2016-11-13 19:54

バッカスの歌 ルネサンスの哀歌

 先週、you tubeで見つけた曲です。
 まず「バッカスの歌」です。



 これはロレンツォ・デ・メディチ(ロレンツォ・イル・マニーフィコ)の詩を元にした歌で、ルネサンス以降近代までイタリア中で謝肉祭に歌われました。

 この詩は大変長い物ですが、さわりの所を塩野七生さんが訳しています。

 Quantè bella giovinezza,    クアンテ ベッラ ジョヴィネッツァ
  che sia fugge tuttavia,      ケ シ フッジェ トゥッタヴィア
  Chi vuol essere lieto, sia:     キ ヴォル エッセレ リエト シア
  di doman non cè certezza.    ディ ドマン ノン チェ チェルテッツァ

  青春とは、なんと美しいものか
  とはいえ、みるまに過ぎ去ってしまう
  愉しみたいものは、さあ、すぐに
  たしかな明日は、ないのだから」
  (塩野七生/訳  「第四章 花の都フィレンツェ」より)

 ロレンツォ・デ・メディチは盛期ルネサンスそのモノの人物です。
 
 彼はメディチ家の当主として、その富と卓抜した学問・芸術への愛情、そして卓抜した政治的才能を受け継ぎ来ました。

 当時のイタリア半島は、他のヨーロッパ諸国とは比べものにもならない程豊で先進的でしたが、小国分裂していました。

 一方、フランス、スペインなどは中央集権化に成功して、人口と国土相応に強大な軍事力を持つようになっていました。
 そして豊かなイタリア諸国へに食指を動かし始めたいたのです。

 ロレンツォはこうした困難の中、これらの大国の君主達をルネサンス文化で魅了させながら、彼等の信頼を得て、大国・小国・法皇庁などの利害調整に務めて、イタリア半島とフィレンツェの繁栄を守ったのです。 

 それで彼の時代、フィレンツェルネサンスは最盛期を迎えました。
 
 彼の周りには幾多の芸術家や文人が集い、豪華絢爛なルネサンス文化の花が咲き誇りました。

 それで人々は彼をイル・マニーフィコ=豪華王と呼んだのです。
 
 その上彼には優れた文才があり、彼の詩や文章はイタリア文学の傑作とされています。

 おお、この世にこれほど恵まれた人間がいるのだろうか?

 しかしそれにしては儚い詩ではありませんか?

 でもイタリアルネサンスは彼の時代を頂点にして、敢無く散ってしまいます。 だからこの曲はルネサンスの哀歌とも思えるのです。 

 このルネサンスが散りゆく時代を生きたのが、ニコロ・マッキャベリでした。

 だから以前、マキャベリの話をエントリーした時に、この曲を貼りたかったのです。

 でもその時は見つかりませんでした。

 今回偶然に見つかったので貼っておきます。 
  1. 古本
  2. TB(0)
  3. CM(6)

コメント

よいものを聞かせていただきました。

イタリア・ルネッサンスに興味をもっております。偶々、先日、ミニクラス会で新宿で会食したレストランの名前が「マキャベリ」、パンフを読むと、トスカーナのマキャベリ農園に縁のあるお店でした。それはさておき、ダンテの『神曲』は若いころから興味があったのですが、あるところで集中講座を受けました。いつも思うのですが、『神曲』は、カソリックの立場から見た場合、明らかにギリシャ・ローマの多神教世界を取り入れた異端の世界です。それを当時のカソリックがなぜ排除しなかったか、そしてその後のイタリア・ルネッサンスの世界でもボッティチェリなど苦労があっても、その後の西欧世界を主導したことに対してよもぎねこ様は如何、お考えでしょうか?なかなか的確な答が得られません。
  1. 2016-11-13 20:28
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  3. 酔っ払い爺さん #-
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謎多きイタリア

歴史にifは禁物ですが、イタリアがより強固な大国になっていれば、世界史はかきかわっていたでしょう、野蛮だが自分は世界の中心という国が多かったのですから、なんとも残念です、ルネサンスが花開き、素手で食事をしていた連中の恥知らず、世の中不思議ですね。

お花畑の日本共産党員プロバガンダ工作員

http://otokogumdoronikazu0000000.blog.jp/

過激派崩れカルト偽仏教徒しばき隊

http://wwwjtheravadanetsatoutesuroushibuykusyogaisyaombudsman0000.dreamlog.jp/

自治労上がり自称無所属本当は組織候補偽福祉の専門家

http://sesesekurokawashigeru.blog.jp/

三人とも唯物史観に毒されています。
  1. 2016-11-14 08:27
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  3. 政界ウォッチャー三十年 #FIr00g.A
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Re: よいものを聞かせていただきました。

> イタリア・ルネッサンスに興味をもっております。偶々、先日、ミニクラス会で新宿で会食したレストランの名前が「マキャベリ」、パンフを読むと、トスカーナのマキャベリ農園に縁のあるお店でした。

 おお、それじゃマッキャベリ農園のワインが飲めたのですね。

 マキャベリ全集で知ったのですが、マキャベリは失業後、結構頑張って農園を買い増しています。 元々母親から相続した農園は2つだったのですが、死ぬ前までに4つに増やしています。
 
 賢い人出し現実的な能力のある人だから、農園経営だって上手かったのでしょうね。

それはさておき、ダンテの『神曲』は若いころから興味があったのですが、あるところで集中講座を受けました。いつも思うのですが、『神曲』は、カソリックの立場から見た場合、明らかにギリシャ・ローマの多神教世界を取り入れた異端の世界です。それを当時のカソリックがなぜ排除しなかったか、そしてその後のイタリア・ルネッサンスの世界でもボッティチェリなど苦労があっても、その後の西欧世界を主導したことに対してよもぎねこ様は如何、お考えでしょうか?なかなか的確な答が得られません。

 ヨーロッパの近世文化って、キリスト教とギリシャ・ローマのごちゃまぜですからね。

 歴史的には教会は必ずしもギリシャ・ローマ文化を迫害していません。 むしろローマ滅亡後ローマ文化を何とか守ったのは教会です。
 
 異端審問で知られるドメニコ会なども、こうした文献研究は熱心にやっていました。

 しかしキリスト教とこうしたギリシャ・ローマ文化をどう両立させるかは、随分悩んだのでしょうね。

 ボッチェチャリだってサヴォナローラに感動して、自分の作品を異端的だとして随分燃やしてしまったようです。
 
 知性と感性を引きつけて止まないギリシャ・ローマ文化と、唯一絶対の神に従えと信仰をどう両立させるか?、一神教世界では厄介な問題なんでしょうね。
  1. 2016-11-14 11:20
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  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: 謎多きイタリア

> 歴史にifは禁物ですが、イタリアがより強固な大国になっていれば、世界史はかきかわっていたでしょう、野蛮だが自分は世界の中心という国が多かったのですから、なんとも残念です、ルネサンスが花開き、素手で食事をしていた連中の恥知らず、世の中不思議ですね。
>
> お花畑の日本共産党員プロバガンダ工作員
>
> http://otokogumdoronikazu0000000.blog.jp/
>
> 過激派崩れカルト偽仏教徒しばき隊
>
> http://wwwjtheravadanetsatoutesuroushibuykusyogaisyaombudsman0000.dreamlog.jp/
>
> 自治労上がり自称無所属本当は組織候補偽福祉の専門家
>
> http://sesesekurokawashigeru.blog.jp/
>
> 三人とも唯物史観に毒されています。

 ヨーロッパのインテリ達は、イタリアルネサンスの崩壊を見ているので、ヨーロッパの統合を図ったのでしょう。
 しかしそれなら難民受け入れなんて馬鹿なことは絶対止めて、ヨーロッパの統一を第一にするべきでした。
 
  1. 2016-11-14 12:10
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  3. よもぎねこ #-
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 ロレンツォ・デ・メディチの有名な肖像画は、明るくて才能豊かな人物にしては苦い表情をしていて、もう少し陽気な絵もあると良いのにと思います。

 この曲を聞きながらマキャベリの記事を読み返すと、まるで映画を観ているみたいな気がします。よもぎねこさんのお蔭で、マキャベリの肖像を見かけると「ニッコロさん!」と話しかけそうになるくらい身近になっています。

 最近の激動の国際情勢をロレンツォやニッコロの視点でみたら、どういう分析をするのか聞いてみたい気がします。
  1. 2016-11-15 08:11
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  3. 都民です。 #-
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Re: タイトルなし

>  ロレンツォ・デ・メディチの有名な肖像画は、明るくて才能豊かな人物にしては苦い表情をしていて、もう少し陽気な絵もあると良いのにと思います。

 聡明を絵に描いたような人ですから、メディチ家とルネサンスの最盛期に既に将来の没落を見越していたのかもしれません。

 それにメディチ家って醜女、醜男揃いで有名なのです。 特にロレンツォは蝦蟇口の醜男として知られていました。
 でも女にはモテモテだったのですが。

>  この曲を聞きながらマキャベリの記事を読み返すと、まるで映画を観ているみたいな気がします。よもぎねこさんのお蔭で、マキャベリの肖像を見かけると「ニッコロさん!」と話しかけそうになるくらい身近になっています。
>
>  最近の激動の国際情勢をロレンツォやニッコロの視点でみたら、どういう分析をするのか聞いてみたい気がします。

 イタリア語ができたらウフィッティ美術館へ行って、直接マキャベリの話が聞けるかも?
 マキャベリのトランプ評はワタシも聞きたいです。

 因みにトランプの女性蔑視が問題になっていますが、二人ともそれは問題にしないでしょうね。 コイツラ二人とも大の女好きですから、その点トランプには寛大だと思います。
  1. 2016-11-15 12:17
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  3. よもぎねこ #-
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