雪

昨日は結構な大雪でした。

　それでもワタシは出かけました。

　喘息の薬がなくなってきたので、どうしても病院に行かなくてはならないのです。

　病院までは、自転車ならものの10分程です。

　だからこの前は自転車で行きました。

　しかし自転車はもう春まで使えません。

　それで雪の中を歩き続けました。

　尤も雪の中を歩くのは嫌いじゃないです。

　雪の中では、我が家から病院までが幻想の世界になります。

　我が家から病院までは、全く平凡な住宅街で、ごく普通の住宅や商店、マンションなどが並ぶだけなのに。

　病院は地下鉄駅の傍にあるので、この付近だけは小繁華街です。

　しかしここも幻想の世界になります。

　雪のせいか病院は異様に空いていました。

　薬局も同様でした。

　だからどちらもアッと言う間に終わりました。

　そのあと、近くのスーパーに入り、そこでクリームチーズを一箱買いました。

　ワタシは毎朝これをパンに塗って食べるのですが、このスーパーにしか置いていないのです。

　ところがチーズを一箱買って外に出ると、雪は止んでいました。

　幻想が現実に戻りました。

　しかしそれは一瞬の事でした。

　ワタシがビルの反対側まで出ないうちに、太陽の光は消え、前よりも激しい雪が降ってきたのです。

　それで帰り道はまた幻想の世界になりました。

　幻想の世界は美しいけれど、車の運転をする人は怖いでしょう。

　雪は発泡スチロールをバラバラにしたような、小さな粒々の雪です。

　こういう大雪の日は、気温が案外高いので、キラキラのパウダースノーにはなりません。

　途中にある激安店でまた買い物をしました。

　ここは安いので、肉や野菜をどっさり買い込みました。

　冬の間は冷蔵庫のキャパシティーを心配しなくてよいのです。

　玄関も物置も、また普段は殆ど使わない二階の部屋も、全部冷蔵庫として使えますから。

　家が近づく頃、暮れなずんできました。

　買い物と病院だけなのに、2時間以上かかっています。

　徒歩だから仕方ないです。