酷い話です。。。
このレポートで報告されているのは、我が国の企業は、平均して、「株主」に対して厚遇する一方、「労働者」に対して冷遇している、と言う実態。
「2001年→2014年にかけて......
- 営業利益 160%も増加!
- 株主配当金 276%も増加!
だけど.....
- 人件費 たった2%しか増加していない」
つまり、今、日本中の企業は、セッセと儲けを増やしているのですが、そのカネをほとんど全然労働者に回さず、とにかく(外国人も含めた!)株主に回している、という次第です。
これぞ、株主資本主義。
これじゃぁ、日本のデフレは終わりません。
http://www.resonabank.co.jp/nenkin/info/economist/pdf/160325.pdf
尊敬する藤井聡先生のface bookから拾いました。
しかし敢えて尊敬する藤井先生に文句を言わせてもらいます。
こういう風に書くと、株主は凄い儲けているようですが、しかし高配当と言われる会社でも、株価に対する配当率は精々5%です。
5%の配当と言えば、銀行預金や国債に比べれば遥かに良いのですが、しかし株は価格変動リスクが大きいので、5%の配当ではそのリスクをカバーできません。
だから一般日本国民の多くは株を買いたがりません。
それどころか日本人の多くが、株は労せずに利益を得ようとする投機、こういうモノを買う人間は胡散臭いと認識しています。
しかし日本の防衛を考えれば、このような認識こそ危険です。
なぜなら株式会社の株を持つと言う事は、その株数だけその会社を持つと言う事だからです。
だから日本の国防や国益に関わる基幹技術を持つ会社でも、その株を外国人に買われてしまえば、外国人の物になります。
外国人が大株主になれば、その会社への外国人の影響力が絶大な物になります。
こうなると基幹技術や防衛技術を外国に奪われてしまうのです。
これが日本の国益と安全保障にどれ程深刻な事かは、言うまでもないでしょう。
それを考えると、日本人が株式投資を疎んじ、日本企業の株を所有する事を卑しむのは、日本の安全保障と国益上、実に危険な話なのです。
今、中国人が日本で土地を買い占める事が問題にされています。
勿論、自衛隊や米軍基地周辺など、防衛上重要な土地を中国人の物になると言うのは、非常に危険な事です。
しかしそれを危険だと言うなら、日本の基幹技術を持つ企業や防衛産業の株を、外国人が持つのだって同様に危険なのです。
なるほど株式投資にはリスクがあります。 知識のない一般人がやっても損をすることの方が多いでしょう。
しかし国を守る為ならリスクを取るのは当然ではありませんか?
自衛隊員は日本を守る為には命を懸けて戦わなくてはならないのです。
それなのに自分の金は一銭だってリスクに晒したくない!だから日本の防衛産業の株なんか誰が買おうと知った事じゃない!!
これで良いのでしょうか?
だったら外国人が日本の株を買うのを禁止したらよくね?
勿論そういう発想もあります。
実際世界中の殆どの国が、外国人の株式所有や株取引を禁止、または制限しています。
しかし日本はこれまで経済大国として、海外で多額の株式投資を行い、海外企業の買収もしてきました。
その為現在の日本は世界一の債権国であり、海外からの金利や株式配当、そして日本企業の海外法人から利益が、貿易収支の赤字を埋めている状態なのです。
これは実に膨大な物で、2011年福島第一原発事故の後原発が全部止り、エネルギー輸入が膨大になり、同時期の超円高で輸出企業が大変なダメージを受けた時でさへ、経常収支の黒字を確保できたほどなのです。
このように海外投資で利益を上げている国が、外国には日本に投資をさせないなんてことを言えるのでしょうか?
これは株式投資だけでなくグローバリズム批判全てに言える事ですが、日本はグローバリズムで成功してきた国なのです。
そしてエネルギーや資源を自給できない国である以上、対外投資や対外貿易を止める事は出来ない国なのです。
自分はグローバリズムで散々成功してきたのに、少し自分に不都合な話が出るといきなり反グローバリズムを叫び出すって、そんな虫のよい話が通用するのでしょうか?
勿論、国境を全部崩壊させるような野放図なグローバリズムはあり得ません。
しかし日本の過去と現状を考えれば、一定のグローバリズムは容認した上で、日本人が自分達の手で日本の経済、日本の企業を守る事を考えていくしかないのです。
株式投資もそのような日本経済を前提に、日本の安全保障技術を日本人の手で守る事の一環として考えていくべきなのです。
ところでワタシは先日NECに電話して、「サンデーモーニング」の不買運動が起きている事を伝え、NECがこのような番組のスポンサーをしている事に抗議しました。
その時、ワタシが僅少ながらNECの株を持っている事を伝えると、対応が実に丁寧になりました。
ワタシは札幌在住なので株主総会に出席する事はできません。 しかしこのような抗議も株主総会ですれば、更に効果があります。
株主と言うのは、いかに小株主と雖も、その会社のオーナーなのですから、会社への影響力は只の消費者や一般人とは全く違うのです。
その意味でも株を持つ事は価値はあるのです。
そしてこれは逆に言えば、外国人が日本企業の大株主になれば、日本企業に反日番組のスポンサーになるよう圧力を掛ける事ができると言う事でもあるのです。
実はこうした外国人の影響を避ける為に、国益に関わる重要な企業には外国人の持ち株比率が制限されているのでが、これが今少し怪しくなっているのです。
株式投資は勿論金儲けが最大の目的です。 しかし株式会社と言う物の性質を考えれば、日本の経済と国防技術を日本人の手で守ると言う重要な意味もあるのです。
だから株式投資で一般投資家が利益を得られ、一般の日本人が株を所有するインセンティブを確保する事も重要なのです。
愛国者を自称する人々には、株式投資のこうした面も考えて欲しいです。