米国が孟氏の身柄を引き受けるには、カナダの法律により、拘束から60日以内に身柄引き渡し要請の手続きをとる必要があり、今月30日がその期限にあたる。米司法省の報道官は22日、「米国とカナダの犯罪人引き渡し条約によって設定された期限を守る」との声明を発表し、30日までに正式要請する考えを明確にした。
中国側は、孟氏の身柄が米国に渡るのを阻止しようとけん制を強めている。
中国外務省の
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は23日の社説で、孟氏の身柄を米国に引き渡した場合には「中国の猛烈な報復に遭うことが予見できる」と報復措置を示唆し、「中国の国家の力はカナダよりはるかに強い」とも指摘した。
>中国の国家の力はカナダよりはるかに強い
こんな勇ましい事を言って、やっているのはファーウェイの事件には全く無関係な民間人の拘束です。
自国の犯罪容疑者を逮捕されたら、その報復に無関係な民間人を拘束して「死刑にする」と脅すのです。
これではもうソマリアの海賊と同じレベルです。
しかし中国政府はこれを公然と行い「中国の猛烈な報復に遭うことが予見できる」と明言してこれが孟晩舟逮捕への報復である事を明言した上「中国の国家の力はカナダよりはるかに強い」と踏ん反り返ってみせるのです。
中国と言う国の本質がよくわかります。
あれほどの歴史を持つ大国でありながら、中身に純然たるヤクザ破落戸です
これを見たカナダ人はどう思うでしょうか?
イヤ、カナダ人だけでなく民主主義国家で普通に人権を尊重する人達する人達は、どう思うでしょうか?
ファーウェイのCEO逮捕の話は、知的財産権の収奪や5Gなど、通信やIT技術に疎い人、こうした高度なビジネスをよく理解できない人には、今一理解し辛い話でした。
でもこの孟晩舟逮捕に対する中国の反応を見れば、どんなにこの手のハイテクの話に疎い人でも、中国がマトモな国でない事がわかります。
カナダには元来微妙な反米意識(日本の反米と同じで、アメリカの態度がでかすぎるとか、そういう感覚から他愛のない物ののようですが)があり、政府がアメリカべったりの政策を取れば、国内から反感が出るのですが、しかし今回の事で圧倒的多数のカナダ人は中国の異常さを痛感したでしょう?
そしてこんな国と対抗するにはアメリカとの連携を強めるしかないと確信したのではないでしょうか?
これは西欧人の気質とすれば当然だと思います。
中国が経済成長を続け、西欧もその恩恵を受けるようになってからは、西欧人もウィグル人やチベット人への人権弾圧は見ない事にして、「見ぬもの潔」を決め込んできました。
しかしこうして中国政府が堂々と自分達の同胞を人質に取って「中国の猛烈な報復に遭うことが予見できる」と脅迫した挙句、「中国の国家の力はカナダよりはるかに強い」と踏ん反り返って服従を強いるのでは、「見ぬもの潔」で胡麻化す事は不可能になりました。
逆にこんな国が世界の覇権を握るようになっては、自由も人権もない世界になり、自分達西欧人もまた中国人の権力者に抑圧されるのではないか?という危機感を抱かざるを得ないでしょう?
そうなるとトランプ大統領が嫌いとか、アメリカの態度がデカイのが面白くないから反米なんて事はどうでも良くなり、結局はアメリカの下に自由世界が団結していくのではありませんか?
だからこんな対応は明らかに中国にとってはマイナスなのですが、しかしそれをドンドンやってしまうのが中国と言う国の限界なのでしょう。
思えば中国は近代以降、大国ではあっても軍事的に弱体であったため、西欧や日本からボコボコにされてきました。
それ以前の中国史を考えても、漢族は軍事的には弱体であった時代が殆どで、満州族始め近隣の「蛮族」からボコボコにされた挙句、その支配下にありました。
そういう民族が国家を持ち、そして武力を持つと抑制ができないのでしょう。
これは元々、臆病で弱虫だった人間が、たまたまピストルなどの武器を手にれた場合と同じです。
弱虫で臆病な人間は、元来自分の暴力を自制する必要はありません。 だから自制心がなく、自分を抑制する事を知らないのです。
だからそういう人間がたまたま武力を手に入れると、暴力を恣にするのです。
中国はこの20年来、中国史上初めて世界を脅かす軍事力と経済力を手に入れました。
そうなるともう後先考えずにその武力と経済力を振り回すようになるのは当然でしょう?
そして今の中国共産党幹部には「こんなことをしていたら、世界を敵に回してしまう。 皆がアメリカ側についてしまう。」として、こうした政策を抑制する側に回る人間はいないのでしょうね。
元来、儒教文化=特亜文化と言うのは卑怯者と臆病者の文化ですから、「武力で脅せば誰でも言う事を聞くはずだ」と言う確信があるのでしょう。
だって我々、ずうっとそうだったアル。
だからアイツラだって脅せば言う事を聞くはずアル。
これではこういう脅迫外交に対する自制や抑制が働くはずもないのです。
2000年代になって武力と経済力を得た中国は、国境を接する国全てと、更に日本やアメリカにまで喧嘩を売り始めました。
エドワード・ルトワックは「中国 4.0」で、これを「自滅する中国」と言いました。
いくら中国が強国になったと言っても、周辺諸国全てとアメリカにまで喧嘩を売れば自滅するのが当然なのです。
しかも中国の経済力と言うのは、アメリカとアメリカの同盟国への輸出に大きく依存しているのです。
中国はそれでも胡錦涛政権の末期頃には、少しは自制するように思えたのですが、しかし習近平政権成立後、またそれまで以上の「自滅外交」を初めてしまいました。
そしてルトワックはこれを「ますます自滅する中国」と評しました。
中国への反感が世界各国で露わになっても、「ますます自滅する」外交を続けるのは、「武力で脅せば誰でも従う」「札束を見せれば何でも要求が通る」と言う中国文化の延長なのでしょう。
つまり彼等は中国国内で通る事を、そのまま外国でやっているのです。
だから彼等の感覚では自制しなければならない理由がわからないのでしょう。 結局外交と言う元来高度な政治手法の応酬の場であっても、イザとなると民族の本性が丸出しになるという事ですね。(韓国も同じですが)
そこで金と武力がある限り、これを邁進するしかないのでしょうね。
しかしホントにこんな国が世界の覇権を握るって、恐ろしいではありませんか?
ワタシだってアメリカの全てを容認するわけではないし、アメリカがこれまで影で色々汚い事をやってきたのも知っています。
しかしこの孟晩舟逮捕に対する中国の「報復」を見れば、やはりアメリカは中国より百倍マシだと思わざるを得ません。
だから今後、日本政府はアメリカと緊密な連携を維持して、対中防衛に当たるべきだと思っています。
因みに、日本の自称人権派はこの事件にはだんまりを決め込んでいます。
自国の会社重役が逮捕された報復に、相手国の民間人を逮捕拘束して挙句に「死刑にする」と言う対応を、彼等は容認しているのです。
これが日本の自称人権派の人権感覚です。