
尤も冬の間は自転車も使えず、遠出ができないので同じ所を歩くばかりなので、飽きちゃったと言うのもあります。
それでも昔はもう少し頑張って歩いたけれど、今年はすっかり雄着になって、午後遅くなって出かけて、暫く歩くと直ぐに日が暮れてくると言う事になるから、同じ景色ばかり見る事になるのです。
札幌は今年は馬鹿に暖かく、その上雪も少ないので歩きやすいはずなのですが、それでも出不精になるのは、もう年だからでしょうか?
ワタシは実は2月生まれなので、少し前の誕生日で64歳になりました。
つまり来年は65歳です。
ところでワタシの父は65歳で死にました。
多発性骨髄腫と言い悪性腫瘍で、年末にわかって春先に死にました。
超特急でした。
父はそれまで頗る健康で、親族もおおむね長寿だった事から、自分も長寿の心算だったのです。
そしてその心算で老後の資金計画もしっかりと立てていたのです。
父は用心深く、また物事を常に計画的に行う人でしたから。
しかし「人の命程測りがたきはなし」と言う事を忘れていたのでしょう。
老後資金は一切使う事無く、また年金を貰い始めて直ぐに死んでしまったのです。
そしてワタシも来年は父が死んだのと同じ年になります。
あの頃に父に比べて自分のダメチン振りに辟易していますが、しかしとにかく父が死んだ年になったのです。
父と違ってワタシは病持ちだし、その上2年前から更に喘息を背負い込んだので益々へ垂れています。
それで今は同じ景色の中をウロウロするしかないのです。
ウチの近所が絶景で格別風光明媚なわけもありません。
それでもこうして歩いていると、同じ景色も時間と季節と天候で少しずつ変わっていきます。
だから自分としてそれなりに楽しんで歩いてきました。
そもそも好きな時に好きなように散歩をできるのだから良い身分なわけで、文句を言ったら罰が当たります。
それで今日もまた同じ景色の中を歩きました。
夕べ降った雪がふわふわと綺麗でした。
しかし非常に寒いです。
十分に着込んで出かけた心算なのに、寒さがダウンを抜けて染み透ってきます。
用もないのに途中でスーパーに入ったら、買う物もないのに、なぜか店内をウロウロしていました。
頭脳とは別に体が勝手に「寒いから外に出たくない」と言っていたのです。
しかしそういつまでスーパーにいるわけにもいきません。
外に出れば黄昏ていました。
そして直ぐ真っ暗になりました。
しかしワタシはまた別のスーパーに入り込んでしまいました。
そうやってワタシは同じ景色の中を彷徨い続けるのです。