しかしワタシは政治ではなくショー或いは、「芝居」だと思います。
連合国は何でそんなショーをしたのか?
連合国は第二次大戦で完璧な勝利を収めましたが、しかしソ連を除く戦勝国には何の利益もありませんでした。
それどころかそれどころか植民地を全て喪って丸裸になってしまったのです。
イギリスは日の没する事のない大帝国から、敗戦国日本やドイツより小さな中規模国家に転落しました。
一度の戦争でこれだけの領土を喪った国は、世界史上例がないのですが、それが戦勝国なのですから憐れの極みです。
第二次世界大戦までは、戦争で敗者を裁く事はありませんでした。
しかし代わりに戦勝国は敗戦国から、領土や権益、賠償金などを戦果として得る事ができました。
国民もそれを期待していたのです。
日本国民がポーツマツ条約に憤り、日比谷公会堂を焼き打ちしたのは、苦難の末の勝利であったにも拘らず余りにも戦果が少ないと思ったからです。
しかし第二次大戦では、連合国側は戦果を得る事ができなかったのです。
日露戦争と違い、対戦相手を無条件降伏させた言う圧勝であるにも拘らずです。
なぜならこの戦争の間に、アメリカが必死に支援したソ連が、化け物になってしまったからです。
もしアメリカの支援がなければソ連は国家の存続さへ危うい程だったのに、戦争が終わってみれば、ヒトラーとの密約で決めていた取り分は全て自国領にしたばかりではなく、ドイツの東半分に至るまでの東欧全てを「共産圏」として支配下に置きました。
そしてそれと共にミサイルなどドイツの軍事技術が、ソ連の物になりました。
満州の権益は、日米の深刻な対立原因だったはずですが、これもルーズベルトによって、魔法のようにソ連の物になり、更に中国共産党に与えられたのです。
こうして共産圏と言う「化け物」が生まれ、その化け物は更なる覇権を求めていたのです。
こうなるともうアメリカと西ヨーロッパ戦勝国側には、敗戦国から権益や賠償金を得て国民の期待に応えるなんて事はできません。
今後は枢軸国に代わって、共産圏と言う敵から身を守る事を考えなくてはならないのです。
その為には日本やドイツの西半分を、自分達の防衛の盾として確保するしかないのです。
それにしても膨大な犠牲を払って勝利を収めたのに、一片の領土、一ドルの賠償金も得られないばかりか、自分が育てた化け物の脅威に晒される、こんなに無残でお間抜けな結果を、どのように国民に説明したら良いのでしょうか?
もし貴方がイギリスの首相やアメリカの大統領だったらどうしますか?
この結果に国民が憤れば、小村寿太郎みたいに家を焼かれるぐらいじゃ済まないでしょう。
これを逃れる唯一の方法は「枢軸国が侵略してきたから戦うしかなかった。 枢軸国は極悪だったから、正義の為に戦うしかなった。」と言う事にするしかないのではありませんか?
だからこの正義を示すショー、演劇が必要だったのです。
そこで「裁判」、つまり法治国家では正義を決める形式の芝居を打つ事にしたのです。
そして悪党を縛り首にして、せめて国民の復讐心ぐらいは満足させることにしたのです。
因みにこの愚劣で無残な結末を見越して戦争に反対していた人も沢山いました。
例えばアメリカのフーバー元大統領や共和党の大物議員ハミルトン・フィッシュなどです。
彼等は戦前からルーズベルトの、日本やドイツを挑発政策の危険性を指摘し、またドイツが崩壊させたらソ連の膨張を止められなくなる事を予見していました。
彼等はまたドイツの最大の敵がソ連であり、ヒトラーを放置すれば早晩ドイツとソ連が戦争になると予見していました。
「我々はドイツとソ連の戦争の戦況をラジオで聞いていれば良いのだ。」
そして双方が戦いで衰弱し尽くした後に介入してすれば良いと考えていたのです。
しかしルーズベルトとその支持者達は、これ等の意見を無視して対独戦を煽り、結果は上記の愚劣でお間抜けな結末になったのです。
だからこそ益々「正義」を演出する事が必要なのです。
そしてこの演劇は成功しました。
とにかくこれで一般国民には「我々は正義を成した」との満足感を与える事ができたのです。
お蔭でイギリス史上最もの領土を喪ったチャーチルも「失地宰相」と呼ばれずに済んでいます。
ジョン王は母親から相続したフンランスの一部を喪った事で失地王と呼ばれ、イギリス史上でも有数の無能な暴君とされしまいました。
チャーチルが喪った領土は、これとは比べものにもならない程広大なのにです。
こんな事でコロリと騙されるって英米仏蘭人って馬鹿なのでしょうか?
でもワタシは結構賢いと思います。
なぜなら彼等もこれがインチキ臭い事ぐらいはわかっていたのでしょう?
だからサンフランシスコ講和条約委締結後、日本が収監中の戦犯の釈放を要求したらアッサリ応じたし、戦犯の名誉回復をしても抗議もしませんでした。
そして1954年に日本が国連つまり連合国加盟を果たした時に、NYの国連本部で元A級戦犯重光葵が加盟受諾演説をしても、誰も抗議をしなかったばかりか、拍手喝采したのです。
この時重光葵の演説を聞いていた連中は、皆重光と同世代でそして重光同様、それぞれの自国で政治外交に関わってきた連中ですから、重光葵が戦前戦中何をしていたのか? そして何で戦犯にされたかは重々知っていたのです。
ええ、これで芝居は終わったのです。
前記のようにこの芝居は元々、戦勝国が戦果を得られなかった代わりに、裁判と言う形の芝居をすることで、何とか戦勝国としての体裁を繕う為の物でした。
そしてそんな形で体裁を繕う必要があったのは、手っ取り早くこの戦争のケリをつけて、対ソ防衛の為に日本を自分達の陣営に加える為です。
で、サンフランシスコ講和条約の締結でこの目的が達成できたのです。
サンフランシスコ講和条約で日本は自由主義陣営側に入り、ソ連を外しました。
だからこれ以上芝居を続ける必要はなくなりました。 それで重光葵も戦犯役を解かれました。
そしてそうした芝居上演の理由を定かに知らない連合国の一般国民も、これに抗議はしていません。
彼等もまたこれで過去の戦争についての心の整理を済ませて、これから日独と組んで目の前の敵に立ち向かう覚悟を決めたのです。
だからワタシは彼等を「賢い人達」だと思うのです。
これが朝鮮人のレベルなら目の前の敵よりも、過去の怨念に延々と拘りますから。
しかし芝居は終わってもその影響は残ります。
それどころか優れた演劇は、真実以上の説得力を持つのです。
吉良上野介は「忠臣蔵」で、リチャード三世はシェークスピアの「リチャード三世」で稀代の悪人とされました。
歴史の事実より演劇に酔う人は、今も吉良上野介やリチャード三世を極悪人と信じています。
だから日本にも、また連合国側にもA級戦犯を極悪人と信じているお馬鹿さんがいるのは仕方がありません。
そして中国と韓国はこのお馬鹿さん達の支援を宛てにして、今も終わった芝居の正義の味方を演じようとしているのです。
安倍さんは明日真珠湾で慰霊をするそうです。
ワタシはこれはそのどうしようもないお馬鹿さん達に「芝居は終ったから、もう君達の出番はないよ。」と教えてあげる為だと思います。
この年の瀬にワザワザ真珠湾に行くのもご苦労な事ではあります。
しかしこの芝居はもう60年前に終わったはずなのに、今もそれがわからない人がいるのだから仕方ありません。