そういえば8月18日、尖閣諸島の接続水域で中国漁船40隻が操業しているというニュースが出ていました。
つまりこの訓練は直接的には、こうした中国側を牽制する為の物でしょう。
合同訓練という形で、中国がこれ以上事態をエスカレートさせたら、国際社会が許さないという事を示したのです。
その意味では米海軍だけでなく、イギリスやオランダの海軍が参加してくれた事の意味は非常に大きいのです。
軍事力だけの問題ではないのです。
これまでも中国が尖閣周辺や南シナ海でオカシナ事をやり始めると、米軍と自衛隊が合同訓練をする、或いは米軍が単独で大規模演習をやって、中国側を牽制するという事がありました。
訓練や演習ですから、戦争ではありません。
だから国際法とかには一切抵触しないし、誰も反戦平和を理由に反対することもできません。
でもこれって暴力団の事務所の前で、警官隊がラジオ体操をするみたいな話です。
これでは暴力団側は人の出入りにも困るのですが、しかし警官隊がやっているのは唯の体操ですから文句も言えないのです。
日米は中国に戦争は仕掛けないのですが、しかし中国の前に軍艦を並べる事で「これ以上やったら無事で済まないぞ」と警告したのです。
そして中国はその都度、警告にビビッて、引き下がってきました。
しかし中国もしぶとくて、一旦引き下がっても、またぞろ同じ事を繰り返します。
そこで日米は対中包囲網に日米以外の主要国、イギリス、フランス、ドイツやオランダまでも引き入れて、「世界が中国の行動を許さないのだ!!、日米だけの問題ではないのだ!!」と言う所にもっていきました。
今回の沖縄南方の演習もその一環です。
今、日本のマスコミはコロナ一色ですが、しかし実は尖閣問題はこれまででも最も危機的な所に来ています。
元々中国は北京オリンピックが終わったら、尖閣か台湾に侵攻するのではないかと言われていました。
だからそれだけでも今は十二分に危機的なのです。
しかしデルタ株の蔓延で北京オリンピックの開催が危うくなってきました。 17日にはコロナ感染を理由に重慶でのフィギアスケートGPが中止になりました。
コロナ蔓延を止められず、また欧米の北京オリンピックボイコットの声も強くなるばかりで、北京オリンピック失敗の公算は高くなるばかりです。
習近平はこれまでは北京オリンピックを無事に開催する為に、それなりに自制してきたのですが、これでは自制する意味がありません。
だったら北京オリンピックが失敗して面子が潰れる前に、自分から尖閣や台湾に攻撃を仕掛けた方がマシアル!!
そうすれば中国人民が舞い上がるアル!!
戦時に政府に反対する奴は全部潰せるアル!!
我の権力は安泰アル!!
これで習近平が暴発する可能性があります。
だから今の状況は非常に怖いです。
こういう中国に対して日本としては、アメリカとの連携を強め、更に中国包囲網を拡大強化して、中国の暴発を抑え込んで行くしかありません。
そしてそれは結構上手くいっていて、だからこの危険な状況でイギリスやオランダが、沖縄近海での演習に参加してくれたのです。
こういう状況で対中包囲網に加わって中国の目の前で合同訓練をするというのは、イギリスやオランダにとっては日米vs中国戦争に巻き込まれる危険を伴います。
それでも合同訓練に参加してくれるように持って行ったのですから、日本外交の勝利でしょう。
対中包囲網に加わる国々の大戦略は「大勢で中国を取り囲んで中国が動けない状態を維持し続ける。 中国が老衰で動けなくなるまでこれを続ける。」です。
戦争は避けながら、しかし世界が協力して中国を抑え込む。
この原則での協力だからこそ世界の協力を得られたのです。
だって他に方法はありません。
中国は大量の核兵器を抱えています。
中国共産党政権は自らの権力維持の為なら、人類の破滅は躊躇わない政権です。
こういう国が暴発し戦争になったら、その被害は第二次大戦の比ではなくなります。 人類が破滅しかねません。
さらに言えば中国共産党が倒れるのは大歓迎だけれど、しかしそれで大規模な内乱が起きても困ります。
だってそうなったら軍閥化した解放軍の軍管区どうしでも核戦争をやらかすでしょう。
要するに春秋戦国時代みたいななるのだけれど、ただその春秋戦国の国々がそれぞれ皆膨大な核兵器や生物化学兵器を持っているんですよね。
それで核兵器をはじめ大量の兵器が海外に流出します。
また中国にある大量の原発が管理不能になって、次々と事故が起きるでしょう。
こうなると地球規模での厄災です。
そして膨大な難民が近隣諸国に流出します。
こういう事を考えると、中国には老衰で静かに死んでもらうしかないのです。
幸いこれは実現可能です。
だって中国の高齢化は世界最速で進んでいますから、後10~20年、こうやって中国を包囲し続けたら、その間に中国は老衰で動けなくなります。
今、石垣市長が政府に尖閣諸島への上陸許可を求めています。
しかし菅総理は拒否するようです。
ワタシはこれでよいと思います。
石垣市長の愛国心は立派です。
勿論日本国民は尖閣を守る意思を持つべきです。
しかし上記のような状況を考えると、今石垣市長が尖閣に上陸させるわけにはいきません。
だって今、ここで石垣市長が尖閣上陸などすれば、中国側の尖閣侵攻の恰好の口実になります。
今、対中包囲網に加わって、沖縄近海に艦艇を派遣してくれている国々は、アメリカも含めて中国と戦争をしたいわけではないのです。
戦争をしないで中国を抑え込む為に、世界が協力しようという事で、艦艇を派遣しているのです。
それなのに日本が中国を挑発するようなことをしてしまったら、対中包囲網に協力した国々はどう思うでしょうか?
日本が、皆で平和的に中国を抑え込もうというから協力したのに、オレタチの前でいきなり中国の横面を張るのか?
日本は自分の喧嘩にオレタチを巻き込む心算だったのか?
こんな奴には付き合いきれない!!
ワタシがオランダやイギリスの首相ならそう思います。 そして艦艇を引き上げて、日本を中心とする対中包囲網への参加自体を考え直します。
これを見てフランスやドイツなどの国々も中国包囲網からの離脱を考えるでしょう。
日本一国で中国と戦う気ならそれでも良いのですが、それは絶対不可能です。
だったらこういう事は暫く自制するべきじゃないですか?