まずは安心です。
今、日本は建国以来の危機的状況にあります。
そ、そんな大袈裟な!?
いいえ、全然大袈裟じゃないです。
だって今中国が日本の領土を侵略すると明言して、その為の活動を続けているのです。
日本の歴史で外国が日本を侵略すると明言して、その為に延々と活動を続けた事がありましたか?
鎌倉時代の二度の元寇以降初めてです。
しかも元寇の時代は、モンゴルが海洋国家ではなく、補給の困難さを考えると、実際にモンゴルが長期的に日本を攻撃する事は不可能でした。
明治以降、日本はロシア始め大国が日本の廻りで勢力を伸ばしている事を知って驚愕しました。
しかしその頃はどの国も直接日本を侵略しようとしていたわけではありません。
けれど時代の空気を読んだ先人たちは、日本の危機的状況を悟って近代化に着手したのです。
ところが現在は中国が、日本の領土である尖閣諸島を「核心的利益」と明言して、その近海に交船を遊弋させているのです。
他国の領土を「核心的利益」などと言う事は、明らかな侵略宣言なのですが、日本政府も日本人もこの現実を見ない努力をしてきました。
そういう間違った努力が、益々中国を増長させて危機を増大させてしまいました。
だからもう幾ら見ない努力をしても、イヤでも見得てしまうようになったのです。
中国は本当に日本を侵略する気なのです。
そしてその為の行動を続けているのです。
さらに言えば中国は尖閣諸島だけで満足する気はありません。 尖閣諸島を獲れば沖縄本島を獲り、更には日本全土を侵略する気です。
だからこれはもう日本建国以来最大の危機と言うべきでしょう。
だから日本の最大の課題は対中国防衛なのです。
そして安倍政権の政策はそれを中心に活動しているのです。
例えば昨年末のプーチン・安倍会談なんか典型です。 あれについて北方領土が還るとか、ノーテンキな事を言っていた人達がいます。
しかしどう考えても今プーチンが北方領土を返差なければらない状況は何処にもありません。
それでも安倍総理がプーチンとあったのは、ロシアを中国側に着かせないないためです。
「ロスケは信用できない。」と、言う人はいます。
ええ、ワタシだって信用はしていません。
しかし信用できても、できなくても、日本はロシアと中国の二正面作戦をとる事はできません。
だからとにかくロシアと何で折り合えば、ロシアを中国側へ行かせないかを探る必要があるのです。
その為にはとにかくプーチンとあって相手の腹を探り、どうすれば日本側に着ける事が出来るのか考えるしかないのです。
安倍総理が就任以降、繰り返し東南アジア始め、世界中を活発に歴訪し、そこで気前よく経済援助をばら撒くのも、対中防衛網を作る為です。
勿論向こうもそれを承知で中国と日本を両天秤にかけて、双方からできる限り貰えるモノを貰う心算なのだから、楽ではありません。
しかし憲法の制約で軍事行動には厳しい制約のある日本としては、経済だけでもできる限りのことをするしかないのです。
問題は日本人の多くが、こうした厳しさに殆ど気づいていない事です。
所謂愛国保守を名乗る人達さへ、本当の意味での危機感は鈍く、だから安倍・プーチン会談で「北方領土が~~!!」なんてノーテンキな事が言えるのです。
馬鹿か!!
今の自衛隊と海保では尖閣で手一杯なのに、ここで北方領土が返っても防衛できないわ!!
それを承知でロシアが北方領土返して、戦力分散させられたらどうするんですか?
防衛費を増やせばできるじゃないか?
そうです。
でもどうやって?
日本国民全部が危機感を持っていれば、防衛費を増やす事も、憲法を改正する事も可能です。
しかし残念ながら現在の所、日本人の危機感は非常に希薄です。
その日本人に直ぐに危機感を持たせる方法はありません。
だから日本政府は日本人の危機感が希薄と言う条件の下で、できる事をしていくしかないのです。
その為なら何でもやるしかないのです。
例えそれが極めて屈辱的であっても、仕方ありません。
外交と防衛には、善と悪も、名誉も屈辱のなく、勝か負けるか、生きるか死ぬかしかありません。
だから生きる為には何でもするしかないのです。
しかしそれでも日本の立場はそう悪い事ばかりではありません。
例えばロシアだって中国とは仲が悪いのです。 中国はネルチンスク条約で奪われたロシアの沿海州の奪還を狙っていますから、ロシアだって本心中国の側に着きたいわけもありません。
中国と国境を接するアジア諸国も皆同様です。
但し中国と正面切って戦えるわけもないのですから、どの国も中国と日米の間で何とか生き残りを模索しているのです。
しかしこれは逆に言えば、日本が彼等を助けて戦う意思がないなら、彼等としては皆中国側に着くしかないと言う事でもあるのです。
だから日本は何んとか彼等を鼓舞して、対中国防衛網を作るしかないのです。
日本が置かれたそういう状況を理解していないと、安倍外交は理解できません。
それでも日本がこうやって後20年間頑張り続けたら、日本の勝ちです。
時間は日本の味方です。
日本の少子化が問題にされていますが、しかし中国の少子化は日本より遥かに厳しいのです。
何しろ1969年から一人っ子政策をしています。 だから既に労働人口は減少に向かっています。
現在でも高齢化率は1990年代の日本と同等です。
後20年もすれば、高齢化率は日本を遥かに上回ります。
しかも日本のように資産の蓄積はありません。
だから中国の繁栄も後20年が限界です。
それなら日本は後20年、中国と四つに組んで、中国が動けないように頑張り続ければ、それで勝てるのです。
後20年間、中国が日本に侵略戦争を仕掛ける隙を与えないように頑張り続けたら、戦争を回避したまま中国の侵略を阻止できるのです。
逆に言えばだからこそ中国も必死なのでしょう。 今のうちに資源や領土を獲得して、資産を作っておかないと老いて野垂れ死にする事になってしまいます。
つまり危機は今現在、そして今後十年程度が最高レベルと言う事です。
だから日本国民は危機感を持ってこれに対応するべきです。
でも危機感を持つって悪い事ばかりではありません。
明治の日本が一気に近代化したのも、敗戦後の日本が経済大国になれたのも、皆日本国民が強烈な危機感を持って頑張ったからです。
逆にバブルの後延々と20年もデフレを続けたのは、日本人が経済大国の地位に安住して、危機感を喪ったからでしょう?
だったら今また対中国防衛で危機感を持つ事は、日本復活のカンフル剤ではありませんか?
だからこの危機を梃に日本を復活させるように頑張って行こうではありませんか?