実態としては多文化共存が難しいのでは無くて、「リベラル」が困難な隘路にぶつかっているんだと思います。移民を排除した世界でこそ通用する「進歩主義的理念」が移民を混ぜた途端軋轢のタネになるんですからね。スウェーデンでは女子の割礼が発覚すると両親は本国に強制送還ですが、異文化共存の困難さの大元がどこにあるか象徴していると思います。お互い無視して容認すれば共存可能なのに、「女性の人権が~」という単一主義が発動しておのずから困難にしてしまいます。
スウェーデンのサイトで女児の割礼問題について、コメントしたところ荒れました。人類学的な文化の相対性に鑑みて、少しでも容認するような意見は絶対ダメでした。(ユダヤ教徒の男児の割礼は良いのかとかとても切り出せません)

女児割礼は中東やアフリカ諸の風習で、女性の陰核を幼児期或いは初潮が始まる頃までに切除します。
やり方は部族や地域によって色々違うようですが、いずれにせよ非常な苦痛を伴うし、また衛生状態の悪い方法で行うと感染症の原因になり、命を落とす場合もあります。
だからこうした風習のない地域の感覚からすれば、何とも恐ろしい奇習です。 そして女性の権利意識の強い欧米では、絶対悪と言う事になっています。
また国連もこれを止めさせようとしています。
しかしこれは中東や北アフリカでは、紀元もわからない程古くから守られていた習慣であり、この習慣を守る人々にとっては非常に重要な儀礼です。
だから「民族の伝統や文化は尊重されるべき」と言うなら、これを強制的に禁止するのは大変な問題です。

ところが人権先進国、移民受け入れ推進で世界を率先してきたスウェーデンでは、とにかく女児割礼は犯罪とされています。
そばかりかこれに関しれは「民族の伝統を尊重せよ」と言う観点からの議論差へできない状況なのです。
そしてこのコメントを書いた方が指摘しているように、こうした現実の問題、現実の移民が「リベラル」を困難な隘路に追い込んでいるのです。
つまり日本だけでなく欧米でも「多文化共存」などを唱えている人達は、皆熱烈な人権派で、女性差別反対、人種差別反対、宗教差別反対を叫び、こうした理念に少しでも違うと自国の伝統文化も攻撃してきました。
そしてその理念により移民や難民を大歓迎したのです。
でも現実に入ってきた難民や移民は、彼等リベラリストとは全く理念を共有できな人々なのです。

今回スウェーデンに雪崩れ込んだ北アフリカや中東地域では、女性蔑視は根強く、女児割礼の習慣も厳守してます。 またイスラム教の信仰を絶対視して、他宗教への迫害が続いています。
これは中東や北アフリカでは別にIS戦闘員など特別な人だけの意識ではなく、ISから逃れてきた普通の人々も同様なのです。
実はこれは西欧社会が近世以降現代まで苦労して克服してきた問題なのです。
でも中東や北アフリカの社会は、実はヨーロッパで言えば中世中期程度、良くって近世初頭のような社会なので、こうした問題の克服はまだまだ先の話です。
勿論北アフリカや中東がこうした社会であることを指摘して、これらの国々から大量の移民を入れる事に懸念を示した人々もいます。
しかしそれを全部「人種差別!!」「排外主義者!!」として封殺して、移民・難民を入れたのはリベラリスト達です。
そしてこうして入れた移民・難民との「多文化共存」を推進したのも、リベラリスト達なのです。

ところがそのリベラリスト達は、女児割礼のような現実の問題に対しては、全然多文化共存をする意思はないのです。
他民族や多民族の文化も、自国の文化同様に尊重するべきと言うのは多文化共存のはずですが、しかし他民族の重要な文化を「非人道的」「女性蔑視」として徹底弾圧ってどういう事でしょうか?
そもそも女性蔑視が伝統に組み込まれている文化を持つ民族を自国に取り込んだ挙句に、その文化を禁止するのでは多文化共存ではないでしょう?
こうした混乱を見ると、そもそもこれら多文化共存を唱えたリベラリスト達は、実は異なる文化を持つ民族や社会の現実を全く見て来なかったと言う事でしょう。

民族が違い文化が違うと言うのは、衣装や音楽や料理が違うだけでは済まないのです。 時に倫理観念の根幹が全く違う場合があるのです。
だから民族摩擦が起き、再々流血に至るのです。
けれども美しい理想に生きるリベラリスト達は、実はこうした深刻な問題は完全に無視しているのです。
彼等の夢見た多文化社会は、きっと万国博覧会の会場のような物で、様々な民族衣装を着た人々が、それぞれの民族音楽や舞踏を披露して、民族料理を楽しみながらそれを見物するような社会でしょう。
そしてどんな国のどんな民族であれ、自分達の国に来たからには、民需主義や人権、女性の権利擁護と言った理念を、何の抵抗もなく受け入れると考えていたのでしょう。
もし移民は難民がそれを受けれないのであれば、それは国内で彼等を差別する人間が悪いからだ!!
オマイラ、差別主義を止めて移民や難民を受け入れる努力努力をするんだ!!
実際このエントリーの最初にあげた記事の本文はそう書いているのです。

しかし現実にEUに出現している多文化社会では、中東・北アフリカの移民・難民の多くはそもそもリベラリスト達の理想なんぞ糞喰らえ!!
多文化主義なんて言われなくても、最初からヨーロッパ式の女性の権利や、宗教の自由なんて尊重する意思は欠片もないのです。
だから移民・難民による強姦事件が多発し、更にはシナゴークやユダヤ博物館への襲撃などを、ドンドンやっているのです。
実に気の毒なのはユダヤ人のリベラリストです。
彼等はひたすら人種差別や宗教差別に反対して、ヨーロッパをよりオープンな社会にしようと努力したのです。 彼等はそれによって自分達ユダヤ人の居心地が良くなると言う計算もあったのでしょう。
しかしそれのよって押し寄せたのは、今も反ユダヤ主義に燃え盛るイスラム圏から大量の移民・難民でした。 お蔭で戦後ヨーロッパは何とか封印してきたユダヤ人迫害がまた復活してしまいました。
極右による反ユダヤにはヒステリックに反応した非ユダヤ人のリベラリスト達も、移民や難民による反ユダヤ暴力にはきわめて寛容でです。 移民や難民を非難するのは人種差別だと信じている人達だから当然です。

しかしここまでなら、タダ愚かな人々の愚かな話です。
けれどもタダ愚かな人々と言えない事態が起きているのではないでしょうか?
スェーデンで昨年8月に野外コンサート会場で、中東・北アフリカ系とみられる人々による女性への集団性犯罪が起きました。
しかし驚いた事にこれが公表されたのは、年明けなのです。
ケルンの集団性犯罪事件の公表がきっかけで、明るみに出たようですが、しかしこんな事件が4ヶ月も隠蔽されるって、民主主義国家でそんなのありですか?

ケルンの事件ではメルケルの支持率が激洛しました。
当然ですがこうした事件が明るみに出れば、移民・難民受け入れ政策を推進した現政権への支持率は落ち、逆にこれに反対する政党の支持率は上がります。
移民・難民による事件隠蔽の理由は、表向きは「移民や難民への差別や偏見を助長しないため」とのことでした。
しかし本当は現政権の権力維持ではありませんか?
こうして移民・難民への差別や偏見の助長禁止を理由に、報道管制や更にはネットの監視まで行うのであれば、これはもう中国と同じ独裁国家になってしまいます。
実はドイツでは既にネットが監視されていると言います。

遂に隠し切れなくなったヨーロッパのモスレム暴挙、ドイツメディアがマルケル首相の移民痴漢行為隠蔽を批判
このようなひどい事件が報道されるまで三日もかかった理由は、ドイツには情報規制があるからで、大本営報道局に成り下がっているドイツ主流メディアは政府に批判的な報道はしない。特に今問題とされている移民問題に関しては政策の妨げになるような移民による犯罪事件には沈黙を守るのが常となっていた。一般市民でもドイツでは政府の移民政策を批判すると罰金を課されたり禁固刑になる。「イスラム教移民は強制送還すべきだ!」などとフェイスブックに書いたりすると「ヘイトスピーチだ!」といって罰せられる可能性があるのだ。
その主流メディアが三日もかかったとはいうものの、遂に事件の真相を報道し、事件を隠蔽しようとした警察や政府までもを批判するようになったということは特筆の価値ありである。

それならスウェーデンでもしていたのでは?
そうでなければこのネット社会で、大きな事件が4ヶ月も表に出ない事の説明できません。
もし日本でコンサート会場で大規模な集団性犯罪事件なんてことが起きたら、ネットに山のように動画や写真が貼られて、それがそのまま世界中に拡散されますから。
だからこのスウェーデンの話は実は凄く怖いです。
だって人権大国が実は人権の名のもとに、政権による国民監視社会になってしまっていたわけですから。

そしてこのように独善的・独裁的な人々が、「多文化共存」を唱えるのは実に奇妙な話なのです。
自分達の理念の為には、自国民の言論さへ弾圧して、自己の権力を保持しようとする。
自分達の理念の為には、民主主義社会の最重要な権利である言論の自由も弾圧する。
そして自分達と理念の異なる人々とは、一切話し合いをする意思はなく、その存在や人権も認めない。
このような人々が本当に「多文化共存」などできるのでしょうか?
これは日本でヘイトスピーチ反対を喚いている人々の背後には、北朝鮮や韓国、そして共産党がいます。 いずれも言論の自由など封殺したい勢力です。
欧米で多文化共存を喚く人々の背後には何がいるのでしょうか?