2016-08-09 00:00

思考統制手段としてのレイシズム 「中国4.0」から

 先日エドワード・ルトワックの「中国4.0」を読みました。
 この中で何とも奇妙なエピソードが書かれていました。

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 第二次湾岸戦争の前に、ルトワックがアメリカに招かれて、イラク攻撃に関する講義をした時の話です。

 ルトワックがイラクの宗教対立と民族対立の複雑さと深刻さについて説明したところ、参加者の一人でブッシュ政権支持の言論人が突然言いました。
 
 「ルトワック氏はイラクには民主主義は無理だと仰っているのでしょうか?」

 ルトワックが「その通りです。」と答えた所、相手は「ルトワック氏はレイシストです。 私はレイシストと同じ席で議論する事を拒否します。」と言いました。

 ルトワックが「自分はレイシストではありませんよ。 文化主義者です。 イラクのような文化を持つ国に民主主義の制度は無理です。 勿論200年、300年後には可能になるかもしれませんが、今は無理です。」と答えました。

 すると相手は「全ての貧しい人にも民主主義の中に生きる資格があります。 またイラクには高等教育を受けたエンジニアも多数います。」と言いました。

 それに対してルトワックが、「それは確かにその通りですが、彼等はエンジニアではありません。 イラク国民でエンジニアの資格を持つ人々と言うのは、資格をエンジニア(細工)した人達なのです。」と答えました。

 すると相手は「またレイシスト的なコメントが出ましたね。」と答えたのです。

 これでもう聴衆達はルトワックの話を聞かなくってしまい、講義は失敗しました。

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 因みにこの手の傾向はアメリカだけでなく、イギリスでも同様で、例えばパレスチナ国家の建設について、パレスチナ人による国家運営に否定的な話をすると、「レイシスト」と言われると言うのだそうです。

 そしてこの問題について、この本の翻訳をした奥山真司氏が、あとがきで解説しています。

 奥山氏によるとアメリカでは、「文化的な差異」「文化による違い」などと言う意見は、完全に人種差別的と見做されるようになっていて、議論ができない状況だと言います。

 ルトワック自身はルーマニア出身のユダヤ人で、その後イギリス国籍を取ったりと、色々な文化の社会を経験して生い立ちによるのか、文化による国家の在り方、国家戦略の違いと言うの物を重要視する人です。

 この「中国4.0」で繰り返し描かれているのも、中国の文化に根差す戦略を分析しているのです。

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 こうした「戦略文化」と言う議論が90年代半ばから2000年代初頭にかけて盛り上がりました。
 しかしアメリカではこれが、人種差別として拒否されてしまい、この議論への反応は今一だったそうです。

 人間には文化を超えて普遍的な価値がある、と言う発想が絶対化して、文化の存在そのものを「人種差別」と捉える状態になっているのです。

 そしてアメリカの知識人にとって、「レイシスト」と言うレッテル貼られる事は「死」を意味するのです。

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 典型がサミュエル・ハンチントンで、彼は文化を超えた人間の普遍性を追求してきたのですが、しかし晩年は文化や宗教の要素をより重視するようになりました。

 その集大成が「文明の衝突」や「分断されえたアメリカ」です。

 ところがこれによりハンチントンはアメリカのアカデミックの世界では「レイシスト」のレッテルを貼られてしまったのです。

 それでハンチントンの没後、弟子達は必死でハンチントンがレイシストでなかったことを訴える記事を書かなくてはならなかったと言うのです。

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 世界的な名著とされた本が、道徳により全否定されるなんて・・・・。
 まるでマキャベリの著作を「不道徳の書」として発行禁止にした法皇庁と同じではありませんか?

 これが近代国家のやる事ですか?
 ルネサンスから生まれた近代の学問と言うのは、理念や宗教から自由になって、全てあるモノをあるがままに観察し考察する事で成り立っているはずでは?

 ところが実は自分達で自ら異端審問官の役を買って出ているのが、当の学問の担い手であるはずの知識人達なのです。

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 これで思い出したのが池内恵氏の講義です。

 実はワタシは先月、北星学園で行われた池内恵氏の講義でも似たような話を聞いたのです。

 ヨーロッパの反イスラム移民派の人達は、イスラム移民の増加によりいずれヨーロッパがイスラム化されるのではないかと心配しています。

 イスラム教は元来、政教分離の発想がなく、ムハンマド存命中からイスラム法による統治が確立しており、今もイスラム諸国の多くはイスラム法を採用しています。

 こうした現実からイスラム教徒が多数派になれば、現行の民主主義制度や法制度自体を全部否定して、イスラム法による統治を行う事は十二分に考えられるのです。

 しかしヨーロッパの学会では、こうした事を考える事自体が差別と受け取られているような傾向があり、議論する事自体できない状態だと言うのです。

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 そしてもう一つ思い出すのがイギリスのEU離脱に関する話です。

 EU離脱の国民投票の前、イギリスのEU残留派とその意を受けたマスコミは、EU離脱派をレイシスト、排外主義者と罵り続けました。

 何でEU離脱だとレイシストになるのかわからないのですが、とにかくそうやってみんなが罵り続けると、善良で教養があると思われたい人は、私的な会話でさへEU離脱を明確に言えないような状況だったと言うのです。

 「自分の価値観を押し付けたり絶対化してはならない。」と言う寛容の精神を持つ事を自認する反レイシスト達が、EU離脱派をレイシストと罵って黙らせるのですからブラックジョークです。

 でも当人達は大真面目なのです。

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 なんだかもうソ連時代のソ連アカデミーや、ナチス時代のドイツ学会と同じじゃないですか?

 元来学問の問題を、学問に関係ない理念やイデオロギーで批判して学者を吊し上げる。
 吊るし上げをやったのは、実は同じ学者達なのです。
 
 彼等が自ら仲間の吊るし上げを買って出たのです。

 ナチスがナチズム、ソ連がスータリニズム、そして法皇庁がキリスト教をネタにして、言論統制をしたように、現在の欧米では反レイシズムを元に、学者達が自発的学問の自由を奪い、言論統制をしているのです。

 なるほど学会がこのような状態では、欧米の対中東政策がオカシクなるのも当然でしょう?

2016y08m09d_125633225
 
 「イラク国内は宗教や民族対立が深刻すぎて、民主主義国家の成立など不可能」と言うルトワックの指摘は、現在のイラク情勢の悲惨さを見れば、全く正しいとしか言えません。

 でも反レイシズム教の異端審問官達は、そんなことは絶対に認めないのです。
 そんなことを言う奴は火炙りにするのです。

 だからアメリカもヨーロッパも全く成算のないまま、意味不明の中東政策を続けていくしかないのです。

 これはもう十字軍と同じではありませんか?

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 反差別、反レイシズムはそれ自体間違いではありません。
 しかし現在のそれは明らかに、元来の目的を逸脱して、有害なカルトになっているのです。

 そして人間の自由な思考や言論を弾圧する手段になっているのです。
 
 もういい加減にこんな馬鹿馬鹿し反レイシズムカルトや、反差別ファシズムは廃止して、本来の民主主義と自由な思考と言論を取り戻すべきではありませんか?

  1. レイシスト
  2. TB(0)
  3. CM(16)

コメント

比較文明論などは、今後厳しいのかもしれませんねえ。
こういうのは、面と向かってやりあっても徒労に終わるような面も強く、悪性ウィルスのように偽善を是とする先進諸国間では蔓延せざるをえないかもしれません。

昨日、BSフジのプライムニュースで、桜井よし子さんと内蒙古から日本に帰化された楊氏が出演されており、ここでもよく取り上げられるヤルタ会談について掘り下げておりました。
2005年ラトビアでの、ブッシュ大統領によるヤルタ批判も紹介されてましたが、ご覧になりましたか?

もし興味がおありであれば、貼っておきますね。

http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/day/d160808_1.html
  1. 2016-08-09 14:22
  2. URL
  3. 二郎 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 比較文明論などは、今後厳しいのかもしれませんねえ。
> こういうのは、面と向かってやりあっても徒労に終わるような面も強く、悪性ウィルスのように偽善を是とする先進諸国間では蔓延せざるをえないかもしれません。

 そうですね。 反差別ファシズムが同性愛など、他の分野にも広がって、ドンドン酷くなりつつあるようです。
>
> 昨日、BSフジのプライムニュースで、桜井よし子さんと内蒙古から日本に帰化された楊氏が出演されており、ここでもよく取り上げられるヤルタ会談について掘り下げておりました。
> 2005年ラトビアでの、ブッシュ大統領によるヤルタ批判も紹介されてましたが、ご覧になりましたか?
>
> もし興味がおありであれば、貼っておきますね。
>
> http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/day/d160808_1.html

 有難う御座います。 後で見ます。
  1. 2016-08-09 19:51
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

民主主義は無理 がレイシズム
民主主義サイコーというものさし価値観をそれが合わない人たちに押し付けてイラクなどにおせっかいをして現場を混乱させる方がレイシズムじゃないでしょうか。
日本は割と上手く中世近世近代と脱皮してこられた国だとは思うんですが、欧米から女性の権利が低いとか、少女買春がひどいとか、ロリコン漫画を規制しろとか、LGBTの権利が後進国とかイルカの人権を認めないとか散々いわれるので、彼ら目線ではテクノロジーだけはいっちょまえだけど道徳的にはアジア的野蛮に満ちた後進民族なんでしょう。しかし大きなお世話です。女性の権利については当の女性が実力で勝ち取らなくてはいけないことだと思いますし(その気のない女性も多い)、世界一女性管理職が少ないという指摘は、それだけ階級差の少ない均一な社会である証明だと思うんです。フィリピンやインドネシアの女性がエリートとして働けるのは安い賃金で家事を代行する層が存在するからです。北欧の男女が短時間労働で豊かな生活を営めるのは、苛烈な税制と穴埋めの移民がいるからです。結局は階級ですたぶん。日本には余裕でお手伝いさんを雇える層が少ないし、普通の共働き家庭が雇えるほど低賃金の家事サービスがない。
その他の指摘についてはスケベなオリエンタリズムの勘違いばっかりです。
西欧的価値観に割と迎合してきた日本人ですらあやつらに反発を感じるのだから、誇り高い中世状態の人たちに恨まれないはずはありません。手出し口出しは無用です。だからこそ無制限に自国に入れたりしてはいけないのです。
娘が親の意に沿わない恋愛をすれば親族が名誉のために殺す。いい悪いは別として、そういう考え方なのです。江戸時代の武家にはありそうな話ですし、ヨーロッパだってロミオとジュリエットのような物語があるのだから振り返って想像すればわかるはずです。それは民主的ではないよ、個人の自由だよと教え諭すだけでは身につかない。意識が変わるには何百年もかかることなのだと。レイシズムじゃなく、宇宙に出て惑星探査をする社会、名誉殺人の社会、孤島やジャングルで孤立した社会では時間軸が違うのだと先進国側が理解すべきです。


  1. 2016-08-09 20:15
  2. URL
  3. こきち #97nXsu5.
  4. 編集

こんばんは 不正な投稿になってしまいました。
  1. 2016-08-09 20:18
  2. URL
  3. こきち #97nXsu5.
  4. 編集

ヨーロッパは中東・アフリカ・アジア等を植民地化するときに、「白人の義務」という概念を使いましたよね。「未開の土人に文明を教えてやるのは白人男性の義務だ」というわけです。実際には収奪目的でしたが、当時でさえ彼らには言い訳が必要だったわけです。現代版「白人の義務」が難民政策ですよね。欧米のリベラリストは日本の左翼とそっくりで、高学歴だが実社会での職歴は乏しく、洗脳されやすい。意見が違うとすぐ切れて、議論に負けると相手をレイシストだと非難する。こんな甘ちゃんたちでは、狡猾なイスラムや中国に勝てません。
  1. 2016-08-09 21:01
  2. URL
  3. *** #-
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Re: タイトルなし

> 民主主義は無理 がレイシズム
> 民主主義サイコーというものさし価値観をそれが合わない人たちに押し付けてイラクなどにおせっかいをして現場を混乱させる方がレイシズムじゃないでしょうか。
> 日本は割と上手く中世近世近代と脱皮してこられた国だとは思うんですが、欧米から女性の権利が低いとか、少女買春がひどいとか、ロリコン漫画を規制しろとか、LGBTの権利が後進国とかイルカの人権を認めないとか散々いわれるので、彼ら目線ではテクノロジーだけはいっちょまえだけど道徳的にはアジア的野蛮に満ちた後進民族なんでしょう。しかし大きなお世話です。女性の権利については当の女性が実力で勝ち取らなくてはいけないことだと思いますし(その気のない女性も多い)、世界一女性管理職が少ないという指摘は、それだけ階級差の少ない均一な社会である証明だと思うんです。フィリピンやインドネシアの女性がエリートとして働けるのは安い賃金で家事を代行する層が存在するからです。北欧の男女が短時間労働で豊かな生活を営めるのは、苛烈な税制と穴埋めの移民がいるからです。結局は階級ですたぶん。日本には余裕でお手伝いさんを雇える層が少ないし、普通の共働き家庭が雇えるほど低賃金の家事サービスがない。
> その他の指摘についてはスケベなオリエンタリズムの勘違いばっかりです。
> 西欧的価値観に割と迎合してきた日本人ですらあやつらに反発を感じるのだから、誇り高い中世状態の人たちに恨まれないはずはありません。手出し口出しは無用です。だからこそ無制限に自国に入れたりしてはいけないのです。
> 娘が親の意に沿わない恋愛をすれば親族が名誉のために殺す。いい悪いは別として、そういう考え方なのです。江戸時代の武家にはありそうな話ですし、ヨーロッパだってロミオとジュリエットのような物語があるのだから振り返って想像すればわかるはずです。それは民主的ではないよ、個人の自由だよと教え諭すだけでは身につかない。意識が変わるには何百年もかかることなのだと。レイシズムじゃなく、宇宙に出て惑星探査をする社会、名誉殺人の社会、孤島やジャングルで孤立した社会では時間軸が違うのだと先進国側が理解すべきです。

 仰る通りなのです。

 西欧人と言うか、所謂知識人の可笑しさは、実に短絡的で一方的な理論にコロリと参る所です。
 そして一旦その理論に参ると、今度はそれに熱狂するのです。

 この反差別ファシズムなどその典型でしょう。

 それにしても欧米で人権徒か民主主義とか差別反対を喚いている連中で、実は変形差別主義者じゃないかと思います。
 
 日本に対する批判なんか典型ですよね。 つまり西欧的な価値観による「平等」が達成されたないから、遅れていると言うのです。

 これって白人至上主義そのモノじゃないですか?

 アメリカと日本では人の価値観や生き方が違うから、アメリカ式の評価は意味がないのです。 ところがそれが理解できないし、理解する気もないのです。

 これは「イラクには民主主義を受け入れる文化が無い」と言うのを「レイシズムだ。」と言った奴なんかも同様です。
 つまり西欧式に民主主義こそが人類最高の制度だと短絡的に信じているので、イラクではそれが受け入れられないとなると、イラク人は劣った人間だと評価したと言う事になっているのです。

 でも民主主義を受け入れる文化であるか、イスラム教を受け入れる文化であるかなんて、どちらが上とか下とかの問題じゃないのです。

 実際イスラム諸国の人々の多くは、欧米をイスラム教を受け入れられない劣った文化だとみているのですから、お互い様なのです。

 イスラム諸国がイスラム教の信仰中心の政治制度でやって行くつもりなのに、勝手に民主主義を押し付ける為の、差別反対なんて迷惑千万な話です。

 でも連中はそういう短絡的な優劣論から絶対に出られないようですね。
 困った事です。
 
  1. 2016-08-09 21:59
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> こんばんは 不正な投稿になってしまいました。

 済みません、迷惑コメントに入っていました。 戻しておきました。
  1. 2016-08-09 22:00
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> ヨーロッパは中東・アフリカ・アジア等を植民地化するときに、「白人の義務」という概念を使いましたよね。「未開の土人に文明を教えてやるのは白人男性の義務だ」というわけです。実際には収奪目的でしたが、当時でさえ彼らには言い訳が必要だったわけです。現代版「白人の義務」が難民政策ですよね。欧米のリベラリストは日本の左翼とそっくりで、高学歴だが実社会での職歴は乏しく、洗脳されやすい。意見が違うとすぐ切れて、議論に負けると相手をレイシストだと非難する。こんな甘ちゃんたちでは、狡猾なイスラムや中国に勝てません。

 全く困った義務感を持っているもんですね。
 
 そしてまた連中の発想が実に単純で一面的だから厄介です。

 自分達の基準で勝手に平等や人権を決めて、それが達成されないと、本気で狂乱するのですから。

 私は天然差別主義者と言うのはこういう連中だと思います。 そして今欧米で反差別を叫んでいる連中こそ真正差別主義者だと思います。
  1. 2016-08-09 22:03
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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 勘違いして、ポリコレだと思っていました。

 欧米は、完璧に暗黒の中世を再現していますね。そうすると、学問が停滞するでしょうし、怖い事に軍事に関しても判断を誤りそうな気がします。一刻も早く現実主義を復活させないと、欧米が世界の不安定要因になって手の付けようがなくなってしまいます。でも誰がどうすれば良いのか、サッパリ分かりません。

 それにしても欧米は魔女狩りが好きですね。第二次大戦後にパリでドイツ軍と関係を持った女性達を喜々として坊主頭にして晒し者にした写真がありますが、本当に楽しくて仕方がないというグロテスクな表情でした。いまも形を変えてこういうことをやっているのは、彼らが根っからのレイシストだという証明になっている様です。
  1. 2016-08-10 07:53
  2. URL
  3. 都民です。 #-
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Re: タイトルなし

>  勘違いして、ポリコレだと思っていました。

 同じ事でしょうね。
 要するに人種差別に絡めて現実の文化的差異さへ語れなくなっているのですから。
>
>  欧米は、完璧に暗黒の中世を再現していますね。そうすると、学問が停滞するでしょうし、怖い事に軍事に関しても判断を誤りそうな気がします。一刻も早く現実主義を復活させないと、欧米が世界の不安定要因になって手の付けようがなくなってしまいます。でも誰がどうすれば良いのか、サッパリ分かりません。

 ワタシもそう思います。
 
 現実を現実として見て、合理的に判断するのがルネサンス以降の近代精神だとすれば、理念や宗教を現実に優先させるのが、中世です。

 ところが実際には欧米や日本の先進国でも、中世に生きる人々が多いのです。 
 しかもそうした中世に生きる人々は、無知蒙昧な庶民ではなく、高学歴知識人なのです。

 でも考えてみれば中世精神の象徴である異端審問官って、当時としたら(今の基準でも)超高学歴なのです。 
 知識人の本質とは元来中世に生きる人々なのかもしれません。

>  それにしても欧米は魔女狩りが好きですね。第二次大戦後にパリでドイツ軍と関係を持った女性達を喜々として坊主頭にして晒し者にした写真がありますが、本当に楽しくて仕方がないというグロテスクな表情でした。いまも形を変えてこういうことをやっているのは、彼らが根っからのレイシストだという証明になっている様です。

 ホントにその通りですね。
 
 そして現在の魔女狩りを見ていると、中世の魔女狩りだって実は権力者が主導したと言うより、自然発生的に生まれたのだとわかります。
 しかもそれを主導したのは実は無知蒙昧な民衆ではなく、当時の知識人なのです。

 で今も同じ事をやっているのです。
 
 怖いですね。
  1. 2016-08-10 11:26
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  3. よもぎねこ #-
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価値観で侵略しようとしている

 欧州リベラルは、国外には欧州の価値観の絶対的な優位を解いて「遅れている」国に無理やり欧州の価値観を植え付けようとして混乱をもたらしていますし、国内では人権ファシズム全開で自分たちのやっていることを正当化して反対者を強圧的に黙らせているわけです。「奇麗に見えるナチズム」とでもいったところでしょうか。

 ナチスというのは、自らの価値観を疑わない人間の成れの果ての一つでしかなくて、今の欧州リベラルもこの系譜なのではないかと思うようになってきました。
  1. 2016-08-10 21:03
  2. URL
  3. 凍え馬 #-
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Re: 価値観で侵略しようとしている

>  欧州リベラルは、国外には欧州の価値観の絶対的な優位を解いて「遅れている」国に無理やり欧州の価値観を植え付けようとして混乱をもたらしていますし、国内では人権ファシズム全開で自分たちのやっていることを正当化して反対者を強圧的に黙らせているわけです。「奇麗に見えるナチズム」とでもいったところでしょうか。

 欧米リベラルって白人至上主義なんです。
 19世紀の白人至上主義は、宣教師がアジアやアフリカの伝統宗教を壊したりしていましたが、しかし今は少し形を変えて、NPOとかボランティアが同じ事をしているのです。
>
>  ナチスというのは、自らの価値観を疑わない人間の成れの果ての一つでしかなくて、今の欧州リベラルもこの系譜なのではないかと思うようになってきました。

 そうです。
 しかもナチより始末が悪いです。

 だってナチは自分を絶対化していることを自分で納得していましたが、今の欧米リベラルは「自分は寛容である」と信じて不寛容そのモノの行動をしているのですから。
  1. 2016-08-10 21:17
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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昔アメリカインディアンのリーダーが、白人達に向かって、次のようなことを述べたのです。
「あなたたち白人は、白人の生き方がある。我々は、邪魔をしたりはしない。あなたたちは、私たちに文明化しろという。しかし、我々は、父や祖父がしてきたように生きたいのだ」。
要するに、白人の言う「文明化」など、余計なお世話だ。我々には、先祖伝来の生き方があるし、お互いに干渉しあわないようにしましょうといったのです。
しかし、白人は、インディアンに対して「文明化政策」を推し進め、結果的に彼らの文化や社会をズタズタに破壊し、そのことで未だに彼らは苦しんでいるわけです。
自分達の価値観を絶対基準にし、進んでいる遅れている、優れている劣っているを論じ、「文明化してやろう」と干渉することが、どれほど相手を傷つけ、侮辱しているか、あるいは争いの種を作っているのか全くの無自覚なのです。
西欧の価値観が一番だと考えるのは、彼らの自由ですし、イスラムの教えを至上のものとし、それで政治を行うのも彼らの自由ですが、それなら自分達の縄張りの中でのみに限定すべきなのです。
どうせ外部の人間が意見したところで、彼らが考えを変えるわけがありませんしね。
私達日本人だって、「世界に冠たる大和民族」などといっているわけですから、本当に皆お互い様なのです。
そして、インディアンのリーダーが言ったように、距離を置いて「干渉しあわないようにしよう」とする以外に問題の解決策が思いつかないのですね。
多文化共生などといって、自分達の文化や価値観が普遍的、絶対的な集団が同じ場所で混住したら、どのような事態に発展するかは、「文明の衝突」しかありません。
  1. 2016-08-12 15:08
  2. URL
  3. 名無しの権兵衛 #sICuAl7c
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Re: タイトルなし

> 昔アメリカインディアンのリーダーが、白人達に向かって、次のようなことを述べたのです。
> 「あなたたち白人は、白人の生き方がある。我々は、邪魔をしたりはしない。あなたたちは、私たちに文明化しろという。しかし、我々は、父や祖父がしてきたように生きたいのだ」。
> 要するに、白人の言う「文明化」など、余計なお世話だ。我々には、先祖伝来の生き方があるし、お互いに干渉しあわないようにしましょうといったのです。
> しかし、白人は、インディアンに対して「文明化政策」を推し進め、結果的に彼らの文化や社会をズタズタに破壊し、そのことで未だに彼らは苦しんでいるわけです。
> 自分達の価値観を絶対基準にし、進んでいる遅れている、優れている劣っているを論じ、「文明化してやろう」と干渉することが、どれほど相手を傷つけ、侮辱しているか、あるいは争いの種を作っているのか全くの無自覚なのです。
> 西欧の価値観が一番だと考えるのは、彼らの自由ですし、イスラムの教えを至上のものとし、それで政治を行うのも彼らの自由ですが、それなら自分達の縄張りの中でのみに限定すべきなのです。
> どうせ外部の人間が意見したところで、彼らが考えを変えるわけがありませんしね。
> 私達日本人だって、「世界に冠たる大和民族」などといっているわけですから、本当に皆お互い様なのです。
> そして、インディアンのリーダーが言ったように、距離を置いて「干渉しあわないようにしよう」とする以外に問題の解決策が思いつかないのですね。
> 多文化共生などといって、自分達の文化や価値観が普遍的、絶対的な集団が同じ場所で混住したら、どのような事態に発展するかは、「文明の衝突」しかありません。

 全く仰る通りなのです。
 
 違った文化や文明が同じ地域にあれば、混乱と衝突が起きるので、住み分けるしかないのです。

 しかし西欧もイスラムも実はなんとしても自分達の文明を押し付けたい文明なので、実に始末が悪いです。
  1. 2016-08-12 15:58
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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「相対主義でなければいけない」という絶対主義

私は人文系の学部卒で、大学では文化人類学も学んだのですが、講義でも言われ、書物にも何度も出てきたのが「エスノセントリズム(自文化中心主義)はいけない。文化相対主義でなければいけない。」でした。

ところが今の欧米社会って、キリスト教は相対化したけど、代わりに「人権」「民主主義」などを「普遍的な価値観」と呼んで絶対視してるんですよね。一神教的な世界観だと「人権や民主主義などに価値を見出さない文化もある」というのが理解できないのでしょうか。

9・11のアメリカ同時多発テロの時、欧米諸国は「これは文明に対する攻撃だ」と言ってましたが、私はこの言い方に違和感がありました。「自分達は文明人だ」という驕りと他の文化を見下す差別意識を感じたからです。

考えてみると「他国を民主化する」「未開人にキリスト教を伝える」「革命や共産主義を輸出する」って、重視する価値観が違うだけで、どれも根っこにある発想は同じですね。
  1. 2016-08-12 20:03
  2. URL
  3. かんぱち #vF6NeGQU
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Re: 「相対主義でなければいけない」という絶対主義

> 私は人文系の学部卒で、大学では文化人類学も学んだのですが、講義でも言われ、書物にも何度も出てきたのが「エスノセントリズム(自文化中心主義)はいけない。文化相対主義でなければいけない。」でした。

 文化人類学を学ぶ姿勢としては理解できますが、しかし相対主義しかイケナイと言う事なら、コメントのタイトルに書いて下さったとおり相対主義の絶対化ですから、これはこれでオカシイんですよね?

> ところが今の欧米社会って、キリスト教は相対化したけど、代わりに「人権」「民主主義」などを「普遍的な価値観」と呼んで絶対視してるんですよね。一神教的な世界観だと「人権や民主主義などに価値を見出さない文化もある」というのが理解できないのでしょうか。

 どうも連中を見ていると全く理解できてないない気がするのです。

> 9・11のアメリカ同時多発テロの時、欧米諸国は「これは文明に対する攻撃だ」と言ってましたが、私はこの言い方に違和感がありました。「自分達は文明人だ」という驕りと他の文化を見下す差別意識を感じたからです。

 そうですよね。
 アメリカ文明に対する攻撃である事は事実ですが、しかしそれを持って「文明に対する攻撃」と言うのはオカシイです。
>
> 考えてみると「他国を民主化する」「未開人にキリスト教を伝える」「革命や共産主義を輸出する」って、重視する価値観が違うだけで、どれも根っこにある発想は同じですね。

 そうなんです。
 ワタシはこれは白人至上主義の一環だとしか思えないのです。
  1. 2016-08-12 20:30
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

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