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2023-09-14 12:41

ツゥキディテスの罠 日・米・中・ソ

 今朝、寝ぼけ眼でiPadで動画を見ていたらこんなのがありました。

 

 あらら、武者さんがネトウヨ誌willに出ている!!
 今回の出演者武者陵司さんって株屋さんと言うか経済評論家と言うか、そういう方では結構有名な人で、数十年前から経済紙とか経済関係にテレビには結構出ていたのでワタシも知っています。
 しかしそういう人ですから、これまで政治的やイデオロギーに関わる話は一切したことがないし、関心があるとも思えませんでした。
 
 それなのに前々からチョイチョイ右翼雑誌willに出ているなんて驚きました。
 時代が変わったのか?
 それとも唯この人の発言がネトウヨの好みに合うようになったのか?
 
 でもワタシもネトウヨで、それに僅少ながら株も持っているので、今回の話には色々思い当たる所があります。
 日経平均が近々4万円を超えるとかではなく、バブル以降の日本の没落についての話です。

 バブル以降、日本の経済はひたすらデフレ衰亡を続けたのですが、しかしこれは日本政府と日銀の間違った経済政策だけが原因ではありません。
 勿論、間違った経済政策も大きな要因ですが、しかしそれだけではなくこの動画で武者氏が言うようにアメリカとの関係も悪化も大きな要因なのです。

 別にこの時期、日本がアメリカに敵対するとか、そういう事は一切ありません。 
 バブル期もまたバブル以降のデフレ時代も、日本は安全保障は全面的にアメリカに頼っていたし、国民は完璧に平和ボケしていて迎撃能力とか集団的自衛権なんて言葉は完全にタブーでした。
 日本国民にとってもアメリカは敵対する国と言う発想は皆無で、反米を喚く事を仕事にしている左翼だって、実はファッションや音楽その他の文化はアメリカべったりでした。

 ところがアメリカはソ連崩壊後(1989年)からの敵を、それまでの共産主義から日本やドイツの経済発展に切り替えました。
 前記のように日本もそしてドイツもアメリカに敵対する意思は全くなかったのですが、しかしクリントン政権(1993~2002年)は、日本経済を徹底的に攻撃しました。  
 そして日本に対抗する勢力として中国を優遇しました。

 典型的なのが日米半導体交渉です。
 これ「交渉」と言う名前なのですが、実は完全な日本の半導体産業潰です。
 だってこのこれで決まったのは日本のノートパソコン等に100%の関税をかけるとか、日本側に20%の外国製半導体の輸入を強制するとか・・・・。
 自由また韓国等、第三国への技術移転も強要されました。
 主義国家間の貿易協定ではありえない条件を日本側に強制してきたのです。

 半導体は「産業の米」と言われ、日本の半導体メーカーはこの時期まで世界でも最高レベルの競争力を誇り、ドラムなど多くの種類で世界シェアの半分以上を占めていました。
 その「産業の米」で日本企業は絶大な競争力を持ち、世界シェアの大半を占めていたのです。
 だからアメリカが危機感を持ったのでしょう。

 しかしアメリカに日本政府も各半導体メーカーもアメリカに敵意を持っていたわけでもなく、純然たるの企業努力の結果、技術力を向上させて、それで競争力を高めシェアを伸ばしただけなのです。
 それなのにシェアと競争力が伸びたから潰すってあんまりでしょう?
 これで日本の半導体産業は殆ど壊滅しました。

 しかし日本は軍事的にも経済の他分野でも、アメリカに対する依存が大きすぎて、このようなアメリカの横暴に逆らう事ができませんでした。
 更にこれにこの時期から始まった円高が追い打ちを掛けました。
 
 日本の民主党政権時代の円高も酷いけれど、バブル以降始まった円高だって酷いです。
 それで日本のメーカーは「乾いたタオルを絞る」と言うコストカットを行い、それでも結局乾いたタオルを絞って出た利益ではやっていけない事がわかって工場を海外移転させたりしました。
 日本の大手メーカーやその下請けはそれで何とか生き延びました。
 
 しかしその分日本から雇用が失われました。 だから間もなく就職氷河期と言われるような悲惨な時代が訪れました。
 大学や高校を出ても若者が定職に就けず、定職に就けないので、結婚もできない。
 結婚ができないので、子供も産めない。
 本来ならこの時期は第三次ベビーブームが起きるはずでした。
 つまり第二次ベビーブームで生まれた子供達が結婚して、子供を産み始める時期だったのです。
 しかし若者の就職難がこの第三次ベビーブームを消し去りました。 そしてこれが現在の少子化の原因になっています。

 アメリカはこの時期、日本をこのように追い詰める一方で中国を異様に優遇します。
 当時のアメリカの対中政策を描いた「China 2049」を読んだ時はホントに驚きました。
 この時期は日本の随分と中国に入れ込んだのですが、しかしこれを読むと「アメリカよお前もか?」としか言えません。

 アメリカは最初は米ソ冷戦時代に対ソ防衛の為に、軍事的に中国を支援しました。 中国の大陸間弾道弾の技術など実はアメリカが教えたのです。
 そしてソ連が崩壊すると、今度は標的を日本とドイツに変えて日本経済を攻撃する為に中国を全面支援しました。  
 一方日本もまた円高や貿易摩擦から逃れる為に、中国への工場移転、そしてそれに伴う技術移転などを行いました。

 お陰で日本経済が低迷を続ける間に中国は大躍進したのです。
 ところが躍進した中国は経済のみならず、政治的にも、更に軍事的にも、周辺諸国にもアメリカにも敵対する意思を明確にしたのです。

 ソ連崩壊後日本叩きをやっていた時代、アメリカとしてはとにかくナンバー2を潰して安心したかったのでしょう。
 その為に日本を叩くだけでなく、中国を育て日本潰に利用したかったのでしょう?
 ところが育った中国はトンデモナイ悪魔でした。
 そこで今は必死になって、中国を潰し代わりに日本を育てようとしているのです。

 なんだかなあ・・・・・。
 これだと中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?
 尤もその頃はインドなど他国も台頭しているだろうから、アメリカとどう対峙するかはその時に考えるしかありません。
 日本としてはとりあえず現在の状況をチャンスとして国力の回復に努めるしかありません。

 因みにアメリカがナンバー2潰に熱狂して大失敗したのは今回が初めてではありません。
 第一回目は第二次大戦時です。
 アメリカはドイツを警戒してドイツを潰そうとしました。 そして対独戦参戦の口実にするために、日本の参戦を誘いました。
 これはこれで成功し、日本とドイツを無条件降伏に追い込んだのですが、しかしその間に膨大な対ソ支援を行い、更にドイツの占領地の殆んどをソ連に持っていかれました。
 
 その為、第二次世界大戦を期にそれまで存在しなかった「共産圏」と言う物が生まれ、その後ソ連崩壊までアメリカは冷戦に苦しむ羽目になりました。
 これだったらドイツとソ連を勝手に戦わせて、双方同時に破滅させた方が遥かによかったのでは?

 しかしナンバーワンにとってはナンバー2は何としても厄介な存在なのでしょうね。
 これはこれで戦争の要因になります。
 だからこれはこれでツゥキディテスの罠と言うべきなのでしょう。 

  1. 戦後民主主義
  2. TB(0)
  3. CM(10)

コメント

アメリカは、というか米民主党は、というべきか・・・。
米民主党は日本を戦争に追い込んで原爆まで落としたので、ずっと報復を恐れていて、日本が力を付けることを嫌がる傾向にあるんですよね。
逆に共和党はそういう恐怖心を民主党ほどには持っていないようで、日本との関係も円満にいきやすい傾向がある気がします。
後ろ暗いことをすると、自分も同じようにして報復されるのではないかと疑心暗鬼に駆られて、間違った事ばかりするようになってしまう、というのは、個人でも集団でも同じなのかもしれません。
  1. 2023-09-15 04:39
  2. URL
  3. まめごろう #HuBhO90w
  4. 編集

>アメリカがナンバー2潰しに熱狂し


だいぶ昔に読んだものですが、ナンバー1と2の関係について、とある動物学者(京大卒・女性)が、その著書で狼の群れを例に出して解説していたのを読んだ記憶があります。

狼のナンバー1の個体は自分の地位を狙うナンバー2と闘い、殺せる状態になっても、そこでトドメは刺さずに攻撃を止めて、あえて生かしておくのだそうです。

それは「種の保存」なんていう麗しい理由なんかではなくて、あえて強力なライバルを生かしておくことが自己の利益になるからだと。
何故ならそのナンバー2を屠ふっても、群れなのだから同じような挑戦者は次々と出てくるので、ナンバー1は休む暇もなく、闘い続けて、生物としての究極の目的たる繁殖に支障をきたしてしまう。

それなら自分にはおよばないが、その次に強い個体を支配して、そいつに元気のある多数の個体と争わせる。
ナンバー2は、ナンバー1にはかなわないことは理解したので、せめてナンバー2の地位だけでも維持しようと、必死になって下克上を狙うその下の個体と闘い、結果的にナンバー1を守ることになり、ナンバー1は安心して雌狼と「繁殖」に励むことができる。
決して「種の保存」なんていう夢物語ではない、完全に自己の利益の為にナンバー2を殺さないのである。

ということだそうです。
ナンバー2というワードから思い出したので、書かせていただきました。
  1. 2023-09-15 07:07
  2. URL
  3. 温泉猫 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> アメリカは、というか米民主党は、というべきか・・・。
> 米民主党は日本を戦争に追い込んで原爆まで落としたので、ずっと報復を恐れていて、日本が力を付けることを嫌がる傾向にあるんですよね。
> 逆に共和党はそういう恐怖心を民主党ほどには持っていないようで、日本との関係も円満にいきやすい傾向がある気がします。
> 後ろ暗いことをすると、自分も同じようにして報復されるのではないかと疑心暗鬼に駆られて、間違った事ばかりするようになってしまう、というのは、個人でも集団でも同じなのかもしれません。

 民主党は南北戦争で奴隷制度を守ろうと戦った政党なんですね。
 KKKは民主党のコアな支持団体でした。
 KKKと民主党って、創価学会と公明党みたいなものでした。

 それが今は人種差別で共和党非難ですからね。
 だから論理的な復讐心なんて余り信じられないんですけどね。
  1. 2023-09-15 09:56
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> >アメリカがナンバー2潰しに熱狂し
>
>
> だいぶ昔に読んだものですが、ナンバー1と2の関係について、とある動物学者(京大卒・女性)が、その著書で狼の群れを例に出して解説していたのを読んだ記憶があります。
>
> 狼のナンバー1の個体は自分の地位を狙うナンバー2と闘い、殺せる状態になっても、そこでトドメは刺さずに攻撃を止めて、あえて生かしておくのだそうです。
>
> それは「種の保存」なんていう麗しい理由なんかではなくて、あえて強力なライバルを生かしておくことが自己の利益になるからだと。
> 何故ならそのナンバー2を屠ふっても、群れなのだから同じような挑戦者は次々と出てくるので、ナンバー1は休む暇もなく、闘い続けて、生物としての究極の目的たる繁殖に支障をきたしてしまう。
>
> それなら自分にはおよばないが、その次に強い個体を支配して、そいつに元気のある多数の個体と争わせる。
> ナンバー2は、ナンバー1にはかなわないことは理解したので、せめてナンバー2の地位だけでも維持しようと、必死になって下克上を狙うその下の個体と闘い、結果的にナンバー1を守ることになり、ナンバー1は安心して雌狼と「繁殖」に励むことができる。
> 決して「種の保存」なんていう夢物語ではない、完全に自己の利益の為にナンバー2を殺さないのである。
>
> ということだそうです。
> ナンバー2というワードから思い出したので、書かせていただきました。

 オオカミの方がアメリカより賢いですね。
 アメリカは戦後常にナンバー2を潰すんですが、ナンバー2を潰すだけでなく、ナンバー3をやたらに育ててしまうんですよね。
 ソ連とか中国とか絶対に育ててはイケナイ奴を育てしまいました。
 あれホントに単純にナンバー2潰だったのでしょうか?
  1. 2023-09-15 10:02
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  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

>しかし日本は軍事的にも経済の他分野でも、アメリカに対する依存が大きすぎて、このようなアメリカの横暴に逆らう事ができませんでした。

 うーん、でも、戦前の大日本帝国の末路や現代の中国の苦境をみるとたとえ、日本が軍事的、政治的に「独立」していたにしても結果はあんまり変わらなかったような気もします。
それどころかあの時に変にアメリカに対抗意識燃やして逆らったら現在の日本はより困難な状況に陥っていた可能性も高かったのでは?現在の中国をみるとそう思います。

別に米国の横暴がなくても、急速な高齢少子化、変わるようでなかなか変わらない日本企業の経営、雇用スタイルなどを考えると、日本経済の停滞はいずれやってきていたような気もします。

それに米軍基地などなく世界有数の軍事大国だった戦前日本は果たして米国から「独立」してた?というか、その影響を全く考慮することなく好き勝手できる「実力」なんてあったんでしょうか?

大正・昭和初期のいわゆる「戦前期」の日本社会の実像についての本をよく読むのですが、現在以上にアメリカの影響が強いんですよね。米国発祥のスポーツ「野球」は戦前期から国民的スポーツでプロ野球、高校野球、早慶戦はアメリカ占領期以前からありましたし、外来語の多くはアメリカ英語、トヨタなど国産メーカー台頭以前に日本で最も多く走っていた自動車はT型フォード(日本法人もありました)、アメリカ移民も多かった・・。

だからこそ、「排日移民法」に対して人々は反米感情を抱いたし、昭和初期に入って日米関係が悪化して「対日制裁」が次から次に繰り出されるとてきめんに堪えて、ついには日米開戦を決意するに至ったわけで・・。

ちなみにバブル期の日米摩擦の結果、日本は半導体産業を滅茶苦茶にされましたが、戦前の日米対立と対米敗戦で失ったのは航空機産業ですかね。プロペラ機からジェット機の移行期に航空機産業を禁止されたのは痛かった・・・。

>これだと中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?

これ、私も気になるところです。おっしゃる通り、「その時」が
こないと何がどうなるかわかりませんし、浅学非才な自分には対策なんて何も思い浮かびませんが、歴史上の話で参考になるのは豊臣政権時代の徳川家康の言動ですかね・・・。

徳川家康は秀吉の臣下では群を抜く有能な家臣で、当然秀吉も警戒しまくりますが、家康は細心の注意で生きている間はその野心は全くみせず、秀吉に対して「スキ」を作りませんでした。

いや、これって現代の中国にこそ参考になる話だと思うんですが・・。




  1. 2023-09-17 12:07
  2. URL
  3. prijon #-
  4. 編集

半導体については別の視点もあります

ナンバー1がナンバー2を恐れるのはいつの時代でも同じで、これはナンバー2と3が組んでナンバー1を上回ることを恐れると説明されることが多いかと思います。
我が国がナンバー1になる覚悟が無いならばナンバー1と協力するナンバー3の位置を取るか、ナンバー4辺りを堅持する戦略が必要なのではないかと思います。
(アメリカの様な凶暴な国家と再び戦争するなど、まっぴら御免と考えています)

半導体に関する下りについては、私も以前は同じような認識を持っていましたが、クリス・ミラー 著の『半導体戦争』を読んでから考えを改めました。
アメリカ視点で描かれた半導体史という趣の書籍ですが、それ故にアメリカ視点では当時の状況がどの様に見えていたのかが分かります。我が国は円安と品質で世界のDRAM市場を席巻してアメリカのDRAM産業を壊滅させた結果、アメリカ軍が使うDRAMさえも日本に頼る状況となってしまい、安全保障の面から日本一強状態を打破する必要性に迫られたとの経緯が語られています。
その際にアメリカが取った戦略は、台湾と韓国にDRAM製造技術を移転して為替と品質において日本に対抗させるというものでした。我が国の企業はこの様な戦略に対してロジックチップの開発などの別の道を模索して対抗すべきであったところが、DRAMの生産と品質にこだわり続け、結果としてアメリカのDRAM企業が壊滅した経緯と同じ道を歩んだことが述べられています。

今回のアメリカ・チャイナの新冷戦において、アメリカは産業や軍事のコア部分を握られることなく追い詰めているので、その点では学習した上で策を進めている様に見受けられます。

重箱の隅を突くような指摘なのですが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)は「ドラム」ではなくて「ディーラム」を読みます。
メモリの種類にはSRAM(Static Random Access Memory)というものもあり、こちらは「エスラム」と読みますので、RAMの前はアルファベットをそのまま読む形になります。
  1. 2023-09-18 21:25
  2. URL
  3. t_take #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> >しかし日本は軍事的にも経済の他分野でも、アメリカに対する依存が大きすぎて、このようなアメリカの横暴に逆らう事ができませんでした。
>
>  うーん、でも、戦前の大日本帝国の末路や現代の中国の苦境をみるとたとえ、日本が軍事的、政治的に「独立」していたにしても結果はあんまり変わらなかったような気もします。
> それどころかあの時に変にアメリカに対抗意識燃やして逆らったら現在の日本はより困難な状況に陥っていた可能性も高かったのでは?現在の中国をみるとそう思います。


 ええ、この時にアメリカと喧嘩しなかったのは賢明だと思います。
 そもそも半導体の輸出先だってアメリカとその同盟国がほとんどですからね。 喧嘩をしたら中国みたいに締め出されるのです。
 だから日本は涙を呑んで国内半導体メーカーを犠牲にしたのです。

>
> 別に米国の横暴がなくても、急速な高齢少子化、変わるようでなかなか変わらない日本企業の経営、雇用スタイルなどを考えると、日本経済の停滞はいずれやってきていたような気もします。

 日本経済の停滞の原因はアメリカだけではありません。 
 バブル以降の日本側の執拗な緊縮政策など、自身で首を絞めた面も非常に強いです。
 日本側が緊縮財政高金利をつけているのだから、異常円高になって国際競争力が弱るのは自明なのに。

>
> それに米軍基地などなく世界有数の軍事大国だった戦前日本は果たして米国から「独立」してた?というか、その影響を全く考慮することなく好き勝手できる「実力」なんてあったんでしょうか?

 勿論、不可能です。
 イギリスやフランスを見ればわかりますが、第二次大戦の戦勝国で、国連常任理事国で、核保有国でも、自由主義経済圏・民主主義国家であれば、アメリカとの同盟は欠かせないし、その場合力関係から言ってアメリカがボスになるんです。
 だからいかにうまくアメリカとやっていくかを考えるしかないのです。
 
>
> 大正・昭和初期のいわゆる「戦前期」の日本社会の実像についての本をよく読むのですが、現在以上にアメリカの影響が強いんですよね。米国発祥のスポーツ「野球」は戦前期から国民的スポーツでプロ野球、高校野球、早慶戦はアメリカ占領期以前からありましたし、外来語の多くはアメリカ英語、トヨタなど国産メーカー台頭以前に日本で最も多く走っていた自動車はT型フォード(日本法人もありました)、アメリカ移民も多かった・・。
>
> だからこそ、「排日移民法」に対して人々は反米感情を抱いたし、昭和初期に入って日米関係が悪化して「対日制裁」が次から次に繰り出されるとてきめんに堪えて、ついには日米開戦を決意するに至ったわけで・・。
>
> ちなみにバブル期の日米摩擦の結果、日本は半導体産業を滅茶苦茶にされましたが、戦前の日米対立と対米敗戦で失ったのは航空機産業ですかね。プロペラ機からジェット機の移行期に航空機産業を禁止されたのは痛かった・・・。
>
> >これだと中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?
>
> これ、私も気になるところです。おっしゃる通り、「その時」が
> こないと何がどうなるかわかりませんし、浅学非才な自分には対策なんて何も思い浮かびませんが、歴史上の話で参考になるのは豊臣政権時代の徳川家康の言動ですかね・・・。
>
> 徳川家康は秀吉の臣下では群を抜く有能な家臣で、当然秀吉も警戒しまくりますが、家康は細心の注意で生きている間はその野心は全くみせず、秀吉に対して「スキ」を作りませんでした。
>
> いや、これって現代の中国にこそ参考になる話だと思うんですが・・。

 良くも悪くも現実の世界ではアメリカは今もまだ「世界の半分」なのです。
 しかも豊かで自由な方の半分ですから、日本も豊で自由な国でいたければ、アメリカのいる側に半分に入り続けるしかありません。

 家康の話が出ましたが、家康は信長と同盟していた時に、長男殺害まで命じられています。 それでも家康はそれを呑んで信長との同盟を維持しました。 
 国家にとって有益な同盟はそのようにしてでも維持するしかありません。

 中国が倒れた後、アメリカが日本をどうするかはわかりませんが、しかし日本としては当面アメリカを切る選択肢はないわけで、いかにアメリカに対応するかを考え続けるしかありません。
  1. 2023-09-21 12:42
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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Re: 半導体については別の視点もあります

> ナンバー1がナンバー2を恐れるのはいつの時代でも同じで、これはナンバー2と3が組んでナンバー1を上回ることを恐れると説明されることが多いかと思います。
> 我が国がナンバー1になる覚悟が無いならばナンバー1と協力するナンバー3の位置を取るか、ナンバー4辺りを堅持する戦略が必要なのではないかと思います。
> (アメリカの様な凶暴な国家と再び戦争するなど、まっぴら御免と考えています)

 ワタシもアメリカと戦うとか、反米陣営に回るなんて選択肢はないと思っています。
 だから今後いかにアメリカとうまくやっていくかを考えるしかありません。
 
 唯アメリカも過去、ナンバー2を潰す為に、ナンバー3を育てたらそれがトンデモな悪魔だったと言う事を20世紀に間に二回やっているんです。
 だからアメリカ側も少し賢くなって、善良なナンバー2は大切なパートナーとして尊重する事を学んでくれる事を期待しています。
>
> 半導体に関する下りについては、私も以前は同じような認識を持っていましたが、クリス・ミラー 著の『半導体戦争』を読んでから考えを改めました。
> アメリカ視点で描かれた半導体史という趣の書籍ですが、それ故にアメリカ視点では当時の状況がどの様に見えていたのかが分かります。我が国は円安と品質で世界のDRAM市場を席巻してアメリカのDRAM産業を壊滅させた結果、アメリカ軍が使うDRAMさえも日本に頼る状況となってしまい、安全保障の面から日本一強状態を打破する必要性に迫られたとの経緯が語られています。
> その際にアメリカが取った戦略は、台湾と韓国にDRAM製造技術を移転して為替と品質において日本に対抗させるというものでした。我が国の企業はこの様な戦略に対してロジックチップの開発などの別の道を模索して対抗すべきであったところが、DRAMの生産と品質にこだわり続け、結果としてアメリカのDRAM企業が壊滅した経緯と同じ道を歩んだことが述べられています。
>
> 今回のアメリカ・チャイナの新冷戦において、アメリカは産業や軍事のコア部分を握られることなく追い詰めているので、その点では学習した上で策を進めている様に見受けられます。
>
> 重箱の隅を突くような指摘なのですが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)は「ドラム」ではなくて「ディーラム」を読みます。
> メモリの種類にはSRAM(Static Random Access Memory)というものもあり、こちらは「エスラム」と読みますので、RAMの前はアルファベットをそのまま読む形になります。

 ワタシもこの時期の日本政府側の対抗策もまたメーカー各社の対抗策も今一わかりません。 例えば現在トヨタ等がやっているようにアメリカに半導体工場を作り、アメリカ側との関係を改善するなどの方法もあったのでは?と思ってしまいます。

 相手がこっちを潰そうとしているのに、何の対策もできず結局ボコボコにやられてしまったのは、余りに情けないです。
 これは今後の為に十分考えておくべきです。
  1. 2023-09-21 12:50
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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現代は 「産業革命」 に匹敵する 「情報革命」 が起きている時代

>中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?
>尤もその頃はインドなど他国も台頭しているだろうから、

衛星放送もインターネットも無かった1980年代までと、それらが普及した1990年代より後では、世界は (特に民主主義体制の先進国は) 大きく変わったと思います。自分達と異質な文化に出会ったとき、理解しようといろいろ調べる人が増えて、なんだかわからないまま 「エキゾチック」 と美化する人は、ほとんどいなくなりました。

アメリカでも、1980年代までの 「日本通」 「中国通」 「アジア通」 と呼ばれていた知識人よりも、現在の一般人のほうが、遥かに日本や中国、アジアのことをよくわかっていると思います。そして民主主義体制の先進国では、一時的に政策がおかしくなることがあっても、破滅的なことになる前に軌道修正されると信じます。

ここからは余談ですが・・・
1980年代、私は 「全米ヒットチャート」 を毎週チェックするくらい洋楽にハマっていました。当時、アメリカ進出に成功したオーストラリアのバンドが2つありました。「Men At Work」 と 「INXS」 です。

Men At Work - Down Under (Official HD Video) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XfR9iY5y94s

↑これ、歌詞も映像も、当時のアメリカ人がオーストラリアに対して持っていた 「世界の端っこ」 「泥臭い」 というイメージを逆手に取った自虐ネタなんです。(再生回数が3.6億回!)

メンアットワークのヒット曲『ダウンアンダー (Down Under)』の日本語歌詞と本当の意味│Down Under オーストラリア
https://downunderaustralia.net/downunder/

↓こっちは 「オーストラリア英語では『アイ』と発音されることの多い『エイ』という発音」 がある単語を敢えて多用した歌詞を、英米式の 「エイ」 という発音で歌っています。このバンドは 「オシャレでカッコイイ路線」 で売っていました。

INXS - Mediate (Official Music Video) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Pr-Vfnd7Yno

同じ英語圏で、白人主体の移民国家であるアメリカとオーストラリアでも、ネットも衛星放送も無かった時代には、無知に基づく偏見がいっぱいあったということです。「クロコダイル・ダンディー」 なんていうコメディー映画もありましたよね。あの内容も、今じゃポリコレ棒で叩かれそうですが。
  1. 2023-09-21 21:11
  2. URL
  3. かんぱち #vF6NeGQU
  4. 編集

Re: 現代は 「産業革命」 に匹敵する 「情報革命」 が起きている時代

> >中国が潰れて日本がナンバー2に返り咲いたらまた日本を潰そうとするのでしょうか?
> >尤もその頃はインドなど他国も台頭しているだろうから、
>
> 衛星放送もインターネットも無かった1980年代までと、それらが普及した1990年代より後では、世界は (特に民主主義体制の先進国は) 大きく変わったと思います。自分達と異質な文化に出会ったとき、理解しようといろいろ調べる人が増えて、なんだかわからないまま 「エキゾチック」 と美化する人は、ほとんどいなくなりました。
>
> アメリカでも、1980年代までの 「日本通」 「中国通」 「アジア通」 と呼ばれていた知識人よりも、現在の一般人のほうが、遥かに日本や中国、アジアのことをよくわかっていると思います。そして民主主義体制の先進国では、一時的に政策がおかしくなることがあっても、破滅的なことになる前に軌道修正されると信じます。
>
> ここからは余談ですが・・・
> 1980年代、私は 「全米ヒットチャート」 を毎週チェックするくらい洋楽にハマっていました。当時、アメリカ進出に成功したオーストラリアのバンドが2つありました。「Men At Work」 と 「INXS」 です。
>
> Men At Work - Down Under (Official HD Video) - YouTube
> https://www.youtube.com/watch?v=XfR9iY5y94s
>
> ↑これ、歌詞も映像も、当時のアメリカ人がオーストラリアに対して持っていた 「世界の端っこ」 「泥臭い」 というイメージを逆手に取った自虐ネタなんです。(再生回数が3.6億回!)
>
> メンアットワークのヒット曲『ダウンアンダー (Down Under)』の日本語歌詞と本当の意味│Down Under オーストラリア
> https://downunderaustralia.net/downunder/
>
> ↓こっちは 「オーストラリア英語では『アイ』と発音されることの多い『エイ』という発音」 がある単語を敢えて多用した歌詞を、英米式の 「エイ」 という発音で歌っています。このバンドは 「オシャレでカッコイイ路線」 で売っていました。
>
> INXS - Mediate (Official Music Video) - YouTube
> https://www.youtube.com/watch?v=Pr-Vfnd7Yno
>
> 同じ英語圏で、白人主体の移民国家であるアメリカとオーストラリアでも、ネットも衛星放送も無かった時代には、無知に基づく偏見がいっぱいあったということです。「クロコダイル・ダンディー」 なんていうコメディー映画もありましたよね。あの内容も、今じゃポリコレ棒で叩かれそうですが。

 そういえばクリントン政権は人種差別も結構露骨でしたね。
 民主党政権は反人種差別を掲げて黒人票を集めている政党ですが、しかし民主党って南北戦争時に南部同盟側で奴隷制度を守る為に戦った政党です。
 KKKは民主党のコア団体と言うか、創価学会と公明党みたいな関係ですしね。
 
 だからフライブライト留学で有名なフルブライト始め、民主党の大物議員は皆KKKの支持を得ていました。 バイデンの青年時代はまだKKKと民主党はまだ親密でした。

 こう言った感覚があって、日本がナンバー2からナンバー1に上がるかも?と思えば嫌悪と恐怖は大変なモノでしょう。

 しかしそれで日本を叩く為に中国を利用したら、マジに「有色人種嫌い」では済まない事態になっているのですから、少しはアメリカ側も今後の事を考えている事を期待しています。

 でも日本の反米派も、アメリカに反発するだけで、ホントに喧嘩になったらどうするの?と言えば全然マトモな考えはないのですから賢い人達とも言えないのです。

 だから日本側も冷静にアメリカと対応するしかないです。
  1. 2023-09-22 12:18
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

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