リンク先はご隠居さんのブログなんだけれど、それにしてもこれ韓国軍だけでなく特亜の軍隊の特質でしょうね。
実は少し前に「敗走千里」という本を読んだのだけれど、読み始めて一瞬、どの戦争だかわからなくなったのです。 本の宣伝ではで中国国民党軍と日本軍との戦争で、中国兵として中国国民党軍にいた人が、その体験を綴った本のはずなのに。
だっていきなり斥候に出た兵士達が、略奪と強姦をしてきた話になるのです。 兵士達は略奪や強姦ができるので斥候に出るのを喜ぶのです。
そして血のついた耳飾りを握って帰ってきて自慢するのです。 ピアスを耳たぶから引きちぎってきたので血がついているのです。
それではそのピアスの主はどうなったのでしょうか?
兵士はピアスの主を強姦し、その後ピアスを奪った事は認めるのですが、しかし殺した事は一応は否定していました。
しかし読んでいるとやっぱりこの舞台は中国で、兵士達は近隣住民、つまり中国人相手に略奪や強姦をしているのです。
兵士達のこうした強姦や略奪は、将校達も気づいているのですが、敢えて止めようともしていません。 自分達もチャンスがあればやっているのだし、食料の支給や、給与の支払いなども遅れているので、略奪ぐらい認めないと兵士達の不満が溜まるという問題もあるのです。
しかも給与の支払いや食料の支給が遅れる理由は、上層部が腐敗していて、給与として支払うべき金を着服したり、食料を横流ししたりが常態化しているから猶更です。
それでも自国民からの略奪や強姦に対して、何の罪悪感もないというのは凄いけれど、これはつまりそもそもこの当時の中国には国民意識なんかないという事でしょう。
だから春秋戦国時代や三国志の頃と同様で、兵隊はチャンスがあれば近隣住民に略奪や強姦をするのです。
因みにオスマントルコ帝国の軍隊は、都市を陥落させたら3日間の略奪が兵士の権利として認められてました。
だから軍隊の略奪や強姦って、近代以前は世界中で普通の話なのです。 但しこんな風に略奪や強姦が常態化する軍隊というのも珍しいのですけどね。
だってこんな事をしていたら、近隣住民に忌避されるばかりか、軍規が緩んでしまって、軍隊が盗賊団になってしまい、戦争どころではなくなりますから、古代や中世と雖も、ちゃんとした指揮官はそんなことはさせないのです。
でも中国国民党軍はこういう軍隊だったのです。
しかしその後間もなく、こうした略奪や強姦もなくなります。 将校が禁止したのではありません。
兵士達が目ぼしい物を略奪しつくしてしまったし、近隣住民も皆逃げ出して辺りが無人の荒蕪地になったので、略奪する物もなくなったので、略奪が止まったのです。
そうなると兵士達は斥候の任務を忌避するようになります。
この本は少年時代から日本の留学していた中国人の青年が、帰郷中に国民党軍の強制徴募に遭って前線に送られた体験を書いた物です。 それで原作も日本語だし、発想もかなり日本人的です。
その為、兵士達の略奪に衝撃を受けるのです。
体験記ではありますが、近親者への配慮などもあるのか一応小説の体裁を取っているので、戦場の場所や時期なども今一不明瞭だし、正確性を突っ込めばいろいろ問題はあるとは思います。
しかし中国の軍隊という物の本質がわかります。
そして最初は驚いたけれど、でもそれは中国国民党軍を近代国家の軍隊だと思うから驚くのであって、中世や古代の軍隊と思えば普通のことです。 特に三国志や漢楚軍談など、中国の古典に出てくる軍隊を思えば、当たり前すぎるほど当たり前なのです。
因みにこのような国民党軍でも将校達は、外国の士官学校を出ていたりしました。 中には日本の士官学校を出たのもいました。
しかしそういう連中も基本的に中国人として行動しており、士官学校卒業資格が士官になる為の方便という以上の意味はないようです。
この著者と違って、すでに青年期になってからの留学では、中国的思考から抜け出す事はないのでしょう
しかしナポレオン戦争時のプロイセン軍は、この戦争を通じて「近代的な軍隊を作るには、近代的な国家が必要」と気づき、これが後にドイツ参謀本部の設立につながっただけでなく、ドイツ統一戦争、そしてドイツ近代化の原動力になりました。
これはオスマントルコ帝国の青年トルコ党や、エジプトのナセル等による改革も同様です。
軍人として近代教育を受けた青年達が、自国の後進性に気づき、国家を近代化する原動力になったのです。
けれども中国軍の場合は全くそういう事はなく、将校達は近代教育を受けていようとも、ひたすら古代・中世の軍隊として行動し続けるのです。
そして結局、現在の中華人民共和国だって、基本は古代国家です。
これはホントに不思議です。
ワタシは古代ギリシャ・ローマ大好きなのですが、古代ギリシャでもローマでも、一般国民が兵士として徴兵され国防を担う事で、民主制を確立しました。 というか一般国民を兵士として動員するためには、彼等に参政権を与えなければならなかったのです。
徴兵制は民主主義の根幹なのです。
しかし中国では秦の時代から徴兵制が確立しているにもかかわらず、全く一般国民の参政権にはつながらないのです。 それどころか有史以来一度も選挙をしたことがないのです。
けれども兵士達が自国民を普通に略奪しているのを見れば、そりゃこれで参政権は無理だと思います。 武力を持ったらただちに略奪では、参政権なんか与えたらどうなることか?
そもそも当人達だって略奪を尽くすか、或いは徴兵されたことを愁傷落胆する以外に関心がないのだからどうにもなりません。
中国人というのは我々日本人と人種は同じで、容姿は見分けがつかないし、漢字始め共通文化も多いのですが、しかし日本人には全く理解できない面があります。
まして西洋人の常識、例えば「豊かになれば民主化する」なんてものは全く通じないのでしょう。
中国は我々とは全く違う文化だとして考えていくしないのです。
朝鮮もね。