クロスオーナーシップと言うのは、テレビ局と新聞を同じ会社が経営できるという制度です。
これだとテレビと新聞が同じ話を報道することになり、情報が寡占化されてしまうので、殆どの国では、これを法律で禁止しています。
ところが日本ではテレビ普及の為にこれを容認したので、現在のテレビ局はほとんど皆新聞社の経営になっています。
これは全国紙と全国放映のテレビ局だけの話ではなく、地方紙とローカルテレビ局も同様です。
しかも日本の新聞社は戦時中に軍の統制で寡占化した上に、GHQがその統制を利用するためにその寡占化状態を維持したので、今も寡占化されています。
その寡占状態の新聞社がテレビ局を支配した中で、テレビCMの広告代理店もまた情報通信社も寡占状態です。
これだとテレビと新聞の報道は、実に簡単に統制できます。
そしてその報道が戦後一貫して労働生産性の向上を阻止してきました。
ワタシがこう確信するのは、マイナンバーとマイナンバーカードに関する日本のマスコミの報道姿勢からです。
昨年からやっとマイナンバーカードが保険証として利用できるようになり、マイナンバーの利用が進み始めました。
でもこれって他国に比べて半世紀遅れているのです。
しかしこの事実を新聞もテレビもほとんど報道していません。
だから日本国民もほとんどそれを知りません。
日本のマイナンバーにあたる物は、欧米では社会保障番号と言われて、70年代には完全に制度として定着していました。
これは一人の国民に一つの数字を与えて、その数字で住所が変わっても、結婚などで姓が変わっても、行政にかかわる情報を追う事ができるというシステムです。
そしてこれを銀行や証券会社の口座と紐づければ、給与職以外の所得も完全に把握して、きっちりと徴税することができます。
生活保護費などの福祉サービスもこの数字で管理できます。
それで北欧諸国などでは難民その他、移民として在留を望む外国人は、まずこの社会保障番号を得ようとします。
だから日本でもこれを他の先進国と同様の時期に導入していたら、例えば「消えた年金」なんて起きなかったでしょうし、その後の行政事務も大幅に削減できて、労働生産性は随分上がったと思います。
それで日本でも70年代から何度かこの制度の導入が試みられました。
ところがその都度、日本のマスコミは「国民総背番号制だ!!」「個人情報が!!」「監視社会になる!!」「人権侵害が~~!!」と大騒ぎで反対し続けました。
今もまだ反対しています。
しかもそのマスコミが完全に統制されているので、一般国民には統制された情報しか入りません。
確かに国家がきちんと国民の情報を管理できたら、国家による統制や監視がやりやすい事は事実です。
しかしこれで管理する情報は所得など、本来国民自身が国に正しく申告するべき情報だけです。
思想・宗教・信条など政治活動は勿論、交友関係など個人のプライバシーにかかわる情報をこれで管理することなど不可能なのです。
給与所得や年金以外に所得のない人、最初から所得をきちんと申告し、正しく税金や社会保険料を払っている人達には、何のデメリットもありません。
脱税や社会保険料のごまかしが亡くなる事は、大多数の国民の利益です。
だから日本の「識者」がこぞって「人権大国」と持ち上げる北欧諸国だって、この制度を導入しているのです。
ホントにこれが重大な人権侵害につながる制度なら、世界の先進民主主義国家の殆どが導入するなんてありえないでしょう?
でも日本のテレビと新聞はそういう事実はほとんど報道してきませんでした。
それでワタシもネットを使うようになるまでこの事実を知りませんでした。
しかし社会保障番号にあたる制度は、それまでは日本にない制度だったので、一般の国民はそれがどういうモノかは全然わかりません。
そういう状態で一般国民に圧倒的な影響力のあるテレビと新聞が揃って「監視社会!!」「人権侵害!!」と騒ぎ立てたら、多くの人が「なんか気持ち悪い。」と思うのは当然でしょう?
そんな気持ちの悪い制度がなくなって、これまでもちゃんとやってきたのだから、これからも必要ないでしょう?
世論はそういう方向に進みます。
そして導入を拒否する自治体の首長などが英雄視されて、制度として意味をなさなくなる。 という形で導入は失敗しました。
因みに一貫してこの制度の導入に徹底的に反対し続けたのは共産党です。
社会保障番号で管理されるのは、行政手続きに関する情報だけなので、脱税なんかに縁のない勤労者には全く困る事はないはずです。
それでも必死の反対を続けたのですから、共産党としては何か余程オカシナ事をやっていたのではないかと思います。
例えば共産党の仲間である朝鮮総連や、在日コリアンなどは非常に困るでしょうね。
それでなくても彼等は近年まで通名をいくつも使って、それで違った名義の銀行口座をいくつも作るなんてことをやっていました。
これじゃ脱税やり放題です。
しかしこうやって根拠のない危険性を煽る新聞とテレビによって、日本の行政機関は他国に比べて実に煩瑣な事務に膨大な労力を使い続けなければなりませんでした。
こういう事をやっていて労働生産性が上がるわけもないのです。
それでも漸くマイナンバー制度ができたのですが、多くの国民に意味を理解させない報道が続いているので、十分に活用されていません。
ホントにちゃんとマイナンバーとマイナンバーカードを活用できたら、コロナの給付金を配るのに戸籍謄本を元に申請書を送り、その申請書を元にお金を振り込みむなどと言う事に自治体職員が2か月も忙殺されるなんてことにはなりませんでした。
ワクチン接種に接種兼を発行する必要もありませんでした。
こうやって余分な手間をかけると、給付金の支給もワクチンの接種も遅れて、結局国民が損をするのです。
しかしテレビと新聞は揃って情報統制を行い、社会保障番号導入のメリットを隠蔽して、根拠のない不安を煽り続けているのです。
だからマイナンバーの利用も進まないのです。
なんでテレビと新聞が揃って反対するのか?
テレビ局や新聞社の幹部のツィートなどから見る限り、これで所得を完全に国に把握されるのが嫌だという事です。
つまり彼等が少額の脱税を続けるために、行政事務を大幅に合理化し不正を防ぐことのできる制度の導入に反対し続けたのです。
新しい制度、新しい物には、誰でも皆不安があります。
しかしそれが世界中の先進国で採用されているような制度であれば、日本人なら皆「他国に遅れてはいけない。 頑張って取り入れよう。」と思います。
ところが新聞とテレビはこの事実を一切伝えず、不安ばかりを煽り続けたのです。
そして近年インターネットが普及するまで、新聞・テレビに匹敵する発信力の持つメディアはありませんでした。
その新聞とテレビが、マイナンバー悪だけで情報を統制しているのだから、この制度の導入は頓挫するしかなかったのです。
勿論これだけではありません。
昨年のノーベル経済学賞の受賞対象になったテレビ電波のオークションもそうです。
この制度についても日本のテレビと新聞は完全に沈黙しています。
昨年のノーベル経済学賞の受賞理由だってちゃんと解説していません。
電波オークションはすでに世界中のほとんどの国で導入されて成功しています。 だからこの制度を提案した人達は、ノーベル経済学賞を授与されたのです。
完全に成功が証明された制度なのです。
しかし日本人の殆んどはこれを知らないという異常な状況です。
こういう状態が続いてるのですから、日本が世界から取り残されてるし、経済も発展せず、労働生産性も上がるわけもないのです。
因みに新聞やテレビは反体制を気取りますが、しかし新聞社やテレビ局の役員には多数の官僚が天下りをしています。
官僚の天下りを受け入れる事で、新聞社もテレビ局も様々な特権を得て、それを守り続けています。
そういう会社に勤める人間が反体制であるはずもないのです。
だって彼等がお粗末な報道で多額の給与を得られるのは、行政から与えられる特権のお陰なのですから。
そしてこのように新聞とテレビから発信される情報が統制されている事は、官僚にとっても大きなメリットです。
新聞とテレビに情報を統制させ、色々な特権を与える事で、新聞社やテレビ局に天下りできるだけではありません。
官僚にとって不都合な情報を発信させない状態にする事ができるのです。
彼等の権限と天下りなど利権はセットですから、官僚とすれば現在の制度を変えて既得権益を失いたくありません。
そうなると現状の制度を変えるような政治家は当選させたくありません。
そして現在の制度なら、官僚の意思で新聞とテレビの情報を統制して、彼等に不都合な政治家を攻撃させることができるのです。
こういう状態だから、国際情勢や技術の進歩に合わせて制度を変えていくなんてことが非常に難しいのです。
日本は民主主義国家で言論の自由も報道の自由も保障されているはずです。
しかし現実にはクロスオーナシップのお陰で、戦時中と変わらない情報統制が続いているのです。
勿論、戦時中と違って、言論や報道に対する罰則はありません。
でもその代わりに新聞の購読者は戦時中よりはるかに多くなり、その上テレビと言う新兵器まで出てきました。
それで新聞とテレビの発信力が戦時中とは比べ物にならないほど強烈になり、そのは発信する情報の洪水が、他の情報を事実条封殺している状態です。
そしてその統制により、本来行うべき改革が阻止されているのです。
これでは日本経済の発展が阻害されるばかりではありませんか?
テレビが普及するときに、クロスオーナーシップを禁止せずに、安易に認めてしまった事が、今になって日本の発展を妨げているのです。
ワタシはそう思います。