ワタシの母は嫁入り前にちゃんと装苑の洋裁教室に通っていたので、洋裁は一通りできました。 それで自分の物やワタシや妹の衣類は大方自分で作っていました。
我が家では毎年夏に一泊旅行をしていたのですが、その時にワタシと妹に必ず新しいワンピースを作ってくれました。
それが凄く嬉しかったのを覚えています。
そんなわけでワタシも母から少し洋裁を習いました。
尤もワタシはきちんと洋裁教室に通ったわけではないので、作れるのはシャツやパジャマぐらいです。
それで昨年、久しぶりにシャツを作ったのです。 この顛末はブログでも少し書きました。 でも下手な洋裁なので、態々写真をアップする気もなかったのです。
ところが新年早々「写真が見たい」と言うコメントを頂いたので、アップします。
ワタシは煽てられると直ぐに木に登るのです。
昨年一作目は上の写真のシャツです。
生地は綿ローン、もう40年前後前にバーゲンで買ったのですが、それでも結構良い値段でした。
でも写真でもわかる通り凄く癖のある柄で、しかもボーダー(生地の片側だけ濃紺無地になったいる)柄なので、服にする場合デザインが凄く難しいので、長い間箪笥の肥やしになっていました。
でも何とかポーダー部分を上手く生かせるデザインになったので、自分では非常に気に入っています。
尤も出来上がった頃には既に肌寒くなっていたので、これを着て外出することはできませんでした。 夏を待ちます。
で、一作目が気に入ったし、楽しかったので、二作目を作る事にしました。
それが上の写真です。
生地は数年前にフリーマーケットで買いました。 フリーマーケットですから3.8m400円と格安でした。 しかしこれイギリス製の凄く良い生地でした。
それで大分前にも半袖シャツを一着つくったのですが、今回デザインを少し変えてもう一着作る事にしたのです。 3.8mですから、半袖シャツなら余裕で二着作れるのです。
これも我ながら上出来だと思っています。
因みにこの二着は、元々昔買った本についていた型紙を少し変形して作りました。
裾以外は同じ型紙です。
二作連続で上手く行ったので、完全にノリノリになって、三作目を作りました。
それが上の写真です。
型紙は前二作と同じですが、襟元を少し広くしました。
但し三作目の元は古い長襦袢です。 出所不明で家にあった長襦袢ですが戦前の物だと思います。 生地は羽二重です。
柄が非常にキッチュと言うか、思い切り派手で華やかです。
長襦袢は下着ですから、人前で見せる事はありません。 だから男物でも非常に派手な柄や奇抜な柄の物があります。
これは恐らく若い女性用ですから、普通に派手な柄なのです。
羽二重ですから着心地は凄く良いです。
すべすべする肌触りが最高です。
但し絹物なので洗濯には気を使います。
でもこういう素材を使って作る事こそ、自分で作る事の喜びです。
だってこんなの絶対に買えませんから。
そんなわけで、もうすっかり洋裁に嵌りました。
そしてワタシは洋裁に嵌っている間にも、秋は深まり、寒さが募りました。
実はワタシもこんなに洋裁に嵌って、何着も作り続けた事はないので、自分でも少し驚いていました。
しかし気が付くとなぜかミシン針に糸がスッと通ります。
そういえば目玉の調子が馬鹿に良いのです。
少し前までミシンの針に糸を通すのに大苦心していたのに。
これは天国のよもさんの助けでしょうか?
ともあれこれで益々ノリノリになってきたので、今度は母の浴衣をシャツにしました。
それが上の写真です。
浴衣で作ったシャツは涼しくて、夏には最高です。
母の浴衣はワタシが子供だった頃に母が着ていた物で、ワタシは子供心にこの柄が凄く好きでした。 でも母は浴衣を着る事は殆どなく、浴衣はずうっと箪笥にしまい込んだままでした。
ワタシが着られた良かったのですが、ワタシは母より身長が10㎝以上高く、裄も長いので母の着物は全く着られませんでした。
だからこの浴衣も裄も丈も足りず、シャツにリフォームしようと思い続けていたのですが、でも解体するのが嫌で、長い長い間そのままになっていました。
でも解体してしまうと縫製は凄く楽です。
浴衣地って凄く縫いやすいのです。
但し柄が非常に大きいので、ポケットや襟をつける時にヘンな柄がヘンな配置にならないように気を使いました。
でも大体上手く行ったんじゃないかと思います。
因みにボタンは全部、家にあった物を使いました。
これだけ色々違ったシャツを作ったのに、それぞれにピッタリと似合うボタンがあったと言うのは凄いです。
これは母の代からのボタンコレクションのお陰です。
そしてワタシにも母から受け継いだロッドユールの血が流れているのです。
こうやって毎日ルンルンノリノリで洋裁を楽しんでいたのですが、その間にも季節は更に進み、すっかり晩秋になりました。
母の浴衣をシャツにリフォームしたのは11月半ばになっていました。
そのころは、毎日冷たい雨が降り続いていました。
でもワタシはまだルンルンで今度は、ワタシの浴衣を解体してシャツにするつもりでした。
しかしさすがに神様もよもさまも「そこまで調子に乗られても面倒見切れない」と思ったのでしょうか?
その後体調が悪くなり、目玉も痛み出し、ワタシの浴衣解体も中止したままです。
尤も作ったところで着られるのは夏なのだから、焦っても仕方ないです。
とりあえず浴衣の解体は無期延期して、またネットに嵌ってダラダラと過ごしています。
昔は体調が悪くて何もできないと、ひたすら不甲斐ない自分を嫌悪し、憎んだのですが、しかし今はダメな物はダメだと思えるようになりました。
だから体調が戻るまで暫くダラダラと過ごす覚悟です。
ワタシの下手な洋裁の作品の写真を見たいと言ってくださる方だっていらっしゃるのですから、下手な作品の下手な写真でもアップして楽しく過ごす事にします。