ロシアや中国などが既にアビガンのジェネリックに相当する薬を大規模に製造して、ドンドン使用する方針で動いているのですから、日本の対応は非常に「遅い」と思われます。
その為これについてネット上では「厚生省の利権が~~!!!」「官僚の天下りが~~!!」という陰謀論が保守派・パヨク両派で溢れました。
しかし武漢肺炎ウィルスの本性がわかるにつれて、医学知識ゼロのワタシでも、アビガンが今一効かないわけがわかってきました。
だってこの病気、殆どの人が放っておいても治るのです。
放っておいて治る病気を治す薬って何ですか?
そもそも薬が効くかどうかの判断って実は結構難しんですね。 だって同じ病気でも患者は一人一人年齢も体力も生活もまた「薬」以外の治療状況も違うのです。
だからタダ単純に
病気になったので薬を飲んだ。
すると治った。
と言っても、それがホントに薬のおかげか、それとも実は他の理由で治ったのかは、簡単にはわかりません。
その為、薬が効くか効かないかの試験って、大勢の患者を使ってすごく面倒な治験をしなければならないのです。 ところが日本は患者が少ないので、この治験がなかなか進まなかったのです。
でもこういう面倒な話は、低学歴のワタシにはよくわかりません。
それで超簡単に勝手に解釈してみます。
薬が効くか効かないの試験と言っても、これが例えば狂犬病のように発症したら致死率100%の病気なら、薬の効果を判断するのは簡単です。
ある薬を飲ませると狂犬病患者の10人に一人は助かるなら、この薬は効くと考えるしかないのです。 だってその薬を飲まなかった人は全部死んだのですから、10人に一人でも助かるなら使う価値があるでしょう?
ところが武漢肺炎の場合は、緊急事態宣言時の東京で考えると、PCR検査陽性者全体の5%でした。
これは結構高い致死率ですが、実は緊急事態宣言時はPCR検査を実施する対象を高熱が続くなどと既に症状が出た人に絞り込んでいるからです。
因みに現在はPCR検査の濫用でこの致死率は1%にまで下がっています。 そして実際の致死率はこれよりはるかに低いと予想されています。
ともあれこれだと高熱が続いた人でも、殆どが治るのです。
そうなると放っておいても治る病気で、薬を飲ませて、その薬が効いたかどうかって、どうやって判断したらよいのでしょうか?
もうそれだけで効く効かないの判断が面倒になりますよね?
これだと期待できるのは、「薬を飲んだ方が早く治って楽」とか「薬を飲んでおいたほうが重症化する心配が少なく安心」とか、結局飲んでも飲まなくてもどうでもよい効果ぐらです。
これって風邪で市販の風邪薬を飲む程度の効果でしょう?
これだと「特効薬」のイメージからは程遠いですよね?
で、でも5%は死んだんだよ!!
こういう重症患者には効かないのかい?
確かにこれまで1000人余の人が亡くなっています。
でもこの人達の内訳をみると、圧倒的多数が高齢者です。 あるいは既往症がある人達です。
例えば東京の場合は100歳以上の方が4人感染して3人亡くなりました。 だから100歳以上なら致死率は75%!!という恐ろしさです。
でも高齢者にとっては肺炎は元来怖い病気で、老衰と並んで死因の最上位を占めています。
高齢者の場合は誤嚥性肺炎と言って、水や食べ物を飲み込む時に、間違って気管に入れてしまい、それを吐き出せずにそのまま肺炎になって亡くなったりするのです。
しかもこの致死率が非常に高いのです。
つまりそれだけ体力がなくなっているという事でしょう?
それじゃそういう方たちが、武漢肺炎になった場合には、薬で治り、元気になる事って期待できますか?
こういう状態では薬がウィルスをやっつけてくれても、尽き果てた体力が戻る事までは期待できないでしょう?
院内感染なくなった癌患者の方たちも同様でしょう?
因みにこれまで武漢肺炎で亡くなられた方の半数が、院内感染と老人介護施設などの施設内感染によります。
ところで癌で余命いくばくもなかった方が、武漢肺炎で止めを刺された場合も、死因は勿論武漢肺炎になるのです。
末期癌の人が武漢肺炎で亡くなっても武漢肺炎で死んだ事になるのです。
逆に言えばこのような人を「治す」には、武漢肺炎だけでなく末期癌も治さなければ、「薬が効いた」ことになりません。
いくら何でもこんな魔法みたいな薬があるわけもないのです。
唯一、期待できるのは、既往症はあっても若く、またその既往症自体は命に係わるようなモノでなかった方の命を救う事です。
例えば28歳の若さで亡くなった勝武士関のような方ですね。
この方は糖尿病を抱えていたけれど、現役力士として活躍中だったのですから、武漢肺炎なんかにならなければ、この若さで亡くなる事はなかったのです。
そしてもし特効薬があれば、感染してもまた元気なって、力士として活躍し続ける事ができたのです。
こういう方を救う為にこそ特効薬は欲しいのです。
でもこういう方って日本全体でも僅少というか、殆どいなくて薬の臨床試験のやりようがないのです。
因みにアメリカはアビガンより先にレムデシビルを承認しましたが、でも考えるとアメリカでは武漢肺炎で若い人が結構死んでいます。
アメリカには若いけれど肥満体で糖尿病を抱えた人が多いので、犠牲者も多い分、治験も十分できたのでしょうね。
しかし肥満率世界最低レベルの日本ではそれは難しいのです。
死ぬ人のほとんどは高齢者や重症の既往症を抱えた人達。
それ以外の人は皆放っておいても治る、
若く体力はあるけれど、既往症のある人が死んだ例は僅少。
これじゃ特効薬云々以前に「ホントに薬がいるの?」という事になってしまいます。
それでもちゃんとアビガンの治験は続けているのですから厚生省も製薬会社や病院も誠実に対応していると言ってよいのではありませんか?
これを闇雲に「天下りが~~!!」「利権が~~!!」というのはやめるべきです。
しかしこうなるとワクチンの効果や価値にも疑問が出てきます。
少なくともこのワクチンで死者をなくすなんてことはできないと思います。
だってワクチンって体調が悪い時は打っちゃダメでしょう?
でもこれだと高齢者や他の病気で入院中の人など、つまり感染したら死ぬ確立が高い人はワクチンは打てないのです。
実際、インフルエンザなどワクチンも薬もあるけれど、年間3000人程度の方が毎年亡くなっています。
だから逆に言えばワクチンができ、特効薬ができても武漢肺炎での死者がゼロにはならないでしょう。
つまり武漢肺炎の犠牲者は勿論、感染者ゼロを目指す感染防止策というのは、あり得ないと覚悟するしかないのでしょう。
むしろ今後は武漢肺炎はインフルエンザの仲間になって定期的に流行し、毎年インフルエンザ並みの犠牲者が出る事は覚悟しなければならないと思います。
だからこそ政府もその方針で経済を回す方向に進んでいるのだと思います。