民進党は相変わらず森友学園の件でブーメランを投げ続けています。
しかしどう考えても森友学園の件で安倍総理を降ろすのは無理でしょう。
なぜならあれで安倍総理を降ろすには、森友学園への国有地売却が不正だったと言う証拠と、その不正を安倍総理が指示したと言う証拠の二つが揃わないと安倍総理の責任にはならないのです。
でもそんな証拠を出す事は絶対不可能でしょう。
それでも彼等がこの話に食い下がるのは、森友学園の系列の塚本幼稚園が園児に教育勅語を暗唱させるなどしているので、こちらから攻めれば安倍総理のダメージになると信じているからではないでしょうか?
実際今もこんなGHQの亡霊が徘徊しているのです。
森友学園児が教育勅語を復唱する異様
大阪の学校法人「森友学園」への国有地売却に絡み、経営する幼稚園で教育勅語を毎朝、全員で復唱していることも報道されています。同じ系列の「塚本幼稚園」も同様です。教育勅語は軍人勅諭、天皇の御真影などとともに、明治憲法下にあった「日本帝国」の亡霊のようなものです。
「森友学園」の籠池理事長は、自民党と関係の深い右傾の保守団体「日本会議」大阪支部長とされます。「日本会議」は「皇室中心、改憲、靖国参拝、愛国教育、自衛隊海外派遣をキーワード」(菅野完著、日本会議の研究)とし、安倍政権の閣僚、自民党議員の多くが所属しています。不透明な国有地取引の背景には、何かありそうですね。
歴史的な遺物ともいえる教育勅語(明治23年制定)について、「いいこと、まっとうなことが書かれている」、「今の人間が読みもしないで否定する」と、主張する人もいます。そこで教育勅語を読み直してみました。勅語を一つの饅頭としますと、餡子にあたる部分にはどの時代にも通じる徳目のいくつかが置かれ、全面的に否定はできません。そこで饅頭全体を見つめてみますと、歴史的に否定され、今や全く通用しない負の遺産の衣に厚く包まれています。
まともな徳目もあるにはある
あげられている徳目のいくつかを紹介しましょう。現代風に言い換えてみますと、「父母に孝養を尽くす」、「兄弟姉妹は仲良くする」、「夫婦は仲睦まじく」、「友達とは互いに信じあい」、「勉学に励み」、「知識を養い、才能を伸ばす」、「人格の向上に努める」などは、今の時代にもまさに求めれております。
「儒教に基づく道徳観、道徳心の育成であり、江戸時代には寺子屋で教えていたような心がけ」との解説も聞かれます。「自分の言動を慎む」、「法を守る」などもあり、皮肉交じりに言えば、今回の問題に関わっている関係者こそ教育勅語を読んでみてほしいとなります。
さきほど歴史的な負の遺産と指摘しました。勅語は「わが皇室の先祖が国を始めたのは、はるか昔のことで・・」から始まり、天皇中心の国家観が背骨になっています。「危急の事態が生じたら、勇気をもって奉仕し、永遠に続く皇室の運命を助けましょう」もそうでしょう。「国憲(憲法)を重んじ、国法に従う」は、天皇に大権を与え、神格化した明治憲法を尊重することを求めています。最後に明治天皇の御名御璽(署名)があるように、国民に対する天皇の要請文なのです。
軍人勅諭と並ぶ天皇尊重の精神
教育勅語と並ぶのは、やはり明治天皇が陸海軍の軍人に下賜した軍人勅諭(明治15年制定)です。「我が国の軍隊は天皇が統率している」とし、「忠節を尽くせ、礼儀を正しく、武勇を重んじる・・」など、5か条の軍人精神が書かれています。そうした国家精神が日本を戦争の泥沼に引き込み、敗戦に及んだのです。
現代語訳には、負の遺産であることを感じないよう、無難な意訳に置き換えているものもあります。歴史の解釈もいろいろできるにしろ、幼稚園児に「朕思うに我が皇祖皇宗・・」と、原文のままですか、復唱させるのは、異様ですね。このような教育法人に国有地を不透明な取り引きを経て払い下げるというのも異様で、政治の生の姿を観察するうえで参考なります。

ワタシの記憶ではこの手の話が、マスコミに溢れるようになったのは1960年代半ばからです。
そして戦前の日本は軍国主義で、軍国主義絶対悪、その絶対悪の根源が教育勅語と軍事勅諭だと言う事になっていました。
当時は今と違ってネットで教育勅語や軍人勅諭の原文を見つける事はできませんでしたから、皆「新聞やテレビが悪い、悪いと言うのだから悪いのだろう」ぐらいに思っていました。
しかし今はネットで簡単に現代語訳と解説付き原文を見つけられます。

教育勅語
何が問題なのでしょうか?
記事の著者中村氏は「まともな徳目もある」と書いていますが、教育勅語のどこが間違っているのでしょうか?
>「自分の言動を慎む」、「法を守る」などもあり、皮肉交じりに言えば、今回の問題に関わっている関係者こそ教育勅語を読んでみてほしいとなります。
それでは中村氏は関係者が違法行為をしたと言う証拠を持っているのでしょうか?
証拠もないのに、他人を誹謗中傷して良いモノでしょうか?
中村氏は教育勅語の何処が問題かを指摘できないから、こんな風に他人を誹謗中傷する事で、問題を誤魔化そうとしているのではありませんか?
因みに中村氏が教育勅語を嫌うのは自由です。
現在の日本国憲法は思想及び良心の自由を保障していますから、嫌いな思想を嫌いと言うのは無問題です。
しかしそれなら当然ですが、森友学園が教育勅語を教えるのも自由です。
森友学園は私立の幼稚園ですから、独自の教育理念を掲げて実践する権利があるのです。
森友学園が教育勅語を教えるのは違法行為でもなんでもないのです。
それを「「自分の言動を慎む」、「法を守る」などもあり、皮肉交じりに言えば、今回の問題に関わっている関係者こそ教育勅語を読んでみてほしいとなります。」などと言うのは、そもそも中村氏が民主主義も、日本国憲法も理解してないと言う事ではありませんか?
そして軍人勅諭です。
随分と長文ですが、しかし何が問題なのでしょうか?
>「我が国の軍隊は天皇が統率している」とし、「忠節を尽くせ、礼儀を正しく、武勇を重んじる・・」など、5か条の軍人精神が書かれています。そうした国家精神が日本を戦争の泥沼に引き込み、敗戦に及んだのです。
5か条の軍人精神とは「忠節を尽くし、礼儀正しく、武勇を重んじる、信義を重んじる、質素を旨とする」です。
軍人がこれを守ると戦争の泥沼に引き込まれるんですか?
これって世界中どこの国でも軍人が守るべき徳目じゃないですか?
ワタシはこうした国家精神を持たない軍隊程恐ろしい物は無いと思います。
忠節もなく、礼儀も知らず、武勇には無関心で、信義は無視し、奢侈を好む、こんな人間に武器を持たせるなんて恐ろしすぎます。
中国の人民解放軍など当にこのような軍隊ですから、軍隊を挙げて怪しげなビジネスをしたり、武器をマフィアに横流ししたりと半ば犯罪組織です。
その上中央政府の統制が好い加減で、何をやらかすかわかりません。
だから米軍や自衛隊の関係者は、人民解放軍の突発的な暴走を心配しているのです。
一方非戦闘員の殺戮は大得意なので、天安門事件などを見ればわかるように自国民もためらわず戦車で轢き潰します。
中村氏はこのような軍隊なら安心なのでしょうか?
なるほど日本は第二次世界大戦で敗戦し、多くの国民が犠牲になりました。
しかしその理由が教育勅語や軍人勅諭だった言う根拠はなんでしょうか?
教育勅語も軍事勅諭も、元来人間として軍人としてあるべき度倫理を説いているだけなのです。 そしてこうした倫理のない人間はケダモノなのです。
ケダモノは国家を作らないし、戦争をしないからケダモノでいるべきだと言う事でしょうか?
倫理なき軍隊なら敵と戦わずに自国民の虐殺に専心するから安心と言うのでしょうか?
しかし人が人として生き、そして自分達の生命や財産を守る国家をつくるのなら、教育勅語や軍人勅諭で表現される国家倫理、国家精神は絶対に必要なのです。
確かに国家が判断を誤る事はあります。
国家もまた人間が作った物ですから、常に絶対に正しい行動をとり続ける事など不可能なのです。
しかし一度判断を誤ったからと言って、国家と国家精神を全否定して良いのでしょうか?
そもそも教育勅語や軍人勅諭が、判断の誤りを産んだと言う根拠はあるのでしょうか?
軍事勅諭にはこのような一節があります。
>抑國家を保護し國權を維持するは兵力に在れは兵力の消長は是國運の盛衰なることを辨へ世論に惑はす政治に拘らす只々一途に己か本分の忠節を守り義は山嶽よりも重く死は鴻毛よりも輕しと覺悟せよ其操を破りて不覺を取り汚名を受くるなかれ
世論に惑はす政治に拘らす
軍人勅諭には軍人は世論に惑わされたり政治に拘ったりしてはイケナイと書いてあるのです。
つまり東条英機が総理大臣になるのは、軍人勅諭違反なのです。
だから東条英機と当時の軍部の戦争責任を問題にするなら、軍人勅諭を問題にするのではなく、彼等が軍人勅諭を守らなかった事を問題にするべきなのです。
ところが戦後の自称知識人は、こうした軍人勅諭の記述にも拘らず、なぜか軍人勅諭に違反した軍人ではなく、軍人勅諭を否定すると言う奇妙な事をやってきました。
結局彼等は軍人勅諭や教育勅語の中身を調べる事さへもしなかったのでしょう。
だから戦前の物は何でも悪い、戦争に負けたのだから戦前の全てが悪いと喚き続けただけではないでしょうか?
そして挙句の果てに人間の基本倫理まで全て否定するのです。
さらにそのまま半世紀余り思考停止しているのです。
これは余りと言えば余りにお粗末ではありませんか?
それともこの中村氏にはまだGHQの亡霊が憑依しているのでしょうか?
最後に中村氏等GHQの亡霊が大好きな論理、天皇制が戦争を招いたと言うのも根拠がありません。
これは歴史が証明しています。
第一次世界大戦で敗戦したドイツとオーストリアは、帝政を戦争の元凶として廃止しました。
そしてドイツは当時の世界一民主的な憲法を制定したのです。
それでこの二国は戦争をしなくてすみましたか?
この二国の歴史は中学生でも知ってますよね?