先日のハノイでの米朝会談について、よもさんにぶらさがりインタビューをして、解説をお願いしました。
今回はその後編です。
よもさん、まだお聞きしたいことがあるのです。
まず、前回のコメント欄で頂いた質問にお答え願えませんか?
1、トランプ大統領が非核化を急がず、経済制裁を続けているうち、北朝鮮は崩壊するとのお見立てですが、先にトランプが大統領選に破れるなどで退陣した場合、状況が大きく変わる可能性はありますか。
2、米朝、米中だけの関係ならばまだ予測は立てやすいと思いますが、ロシアというアメリカと敵対し、中国とも同床異夢・呉越同舟みたいな国があり、その今後の影響が見えないのですが、いかがお考えでしょうか。
2、米朝、米中だけの関係ならばまだ予測は立てやすいと思いますが、ロシアというアメリカと敵対し、中国とも同床異夢・呉越同舟みたいな国があり、その今後の影響が見えないのですが、いかがお考えでしょうか。
良い質問すね。
まず1のトランプ大統領が退陣したらアメリカの方針が変わるかと言う質問の答えですが、これは変わりません。
なぜなら今回トランプ大統領が、金正恩の提案した非核化に応じて制裁を緩和しなかったのは、アメリカの情報機関が、北朝鮮の核施設について正確な情報を得ていて、金正恩の提案した2つの施設を破壊しても、北朝鮮は核開発を続ける事がわかっていたからです。
北朝鮮は過去に5回も、同様の手口でアメリカ他国際社会を騙して、制裁緩和や経済支援を受けとった挙句、核開発を継続していたのです。
北朝鮮は「非核化詐欺の常習犯」なのです。
しかしアメリカが北朝鮮の核開発に関する情報を得るようになった以上、もうこの非核化詐欺はできないでしょう。
でも、中国やロシアが、制裁破りをしたら、制裁は聞かなくなってしまうのでは?
今中国が制裁を守っているのは、アメリカの対中強硬姿勢に恐れをなしての事でしょう?
大統領が代われば、アメリカの対中強硬姿勢は変わるのでは?
それもないでしょう。
アメリカは対中強硬姿勢で団結しています。 共和党の反トランプ派だけでなく、民主党の方がむしろ対中強硬姿勢を明確にしているのです。
これまでパンダハガーと言われていた言論人も、自分達がこれまで中国に期待していた事は、全て幻想だったと明言し始めています。
その嚆矢がピルズベリーだったわけですが、ピルズベリーのようなパンダハガーの転向が、続々と続いているのです。
だからアメリカの対中強硬姿勢は、大統領が代わっても変わりません。 むしろ一層強硬になる可能性の方が高いのです。
そうなると中国は北朝鮮どころではないのです。
なるほど。
それでは二番目の質問に関連しますが、ロシアはどうでしょうか?
ロシアはまた火事場泥棒の本性を発揮しています。
現在中国がアメリカにビビって北朝鮮への支援を止めているのですが、実はその穴埋めをしているのがロシアです。 但しロシアは中国が無償で行っていた石油の供給などの支援を、有料でやっているのです。
ロシアはこれで小遣い稼ぎと、北朝鮮へ恩を売る事の両方を狙っているのでしょう。
しかしセコイですよね?
でもロシアってもうGDPでは韓国並みなのです。 だから北朝鮮問題で主要プレイヤーにはなれないでしょう。
だからアメリカもロシアの事はシカトしているのです。
それじゃアメリカは最初から、北朝鮮に歩み寄る気は欠片もなかったという事でしょう?
だったら何でトランプ大統領は、会談前にあんなに金正恩を持ち上げたのですか?
「彼に恋している」なんて気持ちの悪い事まで言ったではありませんか?
男性同士の恋を「気持ち悪い」なんて言いうのはポリティカルコレクトネスに反しますよ。
LGBT差別です。
だって気持ち悪いです。
ドイツのメルケル首相やイギリスのメイ首相でも「金正恩に恋した」なんて言ったら気持ち悪いです。
そもそもトランプ大統領にはその気があるんですか?
ないでしょう。
だってトランプ大統領は金髪美女と三度も結婚した大の女好きですから。
でも親友で恩人だったロイ・コーンは、ガチホモでした。 ロイ・コーンがエイズに罹って倒れた時、トランプ大統領は彼を自分のホテルに引き取って看取ってやりました。
そのころはまだゲイの差別と偏見は無残な物でした。 そしてエイズへの恐怖もまた大変な物でした。
しかしトランプと言う人はそういう差別や恐怖を乗り越える人だったのです。
よもさんは、トランプ大統領への評価が馬鹿に高い気がしますが、それってよもさんがトラ猫だからですか?
同じ「トラちゃん」だから、そんなトランプ大統領に対する評価が甘くなるのでは?
失礼な!!
そもそもワタシがトラ猫だからトランプ大統領に甘いなら、韓国の「寅さん」にだって甘いはずでしょう?
でももしワタシが韓国の「寅さん」に甘いなら、これまでのワタシの米朝会談への解説を聞けば、韓国の寅さんは青ざめるのでは?
そうですね、失礼しました。
わたしもトラ猫は大好きですが、しかし韓国の「寅さん」は好きになれません。
名前で人をどうこう言うは、全く無意味な差別と偏見です。
しかしそれはそれとして、何でトランプ大統領はあんなに無暗と北朝鮮を持ち上げたのですか?
これまでのよもさんの解説を聞く限り、トランプ大統領は結局最初から北朝鮮に妥協して制裁を緩める気なんか全くなかったとしか思えないのに。
まあ、そこは商売人でしょうね。
売り家の為のオープンハウスなどへ行けばわかりますが、ウチの同居人のように見るからに貧乏くさくて、家なんか到底買えそうもない人間でも、不動産屋は愛想よく迎えてくれるではありませんか?
だってリップサービスの元手はゼロです。
それはわかりますが、でもトランプ大統領はノーベル平和賞にまで色気を出したのです。
それを思うとトランプ大統領は実は、今回の会談に期待していたとしか思えないのですが?
チョ、チョッとよもさん、待ってください!!
行かないで!!
不都合な事を聞かれたラ逃げるなんて、許しませんよ!!
逃げてないし全然不都合じゃないです。
トランプ大統領がノーベル平和賞に色気を出したのは事実でしょう。
そしてあの大々的リップサービスや、「ノーベル平和賞欲しい、安倍ちゃん推薦お願い!!」の、どこまでがトランプ大領の本心で、どこまでがパフォーマンスだったかはワタシにもわかりません。
でもこれで金正恩とその仲間達が、アメリカの譲歩を信じ込んだ事は事実ですね。
それで金正恩は完全に油断して、トンデモナイミスをやりました。
トンデモナイミス??
そうです。
北朝鮮国内では今回の会談が大成功になるだろうという予想が、大々的に報道されていたのです。
会談が始まる前に「大成功間違いなし」なんて事を報道するなんて、民主主義国家の指導者でもやらないでしょう?
だって失敗したら目も当てられませんから。
ところが金正恩は北朝鮮でこれをやってしまったのです。
本来であれば会談自体を隠蔽する事だってできたのにです。
つまり余程、会談の成功を信じ切っていたのです。
また制裁が効いて、制裁緩和の希望なしにに、国内が持たなくなっていたという事の証明でもありあます。
ところが、結果は成果ゼロ!!
そうです。
これは金正恩政権の命取りになるでしょう。
命取りとまで行かなくても、国内でまた大粛清が始まり、北朝鮮の国力は一段と削がれるでしょう。
そして北朝鮮はこのまま春を迎えるのです。
春になるのが何か問題でも?
北朝鮮のような寒冷地なら、春は無条件で喜びの季節でしょう?
いいえ李氏朝鮮の時代から朝鮮半島では春は飢餓と窮乏の季節です。
朝鮮半島には「春窮」と言う言葉があります。
秋に収穫した穀物を冬の間に食べつくすので、春になると飢餓が始まるのです。 収穫が少なくて次の秋まで生き延びる事ができない人が多数出てくるのです。
朝鮮半島では古代からこの「春窮」が続いたのです。
これが中断されたのは日本統治時代だけです。
でも日本からの独立でこの伝統がよみがえりました。
北朝鮮では、この春には400~500万人の餓死者が出るという噂が流れています。
なるほどこれでは金正恩が、制裁の緩和を急ぐわけです。
ところがその期待は完全に裏切られたのです。
それは大変ですね。
ええ、ホントに大変な事になるでしょう。
その意味ではトランプ大統領が金正恩に会談の成功を信じ込ませた意味は大きいです。
飢えた人間達に「もうすぐ飯が食えるニダ!!」と期待させた挙句「やっぱり、食いものはないニダ」と言わざるを得なくなったのですから。
ワタシが北朝鮮の人民だったら単なる失望では済まないでしょう?
なるほど、それじゃやはりトランプ大統領はそれを読んでいたのでしょうか?
わかりません。
だってあの人、なんかすごく凄く天然なんです。
天然で言いたいことを言いまくり、やりたいことをやりまくるので、何でも理屈で説明しなくちゃ気の済まない知識人には理解でないんでしょうね。
だから彼等はトランプ大統領が大嫌いなんでしょう。
ぶら下がりインタビューと言うのは、公式の会見などでは聞けない自由な意見を聞けるのがメリットなのですが、それにしても少しフランクすぎる表現も多かったのでは?
しかしなかなか興味深い話でした。
皆様は他にご質問はないでしょうか?
よもさんはまだ少しインタビューに応じてくださるそうですから、ご質問がおありでしたら、コメント欄にお願いします。