この時多くの人が、いよいよ尖閣有事が起きるのでは?と思いました。
ワタシもこれは大変な事になると思いました。
しかし結局、あの後中国漁船が尖閣に来ることもなく、またこれと言った事件も起きていません。
何でそうなったのか?
それはあの後、東シナ海で日米合同軍事演習が行われたからです。
つまりドナルドレーガン始め米海軍の艦艇と、海上自衛艦が東シナ海に展開したので、中国海軍は尖閣近海に出てくる事ができなくなったのです。
そうなると漁船だけを送ってもどうしようもないんですね。
実は中国が「日本に止める資格はない」などと言う前、4月頃から中国公船が尖閣諸島に近づくときには、その後ろに中国海軍のミサイル艇が展開してました。
また中国本土では対艦ミサイルが展開していました。
日本国内には尖閣に海上保安庁ではなく、自衛艦を出すべきだという意見もあったのですが、しかし中国側はその前から海軍が出動する体制になっていたのです。
こういうところに自衛艦を出したらどうなるか?
自衛艦が中国の漁船や公船と揉めれば、速攻で中国ミサイル艇が出てきて、自衛艦がそのミサイル艇を攻撃したら、今度は中国大陸から自衛艦にミサイルが飛んでくるという事でしょう?
これっても完全に日中戦争ですよね?
それも超限戦とかじゃなくて、古典的な海戦です。
そうなると中国は核保有国、それも膨大な核兵器を保有している国ですから、何が起きるかわかりません。
でも中国側がミサイル艇まで展開して戦格侵略を図るなら、日本側も自衛艦を展開するしかないのです。
だからこれを止めるには、アメリカとしては東シナ海で日米合同軍事演習という名目で、米海軍を出動させて、中国海軍が来るならアメリカと戦争なると警告するしかなくなったのです。
これは日米中全てに一番良い解決法ですよね?
これでアメリカの尖閣諸島の問題への立ち位置も極めて明確になりました。
それでとりあえず当面は中国による尖閣侵略活動は下火になるでしょう。
ワタシは安倍総理の持病を悪化させたストレスの元の一つがこれで、そしてアメリカの介入が明確になった事で、安倍総理の辞任を決意できたのではないかと思います。
で、こういうのを見ると尖閣についてのアメリカの本音も見えてきます。
アメリカの本音、それは
尖閣から戦争になってほしくない!!
でも尖閣を中国に取られては困る
これだけです。
これは当然です。
尖閣諸島は日本の領土です。
大統領からホームレスまで全てのアメリカ人からすれば、日本領土、しかも小さな無人島の為に、アメリカが戦争に巻き込まれるのなんて真っ平です。
しかし日米同盟がありますから、尖閣をめぐって日中で戦争が始まれば放っておくわけにもいきません。
しかも日本は憲法9条の縛りで攻撃的兵器や、まして核兵器は持っていないので、本当に日中が戦争になれば、米軍が助けないと負けて尖閣を取られる可能性も高いのです。
中国が日本から尖閣諸島を奪い、そこに基地を作ったら?
尖閣諸島は台湾にも沖縄にも近く、台湾や沖縄を攻略するには絶好の基地になります。
更に尖閣諸島に潜水艦基地を作られると、中国海軍の潜水艦が太平洋に出るのを止められれなくなります。
中国の潜水艦が太平洋に出るには東シナ海を抜けなければならないのですが、東シナ海は水深200mぐらいしかなくて、ここを航行中の潜水艦は簡単に発見することができます。
しかし尖閣諸島の直ぐわきには水深1万m、世界一深い沖縄トラフがあり、尖閣を出港した潜水艦は直ぐこの沖縄トラフにはり、沖縄トラフを通って太平洋に出る事ができます。
こうなるとアメリカの太平洋の制海権が、危うくなります。
だから尖閣諸島が中国の物になるのは絶対に困るのです。
つまりアメリカとしては、とにかく尖閣有事は起きてほしくないのです。
保守界隈では「尖閣に公務員を常駐させろ」とか、「海上保安庁の巡視船ではなく自衛艦を出せ」などと言う勇ましい意見が出ています。
しかしアメリカ側からすれば、「そ、そんな勇ましい事をやって戦争になったらどうするんだよ? オレ、困るよ。」というのが本音でしょう?
勿論、現在のトランプ政権は中国との対決姿勢を鮮明に打ち出しています。
しかしだからと言って、いきなり日本が中国と戦争を始めて、それで日本に加勢するなんてことは考えていないのです。
それどころか中国との戦争なんて、人類史上最悪の核戦争になる可能性があるのですから、何が何でも回避する事を第一に考えるしかないのです。
だからアメリカは尖閣は守る、しかし軍事衝突は断固阻止という方針で、日本政府に介入していると思います。
その結果が今回の東シナ海での日米合同軍事演習でしょう。
つまり
いざとなったら米軍がでてやるから、日本は中国と勝手に喧嘩すんな!!
というわけです。
そして今のところ、これが一番、安全確実な戦争回避の方法です。
中国は面子の国です。
そして中国共産党政権は中国国内では勝手に、「中国は日本なんかよりはるかに強いアル!!」で盛り上がっているので、自衛艦が出てくるから中国海軍を引っ込めるなんてできないのです。
まして中国海軍艦艇が自衛艦に撃沈されるようなことがあれば、核兵器でも何でも使って日本をやっつけないと、中国共産党政権の面子が潰れます。
でもさすがに米軍に勝てるとは言えないので、米軍が出てくれば逃げ出しても面子が潰れるわけではないのです。
だからここは米軍に出てもらうのが、戦争回避の一番安全確実な方法だったのです。
勿論この方法が未来永劫有効だとは限りませんが。
ともあれこれでこの夏の尖閣有事は回避できたのです。
そしてこれで当面、尖閣に関してアメリカの対中対応も決まったので、安倍さんとしてはひとまず安心して、辞任できたのです。
因みに、これは実は10年前の尖閣近海での中国漁船衝突事件の時も同じでしょう?
あの事件でアメリカは尖閣を日米安保条約5条の適用を明確化しました。
しかしその時、状況説明に渡米した前原と仙谷に対して国務長官だったクリントンは「尖閣について日米安保条約を適用するけれど、これからもことを荒立てるな。」と言ったそうです。
これはアメリカとしては当然でしょう?
そしてこの方針はトランプ政権も変わらないでしょう。
だから日本政府の尖閣対応には実は今もアメリカに厳しく監視干渉されているのではないでしょうか?
因みにこのようなアメリカの対中姿勢は、尖閣に限りません。
日本そのものに対しても同様だと思います。
つまり
日本を中国に奪われるのは絶対に困る
日本が勝手に中国と戦争するのも困る
だから例えば首相の靖国参拝などにも干渉してきたわけです。
だって中国が自分で、日本の首相が靖国神社に参拝すると、中国国家主席の面子が潰れるという体制を作ってしまいました。
中国は面子の国ですから面子が潰れては、国家主席の地位も権威も吹き飛んでしまいます。
だったら中国側としては面子を守る為なら何をするかわかりません。
そうなるとアメリカだって、日本の首相の靖国参拝を止めたくなりますよね?
で毎年これを続けた結果、日本の首相の靖国神社参拝の破壊力は、毎年積みあがっているのです。
それで今ではレバノンの肥料倉庫みたいなっているのでは?
だからイヨイヨ、アメリカが中国共産党政権に引導を渡すときには、まず日本の首相が靖国神社に参拝するのだろうと思っています。
面子を潰され権威を喪った政権なら潰すの簡単ですから。