力として中国を優遇しました。
典型的なのが日米半導体交渉です。
これ「交渉」と言う名前なのですが、実は完全な日本の半導体産業潰です。
だってこのこれで決まったのは日本のノートパソコン等に100%の関税をかけるとか、日本側に20%の外国製半導体の輸入を強制するとか・・・・。
自由また韓国等、第三国への技術移転も強要されました。
主義国家間の貿易協定ではありえない条件を日本側に強制してきたのです。
半導体は「産業の米」と言われ、日本の半導体メーカーはこの時期まで世界でも最高レベルの競争力を誇り、ドラムなど多くの種類で世界シェアの半分以上を占めていました。
その「産業の米」で日本企業は絶大な競争力を持ち、世界シェアの大半を占めていたのです。
だからアメリカが危機感を持ったのでしょう。
しかしアメリカに日本政府も各半導体メーカーもアメリカに敵意を持っていたわけでもなく、純然たるの企業努力の結果、技術力を向上させて、それで競争力を高めシェアを伸ばしただけなのです。
それなのにシェアと競争力が伸びたから潰すってあんまりでしょう?
これで日本の半導体産業は殆ど壊滅しました。
しかし日本は軍事的にも経済の他分野でも、アメリカに対する依存が大きすぎて、このようなアメリカの横暴に逆らう事ができませんでした。
更にこれにこの時期から始まった円高が追い打ちを掛けました。
日本の民主党政権時代の円高も酷いけれど、バブル以降始まった円高だって酷いです。
それで日本のメーカーは「乾いたタオルを絞る」と言うコストカットを行い、それでも結局乾いたタオルを絞って出た利益ではやっていけない事がわかって工場を海外移転させたりしました。
日本の大手メーカーやその下請けはそれで何とか生き延びました。
しかしその分日本から雇用が失われました。 だから間もなく就職氷河期と言われるような悲惨な時代が訪れました。
大学や高校を出ても若者が定職に就けず、定職に就けないので、結婚もできない。
結婚ができないので、子供も産めない。
本来ならこの時期は第三次ベビーブームが起きるはずでした。
つまり第二次ベビーブームで生まれた子供達が結婚して、子供を産み始める時期だったのです。
しかし若者の就職難がこの第三次ベビーブームを消し去りました。 そしてこれが現在の少子化の原因になっています。
アメリカはこの時期、日本をこのように追い詰める一方で中国を異様に優遇します。
当時のアメリカの対中政策を描いた「China 2049」を読んだ時はホントに驚きました。
この時期は日本の随分と中国に入れ込んだのですが、しかしこれを読むと「アメリカよお前もか?」としか言えません。
アメリカは最初は米ソ冷戦時代に対ソ防衛の為に、軍事的に中国を支援しました。 中国の大陸間弾道弾の技術など実はアメリカが教えたのです。
そしてソ連が崩壊すると、今度は標的を日本とドイツに変えて日本経済を攻撃する為に中国を全面支援しました。
一方日本もまた円高や貿易摩擦から逃れる為に、中国への工場移転、そしてそれに伴う技術移転などを行いました。
お陰で日本経済が低迷を続ける間に中国は大躍進したのです。
ところが躍進した中国は経済のみならず、政治的にも、更に軍事的にも、周辺諸国にもアメリカにも敵対する意思を明確にしたのです。
ソ連崩壊後日本叩きをやっていた時代、アメリカとしてはとにかくナンバー2を潰して安心したかったのでしょう。
その為に日本を叩くだけでなく、中国を育て日本潰に利用したかったのでしょう?
ところが育った中国はトンデモナイ悪魔でした。
そこで今は必死になって、中国を潰し代わりに日本を育てようとしているのです。
なんだかなあ・・・・・。
これだと中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?
尤もその頃はインドなど他国も台頭しているだろうから、アメリカとどう対峙するかはその時に考えるしかありません。
日本としてはとりあえず現在の状況をチャンスとして国力の回復に努めるしかありません。
因みにアメリカがナンバー2潰に熱狂して大失敗したのは今回が初めてではありません。
第一回目は第二次大戦時です。
アメリカはドイツを警戒してドイツを潰そうとしました。 そして対独戦参戦の口実にするために、日本の参戦を誘いました。
これはこれで成功し、日本とドイツを無条件降伏に追い込んだのですが、しかしその間に膨大な対ソ支援を行い、更にドイツの占領地の殆んどをソ連に持っていかれました。
その為、第二次世界大戦を期にそれまで存在しなかった「共産圏」と言う物が生まれ、その後ソ連崩壊までアメリカは冷戦に苦しむ羽目になりました。
これだったらドイツとソ連を勝手に戦わせて、双方同時に破滅させた方が遥かによかったのでは?
しかしナンバーワンにとってはナンバー2は何としても厄介な存在なのでしょうね。
これはこれで戦争の要因になります。
だからこれはこれでツゥキディテスの罠と言うべきなのでしょう。