そこで木村幹教授がこんな事を言うのです。

木村:そうなのですけど、大国は大国としての度量が求められるものです。むしろ、「あれほど失礼なことを繰り返す韓国」でさえも米国は包容している――そういうイメージが大事なのです。
今の米韓同盟のあり方は中朝同盟と似ています。北朝鮮は中国の言うことを聞かず、その顔に泥を塗るばかり。核開発を進めることで中国の安全まで脅かす。でも、中国は北朝鮮を切り捨てない。
同盟を結んでいる間はある程度は、ですが北朝鮮をコントロールできる。やめてしまえば、北朝鮮はもっと好き勝手やるでしょう。つまり米国同様に中国も「度量」を試されているわけです。大国は大変なのです。

ワタシもこれはその通りだと思います。
韓国がどれほどアメリカに無礼を働いても、不信を高める行動を取っても、韓国側から米韓同盟を切ると言われない限り、アメリカが泣き縋る韓国を蹴とばして米韓軍事同盟を切って、在韓米軍基地を引き上げると言う事は絶対にないと思います。
アメリカが本当に韓国を見捨てて出ていくときは、韓国側から米軍の撤退を要請されたと言う事にして出ていくでしょう。
そうすれば米軍撤退後、韓国がどうなろうともアメリカに責任はありません。
アメリカの威信も同盟国への信用も揺らぎません。
現に今の南シナ海が良い例ではありませんか?

中国がフィリピン領だった南沙諸島を占領したのは、アメリカがフィリピンにあった二つの米軍基地を閉鎖した直後です。
1991年4月のピナトゥボ火山爆発で、クラーク空軍基地は甚大な被害を受けて使用不能になりました。 それでアメリカはこの基地の放棄を決意しました。
一方もう一つのスービック海軍基地は継続使用を望みましたが、フィリピン上院がこれを拒否したので、これも閉鎖され、フィリピンから米軍基地はなくなったのです。
フィリピン上院がどういうつもりでスービック基地の継続使用を拒否したのかはわかりません。 しかしどのような理由があったにせよ、フィリピン側が拒否の意思を示した事は間違いなのです。
だからこの後、直ぐに中国が南沙諸島を占領して、恐怖したフィリピン政府がその後何度も「アメリカ様戻ってくれろ!!」と泣き縋ってもアメリカ側は実に冷淡な対応を取り続けました。
そしてこの件でアメリカを非難し同盟国はありません。
だってフィリピンが自分で出て行けと言ったんじゃん!!

イヤ~~あの当時の事を思い出せば色々思い当りますけどね・・・・・。
冷戦は終結した直後だし、中国改革開放に舵を切り始めたばかりで貧乏国だったし・・・・・。
アメリカにすればもうアジアの米軍基地は日韓だけで十分。 日本と韓国は一応思いやり予算とかくれるから、アメリカの負担は軽いけれど、貧乏国のフィリピンにはそんなモノも期待できないので、金がかかるばかり。
もうそろそろフィリピンから引き上げたいなあ・・・・・・。
そんな風に思っていた所に、折よく火山が爆発してクラーク空軍基地は潰れたので、放棄を決定。
そんなアメリカの本心をどこまで読んだかはわかりませんが、フィリピンの上院がスービック基地の継続使用も拒否ちゃったのです。

ああ、そう!!
フィリピンの皆さんミーが嫌いなのね?
出て行ってほしいんですね。
わかりました。 長々お世話になりました。
皆様お元気で。
Good by!!
ホントに出て行ってちゃったのです。
でもアメリカの本心がどうあれ、フィリピンが出て行けと言ったから出て行った事には間違いないのです。
だからその後何が起きても、アメリカには責任はないし、フィリピン政府がアメリカに文句を言う権利もないのです。

ああ、そう?
他でもこんなの見ましたよね。
ネットでお馴染み、韓国軍の作戦統帥権返還問題です。
あれだって韓国側が言いだしたのです。
ウリは独立国ニダ!!
だから戦時にアメリカ軍の指揮で戦うなんて我慢ならないニダ!!
作戦統帥権返還するニダ!
と韓国側が言ったから、アメリカは「OK!! 返すよ。」という事になったのです。 あれが確か2008年の事で、あれから毎年韓国政府は必死なって「お願いニダ、作戦統帥権返さない欲しいニダ」と泣き騒ぐハメになったのです。

つまりアメリカは同盟国には、スゴ~~ク寛大なのです。
自分から同盟国を捨てるような事はしません。
しかも同盟国側が「アメリカ軍出て行け!」と言ったら直ぐに「OK!! Good by!!」と出て行ってくれるのです。
でもホントに出て行きたくない時は、絶対出て行かないでしょう。
キューバのグアンタナモ基地が良い例です。
キューバが反米共産主義国家になっても、米軍基地はそのまま居座っているのです。 オマケに基地の外とは隔絶状態であるのを良い事に、アメリカ本土には置けないテロリストの収容に便利使いされていると言う始末です。
しかし哀しいかなキューバ軍にはアメリカと戦争をして基地を追い出す度胸も実力もないのだからこうなるのです。
こういう事実を日本で「米軍基地出て行け」と喚いている人達はどう見ているのでしょうか?
自分達が喚きつづけたら、それでホントに米軍が出て行ってくれると思っているのでしょうか?

そりゃあ皆さんが米軍基地に反対する気持ちはわかりますよ。
だって別に共産主義者とかじゃなくても、人間誰だってカネと力のある奴がデカイ顔するのを見ていると不愉快じゃないですか?
それに世界最強の軍隊に対して罵詈雑言を浴びせていると、凄く勇敢な事をやっている気分になれるでしょう?
例え米軍側が一切抵抗しないとわかっていてもね。
それに何より反体制は正義です。
米軍基地反対を喚けば、米軍と日本政府と言う二つの体制に反対した事になるのです。
つまり貴方は英雄なのです。

こんな風に考える人は世界中にいるので、反米運動は日本だけじゃなく、世界中にあります。
そしてアメリカの同盟国では特に盛んです。 だって殆ど皆民主主義国家なので、反米運動をやっても逮捕される心配なんかないのです。
それどころかマスゴミでスター扱いされたり、更に上手く行くと野党の政治家にさへなれます。
だからアメリカはイクラでも寛大になれるのです。
つまり同盟を切りたくなったら、また同盟国にある米軍基地を閉鎖したくなったら・・・・・・。
その国の反米活動家の皆さんが、ヒートアップできるような事をすれば良いのです。
例えば、素行の悪い兵隊を送り込んで、強姦事件などを起こすのを待つとか・・・・・。
それで反米世論に乗った政治家達が「アメリカ出て行け」と言い出したら「ハイ、ハイ、そちら様がそう仰るなら仕方ありません。 出て行きます。 サヨウナラ!」となるのです。

だからワタシは米韓同盟がいつまで続くかは、完全にアメリカ次第だと思っています。
そして当然ですが、日米同盟も同様です。 怖いですね。
同盟の維持には不断の努力が必要と言うのは、つまりこういう事なのでしょう。