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2015-08-01 12:08

ギリシャ騒動雑感

 ギリシャの債務問題はまだまだ延々と続きそうです。
 それでワタシは今までのギリシャ騒動について、自分の考えをまとめがてら書いてみます。

 ギリシャはこの200年に何と100回もデフォルトしている国です。 つまりオリンピックの倍の頻度で、国の借金が払えなくって破産すると言うことを繰り返してきたのです。

 個人なら二年に一度の割合で、破産するほど出鱈目な事はできません。
 しかし国の場合は外国からの借金を踏み倒しても、戦争でもしない限りその借金を力づくで取り立てる事はできません。
 また国内の通貨は自国で印刷すれば済む事なので、国内に回るお金には困らないのです。

 一方、二年に一度借金を踏み倒す奴に、お金を貸すような奴はそういないし、貸したとしても大した額ではありません。 そもそも貸す方だってホントに返してくれるとは信じずに貸したのでしょう。

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 だからギリシャは200年間、気楽に借金をしては踏み倒してきたのです。 そしてそれが世界経済の問題になるような事にはならなかったのです。

 一方ユーロと言うのは、借金をしてはいけないシステムです。
 ユーロと言うのは緊縮財政、財政均衡を維持しないと維持できないシステムなのです。

 放漫財政をやって一番困るのは、通貨の信任が失われて、通貨の価値が下がる事です。 まして借金がかさんでデフォルトなんて事になれば、通貨は大幅に下落して、ハイパーインフレなんて事にだってなりかねません。

 これがそれぞれの国の独自通貨であれば、財政出動は自己責任です。 だからそれぞれ自国の経済事情と自国通貨価値の維持を考えながら、節度をもって財政出動をするでしょう。

 その場合はギリシャのように、デフォルト常習で、だから通貨価値なんかこれ以上下がりようのない所を、ウロウロするだって自由なのです。 (これ以上下がりようのないところをウロウロしているなら、鶏の飛行みたいなモノで墜落しても怪我もしないわけです。)

 「自国の通貨は自国で守るのだから、他国の通貨なんかそれぞれ好きにすれば良い」で済むのです。

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 しかしユーロのような共通通貨にすれば、そうはいきません。 共通通貨の価値は皆で守るしかないのです。
 その場合、それぞれ節度を持って財政出動と言うのは、大変難しいです。
 
 だから一律緊縮財政とするしかないのです。

 ところがギリシャはこの規則を綺麗に無視して、今まで通りの気楽に借金を続けた・・・・・と言うよりも、今までできなかった程の借金をしまくったのです。

 そうです。
 今ではデフォルト常習国と言う事で、ギリシャに金を貸す奴なんか滅多にいなかったのです。
 
 それなのに財政赤字を誤魔化してユーロに加盟したお蔭で、それまで全く信用の無かったギリシャ国債がドンドン売れるようになったのです。 

 「ユーロ加盟できたのだから、これまでみたいにデフォルトしないんじゃないだろう。」
 そう思い込む人達が沢山出てしまったのです。

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 だからユーロ加盟していから暫く、ギリシャは夢のような好景気が続きました。 オリンピックを開催したり、勤労者の4割を公務員にして給料を払ったり、勤労時と9割を超える年金を払ったり・・・・・・、これで国民が喜ばないわけはないのです。

 それでも今までのように直ぐにはデフォルトはしませんでした。 だってユーロですから借金を返すための借金は幾らでもできました。

 しかしそれでもその借金天国は永遠には続きませんでした。
 2009年リーマンショックで世界中が金詰まりになった時に、ギリシャの膨大な借金に皆気付いたのです。
 
 そしてそうなるともうギリシャに金を貸してくれるわけもなくなり、借金を借金で返し、借金を拡大しながらリッチな借金ライフを続けると言うギリシャ経済はストップしてしまったのです。

 後に残ったのは、それまでの作った膨大な借金です。

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 そしてユーロ加盟国は激怒しました。 
 皆で守っていたユーロの通貨価値を、ギリシャが一人で食い潰そうとしていたのですから、当然ですよね?

 でもそもそもこんなデフォルト常習国をユーロに入れたのは間違いではありませんか?
 
 多重債務者や破産者はクレジットカードだって持てません。 それなのに、二年に一度破産と言う超悪質な、奴を仲間に入れたのが根源的な間違いなのです。

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 高橋洋一氏によると、マンデル・フレミングの最適通貨圏説と言うのがあって、文化・経済・地理などの要件から、一つの通貨でカバーできる経済圏を判定する事ができるのだそうです。 ギリシャはどう計算しても、他のユーロ加盟国と違って、この最適通貨圏からはみ出すと言うのです。

 だから高橋氏は「ギリシャはユーロに加盟するべきではなかった。 今後ギリシャ経済が再起するためには、EUには留まっても、ユーロからは脱離するべき。」と言います。

 ギリシャがユーロに留まる限り、ギリシャは独自の通貨政策を取れないし、財政政策もとれません。 何よりユーロはギリシャの経済力からすれば強すぎる通貨なので、産業競争力が常に劣性になってしまうのです。 
 だから早くユーロを脱離して、通貨を安くして、産業競争力を回復させるべきだと言うのです。

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 しかしこれってギリシャ人が全然望んでいないのですよね?
 何しろギリシャの財務相は、ギリシャの通貨を刷れないように輪転機を壊したと嘯いて、国民が喝采する有様ですからら。

 国民からすれば、自国の産業競争力の回復よりも、自分達の消費生活を考えているのでしょう。 消費する分にはユーロの方が快適ですから。

 ギリシャ国民は最初からユーロ加盟で自国の産業競争力が失われる事なんか全然眼中になく、ひたすら自分達の通貨がユーロになって、自分の貯金がユーロになって、ドイツやフランス並みの豊な消費生活ができる事だけを考えていたのではないでしょうか?

 生産なしで消費が続けられる事はあり得なのですが、しかしそこはデフォルト常習国の国民ですから。

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 そしてギリシャの政治家も、最初からユーロ加盟した時点で、ユーロになれば今までと違って盛大に借金をできて、ばら撒きができて、国民の人気が得られて選挙に有利、ぐらいにしか考えていなかったのでは?

 少なくともユーロ加盟を決めた政治家は、自分の任期中は気楽に借金ができて、国民に人気のばら撒き政策ができればそれで良く、その後の事なんかどうでも良かったのではないでしょうか?

 その意味で古代ギリシャを滅ぼした衆愚制の伝統をギリシャは今も守っているのです。
 
 そしてこの借金発覚後の混乱が続く中でも、その伝統を守り続けています。 

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 だからこれはもうどうしようもないでしょう。
 これからユーロ加盟国は延々とこの厄介者を抱え込んで苦労する事になるのです。

 それではホントに何でこんなどうしようもないギリシャをユーロに加盟させたのか?

 ワタシはマキャベリストがいたのだと思います。 それについては次回で書きたい思います。 
  1. ユーロ
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コメント

 わたしも高橋洋一さんの説が良いと思いますが、ギリシャはこれからもEUにず~っと寄生していくつもりですね。民主主義と哲学と演劇等々の発祥の地だという綺麗なイメージは、現在のギリシャとは別の惑星のお話みたいです。現実は、厳しいです。
 
 最近ちょっと気になってギリシャを調べていたら、借金踏み倒しが国是で冷戦時はNATOをすぐに裏切る風見鶏だということは欧州にとっては常識だったということが分りました。ついでに本当に古代のギリシャ人とは混血が進み殆ど違う民族で、いまのアテネもドイツ人建築家が建てたと知り張りぼてみたいとげんなりしました。

 欧州のマキャベリストは、こんな国を抱えてコントロールできると考えた相当な自信家ですね。
 
  1. 2015-08-02 11:13
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  3. 都民です。 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

>  わたしも高橋洋一さんの説が良いと思いますが、ギリシャはこれからもEUにず~っと寄生していくつもりですね。民主主義と哲学と演劇等々の発祥の地だという綺麗なイメージは、現在のギリシャとは別の惑星のお話みたいです。現実は、厳しいです。
>  
>  最近ちょっと気になってギリシャを調べていたら、借金踏み倒しが国是で冷戦時はNATOをすぐに裏切る風見鶏だということは欧州にとっては常識だったということが分りました。ついでに本当に古代のギリシャ人とは混血が進み殆ど違う民族で、いまのアテネもドイツ人建築家が建てたと知り張りぼてみたいとげんなりしました。
>
>  欧州のマキャベリストは、こんな国を抱えてコントロールできると考えた相当な自信家ですね。

 厄介な国ですが、しかし人口1000万程の小国ですからね。 
 それに一応地中海の要衝です。

 捨て金を与えて飼い殺しにできるなら、安い物と考えているのでしょう。
>  
  1. 2015-08-02 12:30
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  3. よもぎねこ #-
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