2016-05-04 11:40

エンペラーとカイザーと皇帝

 高校で世界史を習った時から気になっていたけれど、ローマの皇帝と中国の皇帝って根源的に違うんですよね。

 強大な権力を持つ最高権力者であることは同じなのですが、その成り立ちは全く違います。

 ローマの皇帝を表す言葉は、ラテン語ではインペラトール(Imperator)とカエサル( Caesar)があります。

138

 カエサル(Caesar)はドイツ語の皇帝カイザーやロシアの皇帝ツァーリなどの元になった言葉ですが、これは元々ユリウス・カエサルの家族名カエサルから来ています。

 ローマの名門生まれの人の名前は、家門名、家族名、個人名と3つあります。
 
 歴史上ユリウス・カエサルとして知られる人の個人名はガイウスです。 ユリウスは家門名です。

 源の朝臣徳川家康と比較すると、源がユリウス、徳川がカエサル、家康がガイウスです。

 歴代ローマ皇帝は血縁に関係なく、カエサル姓を名乗る事が慣習になったので、カエサルが皇帝をさすようになったのです。

147

 一方インペラトールは英語で皇帝を意味するエンペラーの語源となった言葉ですが、これは共和政ローマ時代からあった役職名です。

 共和政ローマでは世襲で議席を持つ元老院と、一般市民による直接民主制である民会により国家意思を決定していました。

 しかしこれでは意思決定に時間がかかり、戦争のような緊急事態に対応できません。
 だから戦争が起きたりした場合は、元老院と民会の双方の合意で選んだ人にローマ全軍の最高指揮権と、政治上の最高権力も与えたのです。

 この役職をインペラトールと言いました。
 当然ですが最重要任務は、ローマ軍を率いて戦場に赴き戦う事です。 政治の最高責任者でもありますが、これは留守を守る執政官に戦争遂行に必要な命令ができると言う事です。

148

 つまり戦時に限っては民主制を中止して、完全な独裁性になります。
 こうする事で国家全体が機動的に、危機対応できるようにしたのです。

 そして戦争が終わればインペラトールは直ちに解任されます。 解任されれば只の人です。

 見事に敵を撃退したインペラトールは勿論国民的英雄になります。
 しかしそれを利用して政治権力を得ようとするような場合、ローマ市民は強烈な忌避感を持ちました。

 それでローマでは長く安定した共和政が続いたのです。

174

 しかしローマが次第に勢力を広げ、更に二度のポエニ戦争に勝ち地中海の覇者となる頃から、この共和政が揺らいできます。

 領土を広げ多くの奴隷を獲得する過程で、元老院階級は権力と元来持っていた資本を元に、更に所有地を広げ大農園を営むようになります。 また他の事業も始めて際限もなく富を増やしました。
 しかし一般市民は加重な兵役負担、そして大資本との競争に負けて窮乏化しました。
 
 また領土が広がり人口が増えた事で、直接民主制である民会が物理的に開催不能になってきます。
 
 こうしてローマの民主主義は変質し、元老院が富と権力を独占する体制になっていきました。
 当然これによりローマ不安定化したのです。

167

 これに対して何度改革が試みられたのですが、一次凌ぎでおわりました。

 そして遂に「共和政の維持は不可能」と見きったのがユリウス・カエサルです。

 かれはこの時期続いた戦乱で、インペラトールに就任して、見事な勝利を収めます。 そしてそれにより大変な声望を得ます。

 しかし彼はこの勝利の後も軍隊を解散せず、それを率いてローマに入りそのまま終身インペラトールとしてローマの支配者にな事を決意したのです。

 カエサルには卓抜した軍事能力と政治センスがあり、元老院階級の支配下になって窮乏していた民衆や、兵士達からは絶大な支持を受けていたのです。

 民衆からすれば、民会が機能しなくなった以上、権力を利用して超富裕層になり、それでも尚富を求めるようになった元老院階級から、自分達の利益を守ってくれるのは、カエサルのような独裁者しか期待できなくなっていたのです。

 ローマの庶民にとって敵は独裁者ではなく、元老院階級等富裕層になっていたのです。

331

 しかしこれは共和政ローマの法に照らせば完全な違法行為です。
 
 民衆の絶大な支持を得た人間が、それを梃に法も議会も無視して独裁者になる。

 実はこれは古代ギリシャでも、またこれ以降の中世の共和政国家でも何度もあった事です。(実は20世紀のドイツやイタリアでも)
 
 しかしこのように形で独裁者になった人間は、古代ギリシャでもまた後の中世共和政都市でも「僭主」と呼ばれて、民主主義を破壊する者として国家の敵とされました。

 民主制の倫理観念では絶対悪なのです。 例えばソクラテスも「僭主の魂は奴隷の魂と同じで、こうした魂を持つ人間は最も賤しい」としています。
 
 だからカエサルの意図を知ったローマの元老院議員有志達は、元老院議会の会場でカエサルを暗殺したのです。

335

 けれどもこれはカエサルを支持するローマの民衆を激昂させました。
 そして暗殺者達は命からがらローマを逃げ出すハメになります。

 こうしてローマは混乱状態なったのですが、結局この混乱を収めたのはカエサルの養子オクタビアヌスでした。

 そして彼はその後、終身インペラトールの地位に就きました。 カエサルの養子ですから、当然カエサル姓を名乗りっています。

 そして元老院もこの現実を認めて彼にアウグストス(Augustus)つまり「尊厳なる者)と言う称号を与えます。

337

 ユリウス・カエサルが暗殺されたときオクタビアヌスはまだ18歳でした。 そしてその後の混乱を収めてインペラトールになったのは30前です。

 しかし彼は当時しては大変な長寿と言われる70代まで生きて、安定した治世を維持しました。
 
 そして死後は彼の養子(妻の連れ子)だったティベリウスにインペラトールを引き継がせます。

 ティベリウスは当時の記述では大変な暴君とされていたのですが、しかしその後の研究によればこれはティベリウスの家庭内ない問題などを誇張したモノで、政治そのものは極めて安定した優れた物だったと言われています。
 そして彼も大変長寿でした。

 このようにローマではオクタビアヌスの時代から長期安定政権が続いたのです。

350
 
 そしてこれで帝政が完全に定着します。

 つまり本来は緊急時だけの臨時の役職だった、インペラトールが終身になり、しかも世襲も可になるのです。

 それでティベリウスの死後、子供のいなかったティベリウスの大甥であるカリギュラがインペラトールになります。

 このカリギュラは明らかに頭がオカシイくて、政治とは言えない程の無茶苦茶をやった挙句暗殺されたのですが、しかしもう帝政そのモノを止めようと言う話にはならず、今度はカリギュラの叔父にあたるクラウディウスがインペラトールになります。

 クラウディウスの死後、その養子だったネロ(有名な暴君ネロですが)が継ぎ、このネロが暗殺された後、ローマは次のインペラトールの継承を巡って内戦状態になります。

157
 
 そしてそれを終結させた人間がまたインペラトールとして、安定した帝政を続けます。
 ローマ帝国ではこの後も何度か大きな内乱や政変が起きますが、しかしもう帝政そのモノを止めると言う話は一切ありません。

 またネロの死後はカエサル家の血縁は勿論養子もいなくなりました。
 しかしその後インペラトールを引き継いだ人間は、皆カエサルを名乗るようになります。

 元来個人の家族名だったカエサルが、インペラトールの地位とセットで定着するのです。 だから後にカエサルが皇帝を表す言葉として使われるようになるのです。

025

 一方こうして帝政が定着しても、元老院は残りました。 帝政になってインペラトールの支配が定着しても、ローマは法治国家であることを止めたわけではなく、立法機関としての機能は残ります。

 また属州総督や軍団の司令官、インペラトールの下で政治を司る執政官など、ローマ帝国の政治を支える人材も元老院議員から選出されていました。
 
 インペラトールからすると色々面倒な人たちだけれど、プロの政治集団としての元老院はローマの政治を運営するには欠かせないと言う認識なのです。

 これはアメリカの大統領と議会のような関係でしょう。 と言うよりそもそも現在の民主主義国家の政治システムのルーツはローマ帝国ですから。

 つまりローマが共和政から帝政になったことの違いは、緊急事態の臨時の役職だったインペラトールが、終身になったことに尽きるのです。

028

 だから帝政になっても、ローマ人にとってインペラトールは、ローマを守る為に自分達が選んだ人間であって、神でも神によって権威を与えられた人間でもありません。
 
 そしてインペラトールの役割は、何よりローマ軍を率いて外敵を撃退して、ローマを守る事です。 
 これも共和政時代と全く変わりません。

 だから障碍者だったクラウディウス帝も、また哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニウス帝も、戦争になればローマ軍を率いて遠征するのです。

 このような帝政でローマの政治は安定を取り戻して、大いに栄えるのです。 
 
 ローマ帝国の最盛期、五賢帝時代のローマ市民の平均寿命と体格は、20世紀初頭のイタリア人と同等でした。 
 上下水道や公衆浴場の完備などの、完璧な公衆衛生管理と、豊かな食生活が、ローマ庶民に健康と長寿を保障したのです。

033

 しかし五賢帝時代の終わりと共に、繁栄にも陰りが出てきます。
 この頃から帝国周辺部へのゲルマン人の侵攻が常態化してきます。

 ゲルマン人は統一国家は持たない原始的な民族だったので、大軍で押し寄せるわけではないのですが、しかしローマの防衛ラインの手薄な所を狙っては、侵入して町や村を襲って金品を略奪して、住民を奴隷にして拉致すると言う事を繰り返すのです。

 そしてローマ軍が駆けつけると、森の中に逃げてしまいます。 この当時ゲルマン人の住処だった、ライン西岸やドナウ北岸は恐ろしい程深く暗い森で覆われていました。

 このような森の奥に隠れてしまえば、ローマ軍にも手が出せないのです。
 
 だからまるで国境周辺全部ベトナム戦争みたいになってしまうのです。

041

 このような戦いが続く間、インペラトールは国境に貼りついて戦争指揮に追われる事になります。 もうこうなると首都に戻って政治を取るなんてことは、全くできなくなってしまいます。

 インペラトールが要求する戦費さへ送れば、政治は元老院が好きにやると言う状態になるのです。

 一方前線では終わりの見えない戦いが続く中、兵士達のストレスが極限まで増大するのでしょう。
 インペラトールの暗殺が頻発します。

 戦場で最高指揮官が死亡すると、軍は統一行動がとれず極めて危険な状況になりますから、その場でまた兵士達が新しいインペラトールを選らんで戦いを続ける事になります。

043

 その場合選ばれるのは、軍人ばかりと言う事になります。 だってこんな場合では、兵士達の身近にいて彼等に人望のある人間以外に選択肢はないでしょう?

 ローマの元老院は、これを追認するしかありません。
 
 エッまた暗殺?
 で次は誰?
 〇〇〇〇ス?
 聞いた事のない奴だけれど、まあいいや。 どうせローマには来ないだろうし、それに直ぐまた暗殺されるんだろうし。

 これが所謂軍人皇帝時代なんですね。
 実はワタシは高校世界史で、この軍人皇帝時代と言う言葉を知った時から、凄く不可解だったのですが、実体はこういう事なのです。

175

 これじゃ不味い!
 こんなにコロコロを数年でインペラトールが暗殺されたんじゃ、ローマを立て直す事は愚か、軍事的優位だって失われるばかりだ。
 何とか簡単にインペラトールが暗殺されないような体制に変えなきゃ。

 そう思ったのがデオグレツィアヌス帝です。 
 そこで彼はインペラトールを役職から権威に変える事を考えるのです。
 
 インペラトールの暗殺がなぜ異様に多いのか?
 それはインペラトールは、「能力」を期待して選ばれて役職に就いた人間であって、中国の皇帝やその他の君主のような神秘的な権威は持たないからです。

 これはアメリカの大統領と同じなのです。
 もし大統領が終身になったら?
 現大統領の政策に不満を持つ人間は、当然暗殺を考えるでしょう? 

 「こんな無能な大統領を放置したら、国が亡びる!」
 これまでだって暗殺者達は愛国心を理由に、何ら良心に疾しい思いもなく大統領を暗殺していたのです。 それが終身で任期が無いとなれば、どれだけ暗殺が増える事か・・・・・。

141

 それを防ぐ為にデオグレツィアヌス帝は、インペラトールに神秘的な権威を持たせる演出を始めたのです。 それは豪華な冠を被り豪華なマントを着るとか、出歩くときはお共をゾロゾロ連れて行くとか、至って単純なモノでした。

 でもそれ以上は無理です。 これ以上インペラトールに権威を持たせるには、ローマの歴史と国体を打ち壊す事になりますから。

 しかしそれでも大分暗殺の頻度は減りました。

 そうやってその後も多くのインペラトール達が、政権を安定化させてローマ防衛の努力を続けました。
 けれども結局ローマは遂に滅亡してしまいました。

 まあ、軍人皇帝以降は何だか国民も元老院も、なんかもうエライ無気力で無責任だもんね。 
 ローマ帝国が滅亡した事で、ローマの庶民には良い事なんか一つもなかったんだから、もう少し頑張れよ!と思うけど、どうしようもないんでしょうね。

145

 ともあれこれでローマの皇帝と言うのが、中国の皇帝とは根源的に違うのがわかるでしょう?
 まして日本の天皇陛下とは、全く別物なのです。

 天皇では英語ではエンペラー、ドイツ語ではカイザーですが。

 そしてローマ法王庁がデッチアゲタ紛い物のインペラトールが神聖ローマ帝国皇帝です。
 これは終身ですが七選帝侯と言われる、7人の封建領主による選挙で選ばれます。

 皇帝が選挙で選ばれる??
 これは凄い違和感があるのですが、しかし元祖インペラトールの意味を考えればこれは当然なのです。

166
 
 こうしてみると日本人(ワタシは)はエンペラーやカイザーの意味を理解していなかったのだとわかります。
 
 逆に言えば欧米人には、天皇の意味は理解できないのでしょう。
 だからエンペラー・ヒロヒトは、カイザー・ウィルヘルム二世同様に強大な権力を持っていると思ってしまうでしょう。

 似て非なるモノって厄介ですね。

170

 因みにこのエントリーは以前読んだ塩野七生の「ローマ人の物語」の記憶だけで適当に書きました。 だから間違っていたらゴメンナサイ。

 ホントは人様に読ませるようなモノじゃないのですが、書くと自分の頭が整理されるのです。
  1. 古本
  2. TB(0)
  3. CM(22)

コメント

ローマ皇帝と征夷大将軍

征夷大将軍は、非常時の職でありました。それが鎌倉幕府と徳川幕府で、将軍が実力を備えたこの世の支配者になりました。それでも京都に朝廷と言う権威を残し、長期安定政権を築きました。

何だか帝政前のローマ皇帝と、帝政後のローマ皇帝に、似ているように思って読んでいました。


  1. 2016-05-04 14:40
  2. URL
  3. 無才 #-
  4. 編集

Re: ローマ皇帝と征夷大将軍

> 征夷大将軍は、非常時の職でありました。それが鎌倉幕府と徳川幕府で、将軍が実力を備えたこの世の支配者になりました。それでも京都に朝廷と言う権威を残し、長期安定政権を築きました。
>
> 何だか帝政前のローマ皇帝と、帝政後のローマ皇帝に、似ているように思って読んでいました。

 そうなのです。 ワタシもローマ皇帝もまた神聖ローマ皇帝も、皇帝と言うより征夷大将軍とした良いと思っています。
 或いは終身大統領とでも言うべきでしょう。
  1. 2016-05-04 19:05
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

 ポエニ戦争の後に元老院階級が所有地を広げ大農園を営み、そこで過重な兵役負担で没落した市民を使ってますます格差拡大したというと、何だか近年の米国みたいですね。その格差が民主主義を揺らがせるのも似ています。これはもしや歴史に学び帝国の安定の為に、次の米国大統領は月桂樹の冠を頂いた皇帝になるのではと妄想してしまいました。

 どうやら共和党はトランプさんで民主党はヒラリーさんに決まりみたいですが、トランプさんは面白いけど腹が読めないしヒラリーさんはパンダハガーだしどうなるのか分かりません。でも色んな意味で、世界中で盛り上がっていますね。中国の人民は、トランプ押しだそうです。

 余談ですが、去年上野の大英博物館展でオクタビアヌスの胸像を観ましたがとても美男子でした♡
  1. 2016-05-04 19:22
  2. URL
  3. 都民です。 #-
  4. 編集

オクダビアヌスの像

オクダビアヌスは長生きしたのですが、若い時の胸像しかありません。彼がそれしか造らせなかったのです。

だから、オクダビアヌスというと私達にとって、(成熟したカエサルに対して)、永遠に青年のイメージで居続けます。ローマ人らしいですよね。

かつて坂本未明さんが、アメリカ合衆国の帝政化を希望していました。アメリカの大統領は世界の命運を決める立場にいながら、合衆国の国民以外には投票権がなく、しかも四年に一回は大統領選挙があって、最後の一年間はあのきち外じみた選挙戦のために、実質何も出来やしない。不安定極まりない政治体制であると言うことで。(笑)

一理も二理もあると思います。今だってブッシュ王家にクリントン王家が相互に王朝交代しているのですから。ただし、アメリカに南北朝時代が到来したら、エラいことになりますが。

  1. 2016-05-04 20:19
  2. URL
  3. レッドバロン #-
  4. 編集

地位や役職名の翻訳は難しい

私はいろんな外国語を少しずつかじっている言語オタクなので、こういう話にはとても興味を惹かれます。苦手な歴史も頭に入って助かります。(^_^;)
そういえば、西部邁氏はYouTubeにある「西部邁ゼミナール」などの動画を見ると、よく外来語を語源にさかのぼって考えるという事をしていますね。

私も、支那の「皇帝」も日本の「天皇陛下」も、英語で同じ「Emperor」と訳すことに違和感を覚えます。絶対に誤解を生みますよね。でも、政治的な地位や役職名を翻訳するのって本当に難しいんですよね。

中国の「国家主席」も台湾の「総統」も、英語では「大統領」と同じ「President」と訳します。ところが中国語の「主席」は、日本語の「議長」の意味なんですね。
もし中国語の「国家主席」を日本語で「国家議長」と言い換えるようにすれば、キューバの「国家評議会議長」などと同じ役職だということがよくわかるんですが、日本のメディアは、そのまま「国家主席」と呼んでいます。「外交部」のことは、わざわざ「外務省」と言い換えるのに。(-。-)

キューバの「国家評議会議長」についてですが、英語で「議長」は「Chairman」ですが、スペイン語では「大統領」と同じ「Presidente」になってしまうので、さらにややこしいです。(^_^;)

国家評議会議長 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A9%95%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E9%95%B7
>国家評議会議長(こっかひょうぎかいぎちょう 英語: Chairman of State Council)
>キューバ共和国の国家元首の称号(スペイン語: Presidente del Consejo de Estado)

スペイン語の「Presidente del Consejo de Estado」をそのまま英語に置き換えると「President of the Council of State」になります。
中国語の「国家主席」を英語で「Chairman」ではなくて「President」と訳すのは、スペイン語の「Presidente」に引きずられているのかもしれません。

ところで、英語のニュースではドイツの首相のことを「Prime Minister」ではなくて「Chancellor」と呼んでいます。ドイツ語の「Kanzler(首相)」を該当する英語にそのまま置き換えているわけです。
ところが、英和辞典で「Chancellor」を引くと、最初に出てくる意味は「大蔵大臣」なんですね。

ドイツの首相 - Wikipedia 外国の首相の呼称
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E9%A6%96%E7%9B%B8#.E5.A4.96.E5.9B.BD.E3.81.AE.E9.A6.96.E7.9B.B8.E3.81.AE.E5.91.BC.E7.A7.B0
>英語では自国外国を問わず、首相は一律に「Prime Minister」と呼ぶことになっている。ただしドイツの首相だけは伝統的な例外で、ドイツ語を直訳した「Federal Chancellor」、または単に「Chancellor」と呼んでいる。
>ドイツ語では、同じドイツ語圏で連邦制のオーストリアの首相のことも Bundeskanzler(連邦首相)と呼んでいる。そのほかの外国の首相は、各国の政治機構や原語での表現をもとに、「Ministerpräsident」または「Premierminister」と呼んでいる(意味は双方とも「首相」)。

Chancellor の「元々の意味」は何か? - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1441753244
>古代ローマでは、法定内の書記官などの廷吏を"cancelliere"と言ったのですが、直訳すると「鉄柵のところの人」、この言葉はラテン語の"cancellarius"(鉄柵、鉄格子の番人)から用いられたのでした。
>一方"minister"の語源ですが、これまたラテン語由来。ラテン語の"ministrum"(下僕、奴隷、召使い)が語源と言われています。

日本の天皇陛下を「Emperor」、中国の国家主席を「President」と乱暴に訳すくせに、ドイツの首相については歴史的背景を考えた呼び名にしているのは、英語圏では、やはりヨーロッパについての方がアジアよりも深く理解されているからなのでしょう。
  1. 2016-05-04 23:01
  2. URL
  3. かんぱち #vF6NeGQU
  4. 編集

ローマの帝政は

オクタビアヌスの時代は元首政と呼ばれ、後期のディオクレティアヌス以降の後期帝政と区別するのが普通です。前期においてはローマ元老院と執政官たちに実力があり、インペラトールは文字通り軍の士気のみで十分でしたが、軍人皇帝期というより3世紀以降の動乱の時代にはこの統治形態が崩れてしまったことが最大の問題だったのだと思います。前期帝政はおそらくギリシャの僭主政と似たようなものだったのでしょう。ペリクレスとオクタビアヌスは似てるのです。

ディオクレティアヌス以降、帝国何分割なんて話が頻繁に出てきます。当時では通信連絡の手段もまともではなかったでしょうから、強力な中央集権なんてローマでは無理に決まってます。巨大な官僚制とある程度の規模の帝政は必須だったのだと思います。この結果、我々の知る権威と権力の集中という帝政の基本が出来上がったのです。

そして皇帝は基本ローマ皇帝一人という建前が出来上がりこれはナポレオンが神聖ローマ帝国を滅ぼすまで続くんでしたよね。というより1870年にナポレオン3世を退位させてドイツが帝政を始めたのですからまだ続いてるといえるんでしょうか。

閑話休題

ドイツの首相は基本ライヒスカンツェラーという言葉から来ています。日本語では帝国宰相なんて訳されてますが、要は皇帝の小間使いというのが元の発想です。その後は伝統というやつでこれが続いたにすぎません。ヒトラーはフューラーを名乗りますが、これはワイマール共和国のプレジデントとライヒスカンツェラーを兼ねたものとして名乗ってます。まあ、そんなこと気にしてるのは少ないですがね。

まあ外国の元首の地位なんて結構いい加減な訳語が出回ってるようです。
アンドロポフ書記長の葬儀の時にアメリカのABC放送が堂々とフューネル・オブ・プレジデント・アンドロポフというテロップを入れてるの見て仰け反った覚えがあります。

要は元首たるキングやプレジデントのもとにはプライムミニスターがおり、世襲じゃなければプレジデントだというくらいの理解しかしてないはずです。

まあ、我が国天皇陛下についてはまあ他に訳語がないからエンペラーで良いんでしょうしその権威たるや比較できるのはローマ法王ぐらいでなまじのものじゃあありませんから、そのくらいのハッタリは必要なんでしょう。

それでも権力と権威の分離、という発想には至らないでしょう。よく権力の承継は出来ても権威の承継は出来ないなんて言われますが我が国はその完全な例外です。
無才さんがインペラトールを征夷大将軍と喝破されましたが、天皇陛下の権威をどのように説明したら良いのか説明に窮します。渡部昇一がかつてギリシャ神話で神の子孫とされるアガメムノンの子孫が現在まで続いてるのだという説明をしたことがあるのですが、こでも言わなければ説明がつかないでしょう。

アメリカあたりは精神的な統合が無いですから党派性が強くなりすぎると分裂の危険は孕むのでしょう。案外脆いものかもしれません。南北戦争を見れば分かるように…
  1. 2016-05-05 00:32
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
  4. 編集

いや、いや、今日のエントリーは超絶すばらしい!!
天皇の権威というものは世俗を超越し、また宗教的権威というものとも違うということは論理的にも感覚的にも日本人以外にはわかりにくいであろうということを改めて思いました。

それはさておきローマ帝国史を皇帝を中心にこれほど的確かつ簡潔にまとめられた記述を見たことがありません。
塩野先生の本ならばいったい何巻ぐらいの量になるのでしょうか?

昔、高校の先生がポエニ戦争におけるハンニバルの活躍やシーザーの暗殺場面の「ブルータス、お前もか?」とか傭兵隊長オドアケルのエピソードをまるで見てきたかのように講談よろしく語ってくれたのが懐かしく思い出されました。歴史を偏った史観でなく我々と同じ人間の物語としてもう少し人物のエピソードを中心に学校でも教えられないものでしょうか?
  1. 2016-05-05 02:10
  2. URL
  3. boku #-
  4. 編集

古代ローマと現代アメリカの相似

>ローマの庶民にとって敵は独裁者ではなく、元老院階級等富裕層になっていたのです。

元老院階級を東部エスタブリッシュメントに置き換えたら、今のアメリカになりますね。

しかし、庶民が熱狂するドナルド・トランプに、カエサルほどの器量がないのがローマとの違いですね。
  1. 2016-05-05 07:43
  2. URL
  3. くれない #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

>  ポエニ戦争の後に元老院階級が所有地を広げ大農園を営み、そこで過重な兵役負担で没落した市民を使ってますます格差拡大したというと、何だか近年の米国みたいですね。その格差が民主主義を揺らがせるのも似ています。これはもしや歴史に学び帝国の安定の為に、次の米国大統領は月桂樹の冠を頂いた皇帝になるのではと妄想してしまいました。
>
>  どうやら共和党はトランプさんで民主党はヒラリーさんに決まりみたいですが、トランプさんは面白いけど腹が読めないしヒラリーさんはパンダハガーだしどうなるのか分かりません。でも色んな意味で、世界中で盛り上がっていますね。中国の人民は、トランプ押しだそうです。

 そうです。 今回の大統領選って何か凄く象徴的です。
 
 そもそも貧しいアメリカ人達が、トランプを支持する理由の一つが、彼は大金持なので、自費で大統領選の費用を賄えるから、ウォール街の援助を受けていないと言うモノです。

 なんか凄い逆説的なのですが、このあたりは共和政末期を思わせます。 因みにカエサルの競争相手にクラックスと言う大富豪がいました。 トランプさんはクラックスになるのか? と思ってしまいます。
>
>  余談ですが、去年上野の大英博物館展でオクタビアヌスの胸像を観ましたがとても美男子でした♡

 オクタビアヌスは長寿だったのに、20代前半の若い頃の彫像しか作らせていません。 非常に強かで優秀な政治家だったのに、美男が売りだったんですよね。
  1. 2016-05-05 11:36
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: オクダビアヌスの像

> オクダビアヌスは長生きしたのですが、若い時の胸像しかありません。彼がそれしか造らせなかったのです。
>
> だから、オクダビアヌスというと私達にとって、(成熟したカエサルに対して)、永遠に青年のイメージで居続けます。ローマ人らしいですよね。

 ブラックペニーはビクトリア女王18歳の頃の肖像を使っています。 女王の晩年に「現在の女王様の肖像を使った切手を出したい」と言う要請があったそうですが、女王様はお断りになったそうです。

 ビクトリア時代は女性の地位が低かったので、女王様と雖も女が若さと美貌に執着するのは仕方ないのとして、男社会のローマで若さと美貌を売りにし続けるってセコイですよね?

> かつて坂本未明さんが、アメリカ合衆国の帝政化を希望していました。アメリカの大統領は世界の命運を決める立場にいながら、合衆国の国民以外には投票権がなく、しかも四年に一回は大統領選挙があって、最後の一年間はあのきち外じみた選挙戦のために、実質何も出来やしない。不安定極まりない政治体制であると言うことで。(笑)
>
> 一理も二理もあると思います。今だってブッシュ王家にクリントン王家が相互に王朝交代しているのですから。ただし、アメリカに南北朝時代が到来したら、エラいことになりますが。

 そうですね。 しかしアメリカの力は結局アメリカの国力ですから、その国力の担い手であるアメリカ人の意向を無視するような話しは無理でしょう。

 そして戦後パックス・アメリカーナと言われた時代は、全世界のGDPに占めるアメリカの割合は5割でした。 ローマは世界の半分と言われたのですが、同様この時代のアメリカも世界の半分だったのです。

 しかし今は世界のGDPに占めるアメリカの割合は2割程度です。
 
 これだともうパックス・アメリカーナを維持するのはキツイでしょう。 日本もそれを考えて対応するしかありません。
  1. 2016-05-05 11:44
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: 地位や役職名の翻訳は難しい

> 私はいろんな外国語を少しずつかじっている言語オタクなので、こういう話にはとても興味を惹かれます。苦手な歴史も頭に入って助かります。(^_^;)
> そういえば、西部邁氏はYouTubeにある「西部邁ゼミナール」などの動画を見ると、よく外来語を語源にさかのぼって考えるという事をしていますね。
>
> 私も、支那の「皇帝」も日本の「天皇陛下」も、英語で同じ「Emperor」と訳すことに違和感を覚えます。絶対に誤解を生みますよね。でも、政治的な地位や役職名を翻訳するのって本当に難しいんですよね。
>
> 中国の「国家主席」も台湾の「総統」も、英語では「大統領」と同じ「President」と訳します。ところが中国語の「主席」は、日本語の「議長」の意味なんですね。
> もし中国語の「国家主席」を日本語で「国家議長」と言い換えるようにすれば、キューバの「国家評議会議長」などと同じ役職だということがよくわかるんですが、日本のメディアは、そのまま「国家主席」と呼んでいます。「外交部」のことは、わざわざ「外務省」と言い換えるのに。(-。-)
>
> キューバの「国家評議会議長」についてですが、英語で「議長」は「Chairman」ですが、スペイン語では「大統領」と同じ「Presidente」になってしまうので、さらにややこしいです。(^_^;)
>
> 国家評議会議長 - Wikipedia
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A9%95%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E9%95%B7
> >国家評議会議長(こっかひょうぎかいぎちょう 英語: Chairman of State Council)
> >キューバ共和国の国家元首の称号(スペイン語: Presidente del Consejo de Estado)
>
> スペイン語の「Presidente del Consejo de Estado」をそのまま英語に置き換えると「President of the Council of State」になります。
> 中国語の「国家主席」を英語で「Chairman」ではなくて「President」と訳すのは、スペイン語の「Presidente」に引きずられているのかもしれません。
>
> ところで、英語のニュースではドイツの首相のことを「Prime Minister」ではなくて「Chancellor」と呼んでいます。ドイツ語の「Kanzler(首相)」を該当する英語にそのまま置き換えているわけです。
> ところが、英和辞典で「Chancellor」を引くと、最初に出てくる意味は「大蔵大臣」なんですね。
>
> ドイツの首相 - Wikipedia 外国の首相の呼称
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E9%A6%96%E7%9B%B8#.E5.A4.96.E5.9B.BD.E3.81.AE.E9.A6.96.E7.9B.B8.E3.81.AE.E5.91.BC.E7.A7.B0
> >英語では自国外国を問わず、首相は一律に「Prime Minister」と呼ぶことになっている。ただしドイツの首相だけは伝統的な例外で、ドイツ語を直訳した「Federal Chancellor」、または単に「Chancellor」と呼んでいる。
> >ドイツ語では、同じドイツ語圏で連邦制のオーストリアの首相のことも Bundeskanzler(連邦首相)と呼んでいる。そのほかの外国の首相は、各国の政治機構や原語での表現をもとに、「Ministerpräsident」または「Premierminister」と呼んでいる(意味は双方とも「首相」)。
>
> Chancellor の「元々の意味」は何か? - Yahoo!知恵袋
> http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1441753244
> >古代ローマでは、法定内の書記官などの廷吏を"cancelliere"と言ったのですが、直訳すると「鉄柵のところの人」、この言葉はラテン語の"cancellarius"(鉄柵、鉄格子の番人)から用いられたのでした。
> >一方"minister"の語源ですが、これまたラテン語由来。ラテン語の"ministrum"(下僕、奴隷、召使い)が語源と言われています。
>
> 日本の天皇陛下を「Emperor」、中国の国家主席を「President」と乱暴に訳すくせに、ドイツの首相については歴史的背景を考えた呼び名にしているのは、英語圏では、やはりヨーロッパについての方がアジアよりも深く理解されているからなのでしょう。

 なるほど色々面倒なのですね。

 基本的に欧米の民主主義国家は、ローマをモデルにしていますし、欧米の知識人は今でもラテン語が必修で、キケロの演説など習っていますから、お互い理解しやすいのでしょうね。

 その点、彼等にとって日本はホントに理解し辛い国なのでしょう。

 更に昭和天皇は大元帥の地位にあられて、軍服姿の御写真が一般に出ているので、西洋人から見ればエンペラー以外の何者でもないのでしょう。

  1. 2016-05-05 11:50
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: ローマの帝政は

> オクタビアヌスの時代は元首政と呼ばれ、後期のディオクレティアヌス以降の後期帝政と区別するのが普通です。前期においてはローマ元老院と執政官たちに実力があり、インペラトールは文字通り軍の士気のみで十分でしたが、軍人皇帝期というより3世紀以降の動乱の時代にはこの統治形態が崩れてしまったことが最大の問題だったのだと思います。前期帝政はおそらくギリシャの僭主政と似たようなものだったのでしょう。ペリクレスとオクタビアヌスは似てるのです。

 形式から言えば、オクタビアヌスのやった帝政って、ソクラテス等が卑しんだ僭主制そのモノですから。 ペリクレスも実質はそうなのですが。

> ディオクレティアヌス以降、帝国何分割なんて話が頻繁に出てきます。当時では通信連絡の手段もまともではなかったでしょうから、強力な中央集権なんてローマでは無理に決まってます。巨大な官僚制とある程度の規模の帝政は必須だったのだと思います。この結果、我々の知る権威と権力の集中という帝政の基本が出来上がったのです。
>
> そして皇帝は基本ローマ皇帝一人という建前が出来上がりこれはナポレオンが神聖ローマ帝国を滅ぼすまで続くんでしたよね。というより1870年にナポレオン3世を退位させてドイツが帝政を始めたのですからまだ続いてるといえるんでしょうか。

 ドイツとオーストリアとロシアのカエサルが同時に倒されたのが第一次世界大戦でした。 だから反カエサル派からすれば、次は残った日本のカエサルと倒せと言う事だったのかも?

> 閑話休題
>
> ドイツの首相は基本ライヒスカンツェラーという言葉から来ています。日本語では帝国宰相なんて訳されてますが、要は皇帝の小間使いというのが元の発想です。その後は伝統というやつでこれが続いたにすぎません。ヒトラーはフューラーを名乗りますが、これはワイマール共和国のプレジデントとライヒスカンツェラーを兼ねたものとして名乗ってます。まあ、そんなこと気にしてるのは少ないですがね。
>
> まあ外国の元首の地位なんて結構いい加減な訳語が出回ってるようです。
> アンドロポフ書記長の葬儀の時にアメリカのABC放送が堂々とフューネル・オブ・プレジデント・アンドロポフというテロップを入れてるの見て仰け反った覚えがあります。
>
> 要は元首たるキングやプレジデントのもとにはプライムミニスターがおり、世襲じゃなければプレジデントだというくらいの理解しかしてないはずです。
>
> まあ、我が国天皇陛下についてはまあ他に訳語がないからエンペラーで良いんでしょうしその権威たるや比較できるのはローマ法王ぐらいでなまじのものじゃあありませんから、そのくらいのハッタリは必要なんでしょう。

 明治以降、日本政府は意図的に天皇をエンペラーにした節もありますしね。

 明治天皇も昭和天皇も、軍服姿の御写真が多いし、実際大元帥の地位にあられたわけだし、これだと西洋人が見たら完全にエンペラーでしょう。

> それでも権力と権威の分離、という発想には至らないでしょう。よく権力の承継は出来ても権威の承継は出来ないなんて言われますが我が国はその完全な例外です。
> 無才さんがインペラトールを征夷大将軍と喝破されましたが、天皇陛下の権威をどのように説明したら良いのか説明に窮します。渡部昇一がかつてギリシャ神話で神の子孫とされるアガメムノンの子孫が現在まで続いてるのだという説明をしたことがあるのですが、こでも言わなければ説明がつかないでしょう。

 渡邊先生の説明かなり苦しいですね。 だってカエサル家の先祖はヴィーナスですから。
 ローマ人の始祖はアエアーネスですが、彼はヴィーナスの息子ですから。 だからローマの名門は皆、ヴィーナスの子孫を名乗るんですよね。
>
> アメリカあたりは精神的な統合が無いですから党派性が強くなりすぎると分裂の危険は孕むのでしょう。案外脆いものかもしれません。南北戦争を見れば分かるように…

 元来民主制は統合が難しいんですよね。 今までは世界一富強な国と言う事で団結していたけれど、今後はどうなるんだか?
  1. 2016-05-05 12:10
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> いや、いや、今日のエントリーは超絶すばらしい!!
> 天皇の権威というものは世俗を超越し、また宗教的権威というものとも違うということは論理的にも感覚的にも日本人以外にはわかりにくいであろうということを改めて思いました。

 ホントにわかりにくいと思います。 そもそも日本人だって上手く説明できないですから。
>
> それはさておきローマ帝国史を皇帝を中心にこれほど的確かつ簡潔にまとめられた記述を見たことがありません。
> 塩野先生の本ならばいったい何巻ぐらいの量になるのでしょうか?

 恐縮です。 大体10巻目ぐらいまでの話を纏めました。

> 昔、高校の先生がポエニ戦争におけるハンニバルの活躍やシーザーの暗殺場面の「ブルータス、お前もか?」とか傭兵隊長オドアケルのエピソードをまるで見てきたかのように講談よろしく語ってくれたのが懐かしく思い出されました。歴史を偏った史観でなく我々と同じ人間の物語としてもう少し人物のエピソードを中心に学校でも教えられないものでしょうか?

 そうなんですよね。 しかしそもそもそうやって歴史を考え楽しむには、そもそも時間が絶対的に足りないです。  
 結局自分で本など読んで楽しむしかないのでしょう。
  1. 2016-05-05 12:15
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: 古代ローマと現代アメリカの相似

> >ローマの庶民にとって敵は独裁者ではなく、元老院階級等富裕層になっていたのです。
>
> 元老院階級を東部エスタブリッシュメントに置き換えたら、今のアメリカになりますね。
>
> しかし、庶民が熱狂するドナルド・トランプに、カエサルほどの器量がないのがローマとの違いですね。

 カエサルのような人間はそうそう生まれるわけではないので、これは仕方がありません。

 ワタシはトランプはカエサルよりクラックスに成っちゃいそうな気がするんですよね。 クラックスも不動産で阿漕に儲けたようだし。
  1. 2016-05-05 12:19
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

皇帝 (中国)
https://ja.wikipedia.org/wiki/皇帝_(中国)
やっかいな国、中国よ
http://nukesaku57320.blog.fc2.com/blog-entry-85.html
”皇帝以外は全て奴隷である”という思想です。
これがあるため、他国を平気で蹂躙します。つまり自分以外は奴隷であるため、
侵略行為自体が自然な行為、むしろ正しい行為となります。

日本人に謝りたい
~ あるユダヤ長老の懺悔(ざんげ) ~
──ユダヤ長老が明かす戦後病理の原像──
http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe800.html
あるユダヤ人が天皇と日本について語った文がある。

彼の名はモルデカイ・モーゼ。戦時中にルーズベルト大統領のブレーンとして日本を研究し、戦後の対日処理立案(GHQ政策)にも加わったという。彼は『日本人に謝りたい』という、極めて異例な内容を含んだ本を残している。

彼はこの本の中で、「共産主義」はユダヤ人が作り出したものだと言明し、日本を揺るがした美濃部達吉の「天皇機関説」もユダヤ人ゲオルグ・イエリネックによる国家機能弱体化運動の一環であったとか、宮本共産党委員長を育てたのもユダヤのラビ(ユダヤ教指導者)だったとの衝撃的な事柄を記述しているが、その上で、このユダヤの長老モルデカイ・モーゼは、

実はユダヤ人は日本を誤解していた、日本こそユダヤの永遠の理想があると言い切り、「日本人に謝りたい」と語っているのである。
  1. 2016-05-05 13:26
  2. URL
  3. taigen #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 皇帝 (中国)
> https://ja.wikipedia.org/wiki/皇帝_(中国)
> やっかいな国、中国よ
> http://nukesaku57320.blog.fc2.com/blog-entry-85.html
> ”皇帝以外は全て奴隷である”という思想です。
> これがあるため、他国を平気で蹂躙します。つまり自分以外は奴隷であるため、
> 侵略行為自体が自然な行為、むしろ正しい行為となります。

 中国は秦の始皇帝時代からこの発想で、その後一切進歩がないのです。

 だから2000年以上の間、同じ体制の焼き直しの繰り返しで、技術も社会も進歩しなかったのです。
>
> 日本人に謝りたい
> ~ あるユダヤ長老の懺悔(ざんげ) ~
> ──ユダヤ長老が明かす戦後病理の原像──
> http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe800.html
> あるユダヤ人が天皇と日本について語った文がある。
>
> 彼の名はモルデカイ・モーゼ。戦時中にルーズベルト大統領のブレーンとして日本を研究し、戦後の対日処理立案(GHQ政策)にも加わったという。彼は『日本人に謝りたい』という、極めて異例な内容を含んだ本を残している。
>
> 彼はこの本の中で、「共産主義」はユダヤ人が作り出したものだと言明し、日本を揺るがした美濃部達吉の「天皇機関説」もユダヤ人ゲオルグ・イエリネックによる国家機能弱体化運動の一環であったとか、宮本共産党委員長を育てたのもユダヤのラビ(ユダヤ教指導者)だったとの衝撃的な事柄を記述しているが、その上で、このユダヤの長老モルデカイ・モーゼは、
>
> 実はユダヤ人は日本を誤解していた、日本こそユダヤの永遠の理想があると言い切り、「日本人に謝りたい」と語っているのである。

 ユダヤ教、キリスト教、共産主義どれも完全な一神教の思想ですからね。
  1. 2016-05-05 20:02
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

スレの話とは直接の関係はないけれど、欧米人にとって
ローマ帝国は本当に特別な存在ですよね。

ローマ帝国滅亡後からルネッサンスまでの約千年間は「暗黒時代」なんて思い出したくない、なかったことしたい感がありありな呼称をつけたりしてますしね。

英米のSF小説が好きでよく読むんですが、英米のSFにはタイムマシンでローマ時代末期に行った主人公がローマ帝国の滅亡を阻止して暗黒時代を回避・・といった筋の話が実に多いんですよね。

「闇よ落ちるなかれ」とか19世紀のヤンキーが中世英国に文明をなんとか持ち込もうとするマーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」とか・・。

スターウォーズの元タネ(多分)となったアイザック・
アシモフの「銀河帝国の興亡(ファウンデーション)」
も銀河の隅々に広がった「銀河帝国」の衰退とやがてやってくる文明崩壊をいかにして防ぐか?
という話で、明らかにローマ帝国の滅亡とその後の中世
暗黒時代をモチーフにしていることは明らか。

スターウォーズなんかも、舞台が宇宙に移ってはいますが
モロにローマ帝国の世界観。
銀河(地中海世界)全般に広がる帝国、様々な異星人(民族)、共和制主義者と帝政側との対立・・・とか。
銀河皇帝とか元老院もしっかり登場しますし、エピソード1では古代ローマの娯楽、戦車レース(ポッドレーサー)もどきもしっかり登場していました(笑)。

なのに、日本の映画評論でローマ帝国と絡めたスターウォーズ評をなぜかみないのは不思議です。
  1. 2016-05-05 20:35
  2. URL
  3. prijon #-
  4. 編集

興味深く拝読

ローマ皇帝という職位の実像、興味深く拝読しました。
ローマ皇帝は三つの時期に分けられるように思います。

初期の「ローマ皇帝」はよくわからないですネ。
私は「元首政」と言った方がいいと思いますが。
仰るように、「インペラトール(軍の指揮権)」が権力の源泉として機能したのでしょう。

中期に、ディオクレティアヌスが皇帝の権威を高めました。
その動機は、仰るとおり短命皇帝の反省からでしょう。

後期のテオドシウス1世死後のローマ皇帝は、劇的に変わったように思います。
暗愚なのに皇帝に君臨しているのです。
テオドシウス1世が「最後のローマ皇帝らしい皇帝」と評されているわけです。

「軍人皇帝」というのも、面白いですネ。
考えてみれば、なぜ彼らだけが「軍人皇帝」と言われるのか?
そもそも皇帝は軍人出身が多いのに。トライアヌスだって。

ローマ皇帝の最大の欠点は、身を引く仕組みがなかったことだと思います。
だから仰るように暗殺しかないのでしょう。

  1. 2016-05-05 21:43
  2. URL
  3. 道草人 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> スレの話とは直接の関係はないけれど、欧米人にとって
> ローマ帝国は本当に特別な存在ですよね。
>
> ローマ帝国滅亡後からルネッサンスまでの約千年間は「暗黒時代」なんて思い出したくない、なかったことしたい感がありありな呼称をつけたりしてますしね。
>
> 英米のSF小説が好きでよく読むんですが、英米のSFにはタイムマシンでローマ時代末期に行った主人公がローマ帝国の滅亡を阻止して暗黒時代を回避・・といった筋の話が実に多いんですよね。
>
> 「闇よ落ちるなかれ」とか19世紀のヤンキーが中世英国に文明をなんとか持ち込もうとするマーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」とか・・。
>
> スターウォーズの元タネ(多分)となったアイザック・
> アシモフの「銀河帝国の興亡(ファウンデーション)」
> も銀河の隅々に広がった「銀河帝国」の衰退とやがてやってくる文明崩壊をいかにして防ぐか?
> という話で、明らかにローマ帝国の滅亡とその後の中世
> 暗黒時代をモチーフにしていることは明らか。

 だってエントリーにも書いたけれど、イタリア人の平均寿命と体格が、五賢帝時代を超えたのは20世紀初頭です。
 ローマ帝国の衰亡につれて平均寿命も体格も下がる一方だったのです。

 それに教育レベルの古代ローマ時代の方が高いです。 だって五賢帝時代はローマ軍の正規兵になるのに、ラテン語の正確は読み書きができる事が必須条件でした。

 一平卒に正確な識字なんて、今のアメリカ軍でも怪しいのに。
 中世なら王侯貴族でも文盲は普通でした。

 それに比べたらホントに超絶文明社会です。
>
> スターウォーズなんかも、舞台が宇宙に移ってはいますが
> モロにローマ帝国の世界観。
> 銀河(地中海世界)全般に広がる帝国、様々な異星人(民族)、共和制主義者と帝政側との対立・・・とか。
> 銀河皇帝とか元老院もしっかり登場しますし、エピソード1では古代ローマの娯楽、戦車レース(ポッドレーサー)もどきもしっかり登場していました(笑)。
>
> なのに、日本の映画評論でローマ帝国と絡めたスターウォーズ評をなぜかみないのは不思議です。

 日本の映画界がローマ帝国を知らないからでしょう。

 ワタシは以前英検2級を取ろうとしていた時に、日本語注釈つきスターウォーズの英語版を読んだのですが、その時に本文ではルーク・スカイウォーカー等の軍勢が「rebel」となっているのに、日本語注釈では「同盟軍」とあり、しかもそれに「反乱ではヘンだから」と但し書きが着いていたので驚きました。

 でもあれはルーク等は銀河帝国の皇帝に対して反乱をしているですから、反乱軍でないとオカシイのです。 スターウォーズってルーク等が、ユリウス・カエサルの帝政を阻止しようとしたブルータス等元老院有志の立場なのですから。

 しかしそういうのは日本人の映画関係者は殆どわかっていないのでしょうね。
  1. 2016-05-05 21:49
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: 興味深く拝読

> ローマ皇帝という職位の実像、興味深く拝読しました。
> ローマ皇帝は三つの時期に分けられるように思います。
>
> 初期の「ローマ皇帝」はよくわからないですネ。
> 私は「元首政」と言った方がいいと思いますが。
> 仰るように、「インペラトール(軍の指揮権)」が権力の源泉として機能したのでしょう。
>
> 中期に、ディオクレティアヌスが皇帝の権威を高めました。
> その動機は、仰るとおり短命皇帝の反省からでしょう。
>
> 後期のテオドシウス1世死後のローマ皇帝は、劇的に変わったように思います。
> 暗愚なのに皇帝に君臨しているのです。
> テオドシウス1世が「最後のローマ皇帝らしい皇帝」と評されているわけです。
>
> 「軍人皇帝」というのも、面白いですネ。
> 考えてみれば、なぜ彼らだけが「軍人皇帝」と言われるのか?
> そもそも皇帝は軍人出身が多いのに。トライアヌスだって。

 戦場で即位して戦場で暗殺されて、政治家としての仕事は一切できないまま終わると言う運命からでしょう。
>
> ローマ皇帝の最大の欠点は、身を引く仕組みがなかったことだと思います。
> だから仰るように暗殺しかないのでしょう。

 アメリカ大統領のように任期が決まっていれば少しは暗殺も減るのですが、しかし任期を決めると任期の終わりにレームダックになるなどの問題が出るので、なかなか難しいのでしょうね。

  1. 2016-05-05 22:40
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

思えば、EUなんていうのも構成国はほとんどが
旧ローマ帝国の域内だったところで、ローマ帝国の夢よ
もう一度って思いがあるのでしょうかね?

実際のローマ帝国はヨーロッパのみならず中東、北アフリカまでその版図でしたが。交通・通信手段が比べ物にならないくらい発達した21世紀の現代でも膨大すぎる行政範囲ですが、古代に一体全体どうやってこんな広範囲な地域を統治・統一していたのか?未だに不思議です。

もっとも皮肉を感じるのは現在のEUの中心国、主力国はかつてのブリタニア、ゲルマニア、ガリア・・・ローマ時代は「辺境」「蛮族」だったところばかり。
末期のローマ帝国を悩ます「蛮族の侵入」も2000年前と現在では侵入する側とされる側がまるで逆転に近いくらいに様変わりしていることに笑ってしまうのは私だけでしょうか?

2000年前のローマ人がタイムスリップしてやってきたらびっくり仰天するのではないか・・と。
今から2000年後の世界はどうなっているんでしょうね?
  1. 2016-05-07 10:25
  2. URL
  3. prijon #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 思えば、EUなんていうのも構成国はほとんどが
> 旧ローマ帝国の域内だったところで、ローマ帝国の夢よ
> もう一度って思いがあるのでしょうかね?

 EUなんかモロにローマ帝国再興だと思います。

> 実際のローマ帝国はヨーロッパのみならず中東、北アフリカまでその版図でしたが。交通・通信手段が比べ物にならないくらい発達した21世紀の現代でも膨大すぎる行政範囲ですが、古代に一体全体どうやってこんな広範囲な地域を統治・統一していたのか?未だに不思議です。
>
> もっとも皮肉を感じるのは現在のEUの中心国、主力国はかつてのブリタニア、ゲルマニア、ガリア・・・ローマ時代は「辺境」「蛮族」だったところばかり。
> 末期のローマ帝国を悩ます「蛮族の侵入」も2000年前と現在では侵入する側とされる側がまるで逆転に近いくらいに様変わりしていることに笑ってしまうのは私だけでしょうか?
>
> 2000年前のローマ人がタイムスリップしてやってきたらびっくり仰天するのではないか・・と。
> 今から2000年後の世界はどうなっているんでしょうね?

 ハハハ、以前ローマのコロッセイウムに行った時、イタリア人がローマ兵や元老院議員の恰好をして、観光客と写真を撮る仕事をしていました。

 でも不思議なことに剣闘士はいないのです。
 剣闘士の方が受けると思うんですけどね。

 しかし考えてみたら、観光客って殆どゲルマン人やブリテン人なのです。 昔はコイツラが剣闘士として死闘をするのを、ローマ人が見物して楽しんだのです。

 それを思えば剣闘士の仮装だけは絶対イヤなんでしょうね。
  1. 2016-05-07 13:53
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する