それで条件反射的にカゴに入れちゃったのです。

おお、カワイソウに貧困層は一斤66円の食パンで年末を過ごすのだろう。
ですって?
イヤそういうわけでは・・・・・。

ワタシは昨日の午後、また買い物出る時、その食パンを2センチ角程に細かく切ったのです。
そしてそれをリュックに入れると、スーパーに行く前に、発寒川の河原に行ったのです。

オ~~イ、みんな!! 鴨が葱背負って来たぞ!!
間違った、人がパン背負ってきたぞ!!

ああ、ヤレヤレ、腹減ってたんだよ。
なんせ皆、暮で忙しいから、パン持ってきてくれないんだよ。

そうなのよね。 マトモな人は皆、お正月の準備で大忙しだったり、親戚の家と海外とかに出かけ留守だったりなのよ。
暮にパン持ってきてくれるのは、一人暮らしの貧困層ぐらいなのよ。

ああ、これスーパーの安売りのパンだよ。 不味いよ。

贅沢言うんじゃないよ!! せっかく貧困層が少ない生活費を割いて買ってきてくれたパンなんだから。
イヤなら食べなきゃ良いのよ!!

ゴメンな、 アイツは今年生まれたばかりで、冬を越すのは初めてなんだ。 だから貧困層がワザワザ、パンを持ってきてくれる事の有難味を知らないんだよ。
どういたしまして。 ワタシも一々気にしておりません。

ワ~~ッ!! カラスだ!!
オレにもパンくれよ!!

ヤダよ~~!!

川の中で食えば安心だもんね。

オマイラ!! 何でオレを差別するんだ?
差別しているのは、オレタチ鴨じゃないよ。 パンを配ってる貧困層だよ。
アイツきっと差別主義者なんだよ。

ハハハ、あの人きっと在特会よ!!

ああ、カモに生まれてよかった!!

カモたちはワタシの投げるパンを上手に受け取って、咥えるとカラスに邪魔されないように、川の中へ飛んでいきます。
それで食べ終わるとまた岸へあがってパンをゲットします。
そうやって30分足らずで食パン一斤を綺麗に平らげました。

それにしてもワタシは一体何をしているんだろう・・・・・。
去年の年末は喘息で寝込んでしまい、お節料理の準備どころか、掃除もできない有様でした。 今年はその喘息も大分良くなって、簡単ではありますがお節料理も少し作りました。
だからカモにパンなんぞやりに河原へ行ったのですが、しかしどうもコイツラを見ているとワタシがカモになったような気がします。
こんなんだから貧困から抜け出せないのでしょうね。
それでは皆様、良いお年を。