老眼が進んで今使っている老眼鏡では、ダメになったのです。
去年の秋、洋裁に嵌ってシャツを5着も縫い上げた頃は、目玉の調子が凄く良くて、針に糸を通すのも簡単でした。
しかしそうやって二カ月弱、喜んでいたらさすがに少し、疲れてきました。
それでも暫く休めば、元気になると思っていました。
雪が溶けて自転車を乗り回す事ができるようになってから、久しぶりに琴似まで行って、本を一冊買いました。
塩野七生の「誰が国家を殺すのか」です。
これは塩野七生がこれまで雑誌類に投稿していた短いエッセイをまとめた物で、字も結構大きく読みやすそうでした。
それで読み始めたのですが、どうも読みづらいのです。
エッセイを一つか二つ読むと、辛くなってギブアップします。
内容は興味深いのですが、しかし集中力が続きません。
それでも毎日エッセイを一つ、二つと読み続けたのですが、しかし半分程読んだ所で放り出してしまいました。
でもパソコンやiPadは普通に使えたので、読書は諦めて、そちらを楽しんでいました。
しかし2~3日前に久しぶりにまた「誰が国家を殺すのか」と続きを読もうとしたら、まるでページに霧がかかったようで、全く読めません。
スーパーマリオ事、マリオ・ドラギがイタリア首相になってから顛末についても、タイトルから数行読んでギブアップです。
結局、あれから目は良くなるどころかドンドン悪くなって、ホントに本が読めなくなっていたのです。
目が悪くなる時ってそうです。
これまで楽しんでできた事が、段々楽しめなくなる、辛くなる、目を使った後、アタマがクラクラして辛くなる。
こんなことが続いて、漸く何かのきっかけで目が悪くなったことを自覚するのです。
ともあれ老眼鏡を作ればまた読書や洋裁ができるなら、安い物です。
と言う訳で昨日は近所の眼鏡屋に行きました。
この眼鏡屋は結構高いのです。
でもワタシは一種この眼鏡屋に恩義があります。
実はワタシの目は生まれつき悪かったのです。 元々両眼共に視力は1.0ぐらいあたので、学校の眼科検診で問題になった事もないし、眼鏡も必要ありませんでした。
けれどもワタシの左目は外斜視と乱視があって、右目と焦点を合わせて物を見るのにいつも凄く無理をしているようでした。
それで非常に疲れたり、アタマがクラクラしたりする事がありました。
ワタシはでもそれを自分に「やる気がないから」と思っていたし、周りからもそう思われていました。
左目がオカシイので、高校を卒業するころから、ワタシは読書をするときに、左目を左手で覆うと言う癖がつきました。 手で覆えない時は左目を瞑るのです。
しかしワタシはこんな癖がついた事には、全然気づいていませんでした。
全く無意識のうちにやっていたのです。
気づいたのは母でした。 大学の休みで帰省して家の居間で本を読んでいた時、母が「アンタいつも本を読むとき、左目を塞いでいる。」と言ったのです。
ワタシはそれで初めてこんな癖がついていた事に気づきました。
それでもその頃は読書大好きで、毎日必ず数時間は読書をしていました。
こんな変な癖がついたからには、ヤッパリ目に何か問題があるのだと思い眼科に行きました。
それで左目の乱視はわかったのですが、それで眼鏡等は処方して貰えず、結局何もできませんでした。
しかし30歳になる頃から今度が左目に激痛が出るようになりました。
文字通り七転八倒するほどの痛みです。
それでも頑張って働いていると疲労困憊してしまいます。
痛みを感じないのは寝ている間だけです。
それでも寝ていれば痛まないのは救いでした。
その後、難病が見つかった事もあてって結局仕事も止めました。
毎日家でゴロゴロするようになってから、難病の方は寛解状態になりました。 目玉の方はそのままです。
痛みは収まったりにぶり返したりしました。
それでも読書とか編み物をしていました。
老眼鏡を作ったのは、10年余り前です。
パソコン画面が見づらくなったので、近所の眼鏡屋で老眼鏡を作りました。 作る前に一応札幌医大に行って、視力検査等を受けて処方箋を貰っていました。
眼鏡屋でその処方箋を見せると、店の人が「これじゃ大変だったでしょう?」と言ってくれました。
ワタシはその一言に凄く救われた気がしました。
ワタシは目玉の痛みで、集中力の低下で、読書や勉強ができなくなって色々な事を諦めました。 でもそれをずうっと自分の努力不足、意思の弱さとして自分を責めてきました。
でもホントに大変だったのです。
そしてこの時作った眼鏡で、実際に随分と楽になりました。
この時作った眼鏡は老眼鏡だったのに、眼鏡をしている方が楽なので、一日中つけていました。
暫くして自分でもそれに気づいて、老眼鏡だけでなく普段つける眼鏡も作る事にしました。
それでまたその眼鏡屋に行って、近眼用の眼鏡も作ってもらいました。
それでまた一段と楽になり、眼痛も大分減りました。
そんなわけでワタシはこの眼鏡屋にはなんか凄い恩義を感じているのです。
新しい眼鏡は来週の土用にできるようです。