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2019-04-26 12:07

思い出したら腹が立つ 均衡財政主義者

 夕べ寝る前にこれを聞いていたら滅茶滅茶腹が立ちました。

 

 この前「池田信夫陥落」で紹介した南部同盟の話をしたやつが、ここで「5g惨敗云々」と言っているヤツだったんですよ。
 
 名前を思い出したので一応、コイツの南部同盟の話を貼っておきます。
 野口悠紀雄と言う高偏差値大学教授のエライ先生でした。

 南部の政府紙幣グレイバックスの失敗

 有料サイトなので、今は途中までしか読めないのですが、ワタシは無料で全部読めた時に読みました。

 で、この話を要約すると、以下の通りです。

 アメリカ南北戦争時に南部同盟は綿花を担保に大量に国際を発行した。
 しかしその綿花が南北戦争の途中でエジプト棉の流入等で、値崩れを起こした。
 その為南部同盟債が暴落し、それで南部通貨の価値が崩壊、南部同盟は敗戦に追い込まれた。

 と、言う話です。

 もう、呆れちゃうんですよね。

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 南北戦争時、南部は完全な農業地帯で工業力は殆どゼロでした。
 海軍もありませんでした。
 白人だけなら人口も北部の半分以下でした。

 だから兵器弾薬は勿論、日用品も工業製品は殆ど全部輸入に頼っていました。 その対価は南部で生産される綿花でした。
 そこで南北戦争が始まると、北部側は海軍を使って南部の港を封鎖して、南部側の輸出入をほぼ完全に止めてしまいました。

 すると南部はたちまち兵器弾薬から日用品まで不足するようになりました。
 それで戦争の途中から、軍服の服地も足りなくなって、綿花を紡いで手機織りで作った物が使われるようになる有様でした。

 勿論武器や弾薬などどうにもなりません。 
 しかし必要なのは武器弾薬だけではありません。

 食料のような南部で生産できる物も、大量に必要です。 
 しかも多くの農民が兵役についているので、食糧生産も滞ってきました。

 それで一般市民は、工業製品だけでなく、食糧不足にも苦しむようになりました。

 それでも南部同盟政府としては、戦争遂行に必要な物資は買い集めなければなりません。 
 その為には紙幣をドンドンするしかなかったのです。

 これ物価が上がらないわけないでしょう?

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 それでも南部同盟は精神力だけで頑張り続けたのです。

 しかし制海権を完全に確保した北部側は、海外から兵士を募集する事ができました。
 だから殆ど無限に兵士を動員できるのです。
 
 これでは南部同盟が勝てるわけもないのです。

 そして南部同盟が敗戦すると、南部同盟は国家としての主権を喪いました。
 また奴隷解放によって南部の経済基盤であった綿花農園が崩壊しました。

 主権を喪い、経済基盤を喪った国の通貨が、通貨価値を維持できるのでしょうか?

 ところがこの野口悠紀雄大先生の話では、こうした南部同盟の通貨価値崩壊は勿論、南北戦争での南部敗戦の原因までが、南部の国債の大量発行とその価値のコントロールの失敗であるかのように描かれています。

 イヤ違うってば!! 
 綿花を担保に国債を発行しても、港を封鎖されず、綿花を順調に輸出できていたら、話は違っていたからさ。
 南部の綿花が順調に供給されるなら、イギリスはエジプト棉の購入なんて考えないから。
 
 南部が戦争に負けたのは、通貨や国債の問題ではないよ。
 武器をはじめ工業製品を全部輸入に頼っているのに、その貿易路を保護する海軍もなしに戦争を始めちゃったからでしょう?

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 因みにこの人、元財務官僚で、均衡財政主義者で、円高イケイケ派だそうです。
 なるほどこういう人から見れば、全てのインフレは国債の出し過ぎ、金融緩和をやり過ぎでしか説明できないのでしょうね。

 実際財務省やそれに近い学者の話で出てくるハイパーインフレーションの話は、この南部同盟の話以外でも、敗戦後の日本や、第一次大戦後のドイツ、更にジンバブエやベネゼイラのような話です。
 しかしどれもそうですが、この南部同盟の話と同様、生産力の崩壊や、国家主権の喪失など、国家が紙幣の乱造に追い込まれた原因を完全に無視しています。

 彼等の話を聞いていると、国家主権は安泰で、外交も内政もこれまで通り機能していても、日用品もその他の必要な物資も、全くこれまで通りに生産され供給されていても、国債が過剰になると通貨価値が暴落し、ハイパーインフレーションになると言う事らしいです。

 これってつまり「インフレは貨幣現象」ってことでは?
 つまり現実の物資の生産や消費に関係なく、国債を大量発行したら、それが貨幣として使われるかもしれないからハイパーインフレーションになる!!と言う話ですか?

 彼等の話だと国債の乱発や、放漫財政など財政政策の失敗だけで、ハイパーインフレが起きる事になります。

 だったらもう少し国債を発行すれば、もう少しお金を刷ってばら撒けば、アベノミックスの最初の目標だった2%のインフレ目標を達成できるはずでしょう? 

 何で反対するんですか?

 だったらデフレだって財政金融政策の失敗で起きるという事ですよね?
 インフレが貨幣現象だけで説明できるなら、デフレだって貨幣現象でしょう?

 でも連中は「デフレは貨幣現象」だという説は断固否定するのです。
 デフレの弊害も完全に黙殺しています。

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 ワタシはド田舎の三流工科大学卒だから、経済学は全然習っていません。
 ネットを始めてから、初めて高橋洋一等の話を聞いて、初めて「デフレ」の意味を知りました。

 勿論高橋洋一等の説が正しいかどうかは、わかりません。
 
 しかし高橋洋一等リフレ派に対する反論が野口悠紀雄等のレベルだと、幾ら低学歴でも野口悠紀雄等を支持する気にはなれません。

 そもそも南部同盟敗戦の原因が全て南部の財政政策だなんて事がホントなら、凄い新発見だからアメリカの歴史学会で発表したら?
 ついでに物資が不足しても国家主権がなくなっても、財政さへ健全なら通貨価値が維持できるというのも、これまた超絶大発見だから、正しければノーベル経済学賞が取れるのでは?

 そんなに財政均衡主義に自信があるなら、安倍政権がアベノミックスを発表して、クルーグマン等ノーベル経済学賞受賞者達が揃って、それを称賛した時に、「イヤ、違うぞ!!」と反論したら?

 肝心の時に肝心の相手に異議を唱えないヤツの説なんか、幾ら低学歴でも信じる気にはなれません。

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 そしてワタシは思うのです。
 そもそもバブル以降30年日本の経済が停滞を続けて、日本の電子産業が崩壊したのには、財務省の責任も大きいのでは?と。

 なぜなら日本の電子産業崩壊の始まりは、産業のコメと言われた半導体の生産で、韓国に負け始めた事です。
 NECや富士通はバブルまではこれで絶対的な強さを誇っていました。
 
 しかしこの半導体産業は大変リスキーな産業で、将来の需要を見越して、2000~3000億単位で先行投資をして工場を作りっていかなければなりません。

 その為には銀行から融資が必要です。
 しかしバブル以降、日本の銀行はひたすら帳簿を綺麗する事に拘り、こうしたリスキーな投資には融資しなくなりました。
 
 そこで社債など発行するのですが、しかしデフレが続くので、幾ら低金利でも借金をしてしまうと、後が大変苦しくなります。

 こういう状況が30年も続けば、大胆な先行投資などできるわけもないのです。
 勿論経営陣のセンスや決断の遅さも問題ですが、しかしデフレの中での借金は命取りですから、決断が遅れるのは仕方がないのです。

 しかも際限もない円高が続くのです。
 エルピーダメモリーが倒産したのは、完全に異常円高が原因でしたよね?
 
 一方、インフレ状態の国なら、この種の投資は果敢にやれます。 
 投資で期待通りの収益が上がらなくても、投資の為の借金はインフレで確実に縮小していくのですから。
 
 そしてインフレで自国通貨が下がれば、輸出には絶対有利です。
 こういう相手と競争するのは無理でしょう?

 これで日本の半導体産業は衰退の一途をたどりました。
 そうなるとこれまで利益の中心だった分野が衰退したのですから、利益が細り、研究開発や他の分野に投資できる資金も減ってきました。
 そして資金繰りが苦しくなれば、技術者だってリストラされてしまいます。

 これでは衰退するしかないのです。

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 こういう状態に追い込まれたのは、IT産業だけではないでしょう?

 こういう状態から逃れる事ができたのは、自動車など海外に逃れる事で円高やデフレのリスクを早めに回避した産業だけではないですか?

 短足おじさんによれば日本はバブル以降、喪われた20年と言われた間に、日本の海外における経済力は日本1.8個分になったと言います。

 誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です

 つまり日本本土がデフレで投資が不可能になったので、日本企業は仕方なく海外に投資したのです。
 その投資によって生まれた経済力が実に日本1.8個分に相当するというのです。
 だから日本は現在世界一の債権国になり、貿易収支の赤字を全部資本収支で賄えるという安楽な状態です。

 こうなると日本企業が無能だったという話ではありません。

 この経済力が日本に留まっていれば、今頃日本は現在の2.8倍の経済力を誇り、アメリカに並び、中国に脅かされる事などあり得なかったのです。
 そしてロズジェネと言われる世代などおらず、彼等が結婚して子供を産み、日本の人口減少も問題にならなかったはずです。

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 だからこれからでも遅くないのです。
 
 日本から日本の企業を追い出さない政策とれば、日本はまた息を吹き返すでしょう?
 その為にはこんなキチガイに煽られた「増税しないと、ハイパーインフレが~~~!」なんて話は無視して、アメリカがやっているようなマトモな経済政策を取るべきでしょう?

 つまりデフレ下での増税なんてありえないのです。

 そしてこういうヘンテコリンな経済政策を推進するような組織は始末して、常にマトモな政策を取れる体制を作るべきなのです。

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  因みに5Gの話ですが、5G対応のスマホ中継装置は、ファーウェーなど中国企業とスェーデンのエリクソンしか作っていません。
 と言うかスマホの中継基地装置はこれらの企業しか作っていないのです。
 日米には作れないのです。
 
 これは安全保障上、スマホが作れないより怖いでしょう?

 もっと怖いのは半導体の供給を、大幅に韓国に頼っている事です。
 韓国は事実上中国の属国です。

 中国が日本への侵略の意図を明確にし始めた以上、単純な経済原理だけからの産業政策は考え直すべきでは?
 安全保障上必要な機材は、日米で調達できるようにしていく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

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コメント

野口という男、以前よくTV出演などしてましたが、最近あまり見ないと思ってたら、まだこんなことを言っとりましたか。
典型的な財務官僚なんでしょうな。

文末の有事に備えた戦略物資調達の件。
手を打たないといけませんよねえ。
石油の備蓄などもどの程度あるのか知りませんが、いざという時のために、石炭機関車や炭鉱を速やかに稼働できるようにしとくのは、相当予算がかかってしまい難しいのかな。
戦前の海軍も2年分600万トンの石油備蓄を、大正7年以来、苦心惨憺してちょびちょび貯め込んだわけですね。

>経済原理だけからの産業政策は考え直すべきでは?

よって、当然この意見には大賛成ですが、バカ野党や反日メディアが、また戦争する気だとか何とか、無茶苦茶な言いがかりをつけるでしょうねえ。
  1. 2019-04-26 17:02
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  3. 二郎 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 野口という男、以前よくTV出演などしてましたが、最近あまり見ないと思ってたら、まだこんなことを言っとりましたか。
> 典型的な財務官僚なんでしょうな。
>
> 文末の有事に備えた戦略物資調達の件。
> 手を打たないといけませんよねえ。
> 石油の備蓄などもどの程度あるのか知りませんが、いざという時のために、石炭機関車や炭鉱を速やかに稼働できるようにしとくのは、相当予算がかかってしまい難しいのかな。
> 戦前の海軍も2年分600万トンの石油備蓄を、大正7年以来、苦心惨憺してちょびちょび貯め込んだわけですね。
 
 石炭機関車は意味がないと思いますよ。
 日本の炭鉱はもう1980年代に殆ど閉山して、石炭化学学会もすでに解散しています。

 炭鉱自体、資源が枯渇しての閉山だし、現在では石炭採掘の技術を持つ人もいませんから。
>
> >経済原理だけからの産業政策は考え直すべきでは?
>
> よって、当然この意見には大賛成ですが、バカ野党や反日メディアが、また戦争する気だとか何とか、無茶苦茶な言いがかりをつけるでしょうねえ。

 そうなんです。 
 現実に近隣に世界で最も好戦的な国家があり、その国が明らかに日本侵略を意図しているのに、その現実を絶対に見ないようにしているのが最悪の問題なのです。

 これは非常に厄介です。
  1. 2019-04-26 20:03
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  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

野口悠紀雄氏は「超」整理法等の「超」シリーズの著者ですね、読んだこと無いけど。
石油備蓄はオイルショックの反省で6ヶ月分はあったと思います。石油各社は備蓄量の報告を義務付けられてたはずです。
エルピーダはマイクロンに買われましたし東芝メモリも売却されました。
カスタムLSIとソニーのデジカメ用半導体ぐらいでしょうかね。

5Gでは富士通がエリクソンと提携してますね、一社じゃ限界だと。
オリンピックの国立競技場みたいな所では効果を発揮するでしょう。
ローカル5Gとの発想もあるそうです、WiFiの代わりに工場等に設置し低遅延を活かそうとの。(IoT向けですね)

元大蔵官僚だと官僚主体の護送船団方式の再現を夢見てるのかも知れませんね
  1. 2019-04-27 07:59
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  3. are #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 野口悠紀雄氏は「超」整理法等の「超」シリーズの著者ですね、読んだこと無いけど。
> 石油備蓄はオイルショックの反省で6ヶ月分はあったと思います。石油各社は備蓄量の報告を義務付けられてたはずです。
> エルピーダはマイクロンに買われましたし東芝メモリも売却されました。
> カスタムLSIとソニーのデジカメ用半導体ぐらいでしょうかね。
>
> 5Gでは富士通がエリクソンと提携してますね、一社じゃ限界だと。
> オリンピックの国立競技場みたいな所では効果を発揮するでしょう。
> ローカル5Gとの発想もあるそうです、WiFiの代わりに工場等に設置し低遅延を活かそうとの。(IoT向けですね)
>
> 元大蔵官僚だと官僚主体の護送船団方式の再現を夢見てるのかも知れませんね

 あんな異常な円高がなければエルピーダだって元のまま存続できたのです。
 一年足らずの間に3割も円高が進めば、輸出企業は殺されます。

 こういう事を放置したのは財務省なのですが、そういう危機感がゼロなのが、元財務官僚なんですよね。

 だから滅茶苦茶腹が立ちました。
  1. 2019-04-27 11:33
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  3. よもぎねこ #-
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>日本の炭鉱はもう1980年代に殆ど閉山して、石炭化学学会もすでに解散しています。 炭鉱自体、資源が枯渇しての閉山だし、現在では石炭採掘の技術を持つ人もいませんから。

私はコストの問題で廃坑閉山しただけで、国内石炭埋蔵量はまだ結構あると思ってましたので、念の為にネットで少し調べてみました。
すると、私の調べ方が悪いのか、よくわからないというか、明確な数字がつかみにくいんですね。
釧路で稼働中の炭鉱だけでも、埋蔵量20億~25億トンという数値もあり、国内200億トンという数値もありました。
管理人さん、明確な数値が出てるようなデータ、知ってますか?
ネットだけでは、どうにも判断ができませんでした。
  1. 2019-04-27 12:05
  2. URL
  3. 二郎 #-
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>二郎さん 石炭埋蔵量は
資源エネルギー庁の白書を見ましたが分かりませんでしたm(_ _;)m
資源はあるけど閉山する場合はあるみたいです。
深くなりすぎた、温泉が湧き出たetc
地下水が出るので閉山したのを再開するには排水、設備(レール等の)再設置など手間がかかるでしょうね
石油の消費量は減ってるそうです。1999年比で3割減とか、今後も年1.5%減を予測してます。
でも日本が減らしても中国他がガンガン非効率で使うので全体は減って無いでしょうけど。

石炭を使ってるのは石炭火力発電と製鉄所がメインでしょう
安い輸入石炭で効率的に発電し電車やEVを動かし、製鉄所からの水素でFCVを動かすのが現状では良いのでは無いでしょうか?
原発動かせ!と思ってます
  1. 2019-04-27 17:05
  2. URL
  3. are #-
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これ、根拠のない個人的な偏見、感想であることをお断りした上でのコメントですが・・・。最近のエントリーで中国の一路一帯の話がでて思い出すのですが、この「財政均衡派」の面々って親中派というか、過剰な中国すごい派が多いような印象があるんですよね。

で、その中国ですが、財政支出をガンガンやりまくって無駄な道路、高速鉄道、建設工事などなどを連発してGDPを維持している・・という側面はガン無視なんですよね。日本でそれやったら青筋たてて非難しまくるにも関わらず・・です。

ハイパーインフレねぇ・・難しい話は抜きにして、経済評論家に限らず、保険のセールスでも宗教でも過剰に人の不安を煽ったり、つけ込んだりして「売り込み」を図る連中にロクなのはいない・・って感覚がありますね、個人的な体験から。
  1. 2019-04-27 17:57
  2. URL
  3. prijon #-
  4. 編集

>areさん

やはりなかなか明確な数値は見当たりませんか。
私も原発再稼働や石油資源輸入に無論賛成ですが、有事の際の備えの一つとして、数少ない国内埋蔵エネルギー源としては、使えるようにしとくべきではないかなと思ったのですね。
  1. 2019-04-27 18:41
  2. URL
  3. 二郎 #-
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Re: タイトルなし

> >日本の炭鉱はもう1980年代に殆ど閉山して、石炭化学学会もすでに解散しています。 炭鉱自体、資源が枯渇しての閉山だし、現在では石炭採掘の技術を持つ人もいませんから。
>
> 私はコストの問題で廃坑閉山しただけで、国内石炭埋蔵量はまだ結構あると思ってましたので、念の為にネットで少し調べてみました。
> すると、私の調べ方が悪いのか、よくわからないというか、明確な数字がつかみにくいんですね。
> 釧路で稼働中の炭鉱だけでも、埋蔵量20億~25億トンという数値もあり、国内200億トンという数値もありました。
> 管理人さん、明確な数値が出てるようなデータ、知ってますか?
> ネットだけでは、どうにも判断ができませんでした。

 地下に埋まっている物ですから、埋蔵量の正確な調査は不可能ですが、しかし採掘をやめたら採掘の技術はなくなります。
 しかも日本の炭鉱は特殊ですから、海外の採掘技術はそのまま応用できません。
 
 閉山前でも世界一深い炭鉱とか、浅く薄い炭層を掘る技術とか、高度で特殊な技術を駆使していまいた。
 そういう高度な技術を駆使しても、と言うか駆使しなければ、採掘できなかったのです。

 だから閉山する事になったのです。

 そして今は炭鉱の採掘技術を持つ人はいません。

 だからこれを有事の為だけに再開発して、炭鉱を維持するのは不可能では?

 それなら原子力発電技術を確保した方がマシです。

 原子力なら燃料を相当備蓄できるので、余程長期でなければ、対応できます。


  1. 2019-04-29 09:03
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> >areさん
>
> やはりなかなか明確な数値は見当たりませんか。
> 私も原発再稼働や石油資源輸入に無論賛成ですが、有事の際の備えの一つとして、数少ない国内埋蔵エネルギー源としては、使えるようにしとくべきではないかなと思ったのですね。

 炭鉱閉山時の状況を思い出せば、炭鉱の維持は現実性がなさすぎます。
 石炭の液化も随分研究されましたが、しかしこれも大変難しくギブアップした形です。

 そりゃ炭素の塊だから当然でしょう?
 炭鉱開発より原子力産業の維持の方が余程現実的でしょう?
  1. 2019-04-29 09:08
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> これ、根拠のない個人的な偏見、感想であることをお断りした上でのコメントですが・・・。最近のエントリーで中国の一路一帯の話がでて思い出すのですが、この「財政均衡派」の面々って親中派というか、過剰な中国すごい派が多いような印象があるんですよね。
>
> で、その中国ですが、財政支出をガンガンやりまくって無駄な道路、高速鉄道、建設工事などなどを連発してGDPを維持している・・という側面はガン無視なんですよね。日本でそれやったら青筋たてて非難しまくるにも関わらず・・です。
>
> ハイパーインフレねぇ・・難しい話は抜きにして、経済評論家に限らず、保険のセールスでも宗教でも過剰に人の不安を煽ったり、つけ込んだりして「売り込み」を図る連中にロクなのはいない・・って感覚がありますね、個人的な体験から。
 
 そうなんですよね。

 均衡財政派からすでば中国の財政状況は、極めて危機的で、中国経済は確実に破綻するはずですから、中国との経済交流はできる限り避けるべきと警告を鳴らすべきなのですが、しかしそういう事は言わないんですよね。
  1. 2019-04-29 09:11
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> >areさん
>
> やはりなかなか明確な数値は見当たりませんか。
> 私も原発再稼働や石油資源輸入に無論賛成ですが、有事の際の備えの一つとして、数少ない国内埋蔵エネルギー源としては、使えるようにしとくべきではないかなと思ったのですね。

 ワタシは父が石炭会社に勤めていたので、炭鉱閉山のころの状況を覚えているのですが、もう炭鉱の再生は不可能だと思いますよ。
 そもそも九州の炭鉱や常磐炭鉱など、まだ石炭産業が元気だったころから、資源の枯渇で閉山が始まっていたし、北海道の炭鉱も超高度技術で何とか採掘を続ける状態でした。

 それに石炭は液化しないと自動車等には使えません。
 しかし石炭液化は戦前から研究されていたのですが、結局目途が立たずじまいでした。

 そりゃ炭素の塊を液化するのですから、無理でしょう?
  1. 2019-04-29 09:17
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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皆さん

少し地下資源の埋蔵量というものの基本を考えてみてはいかがですか?

こんなもの地下に何億トンあるかなんて確定的な数値は出ないんです。石油を考えればわかる。いつまで立っても資源は残り数十年分だと言い続けています。これは可採埋蔵量というやつで今の技術で採算が合う石油は40年分ということなんです。今後石油の値段が上がり金をかけても採掘できるとなればこの数字は上がります。また探鉱が進み深海底などで採掘ができるようになればこの数字は増えます。至っていい加減な数字なんです。

この上石炭には石油以上に品質が問題になります。日本で採掘可能な瀝青炭や無煙炭は3億2千万トンと言います。今も採掘を続けてるコールマインの埋蔵量は20億トンと言います。これを掘って採算があるのでしょうか。ただ単に「ある」だけです。意味がありません。そして多くの石炭は褐炭です。品質上お話になりません。今の世の中じゃあ使い物になりません。こんな石炭の埋蔵量なんてものはナンセンスなんです。石炭自体が200億トンはある。と言っても机上の空論以上の話です。どうやって使うか考えてください。

よもさん

石炭の液化技術自体はもう戦時中に確立されてます。いろいろありますが最も工業的に成功したのはFT法というやつで、ドイツは年間400万トンの石油生産を行ってました。もちろんコスト的には全く問題になりません。これはユダヤ人たちの奴隷労働を使って生産したと言われています。欧州戦線は石油対石炭の戦いだったんです。

戦後もこのFT法で石油を自給してた國があります。南ア連邦です。アパルトヘイト政策で世界中から経済制裁を食らってたので石油は輸入できませんでした。このため、国内では最後まで蒸気機関車が走ってた国なんですが個々でも豊富な石炭資源を使ってFT法で生産してました。無論石油輸入ができない、豊富な石炭がある、タダ同然で労働コストが使えるという条件だから出来たことです。

小生は石油について無機生成説が正しいと思ってます。石油は無限にあるのです。でも石油が意味がなくなる時代が必ずきます。石油はエネルギー資源ですからできるだけ少ない絵年ルギーで採掘できなければなりません。

つまり石油を採掘するのに石油が生み出すエネルギーよりも多くのエネルギーがかかるとなれば、石油採掘自体に意味がなくなるのです。そのくらいの時期になれば石炭液化が意味が出てくるかもしれませんがおそらくその場合もエネルギー収支は赤字でしょう。つまりほとんど未来はないんですよ。

資源科学を舐めてはいけません。現実にやらないことはやれないのではないのです。やる意味がないからやらないのが圧倒的なんです。

観念論や精神論で言っても世の中はどうにもならないことが多いんです。
  1. 2019-04-29 23:49
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
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Re: タイトルなし

> 皆さん
>
> 少し地下資源の埋蔵量というものの基本を考えてみてはいかがですか?
>
> こんなもの地下に何億トンあるかなんて確定的な数値は出ないんです。石油を考えればわかる。いつまで立っても資源は残り数十年分だと言い続けています。これは可採埋蔵量というやつで今の技術で採算が合う石油は40年分ということなんです。今後石油の値段が上がり金をかけても採掘できるとなればこの数字は上がります。また探鉱が進み深海底などで採掘ができるようになればこの数字は増えます。至っていい加減な数字なんです。
>
> この上石炭には石油以上に品質が問題になります。日本で採掘可能な瀝青炭や無煙炭は3億2千万トンと言います。今も採掘を続けてるコールマインの埋蔵量は20億トンと言います。これを掘って採算があるのでしょうか。ただ単に「ある」だけです。意味がありません。そして多くの石炭は褐炭です。品質上お話になりません。今の世の中じゃあ使い物になりません。こんな石炭の埋蔵量なんてものはナンセンスなんです。石炭自体が200億トンはある。と言っても机上の空論以上の話です。どうやって使うか考えてください。
>
> よもさん
>
> 石炭の液化技術自体はもう戦時中に確立されてます。いろいろありますが最も工業的に成功したのはFT法というやつで、ドイツは年間400万トンの石油生産を行ってました。もちろんコスト的には全く問題になりません。これはユダヤ人たちの奴隷労働を使って生産したと言われています。欧州戦線は石油対石炭の戦いだったんです。
>
> 戦後もこのFT法で石油を自給してた國があります。南ア連邦です。アパルトヘイト政策で世界中から経済制裁を食らってたので石油は輸入できませんでした。このため、国内では最後まで蒸気機関車が走ってた国なんですが個々でも豊富な石炭資源を使ってFT法で生産してました。無論石油輸入ができない、豊富な石炭がある、タダ同然で労働コストが使えるという条件だから出来たことです。
>
> 小生は石油について無機生成説が正しいと思ってます。石油は無限にあるのです。でも石油が意味がなくなる時代が必ずきます。石油はエネルギー資源ですからできるだけ少ない絵年ルギーで採掘できなければなりません。
>
> つまり石油を採掘するのに石油が生み出すエネルギーよりも多くのエネルギーがかかるとなれば、石油採掘自体に意味がなくなるのです。そのくらいの時期になれば石炭液化が意味が出てくるかもしれませんがおそらくその場合もエネルギー収支は赤字でしょう。つまりほとんど未来はないんですよ。
>
> 資源科学を舐めてはいけません。現実にやらないことはやれないのではないのです。やる意味がないからやらないのが圧倒的なんです。
>
> 観念論や精神論で言っても世の中はどうにもならないことが多いんです。

 ワタシ実は70年代半ば頃、通産省の工業技術院の研究所で実験助手のバイトをしていたのですが、そのころそこでまだ石炭液化の研究をしていました。
 そこで小型の実験プラントを作って試運転とかしていたのです。
 
 石炭は殆どが炭素の塊ですが、しかし石炭を乾留すると石炭タールと言うタールが取れて、そのタールの中からステアリンなんかも取れるのです。
 今売られている蝋燭なんかこのステアリンでできているのです。

 だから液体成分がないわけでもないのです。

 しかし殆どが炭素の塊ですから、これを液化と言うというのは、無理矢理炭素に水素等を結合させて常温で液体になる物質に変えるしかないでしょう?

 或いは石炭タールの一部だけを利用するか?

 いずれにせよ経済的にも、それ以前にもエネルギー収支が合わないのですよね。

 これじゃドイツだってダメですよね?
 ドイツの化学は殆ど石炭化学から始まったのだけれど、それでもどうしようもないですね。
  1. 2019-04-30 11:39
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

よもさん

案外そうでもないんだよ。石炭液化技術はある意味70年代位からずっと注目されてると言っても良いんですよ。FT法はこちら見てもらうと良いんだけど

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%B3%95

水性ガスシフト反応を用いればコークスを作る過程と一緒でCOとH2を手にれることが出来ます。今度はそれを触媒を用いてFT反応を用い炭化水素を生成すれば良いのです。低温乾留法やベルギウス法はある意味石油を擬似的に石炭から作るだけですがFT法は完全に化学的に合成するものです。

実際採算を気にしなければ今でも可能です。採算点はバーレルあたり100ドル位ならば目はありそうです。後は石炭のコストが案外問題となるでしょう。

FT法の良いところは何も石炭が前提ではないところです。

将来オイルピークが来て石油が使えない状態になったとしても多くは代替エネルギーでなんとか解決はつくと想うのですが、おそらく飛行機のジェット燃料だけはどうしてもだめでしょう。

おそらくそのときにはどんなにコストを度外視しても燃料を作らなくてはいけません。その時はどうしても必要な技術でしょう。

短期的にはメタンあたりから液体燃料を作るのはこの反応によるはずなんで世界が注目するのは当然のことなんです。
  1. 2019-05-02 20:36
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  3. kazk #cPv2SIBE
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Re: タイトルなし

> よもさん
>
> 案外そうでもないんだよ。石炭液化技術はある意味70年代位からずっと注目されてると言っても良いんですよ。FT法はこちら見てもらうと良いんだけど
>
> https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%B3%95
>
> 水性ガスシフト反応を用いればコークスを作る過程と一緒でCOとH2を手にれることが出来ます。今度はそれを触媒を用いてFT反応を用い炭化水素を生成すれば良いのです。低温乾留法やベルギウス法はある意味石油を擬似的に石炭から作るだけですがFT法は完全に化学的に合成するものです。
>
> 実際採算を気にしなければ今でも可能です。採算点はバーレルあたり100ドル位ならば目はありそうです。後は石炭のコストが案外問題となるでしょう。
>
> FT法の良いところは何も石炭が前提ではないところです。
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> 将来オイルピークが来て石油が使えない状態になったとしても多くは代替エネルギーでなんとか解決はつくと想うのですが、おそらく飛行機のジェット燃料だけはどうしてもだめでしょう。
>
> おそらくそのときにはどんなにコストを度外視しても燃料を作らなくてはいけません。その時はどうしても必要な技術でしょう。
>
> 短期的にはメタンあたりから液体燃料を作るのはこの反応によるはずなんで世界が注目するのは当然のことなんです。

 コークスを生成する過程での生成物を液化するのは、仰る通りそこそこできるでしょうね。

 但しその場合、大量にできるコークスの利用をどうするかで、かなり採算が違ってくるでしょう。

 でもこれをうまくやれば、結構有望なエネルギー源かもしれませんね。

 しかしそれでも日本の炭鉱を再開発して採算が取れるようにするのは、難しいでしょうね。 何しろ日本の炭鉱はいろいろ条件が厳しいですから。

 
  1. 2019-05-02 22:30
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  3. よもぎねこ #-
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