しかしなんか不思議なのです。
なぜならこの霊園は元来神社なので、お葬式でも神主さんが幣を振り祝詞をあげてくれました。
それなのに「お盆」って?
お盆って元来仏教の行事でしょう?
そもそも神道では「死」を非常に忌むのです。
神道での死後の世界は、伊邪那美命(いざなみのみこと)の神話に出てくるような非常に暗く穢れた世界なのです。
だから平安時代の公家は家の中から死者が出ると「死穢れ」を払い終えるまで何日も宮中へ参内擦る事ができませんでした。
それなのに葬儀とかお盆とかオカシイでしょう?
でも今は神道でも人間の葬儀をやっているのだからお盆をやっても無問題なのかもしれません。
ともあれワタシとしてはこのペット霊園でよもさんのお葬式をやってもらい、火葬してもらった事には感謝しています。
ここはワタシの家から自転車で30分もかからないし、凄く見晴らしの良い綺麗な場所です。
それで前々からワタシの散歩コースだったのです。
その散歩コースに突然神社ができて、その境内がバロック庭園(バロック神社)みたいで、一体なんだろう?
それが数年前からここがペット霊園になったのです。 神社はそのままで神式のペットの斎場と火葬場と墓地、それからドッグランも併設するようになったのです。
だからワタシはそれじゃよもさんに万一の事があったら、ここにお願いすればよいと思いました。
でもそしたら今年の2月末、ロシア軍がウクライナに侵略を開始した当日、その万一が来てしまいました。
それで妹の助けを借りて、この霊園に電話をして火葬とお葬式をお願いしました。
札幌はその前の数日猛吹雪で除雪が間に合わず、市内の交通が滅茶苦茶になっていたのですが、幸い我が家から霊園まで直ぐ近くだったので、お迎えの車も時間通り来てたし、その後の葬儀でも火葬でもとても親切丁寧な対応でした。
その上、よもさんの卒塔婆を作ってくれて、一年間はその卒塔婆を専用のホールで祀ってくれます。
それでワタシは時々、そこへ行ってよもさんの卒塔婆にお参りしていました。
神道に卒塔婆?
これも不思議だし、それによもさんの遺骨は我が家の居間にあるので、よもさんの魂がペット霊園の卒塔婆とどういう位置関係にあるかもわかりません。
それでも霊園の方まで散歩に出た時は、必ずよもさんの卒塔婆にお参りしていたのです。
お参りするとよもさんの事思い出して胸が痛み、辛くなるのですが、それでもよもさんの事を忘れるのは悲しいので、こうやってお参りするところがあるのはありがたい事でした。
因みにお葬式、火葬、卒塔婆の作成と供養で30000円でした。 火葬料金は体重で決まります。
だから神道の教義はよくわからないけど、ワタシとしてはこの霊園は良心的だと思うし、感謝しているのです。
だからお盆の儀式にも参加を申し込みました。
因みに参加料は5000円です。
考えてみれば5000円あれば、妹とランチバイキングに行けるし、妹の大好きなマンゴーを送る事もできます。
よもさんが死んだ時は、何から何まで妹に助けて貰い、挙句に大枚なお香典までもらったのです。
だからホントはよもさんの新盆には、妹に一席設けるべきだったのでは?
とも思いましたが、結局何も考えずに参加を申し込んでしまいました。
で、その儀式ですが、神社の本殿の祭壇に参加者のペットの卒塔婆が並べてあり、お供物とお花を置く壇があって、また神主さんが祝詞をあげて、幣を振ったり、太鼓をたたいたりして30分程で終わりました。
参加者は40人程でした。
この霊園ではお盆の3日間、午前午後毎日二回この儀式をやるそうですから、それなりの収入になるのでしょうね。
祝詞の後、神主さんが「三途の川と言うのは、天の川の事で、死者は天の川の向こうへ行く」と話しました。
え、それ遠すぎ!!
天の川の向こうなんて何万公年も彼方で、超紐理論の世界でしょう?
よもさんはそんな遠い所へ行ってしまったの?
ワタシはそれまでよもさんの魂は雲の上ぐらい大気圏内にいると思っていたので、凄く驚きました。
儀式の最後に皆で本殿から出て、風船を飛ばしました。
死者への思いを風船に乗せて飛ばすと言うのです。
だからあ、ヘリウム風船は理論的に大気圏からは出られないんだって!!
天の川の向こうになって絶対にいけないだってば!!
それでもワタシはよもさんの為に綺麗な青い風船を選び、皆と一緒に飛ばしました。
そして空に吸い込まれていく風船を見ていると涙が出てきました。
色々、突っ込みどころはあるけれど、でもワタシ自身、あの風船が行き着く先によもさんがいる事を期待しているのでしょう。
要するに宗教なんてそんなものなのですね。
安倍総理の暗殺にかこつけてテレビと新聞がひたすら統一教会の問題を煽っています。
反統一教会でテレビで大うけの紀藤弁護士は「献金をしないと天国へ行けないのは詐欺だ」とツィートしていました。
これに対して池田信夫が「天国へ行けるかどうか裁判所が判断できるわけがない」と返した所、反統一教会で盛り上がっている左翼が猛烈に非難していました。
イヤそれ以前に魂の有無など科学的に証明できないのです。
魂の存在を証明できないのに、魂がどこへ行くかを裁判所が判断できるわけはないでしょう?
そもそも現在の科学は「死後」の世界については、全く論じる事ができません。
でも人は死後の世界に無関心でいる事はできません。
大多数の人は自分の大切な人に魂がなく、死で全てが終わると思う事に耐えられないのです。
それどころか自分にとって大切な存在なら犬や猫でも魂があって死後もその魂が幸福であってほしいと願っているのです。
だから宗教と言うモノが生まれたのです。
それなのに「献金をしないと天国へ行けないと詐欺だ」と言うなら、全ての宗教は詐欺です。
安倍総理の暗殺による反安倍左翼の統一教会ズブズブキャンペーンで、実は彼等が宗教を全く理解していない事、宗教の自由、結社の自由、政経分離などの意味を中学生レベルでも理解できない連中だと言う事を露呈しました。
安倍総理への憎悪、安倍総理や自民党を叩くことに熱中するあまり、自称護憲派達が日本国憲法の基本理念を一切無視しているから笑えます。
反安倍左翼をこのように自壊させたのは、天の川の向こうの安倍総理のいたずらでしょうか?
今年はワタシの大切な三人の新盆になりました。
一人は前述のよもさんです。
もう一人も前述で、安倍総理です。
それからもう一人、4月に叔父が死にました。
叔父は母の弟で、祖父の稼業をつぎ、母の実家の当主となりました。
それで子供の頃から随分かわいがってもらいました。
でも叔父の神戸在住で、我が家は父の転勤で名古屋へ、さらに札幌へと移動したので、次第に疎遠になっていきました。
それでもワタシが大学へ入学した年に叔父の所へ行くと、真珠の指輪と真珠のイヤリングをくれました。
叔父の稼業は時計宝石の修理なので、仕事柄宝飾品は卸値で買えるのですが、それでも凄いプレゼントでした。
でも札幌と神戸はホントに遠くて、それから叔父とは数える程しか会えていません。
そしてそのうち叔父は交通事故で頭の強打して重い後遺症が残り、神戸に行っても面会できなくなりました。
従弟達はそのような叔父を随分一生懸命介護し続けたそうです。
それで叔父もその状態で長寿を全うしたのです。
でもそのような経緯から、叔父の死には全く実感がありません。 あんなにかわいがっていただいたのだから恩返しをしなければとは思うのですが、従弟とも長く疎遠だったので、下手にお供物などを送っても向こうに負担をかけるだけだと思ってしまいます。
そして当然ですが、安倍総理の死にもやはり実感はありません。
ワタシは安倍総理を尊敬し支持していましたが、生前一度もあった事がないし、もし安倍総理が暗殺などされずに天寿を全うされるとしても、合う事はないでしょうから。
だから延々と続く反安倍左翼の馬鹿騒ぎを見ていても、これも国葬の日9月27日までと思うばかりです。
でも明日は妹と二人で両親と叔父、それによもさんとよもさんの先代の新盆をする予定です。
「太陽と死は直視できない」のです。
だからとりあえず神なり仏なりにすがるしかありません。