2015-12-07 20:45

消されたオランダ領事 映画杉原千畝

 12月5日から「杉原千畝」と言う映画が公開されたそうです。
 でその宣伝ポスターにはこう書かれています。

ひとりの日本人が、世界を変えた――。
激動の第二次世界大戦下
日本政府に背き
命のヴィザを発行し続け
6000人にのぼる
ユダヤ難民を救った男の
真実の物語

 でもワタシはこれ凄く違和感あります。
 これだけでなく日本のマスゴミが煽る杉原千畝の話は皆そうですが、杉原千畝一人の決断だけでビザを発行して、それで6000人のユダヤ人が救われたと言う話になっているのです。

 しかしそれは違います。

 杉原千畝が発行したのは通過ビザです。
 つまり日本を通過して第三国へ行く為に日本への入国を許可するビザです。

 だからこのビザを発行するには、その第三国への入国ビザを持っている事が条件です。
 
 日本政府は当時ユダヤ難民に対して、アメリカ大陸諸国への通過ビザの発行を許可していました。

002

松岡洋右外務大臣が来栖三郎駐独大使に宛てた、昭和15(1940)年7月23日付「猶太(ユダヤ)避難民二対スル通過査証取扱方注意ノ件」と題した訓令は、次のとおり。

最近欧州方面ヨリ本邦経由米国大陸諸国渡航ノ猶太避難民多数アリ 現ニ日本郵船伯林支店ニテ之等避難民ノ本邦米国間ノ輸送ヲ引受ケタル者ノミニテモ六百名ニ上リ(中略)之等ノ者ニ対シテハ行先国ノ入国許可手続ヲ完了セシ者ニ非サレハ通過査証ヲ輿ヘサル様取扱方御注意アリタシ

最近、ヨーロッパから日本経由でアメリカ大陸へ渡航するユダヤ人が多数おり、日本郵船ベルリン支店が引き受けたユダヤ人避難民だけでも600名にも上ったが、これら避難民に対する日本通過ヴィザは、行先となるアメリカ大陸諸国の入国許可手続を完了していない者については発給しないように取扱いに注意しろ


015

 つまりA級戦犯松岡洋右はユダヤ人難民の為の通貨母座の発行を許可していたのです。

 しかし通過ビザである以上、松岡洋右が言うように最終受入国のビザのない人間には発行する事はできません。

 ではその最終受け入れ国のビザを発行したのは?

 それは当時の、オランダ名誉領事ヤン・ツバルテンディクです。

 彼がオランダ領キュラソー島への入国ビザを発行して、そこへ行くための通過ビザ発行をしたのです。
 そしてそのビザを持ったユダヤ人達が通過ビザ発行を求めて日本領事館へ押し寄せたのです。

 しかしオランダ領キュラソー島って、カリブ海の小島です。
 現在は結構なリゾート地らしいのですが、それでも現在でさへ日本から直通便なんかありません。

 しかも当時このキュラソー島の宗主国オランダは既にドイツに占領されているのです。 オランダの国家主権があるかどうかも怪しい状態なのです。

 これでホントに通過ビザを出して良いのか?
 しかも一人や二人ではありません。 数千人分です。

 杉原は二度、電報で日本の外務省に許可を仰ぎましたが、しかし拒否されました。 
 そこで杉原は独断でビザ発行を決断しました。

017

 この顛末は杉原千畝夫人が後に書いた著書にも詳しく書かれていますし、また「ユダヤ人はなぜ日本通過ビザを求めたのか」のサイトでも見る事ができます。

 その部分については確かに映画のポスター「日本政府に背き命のヴィザを発行し続け」は嘘ではありません。

 しかし本当にこの事で日本政府が杉原の行動を問題視したなら、そもそも杉原の発行したビザは無効になります。

 けれども日本政府は杉原のビザを持ったユダヤ人をすべて、ビザ以外の書類が怪しい人間まで受け入れました。 

 日本に着いたユダヤ人はキュラソー島に行きませんでした。
 だってどうやって行くの? 今でも直通便もないような所に・・・・。

 彼等のうちアメリカやその他に親族などつてある人達は、日本からそこに旅立ちました。 そういうつてのない人達は、中国大陸の日本租界や満州国へ行きました。 また終戦まで日本に留まった人達もいました。

 こうしたユダヤ人達に対して当時の日本政府も日本人も、至って親切に対応しています。

 一方杉原千畝はこの独断でのビザ発行については、一切処分も懲罰も受けていません。 彼はその後も終戦まで外務省に勤務し続けました、

 杉原が外務省を解雇されたのは、戦後です。
 
 敗戦で国家主権を失った日本では、外務省と言うモノはそもそも必要なくなったのです。 その為に外務省は大規模リストラをやらざるを得なくなります。

 その時に犠牲になったのは杉原千畝達ノンキャリアーの外交官だったのです。

026
 
 勿論この事で、杉原の業績を否定する事はできません。
 
 だって本省の命令違反でビザを出したのは杉原個人の決断です。 
 もし人の命よりも自分の保身を第一に考えるような人間だったら、絶対にこんな事はしないでしょう。

 しかし杉原一人の決断だけでユダヤ人が救われたわけではないのです。 杉原の命令違反を問題にせずに、彼のビザを持つユダヤ人達を受け入れた日本政府の対応があったからです。

 当時の主要国が全てユダヤ人排斥に同調する中、日本は「人種差別はせず」を明言した唯一の国だったのです。

 そしてもう一人命のビザを出した人がいるのです。

 それは最初に紹介した、オランダ名誉領事ヤン・ツバルテンディクです。
 
 彼の出したキュラソー島への入国ビザがあったから、杉原も通過ビザを発行する事ができたのです。

 命のビザはこの二枚が揃わないと意味がないのです。

 この最初の一枚を出したのがヤン・ツバルテンディクなのです。

 彼の運命はどうなったのでしょうか? 

030

 実は杉原は発行したビザは全部自分一人で作成しました。 妻にも数人いたリトアニア人の領事館職員にも一切手伝わせていません。
 このビザを出した事で彼等に災いが及ぶ事を恐れたのです。

 だったらヤン・ツバルテンディクは無事で済んだのでしょうか? 彼は1976年没と言う事ですから、少なくともこの事で命は落とさずに済んだようです。
 
 しかしドイツの同盟国日本の領事だった杉原と違い、ヤン・ツバルテンディクの本国オランダは既にドイツの占領下にあったのです。

 それでもなをキュラソー島へのビザを発行したヤン・ツバルテンディクの勇気と人道性は杉原同様に讃えられるべきではありませんか?

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 ところがなぜか杉原を礼賛する自称リベラリスト達は、なぜかヤン・ツバルテンディクの話はしません。 
 この映画のポスターもヤン・ツバルテンディクを抹殺していますよね?

 日本人の業績はできるだけ否定して、外国人の業績は極大化したがる人達なのに凄く不思議ではありませんか?

 でも彼等がヤン・ツバルテンディクを隠蔽したい理由はわからないではありません。

 だってヤン・ツバルテンディクの話を出すと、杉原のビザが通過ビザで、ユダヤ人達の形式上の行き先はキュラソー島だと言う事がわかってしまいます。

 でも杉原のビザで日本に来たユダヤ人達は、キュラソー島なんかには行かず、アメリカに行ったり、日本や中国の日本租界などで無事に戦時をやり過ごしたのです。

 これって誰のお蔭ですか?
 これは日本政府が事後承諾で杉原のビザを承認したからです。 そればかりか通過ビザなのに滞在を認めているのです。

 つまりこれは当時の日本政府がユダヤ人に対してきわめて寛大だったことの証明になってしまいます。

 だから彼等はオランダ領事を抹殺する事にしたのです。

048

 因みに外務省が杉原千畝に嫌がらせを始めるのは戦後からです。

 この時ユダヤ人受け入れを決断した日本政府の要人の多くは、既に戦犯として処刑されていました。
  1. 古本
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コメント

杉原さんのwikiが、反日勢力に書き換えられた?

 以前にはなかった杉原さんの発言という、「日本は中国に悪いことをした。」「日本は、ユダヤ人を差別した。」なんて書いてあり驚きました。嘗ての大日本帝国の名うてのスパイだったことやユダヤ人がソ連から逃げたことは、反日勢力としては極秘情報みたいです。

「諜報の天才 杉原千畝」 著者:白石仁章 新潮新書

 上記の(まだ読んでません。)本について新潮社の公式サイトには、「国難を逸早く察知する驚異の諜報能力。この男にソ連は震え、ユダヤ系情報網は危険を顧みず献身した――。」と書いてあります。

【『消えたヤルタ密約緊急電をめぐって』(岡部伸)】 海神日和様より

・・・ペーター・イワノフという男が出てくる。・・・リトアニア出身で、ポーランド参謀本部に勤めていた。ドイツによるポーランド侵攻後、一時収容所に送られたが、そこを脱出し、ベルリンで満州国のパスポートを得て、ラトビアのリガにあった日本の陸軍武官室にもぐりこむ。そして、今度はバルト三国がソ連に吸収されると、ストックホルムに移り、そこで小野寺と出会った。・・・リトアニアのカウナスにいた杉原千畝が、ユダヤ系ポーランド人を救う「命のビザ」を発給した背景には、イワノフの部下たちの働きかけがあった。・・・引用終わり

 『消えたヤルタ密約緊急電』によると、杉原さんと情報士官・小野寺信さんは、リトアニアの人脈を主として欧州において優れた情報網を築きあげた方々で、ユダヤ人を助けたのはその引き換えだと思います。そして、オランダ名誉領事ヤン・ツバルテンディクさんもリトアニアの関係のようですので、最初から関わりがあった可能性があります。

 英国情報部の当時の花形スパイ(名前を失念)の情報源は、小野寺さんであったそうです。強かに任務を遂行していたようで、本当に凄いですね。

 そう言えば、関口宏の『知ってるつもり?!』は好きでよく見ていましたが、杉原千畝さんを1991年7月7日放送したあとに、爆発的な杉原ブームが起きたのを覚えています。

 あの番組では、外務省が悪者で杉原さんが犠牲者みたいで、事実と異なる描き方でした。それに、スパイだったことは全く紹介されませんでした。
 

 


  1. 2015-12-08 18:09
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  3. 都民です。 #-
  4. 編集

Re: 杉原さんのwikiが、反日勢力に書き換えられた?

>  以前にはなかった杉原さんの発言という、「日本は中国に悪いことをした。」「日本は、ユダヤ人を差別した。」なんて書いてあり驚きました。嘗ての大日本帝国の名うてのスパイだったことやユダヤ人がソ連から逃げたことは、反日勢力としては極秘情報みたいです。
>
> 「諜報の天才 杉原千畝」 著者:白石仁章 新潮新書
>
>  上記の(まだ読んでません。)本について新潮社の公式サイトには、「国難を逸早く察知する驚異の諜報能力。この男にソ連は震え、ユダヤ系情報網は危険を顧みず献身した――。」と書いてあります。
>
> 【『消えたヤルタ密約緊急電をめぐって』(岡部伸)】 海神日和様より
>
> ・・・ペーター・イワノフという男が出てくる。・・・リトアニア出身で、ポーランド参謀本部に勤めていた。ドイツによるポーランド侵攻後、一時収容所に送られたが、そこを脱出し、ベルリンで満州国のパスポートを得て、ラトビアのリガにあった日本の陸軍武官室にもぐりこむ。そして、今度はバルト三国がソ連に吸収されると、ストックホルムに移り、そこで小野寺と出会った。・・・リトアニアのカウナスにいた杉原千畝が、ユダヤ系ポーランド人を救う「命のビザ」を発給した背景には、イワノフの部下たちの働きかけがあった。・・・引用終わり
>
>  『消えたヤルタ密約緊急電』によると、杉原さんと情報士官・小野寺信さんは、リトアニアの人脈を主として欧州において優れた情報網を築きあげた方々で、ユダヤ人を助けたのはその引き換えだと思います。そして、オランダ名誉領事ヤン・ツバルテンディクさんもリトアニアの関係のようですので、最初から関わりがあった可能性があります。
>
>  英国情報部の当時の花形スパイ(名前を失念)の情報源は、小野寺さんであったそうです。強かに任務を遂行していたようで、本当に凄いですね。

 戦前は日本も相当優秀な情報活動をしていたのでしょうね。 

>  そう言えば、関口宏の『知ってるつもり?!』は好きでよく見ていましたが、杉原千畝さんを1991年7月7日放送したあとに、爆発的な杉原ブームが起きたのを覚えています。
>
>  あの番組では、外務省が悪者で杉原さんが犠牲者みたいで、事実と異なる描き方でした。それに、スパイだったことは全く紹介されませんでした。

 ワタシはこの番組は知らないのですが、しかし外務省が悪者だったのはホントでしょうね。 但し杉原が在職した戦時中ではなく戦後の外務省ですが。

 実は今日今からこれを書くつもりです。
  
  1. 2015-12-08 19:10
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
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映画の裏には反日人脈が・・・

私が杉原千畝氏を知ったのは、関口宏の『知ってるつもり?!』でした。都民です。さんが仰るとおり、あれをきっかけにニュースでも取り上げられるようになって、ユダヤ人団体が杉原氏の墓参りをしたこともありましたね。

この映画を反日プロパガンダ映画として捉え、公開に至った経緯を追っているブログがあります。すでにご存知でしたらゴメンなさい。

反日はどこからくるの

日本を貶めようとする悪意2 杉原千畝「命のビザ」キャンペーン
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/35141996.html
上海ユダヤ難民資料館とユネスコとサイモン・ウィーゼンタール・センター
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46189512.html
【拡散希望】サイモン・ウィーゼンタール・センターと創価学会と中国共産党
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/36576174.html
JTBと創価学会と杉原千畝
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46181852.html
毎日新聞「日本は反ユダヤにあらず」 昨日あった記事がない(゚∀゚)
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46207680.html

日本をナチスドイツと同じ反ユダヤ国家ということにしたい勢力が国内外にあって、極左とカルト宗教がその中心であるというこのブログの見方に私も賛成です。

左翼はよく「軍産複合体」を悪の権化に見立てて陰謀論を語りたがりますが、彼らこそが「反日カルト複合体」という気がします。
というか、利害が一致すれば軍と産業界が連携することも、宗教団体と共産党が連携することもあるというのは、考えてみれば当たり前ですよね。

カルト宗教やカルト政治思想を信じている者にとって、日本のように寛容で世俗的な社会で、なおかつ繁栄している国家というのは、私たちが考えている以上に憎らしい存在なのかもしれません。
  1. 2015-12-08 19:35
  2. URL
  3. かんぱち #vF6NeGQU
  4. 編集

Re: 映画の裏には反日人脈が・・・

> 私が杉原千畝氏を知ったのは、関口宏の『知ってるつもり?!』でした。都民です。さんが仰るとおり、あれをきっかけにニュースでも取り上げられるようになって、ユダヤ人団体が杉原氏の墓参りをしたこともありましたね。
>
> この映画を反日プロパガンダ映画として捉え、公開に至った経緯を追っているブログがあります。すでにご存知でしたらゴメンなさい。
>
> 反日はどこからくるの
>
> 日本を貶めようとする悪意2 杉原千畝「命のビザ」キャンペーン
> http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/35141996.html
> 上海ユダヤ難民資料館とユネスコとサイモン・ウィーゼンタール・センター
> http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46189512.html
> 【拡散希望】サイモン・ウィーゼンタール・センターと創価学会と中国共産党
> http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/36576174.html
> JTBと創価学会と杉原千畝
> http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46181852.html
> 毎日新聞「日本は反ユダヤにあらず」 昨日あった記事がない(゚∀゚)
> http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46207680.html
>
> 日本をナチスドイツと同じ反ユダヤ国家ということにしたい勢力が国内外にあって、極左とカルト宗教がその中心であるというこのブログの見方に私も賛成です。
>
> 左翼はよく「軍産複合体」を悪の権化に見立てて陰謀論を語りたがりますが、彼らこそが「反日カルト複合体」という気がします。
> というか、利害が一致すれば軍と産業界が連携することも、宗教団体と共産党が連携することもあるというのは、考えてみれば当たり前ですよね。
>
> カルト宗教やカルト政治思想を信じている者にとって、日本のように寛容で世俗的な社会で、なおかつ繁栄している国家というのは、私たちが考えている以上に憎らしい存在なのかもしれません。

 反日の裏には共産主義者やカルトそれに中国や韓国などの外国勢力がいるのは確かでしょう。

 しかしそれだけでなく日本人の感覚として「私が悪うございました」と言う事で良い人を気取りたいと言う意識のせいだと思います。

 戦後教育でひたすら自虐史観を刷り込まれたと言う事もありますが、それだけなく日本では揉め事があった時に、悪くなくても「私が悪う御座いました。」と言って自分の犠牲で揉め事を収めようとする人間は、絶対的に善人として評価されるのです。

 だから簡単日本を悪い事にしてしまうのです。 
 
 ホントはこれはインチキで、「私」と「私たち=自分の属する集団=日本」は違うのです。 

 「私が悪うございました」と言うとホントに責任を追及される心配があります。 しかし「日本が悪うございました」と言う話なら、自分は善人を気取って日本の責任を認めても、自分自身が責任を問われるとは限りません。

 実際鳩山由紀夫が今、中国や韓国で繰り返す謝罪などその典型です。

 彼が謝罪するべきは中国や韓国ではなく、普天間移設ちゃぶ台返しなど彼自身の行った無責任な政策なのですが、彼はこれについては一切謝罪していません。

 
  1. 2015-12-09 11:07
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  3. よもぎねこ #-
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