このところ同じような事ばっかりエントリーしてるので気が引けるのですが、しかし日本政府の韓国への輸出管理厳格化に対する韓国の反応が、余りに面白くて、書かずにはいられません。
だからお閑な方だけで結構ですから、付き合ってください。
鈴置高史氏は今回、日本政府がフッ化水素・レジスト・ポリフッ化イミドなどの3品目の輸出管理を厳格化したことは、アメリカによる韓国の半導体産業潰しだと書いています。
ワタシも全くこの記事の通りだと思います。
但し鈴置氏は、アメリカは「日本がいきなり韓国への半導体材料を全部止める。 韓国の半導体工場は直ぐに操業不能になって、韓国の半導体産業は破綻する」などと言うような、単純な戦法を取っているのではないと言います。
日本が現在輸出管理を厳格化した素材は、超高級素材です。
サムスン電子やSKハイニックスが世界的に大きなシェアを占め、この二社の収益の中心であるメモリーを作るだけなら、こんな高級素材は必要ないのです。
そして下級品の輸出については、日本はまだ管理の厳格化はしていないのです。
だから韓国の半導体工場は今まで通り操業できるのです。
しかし今回の日本の輸出管理厳格化によって、世界中の人々が、韓国半導体産業を生命線は日本が握っている事を知りました。
そしてその日韓関係は非常に険悪である事を知ったのです。
更にこの問題についてのアメリカの冷淡さから、日本の輸出管理厳格化措置の裏には、アメリカがいる事も薄々わかってきました。
こうなると韓国が幾ら泣きわめいても、日本がこの措置を止める事はあり得ません。
そして米韓関係は日韓関係以上に険悪なのでは?と言う考えざるを得なくなりました。
そうなると韓国の半導体を買って使っている企業とすれば、今は良くても今後は韓国の半導体が安定的に供給されるか不安になります。
だから皆、韓国企業との契約期限が切れ次第、半導体の仕入れ先を変えていくでしょう。
サムスン電子やSKハイニックスが作っているメモリーと同じ物は、マイクロンや東芝でも作っているのだし、しかも現在は半導体が生産過剰気味なのです。
つまり日米は日本の輸出規制厳格化によって、サムスン電子やSKハイニックスの顧客に不安を煽り、それにより顧客が離れていくことで、韓国の半導体産業を衰退させるというシナリオで動いているのです。
何で日米はこんな迂路を取るのでしょうか?
まず、アメリカとすれば韓国はまだ同盟国ですから、同盟国を潰すのにできるだけ自分の手は汚したくないでしょう。
それにアメリカには日本のように韓国の首を絞めるのに便利な真綿はないのです。
一方日本としても、いきなり過激な方法を取って、日本から素材や部品を輸入している国々に、余分な不安は与えたくありません。
だから「正規の手続きさへ踏めば、必要な素材は輸入できる」事を完全に担保した輸出管理の厳格化と言う方を選んだのでしょう。
それでは韓国はこれにどう対応すればよいのでしょうか?
どうすれば韓国は自国の半導体産業を守れるのでしょうか?
ワタシが韓国の大統領であれば、日本や韓国のマスコミがどんなに騒いでも、日本の経産省の見解をそのまま大統領声明として復唱します。
つまり、以下のような大統領声明を出します。
今回の日本政府の措置は、日本の輸出管理の手続きが変更するという、事務手続き変更の問題にすぎない。
手続きは多少煩雑になり時間もかかるが、今後も韓国の企業は必要な素材を日本から輸入する事ができるので、韓国企業の操業には一切影響がない。
事務手続きが変わったのは、これまでの輸出管理に関して日本と韓国の間に誤解があったからで、徴用工問題とは無関係である。
韓国政府はこの誤解を解くように努力する。
そしてマスコミや一般国民が幾ら火病を起こしても、それを何度でも言い続けます。
だって日米の目的は、韓国の半導体工場が操業不能になるという不安煽って、韓国企業の顧客を逃がす事ですから、それに対抗して韓国政府がやるべき事は、顧客の不安を取り除き、韓国企業から逃げないようにさせるしかないのです。
ところが韓国は政府国民一丸となって、この真逆をやっているのです。
韓国政府と国会は「韓国半導体に必要な素材が輸入できなくなるニダ」「天災レベルの危機ニダ」「グローバルなサプライチェーンに悪影響を及ぼすニダ」とか「日本の経済侵略ニダ」とか、この日本政府の措置で、韓国半導体産業が今にも崩壊するかのように騒ぎまくっているのです。
そしてNHKの海外放送始め韓国の息のかかった海外の報道機関にも、同様の事を報道させています。
挙句に韓国政府自らWTOで騒ぎまくって、世界中がこの問題に注目せざるを得ないような状況を作っているのです。
一方一般国民は、日本製品の不買運動とか、反日蝋燭デモとか、日本領事館へのテロとか、もう狂態を晒しまくっているのです。
これでは日米が描いた韓国半導体産業衰亡化のシナリオを、韓国政府と国民が一丸となって大熱演しているとしか言えません。
さすが韓流ドラマの本場!!
韓国の半導体を仕入れて使っていたメーカーも、韓国株式を大量に買っている海外ファンドも、莫大なお金に関わる話ですから、今回の日本政府の措置が韓国の半導体産業に与える影響は、マスコミなんかには頼らず、自分達できちんと調べているでしょう。
そして自分達できちんと調べれば、日本の経産省が言う事が正解で、韓国企業が日本から輸入した製品を正しく管理しているのなら、今後もこれまで通り普通に輸入できる事と言う結論を出すでしょう。
でも韓国政府と国民がここまで狂乱するとなると、彼等だって不安になります。
だって彼等は所詮民間人で経済人にすぎません。
だからサムスン電子のSKハイニックスの経営状態や、製品や製造技術についての公開情報なら調べ尽くす事ができたとしても、安全保障上に関わる秘密情報や、それに関する不正行為までを知る事は不可能なのです。
そうなると「韓国政府がここまで狂乱するからには、余程の不正行為をやっているのではないか?」「日頃弱気な日本政府がここまで強硬なのは、我々には知りえない裏があるのではないか?」「アメリカ政府がこの件で一切韓国を助けないのは、アメリカ政府と日本政府が示し合わせてやっている事だからでは? そうなると日本はもう金輪際引かないだろう。」「サムスンとSKハイニックスは韓国のファーウェーでは?」などなど、不安は幾らでも湧いてくるのです。
そしてそうなれば「メンドクサイから仕入れ先変えようや。」「韓国株なんか売っちまえ」「ウォンも売ろう」と言う事になるでしょう。
素晴らしい!!
マジに最高の韓流ドラマです。
今韓国では若者が日本製品の不買運動に熱狂しているのだそうです。
韓国の若者は高齢世代に比べて反日の度合いが低く、これまでは反日デモなども高齢者が中心だったのだのだそうです。
それなのに若者が不買運動に熱狂しているのは、若者は高齢者に比べて「日本と対等」の意識が強く、日本に負けたくないと思っているからです。
つまり彼等は、この問題をただもう日本から売られた喧嘩に勝つか負けるかと言う問題として捉えいるのです。
輸出管理の変更と言う事でやりすごせば、韓国の被害を最小に抑えられるのに、「経済侵略ニダ」なんて喧嘩にしてしまう事で、事態を最悪化しているのです。
これってもう「ここゴミを捨てないで下さい」のような些細な注意をされた事で、逆上して相手を殴って、挙句に暴行障害で刑務所行になるチンピラみたいなレベルです。
でも韓国人の反応っていつもそうですよね?
法もルールも無視して、ただもう自分が相手より優位に立てるかどうかを争って、唯のルール違反への注意を、大喧嘩にしていくのです。
これまでは日本側が喧嘩を避ける為に、韓国のルール違反を見逃してきました。
しかし今回はそれを止めたのです。
そうしたら韓国人は益々盛大に韓流の喧嘩で騒ぎまくって、墓穴を掘っているのです。
日本政府は「ちゃんと輸出申請をして審査を受ければ、必要な物は買えますよ。」と、繰り返し説明しているのに、自分で「日本が虐めたニダ!! 韓国の半導体産業を潰す気ニダ。 グローバルサプライチェーンが壊れるニダ!!」と大騒ぎして、せっせと自分の顧客を追っ払っているのです。
それにしても日米の描いたシナリオをここまで大熱演してくれるとは??!!
しかしワタシとしては、今後も韓国政府・国民が熱演してくれることを期待しています。
トランプ大統領も安倍総理も、そしてマイクロンや東芝の経営者・社員・株主一同も彼等の熱演には拍手喝采しているでしょう。