2017-01-08 19:02

あるソマリア女性の半生 部族社会

 アヤーン・ヒルシ・アリの「もう、服従しない」は、彼女が5~6歳の幼女だった頃の思い出から始まります。

 祖母が彼女と彼女の妹に、父、祖父、曾祖父から始まって800年前までの先祖の名前を全部覚えさせました。

 ソマリア人同志、初対面の人とあった場合、まず双方がそれぞれの先祖名を延々と唱え続けて、8代前でも9代前でも同じ先祖がいればそれでお互いに同族と言う事になり、相互扶助の義務があります。

 だから先祖の名前を覚えるのは、非常に重要なのです。

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 そ、そんな800年前までの先祖の名前を覚えるって、稗田 阿礼じゃあるまいし!?

 でもソマリアには文字が無かったのです。
 だから先祖名だけでなく、古代から伝わる詩や伝説も全部、古事記編纂以前と同様、全て口伝で伝えられているのです。

 稗田阿礼の少女時代と同じ無文字社会だったのです。

 ソマリア語の文字表記法は実はこのアヤーン・ヒルシ・アリの父親の友人が初めて作りました。
 
 そして彼女の父親はこの文字表記方による識字教室を主催している時に、生徒だった彼女の母親と知り合い結婚したのです。
 1960年代末の話のです。

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 このように文字のなかった社会で、幼少期から記憶によって叩き込まれた部族意識は、大変強固です。

 彼女の父親は大変開明的な人で、独学で英語を学びアメリカの大学を卒業しました。
 その後識字教室を主宰するだけではなく、当時のソマリアの独裁政権に反政府運動の中心にもなっていました。

 その為、投獄されたのですが、彼と同族だった刑務所長が脱獄させてくれました。
 しかし彼が脱獄した後、刑務所長は銃殺されました。

 父親がこのような人物だったため、一家はソマリアを離れて、サウジアラビア、エチオピア、ケニアなど国外生活を続けることになります。

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 そしてケニアで両親の結婚生活が破綻して、父親は家を出てしまいました。
 
 ソマリアはイスラム教の国ですが、女性隔離はアラブ諸国程ではなく、このよう場合は普通女性も働きます。
 
 しかしアヤーンの母親は、サウジアラビア式のイスラム教に凝り固まっていたので、このような状況でも絶対に家を出て働くことは拒否しました。 (このような母親の性格が結婚が破綻した原因のようですが)

 この母子家庭を扶養したのは、ケニアで成功している同じ部族の男性です。 つまり5~6代前の先祖が同じと言うだけで、日本人の感覚では親戚とも言えない間柄です。

 しかし母親は毎月、彼の所に行きへりくだる事なく「生活費が足りない」と言って、生活費を貰ってきたのです。
 この男性は他に多数のソマリア人の同族を扶養していました。

 これで一家は飢える事もなく、子供達は学校に通う事ができました。

 アヤーンの所属する部族は、ソマリアでも特に高貴で有力な部族で、しかも父親には格別な人望がありました。
 だから一般のソマリア人に比べれば遥かに手厚い扶助を受けられたのでしょう。

それにしても国家の福祉も、それどころか貯金などの手段さへない社会で、部族の紐帯がいかに重要かが良くわかります。

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 こうして彼女と彼女の妹はケニアで中学校と秘書養成学校を卒業するのですが、母親は断固として娘達が働くことに反対したので、二人は親族の助けを借りてソマリアに行きます。

 そして親族の家に寄宿したながら暫く働きました。

 しかしソマリアの政情不安が酷くなったので、二人はケニアへ帰りました。

 二人がケニアに戻って一月余りで、ソマリアは内戦に突入しました。
 そして大量のソマリア人がケニアに向けて脱出し始めました。

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 こうしたある日、同族の男性がアヤーンの家を訪ねてきて、彼女の兄に「ソマリアに残された妻子をケニアに連れてきたいので、助け欲しい。」と頼みます。
 ケニア国境を超えるのに、スワヒリ語の出来る人が必要だと言うのです。

 アヤーン兄弟はケニアで教育を受けました。 ケニアの学校は授業は英語、生徒同士の会話はスワヒリ語と言う世界だったので、彼等はこのどちらも完璧に話せたのです。

 しかしアヤーンの兄は、なかなか腰を上げないので、結局アヤーンがこの男性と一緒に、彼の妻子を救いに行きました。

 そしてケニア国境近くのソマリア側の難民キャンプを回り、この男性の妻子の他、同じ部族の男女子供など30人余りを連れてケニアに戻りました。

 そして彼等は全員、アヤーン一家の家に転がり込みます。
 その中には両親とはぐれた幼い子供二人もいたのですが、この子供達はアヤーン一家で養育する事になります。

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 すると一家には海外在住のソマリア人から送金がドンドン届き始めました。
 それで収入のない母子家庭で30人余りの人間が暮らす事ができたのです。

 しかもこれは銀行振り込みなんかではありません。

 同じ部族の人間同志が、次から次へと現金を手渡して託けて、最後に受取人の近所の食料品店などに届くと言う仕組みなのです。

 文字もマトモに書けない人達同志で現金を手渡しするのですから、領収書も何もないのですが、それでも一銭も誤魔化される事なく最終受取人の所に届くのです。

 受け取ったお金を誤魔化すような事をしたら、部族内で生きていけないと言う暗黙の合意があるから、こんな事ができるのでしょう。

 部族社会と言うのは実に凄いモノです。

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 しかしこの凄い部族社会は、近代国家の理念とは相いれません。

 同じ部族同志で強固な相互扶助義務を持つと人達が公務員や政治家として権限を持てばどうなるか?

 そして前記の送金法などがあれば、徴税も犯罪に関わる違法送金の監視も、絶対不可能のです。

 ソマリアの民主主義国家、次に社会主義国家を目指しますが、しかし結局は部族対立による壮絶な内戦に突入するのです。

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 また部族外の人間、部族の規範を犯した人間には極めて酷薄です。

 アヤーンが同族の男性と彼の妻子を救いにケニア国境付近の難民キャンプへ行った頃、そこでは親族とはぐれて一人になった女性達が、ケニア人の集団強姦に遭っていました。

 ケニア人達は昼間に一人になった女性に目を付けて置いて、夜になると集団で襲うのです。

 皆大混乱の中で逃げて来たのですから、親族とはぐれた事は女性達の落ち度でない事はわかるはずです。

 しかしソマリア人達はこうした女性達をケニア人の強姦から保護してやろうとはしませんでした。
 そして強姦されて重傷を負った女性達を助けようともしませんでした。

 アヤーンは難民キャンプの救護所に彼女達の救援を求めに行きましたが、他の親族達は「そんなことは止めろ」と言うのです。

 一人になり強姦された女性は穢れた物として捨てらて衰弱死するのです。

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 そしてこうした極めて原始的な、日本人で言えば古墳時代以前のような部族社会でも、明確な階級差別と部族差別があります。
 
 更にこのように原始的社会でありながら、ソマリア人はエチオピア人やケニア人に対しては明確な優越感を持っています。

 ソマリア人はケニアやエチオピアで難民として暮らしているのにです。

 歴史はエチオピアの方が遥かに古く、様々な古代遺跡や文化があります。
 
 また経済的にはケニアの方がソマリアより遥かに豊で、先進的な国です。

 しかしそれでもソマリア人は自分達のコミュニティーに立て籠もりながら、ケニア人やエチオピア人を見下しており、現地化したソマリア人を侮蔑しています。

 この優越感と差別意識の根拠は不明ですが、しかしこうした優越感や差別意識はソマリア人だけの物ではないのです。

 欧米人は途上国から来た人々を「差別されるカワイソウな人々」と信じているのですが、しかし実は途上国から来て受入国の福祉手当を宛てにして生きている人々の方が、受入国の国民を見下し差別しているのです。

 だから同化もしないし、受入国の法律や社会ルールを無視するのです。
 
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 こうした現実を少女時代から知り尽くしているアヤーン・ヒルシ・アリが、ヨーロッパの自称リベラリストの唱える多文化主義や多様性の尊重に同意できないのは当然でしょう。 

そしてこのような部族意識がある限り、近代国家の形成は不可能でしょう。

 しかし社会福祉など一切ない世界で、部族意識を喪えば、相互扶助義務もなくなり、母子家庭など弱者保護の手段は一切なくなります。

 所謂途上国の抱える厳しい現実がリアルに見えてきます。

 そしてこのような現実が、移民や難民と共に彼等を受け入れた欧米諸国にも押し寄せているのです。

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コメント

 アフリカは貧困や内戦という視点で語られることが多いのですが、人類はアフリカを起源としていて、古代エジプトと交易していたプント国が現在のソマリアだそうです。エチオピアもシバの女王から続いていますから、歴史は古いですね。

 800年前までの先祖の名前を女性達が口伝で伝えてきたと言うのは、とても興味深いです。膨大な情報を記憶することで、その部族の歴史や文化を血肉にしているというのが良く分かります。かつては、我が国でも稗田阿礼のような人や年寄りから伝え聞いていましたが、それがまだ生きているのは凄いことだし、確かにそういう教育を受けた人間は非常に強くて、生半可な理想主義などは敵わないと思います。

 リベラルは元々は宗教からの自由を目指したのかも知れませんが、それは衣食住が満たされて暇を持て余した人間のお遊びという気がします。よもぎねこさんが前に『イスラム世界雑感』書かれたザカートという相互扶助の仕組みが良い例ですが、生活に密着した宗教や不足のしきたりはもう血肉になっていますから切り離せないですよね。

 そういう事を考えないで、可哀想な人達だというお題目で安い労働力を手に入れられると歓迎している大企業やEUや各国政府の高官たちはこの状況をどうするのでしょう。お先真っ暗な気がします。
  1. 2017-01-09 09:45
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  3. 都民です。 #-
  4. 編集

先進国のマジョリティがマイノリティを差別されたかわいそうな美しい被害者とし、マイノリティがそれに乗っかっていますが、君たちの社会は差別ないの?してこなかったの?と正面から聞いたらいいのにと思います。
沖縄は薩摩が来るまで中国との貿易で豊かだった戦争のない平和な国だったとか、若い時はうっかり信じちゃいましたが。
アイヌの女性が進出してきた和人に強姦されていた記録がある!とアイヌの血をひく人が怒ってるのを見たことがありますが、アイヌは女性を強姦したことないの?と思うんですよ。妾を大勢蓄えてた有力者アイヌもいたようですが、その社会はほんとに平等?
韓国人が日本人に「議員になる朝鮮人もいたのに」と言われると、「協力的な朝鮮人は登用したがそうではない朝鮮人を差別した!」と。それ差別って言うか?それまでの朝鮮は奴隷がいっぱいで命の使い捨てが当たり前だったのはどう整理してるの?琉球みたいに理想社会ってことにしてるんでしょうかね。
差別した!って100年前の世界の差別で今の日本人が責められるのもおかしいし、100年前も今も朝鮮人は日本人に優越感を持ってますしねえ。私はお前を差別するが、お前は私を差別してはいけないって、何言ってんだとしか。
結局先進国のマジョリティが教育とか公的な立場で弱者保護のため欠点を隠蔽するのは、マイノリティの歴史文化をのっぺらぼうにするし、現実と合わなくてそれを知るマジョリティと軋轢を生むんですよね。かわいそうな在日像が蔓延して、口をつぐんでる間、恐ろしく低い価格で土地を貸していた…とか発覚しても是正されないとか兵庫県…。
  1. 2017-01-09 10:46
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  3. こきち #97nXsu5.
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Re: タイトルなし

>  アフリカは貧困や内戦という視点で語られることが多いのですが、人類はアフリカを起源としていて、古代エジプトと交易していたプント国が現在のソマリアだそうです。エチオピアもシバの女王から続いていますから、歴史は古いですね。
>
>  800年前までの先祖の名前を女性達が口伝で伝えてきたと言うのは、とても興味深いです。膨大な情報を記憶することで、その部族の歴史や文化を血肉にしているというのが良く分かります。かつては、我が国でも稗田阿礼のような人や年寄りから伝え聞いていましたが、それがまだ生きているのは凄いことだし、確かにそういう教育を受けた人間は非常に強くて、生半可な理想主義などは敵わないと思います。

 ええ、ソマリア人は先進国の自称リベラリスト達とは全然違った次元で生きています。 
 
 そして自称リベラリスト達は、「多文化主義」「多様性を認めろ」と言いながら、実は現実には他の文化、アジア・アフリカの文化を理解する意思がないのです。
 
 だって理解しちゃったら、彼等の価値観と激突するからです。
>
>  リベラルは元々は宗教からの自由を目指したのかも知れませんが、それは衣食住が満たされて暇を持て余した人間のお遊びという気がします。よもぎねこさんが前に『イスラム世界雑感』書かれたザカートという相互扶助の仕組みが良い例ですが、生活に密着した宗教や不足のしきたりはもう血肉になっていますから切り離せないですよね。

 近代合理主義や啓蒙思想って文字通り神と戦いだったのです。

 で、イスラム教徒が大量に移民すると言うのは、中世の世界がもう一度出現して、神との戦いを再開すると言う事なのです。
>
>  そういう事を考えないで、可哀想な人達だというお題目で安い労働力を手に入れられると歓迎している大企業やEUや各国政府の高官たちはこの状況をどうするのでしょう。お先真っ暗な気がします。

 ホントにお先真っ暗です。
 少なくとも国内で宗教戦争をしたくなければ、イスラム移民入れない事でしょう。

 トランプの公約は正しいと思います。
  1. 2017-01-09 12:22
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  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> 先進国のマジョリティがマイノリティを差別されたかわいそうな美しい被害者とし、マイノリティがそれに乗っかっていますが、君たちの社会は差別ないの?してこなかったの?と正面から聞いたらいいのにと思います。
> 沖縄は薩摩が来るまで中国との貿易で豊かだった戦争のない平和な国だったとか、若い時はうっかり信じちゃいましたが。
> アイヌの女性が進出してきた和人に強姦されていた記録がある!とアイヌの血をひく人が怒ってるのを見たことがありますが、アイヌは女性を強姦したことないの?と思うんですよ。妾を大勢蓄えてた有力者アイヌもいたようですが、その社会はほんとに平等?
> 韓国人が日本人に「議員になる朝鮮人もいたのに」と言われると、「協力的な朝鮮人は登用したがそうではない朝鮮人を差別した!」と。それ差別って言うか?それまでの朝鮮は奴隷がいっぱいで命の使い捨てが当たり前だったのはどう整理してるの?琉球みたいに理想社会ってことにしてるんでしょうかね。
> 差別した!って100年前の世界の差別で今の日本人が責められるのもおかしいし、100年前も今も朝鮮人は日本人に優越感を持ってますしねえ。私はお前を差別するが、お前は私を差別してはいけないって、何言ってんだとしか。
> 結局先進国のマジョリティが教育とか公的な立場で弱者保護のため欠点を隠蔽するのは、マイノリティの歴史文化をのっぺらぼうにするし、現実と合わなくてそれを知るマジョリティと軋轢を生むんですよね。かわいそうな在日像が蔓延して、口をつぐんでる間、恐ろしく低い価格で土地を貸していた…とか発覚しても是正されないとか兵庫県…。

 ケニアやエチオピアで難民として暮らしながら、ケニア人やエチオピア人を見下していたソマリア人が、オランダやドイツへ行けばドイツ人やオランダ人を尊敬するのか?

 勿論そんなことはありません。
 
 そして現在の欧米先進国が「差別のない平等な社会)を作ってきた歴史を思い出せばわかりますが、過去に遡る程様々な差別があったのです。
 
 女性差別は勿論、身分差別や奴隷制などがあったのです。

 途上国ではこうした差別が今も生きており、移民や難民はそれをそのまま持ち込んでくるのです。

 言い換えればこうした差別主義者を移民として受け入れる事で、また差別社会になるのです。

 途上国からの移民を「善良でカワイソウな人達」と言うのは、自称リベラリスト達が自分達のイデオロギーを合理化するために作った妄想に過ぎないのです。

 そして今の欧米の移民の数は、この妄想を守るには不可能なレベルになっているのです。
  1. 2017-01-09 12:31
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  3. よもぎねこ #-
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未開社会に生きる人達の世界観

学生の頃に読んだ文化人類学の本か何かに書いてあったのをかすかに覚えているんですが、中東やアフリカの人達には「個」というものが存在しないそうです。例えば、自分達の部族が外部から攻撃されると激しく怒って報復したりするのに、部族内での個人の生死などには無頓着だというんですね。
それを読んだ時は「へえ、そうなんだ。」と思っただけなんですが、韓国ウォッチをここ数年やっていて、それって未開社会に生きる人達に共通する世界観なんじゃないかと思うようになりました。

よく韓国ウォッチャーがふざけて「世界が韓国から孤立してしまう」と言うのは、韓国人が本気で「世界は韓国人が感じるのと同じように感じて、韓国人と同じように行動すべきだ」と考えているとしか思えない行動を取るからです。でも、それって中東やアフリカのイスラム教徒も全く同じなんですよね。

ムスリムやコリアンには「自他の境界」がありません。彼らの社会には、近代市民社会のような「自立した個人」というのものが無いんだと思います。彼らが、犯罪行為よりも背教や裏切りの方が罪が重いと考えるのも、そういうところから来てるんじゃないかと思います。

英語やフランス語がペラペラでも欧米の価値観をまるで分かっていないムスリムがいることや、日本語がペラペラでも日本の価値観をまるで分かっていないコリアンがいることを考えると、こういう世界観の違いは、難しい概念を知っているかどうかとは全く別のモノなのでしょう。
  1. 2017-01-09 22:56
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  3. かんぱち #vF6NeGQU
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一読して私は思ったのは南アフリカの事でした。誤解している人が多いのですが、本来南アフリカの国土の大半に黒人は殆ど暮らしていなかったのです。国土の大半は砂漠や寒冷地、荒れ地で黒人は現在の南アフリカの僻地に少数が暮らしていたに過ぎなかったのです。従ってヨーロッパから白人が開拓の為に入植した地域には黒人は一人も住んでいなかったのです。したがって南アフリカは、白人がゼロから作った国だという主張は間違ってはおらず、いわばアフリカの不毛の土地に白人が建設したヨーロッパの先進国だったということです。
ではなぜ同国に黒人が多いのかというと、金やダイヤモンド鉱山が発見され、そこへ職を求めて周辺国から黒人が流入し、しかも出生率が高いものですから、瞬く間に黒人が多数派になってしまったのです。40年前の白人人口は400万人で、黒人は1300万人でしたが、現在白人人口は500万人で、黒人人口は4000万人の三倍の増加です。しかも、この数字は不法移民を除いた数字です。
南アフリカの白人はドイツやオランダからの清教徒移民やフランスのユグノー達の子孫であり、意識的にはゲルマン系の一派であり、南アフリカの国家意識もそうといえるでしょう。
つまり、南アフリカの国情とは、ドイツやオランダなどに部族意識を行動様式の基準とする発展途上国の国民が移民として大量移住して圧倒的多数派となっているというのと同じものだったのです。
私は、南アフリカの白人政府に同情心を覚えました。近代国家を形成する上で障害となる部族意識に固まった黒人部族を一つや二つではなく複数も抱え、しかも圧倒的多数派になってしまった以上どうやって彼らをヨーロッパの近代国家の枠組みに適応させるか?考えただけでも頭が痛くなるでしょう。
こうした背景があったからこそ、白人政府は黒人達を部族ごとに分割統治し、警察国家体制を敷かざるおえなかったのではないでしょうか?
机上の空論だけで多文化主義を究極理想だと信じるリベラリストは、かつて南アフリカの白人政府が経験した苦悩をこれから味わうことになるのです。
その時欧州は民主主義を放棄し、全体主義となり、警察国家体制を敷くしかなくなるのかもしれません。
  1. 2017-01-10 00:57
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  3. 名無しの権兵衛 #9DLVFzIs
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Re: 未開社会に生きる人達の世界観

> 学生の頃に読んだ文化人類学の本か何かに書いてあったのをかすかに覚えているんですが、中東やアフリカの人達には「個」というものが存在しないそうです。例えば、自分達の部族が外部から攻撃されると激しく怒って報復したりするのに、部族内での個人の生死などには無頓着だというんですね。
> それを読んだ時は「へえ、そうなんだ。」と思っただけなんですが、韓国ウォッチをここ数年やっていて、それって未開社会に生きる人達に共通する世界観なんじゃないかと思うようになりました。
>
> よく韓国ウォッチャーがふざけて「世界が韓国から孤立してしまう」と言うのは、韓国人が本気で「世界は韓国人が感じるのと同じように感じて、韓国人と同じように行動すべきだ」と考えているとしか思えない行動を取るからです。でも、それって中東やアフリカのイスラム教徒も全く同じなんですよね。
>
> ムスリムやコリアンには「自他の境界」がありません。彼らの社会には、近代市民社会のような「自立した個人」というのものが無いんだと思います。彼らが、犯罪行為よりも背教や裏切りの方が罪が重いと考えるのも、そういうところから来てるんじゃないかと思います。
>
 確かに韓国も基本的には部族社会ですからね。 「ウリとナム」と言う意識など全くソマリアの部族社会と同じです。

 そして部族社会って部族の利益や名誉を皆で守る事が非常に重要なので、部族外の法や社会ルールは二の次です。
 
> 英語やフランス語がペラペラでも欧米の価値観をまるで分かっていないムスリムがいることや、日本語がペラペラでも日本の価値観をまるで分かっていないコリアンがいることを考えると、こういう世界観の違いは、難しい概念を知っているかどうかとは全く別のモノなのでしょう。

 イスラム教の問題は、実は同じ一神教であるキリスト教の中世と同じ感覚ではないかと思います。

 イスラム絶対化をしなければならない。
 
 これが全てのイスラム教徒の中に沁みついているので、他の価値観を入れる事を許さないのです。

 実はアヤーン・ヒルシ・アリもこれで非常に悩むのですが、彼女はそれをスピノザなど啓蒙思想家の著作を読み考える事で突破しました。
  1. 2017-01-10 14:23
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  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> 一読して私は思ったのは南アフリカの事でした。誤解している人が多いのですが、本来南アフリカの国土の大半に黒人は殆ど暮らしていなかったのです。国土の大半は砂漠や寒冷地、荒れ地で黒人は現在の南アフリカの僻地に少数が暮らしていたに過ぎなかったのです。従ってヨーロッパから白人が開拓の為に入植した地域には黒人は一人も住んでいなかったのです。したがって南アフリカは、白人がゼロから作った国だという主張は間違ってはおらず、いわばアフリカの不毛の土地に白人が建設したヨーロッパの先進国だったということです。
> ではなぜ同国に黒人が多いのかというと、金やダイヤモンド鉱山が発見され、そこへ職を求めて周辺国から黒人が流入し、しかも出生率が高いものですから、瞬く間に黒人が多数派になってしまったのです。40年前の白人人口は400万人で、黒人は1300万人でしたが、現在白人人口は500万人で、黒人人口は4000万人の三倍の増加です。しかも、この数字は不法移民を除いた数字です。
> 南アフリカの白人はドイツやオランダからの清教徒移民やフランスのユグノー達の子孫であり、意識的にはゲルマン系の一派であり、南アフリカの国家意識もそうといえるでしょう。
> つまり、南アフリカの国情とは、ドイツやオランダなどに部族意識を行動様式の基準とする発展途上国の国民が移民として大量移住して圧倒的多数派となっているというのと同じものだったのです。
> 私は、南アフリカの白人政府に同情心を覚えました。近代国家を形成する上で障害となる部族意識に固まった黒人部族を一つや二つではなく複数も抱え、しかも圧倒的多数派になってしまった以上どうやって彼らをヨーロッパの近代国家の枠組みに適応させるか?考えただけでも頭が痛くなるでしょう。
> こうした背景があったからこそ、白人政府は黒人達を部族ごとに分割統治し、警察国家体制を敷かざるおえなかったのではないでしょうか?
> 机上の空論だけで多文化主義を究極理想だと信じるリベラリストは、かつて南アフリカの白人政府が経験した苦悩をこれから味わうことになるのです。
> その時欧州は民主主義を放棄し、全体主義となり、警察国家体制を敷くしかなくなるのかもしれません。

 そうですね。 南アやジンバブエ周辺は実は非常に厳しい気候で、近代まで人口希薄地帯なのです。
 ジンバブエの遺跡も、あれを作った頃が最盛期で、その後気候の変化によって人口が激減して、ああした構造物は作れなくなってしまったのだし。

 その意味ではアフリカ=黒人の世界と言うのは必ずしも正しくないです。

 しかしこの南アの状況を想うと、今後ヨーロッパで起きる事は極めて悲観的です。
 それにしてもこの状況を招いたのは、現代ヨーロッパ人が自分達が作った奇妙なポリティカルコレクトネスです。

 彼等はホントにどうしちゃったんでしょうね?
  1. 2017-01-10 14:38
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  3. よもぎねこ #-
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