トランプ政権の国防長官、狂犬マティスこと、ジェームズ・マティス氏の座右の書と言うからです。
こうした古典の名著は図書館で借りるのが一番です。 札幌市の図書館は全部オンラインで繋がっていて、何処にあってもネット予約できます。 しかもそれを指定した図書館まで届けてくれます。
だから図書館には必ずあり、しかも借り手のすくないこうした本は2~3日で借りれるのです。
本屋に注文するより遥かに早い!!
で図書館の蔵書の「自省録」を検索したら、さすがに古典の名著、札幌市内の図書館全体で出版社や翻訳者の違う版が10冊ほどもあり、よりどりみどりです。
さて、どれにしようかな?
ワタシは実は目が悪いので、できるだけ活字の大きいのが良いです。
でもネットで活字の大きさまではわかりません。
しかし東洋文庫版があったので、それにしました。 東洋文庫では以前潘 佩珠の「ベトナム亡国史」などを読みましたが、結構活字が大きいのです。
そして待つこと2日。
近所の地区センターに届きました。
ネッ、早いでしょう?
しかも無料!!
しかし読み始めると何だかヘンです。
最初に漢文注釈に関する説明が並んでいます。
漢文注釈??
何で?
マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の「自省録」の原文はギリシャ語のはずです。
マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝は、ローマ五賢帝時代の最後の皇帝で、哲人皇帝と言われた人です。
ワタシはこの人の話は塩野七生の「ローマ人の物語」で読みました。
この人は人間が神から与えられる全てを持って生まれました。
父親を早く亡くした事が唯一の不幸と言えますが、しかしその代り祖父がシッカリと養育してくれました。
この祖父はハドリアヌス帝第一の側近でした。 ハドリアヌス帝と言う人は在世中の殆どを辺境を歩き回り、ローマの国境防衛体制の確立にいそしみました。
その間ローマの内政を任されていたのが、マルクス・アウレリウスの祖父なのです。
そんな重職にあったのに歴史的に今一影が薄いのは、この人が余りに完璧にその仕事をやったので、彼の在職中問題らしい問題が一切起きず、ハドリアヌス帝との間も極めて良好だったからでしょう。
これほどの人を祖父に持ち、しかも彼は母方からローマ最大の資産を受け継ぎました。
つまり富と権力の中枢に生まれたのです。
しかし彼は少年時代から、こうした富や権力よりも真実を求めて哲学に熱中しました。 その為ハドリアヌス帝は彼にウェリッシムス(真実ちゃん)と言う綽名をつけて寵愛しました。
そしてハドリアヌス帝はこの真実ちゃんを養子にして、後継者と定めたのです。
けれどもこの頃マルクス・アウレリウスはまだ16歳、一方ハドリアヌスはもう死を目前にしていました。 だからマルクス・アウレリウスの繋ぎとして彼の叔父でもあり、有能で人格高潔な元老院議員でもあったアントニウス・ピウスを次期皇帝に選び、そしてアントニウス・ピウスにはマルクス・アウレリウス養子にして、アントニウス・ピウスの次の皇帝はマルクス・アウレリウスにすることを約束させたのです。
古代ローマでは皇帝の位を巡って、血みどろの権力闘争が起きたと言うイメージがありますが、しかし実際には皇帝になりたい人はそんなにいなくて、この種の禅譲はすんなりと行われています。
また皇帝に近親者がいる場合は、まずそのまま後継者になります。
だって皇帝は責任重すぎます。
しかも終身職で罷免する方法がないので、暗殺される率がベラボウに高いのです。
だからローマの皇帝って割の良い商売じゃないのです。
ともかくこんな風にマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝は少年時代から皇帝になる事が決定したのです。
そして叔父アントニウス・ピウス帝の元で過ごした青年期、ピウス帝の死後皇帝に即位して暫くは、順調に過ぎて行きました。
ハドリアヌス帝が確立した国境防衛体制は強固で、ローマは安全は完全に確保されていました。
そしてアントニウス・ピウス帝はハドリアヌスの期待に違わぬ善政を敷きました。
だからマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝もまたその路線を進めば良かったのです。
けれども皇帝が晩年になる頃、さしものハドリアヌスの防衛体制もほころび始め、国境はゲルマン人に脅かされる事になります。
ところでローマの皇帝と言うのは、このような場合は皇帝自ら軍を率いて防衛の先陣に立つ義務があります。 以前にエントリーしましたが、ローマの皇帝とはまずローマ防衛の為の役職なのです。
だからマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝も、軍を率いてドナウ河畔、現在のオーストリアやハンガリー各地を転戦し続ける事になりました。
しかしゲルマン人と言うのは始末の悪い敵でした。 彼等は国家も作らず都市も農地も持っていないので失う物がありません。
それで飢えたり、欲しい物があったりすると、ローマの国境を越えて侵入し略奪を行い、ローマ軍に追われるとさっさと森の中に逃げ込んでしまうのです。
実はユリウス・カエサルもゲルマン人には手を焼き、ゲルマン人と戦う事は森と戦う事だと悟って、ゲルマンの地には手を出さない事に決めたのです。
ところが今度はそのゲルマン人の方から手を出してくるので、ローマとしては防衛をするしかないのです。 しかしその防衛はゲリラ相手の果てしない抗争、永遠ベトナム戦争のようになってしまうのです。
ゲルマン人がこうしてローマ領への侵入を繰り返すのは、結局彼等が非常に原始的で貧しく常に飢餓にさらされているからです。
そこで哲人皇帝はゲルマン人の一部をローマ領に受け入れて、耕地を与えた事もありました。
しかし根っから野蛮人であるゲルマン人は耕作を学ぶ代わりに、近隣を略奪して回るようになったのです。
文明レベルの違う移民なんか受け入れたらどうなるか?
メルケルはご先祖様のやったことを少しは学ぶできでは?
ともかくこれではゲルマン人は撃退するしかないのです。
しかしマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝は、哲人であり優れた政治家でしたが軍人としての才能は今一だったようです。
そもそもこの人は殺人や流血を見るのが大嫌いだったようです。
だから永遠に続く戦線で日々流血の中で暮らすのはそれだけでも大変な苦痛だったでしょう。
尤もユリウス・カエサルでさへ手を焼いた相手ですから、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の軍事的能力の問題だと言うのも気の毒ですなのですが。
しかし能力の有無に関わらず、哲人である彼には、この苦痛から逃げると言う選択肢はありませんでした。 現実の戦場がどんなに苦痛でも、最後までローマ皇帝としての責任を全うするしかなかったのです。
権力の醜悪さを罵りそれを放棄するのは一見美しくも思えます。
しかし神から地位と能力を授けられた人が、安易にそれを放棄したら、その後は誰が政治を司り国民を守るのでしょうか?
皇帝の地位にあれば自分自身の魂の救済よりも、国民の安寧を優先するしかないのです。
彼の先人達である歴代皇帝も皆そうでした。
例えばクラウディウス帝は、知性ではマルクス・アウレリウスには遥かに劣り、身体障碍者で健康にも恵まれていなかったのですが、しかしそれを承知で、元老院から推挙されれば帝位に就き、無責任な民衆と元老院に罵倒されながらも職務を全うしました。
だから哲人皇帝がその哲学の教えを実践するなら、何処をどう考えても逃げ道はないのです。
この苦悩の日々で、彼が書いたのが「自省録」なのです。
これをギリシャ語で書いたのも、その為でしょう。
マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝はローマ人ですから、当然母語も日常言語もラテン語です。
そこで「自省録」をギリシャ語で書くことによって、現実の苦悩を超えた精神世界を確保したかったのでしょう。
言語を分ける事によって、彼があこがれ続けた哲学の世界と、現実の苦悩の世界を分離しておきたかったのでしょう。
で、不思議なのですが、こんな本を座右の書とする人が狂犬なのでしょうか?
かれもまた狂犬どころか哲人かもしれません。
塩野さんの「ローマ人の物語」には、「自省録」から抜粋で、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の血みどろの戦場にいる苦痛が描かれています。
この苦痛に共感しないとこんな本は読めないでしょう?
そうなると「人を殺すのは楽しい」と言う狂犬マティス氏の言葉も実は苦痛の裏返しではないかと言う気がするのです。
ワタシが是非この「自省録」を読みたくなったのはこの為です。
で、何で漢文の注釈??
以上の理由で原文がギリシャ語なのに、何で漢文の注釈の説明があるの?
ワタシは訳が分からず、ページをめくりました。 すると中身は漢文とその説明です。
何これ??
本を間違えたのか?
ワタシは本を閉じて、表題を確認しました。
すると表題には「自省録 李退渓著」と書かれています。
李退渓??
コ、コイツ朝鮮人だよ!!
李氏朝鮮を代表する文人で、肖像が韓国のお札になってる奴です。
朝鮮人が名文家の代表として必ず持ち出す奴です。
李氏朝鮮時代の文人だから「名文」と言うのは、全部漢文なのです。
そこで李退渓の「自省録」も漢文で、東洋文庫としては漢文の原文とその注釈を掲載しているのです。
す、凄い!!
さすが朝鮮人!!
国を代表する文人からして他人の名著の表題をパクる!!
ふざけるな!!
人がせっかく楽しみに借りて来たのに!!
在特会の会員であるワタシは当然、このパクり朝鮮人に怒り狂ったのです。
そして直ぐに図書館に本物の「自省録」の貸出予約をして、朝鮮人のバッタ物の「自省録」は返す事にしました。
しかしその夜、この朝鮮人が夢枕に立ちました。
そして言うのです。
ウリはパクリなんかしてないニダ!!
「自省録」と言う表題はウリが自分で考えてつけたニダ。
ウリは表題も中身も全部漢文で書いたから、東洋文庫はそのままウリの表題で出版しただけニダ。
ウリの表題をパクったのは、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」を翻訳した日本人ニダ!!
あれは原文がギリシャ語だから、表題だってギリシャ語ニダ!!
原題は「Τὰ εἰς ἑαυτόν」ニダ!!
これを日本語に訳した奴等が、ウリの著書の題名をパクったニダ!!
謝罪と賠償をするニダ!!
まあ、考えてみたらその通りです。
そもそも東洋文庫に西洋の古典が入っているのがオカシイのです。 だからこの本を借りたのはワタシの不注意です。
それで取りあえず謝罪すると、この朝鮮人の文人は、自分の著書が日本でしか読まれていない事についても、延々と日本の責任を問い始めました。
だから朝鮮人に謝罪なんかしちゃダメなのです。
そんなことをしたばっかりに、文字通りの悪夢が始まりました。
するとワタシの傍で寝ていた猫のよもちゃんが、言い返してくれました。
だったらアンタの本の題名を「Τὰ εἰς ἑαυτόν」に変えたら?
だって韓国の漢字教育廃止で、アンタの本は韓国人には「It's Greek!」になったんだからさ。
これでこの朝鮮人が黙りました。
有難うよもちゃん!!
一方、狂犬マティス氏は国防長官の重職を担う事で、益々哲人皇帝への共感を強める事でしょう。