2015-06-02 11:45

陸上自衛隊第7師団創隊60周年記念行事 その2

 5月31日、妹と一緒に妹の友達に東千歳駐屯地で行われた陸上自衛隊第七師団創隊60周年記念行事を見学しました。
 当日は朝から天気が悪く、観閲行進が始まってからも雨がぱらつきます。
 
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 第七師団は日本唯一の機甲師団です。 機甲師団(きこうしだん)とは、戦車部隊を中心に、戦車に随伴する自動車化・機械化された歩兵部隊、同じく自動車化された工兵・砲兵・偵察・通信などの諸兵科の部隊から構成される師団で、目の前をこの師団を構成する各種の膨大な車両が進みます。
 機甲師団は第一次大戦から作られましたが、劇的な活躍をしてその真価を発揮したのは、第二次世界大戦のドイツの電撃作戦においてです。

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 以前読んだ本で、ドイツのポーランド侵攻以前、ポーランドはドイツの侵略は予想していたけれど、その防衛にかなり自信を持っていたとありました。
 ポーランドは歴史的に騎兵の強い国で、第一次大戦でもポーランド騎兵は随分善戦したのです。 第一次大戦まではまだ騎兵は重要な兵科だったのです。
 しかしドイツ軍の機甲師団を前に騎兵など何の役にも立ちませんでした。 
 騎兵の時代を完全に終焉させたのが、ドイツ機甲師団だったのです。

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 そして騎兵の時代の終焉と、中国の台頭は実は密接にかかわっています。
 黄河文明発祥からアヘン戦争まで、中国の王朝が苦しみ続けたのが、騎兵です。 周辺の遊牧騎馬民族の侵攻を撃退できるか否かで、王朝が存続できるかどうかが決まりました。
 その為に万里の長城まで作ったのです。
 しかしその長城が破られると明は清に征服されました。 長城の中に入り込んだ満州族の騎兵をどうする事もできなかったのです。

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 その満州族の騎兵はアヘン戦争でイギリス軍に惨敗しました。
 でもそれはつまり今後中国は周辺の騎馬民族の侵攻と言う危険が、完全に消滅したことでもあるのです。 つまり近代兵器を確保していれば、騎馬民族など全く怖れる必要がないと言う事を証明したのです。
 まして第一次世界大戦時のポーランド騎兵のような近代騎兵でも、機甲師団の前には何の役にも立たないのです。
 こうなると古代から中国を脅かし続けた騎馬民族も、唯の少数民族になってしまいました。

 だから中華民国の成立以降、中国の周辺で中国を脅かすのはソ連だけになってしまいました。 そのソ連も90年代には崩壊したのです。
 これで中国の陸上の国境の防衛負担は、大陸国家としてはあり得ない程軽くなったのです。

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 おお、これは丘珠駐屯地から飛んできたヘリです。
 実はこれこの2日前に見たのです。 この編隊を組んで我が家の上空を飛んでいたのです。 我が家の上空は第七飛行隊の訓練空域なので、時々こうした編隊飛行が見られます。
 ここで見ると、近所の知り合いに会ったみたいで凄く嬉しい!!

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 古来軍事的には海洋勢力と陸上勢力を両立させる国家はないと言われてきたそうです。
 つまり陸上勢力を維持する国、例えばドイツやフランスやロシアは、古来強大な陸軍国として知られました。 清朝までの中国もそうです。
 しかしこれらの国々は海軍国でありませんでした。
 なぜなら陸軍国は皆、陸上の国境の防衛の為に陸軍を強化せざるを得ない国々なのです。
 海軍まで強化する余力はないのです。

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 ロシアなんかその典型です。 あの国は10世紀末の建国当初から、東からは遊牧騎馬民族に、西からはドイツやスェーデンの侵攻に苦しみ続けました。
 だからこれを防ぐ為には独裁政権が強権的に陸軍力を強化するしかないのです。
 ロシアはそれで近代以降、ヨーロッパでも最強クラスの陸軍を保持し続けました。

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 でもナポレオン戦争でも、独ソ戦でも国境での防衛はできず、首都の直ぐ傍まで蹂躙されると言う被害に遭っています。
 そもそもあの馬鹿長い国境には川や山岳など防衛上の盾にできるモノが何にもないので、幾ら強大な陸軍があっても防衛は凄く難しいのです。
 
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 そこでロシアとしては、国境をできるだけ広げて国家の心臓部から遠ざける事で、何とか防衛しようとしているのです。
 そうやっておけば、国境に侵入した外国軍も首都に来る前に、ヘタレるので何とか撃退できるのです。
でもこれじゃ余力さへあれば地続きの近隣諸国を侵略する事は考えても、海を越えて海外領土を得ようなんて事までは手が回りませんよね?
 
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 一方島国は気楽です。 なにしろ大陸国家は開戦=本土決戦の覚悟を常にしなければならなのですが、まずそれがないのです。
 ナポレオンは天才的な戦略家で、しかも愛国心で戦う徴兵による兵士を使うという優位により、ヨーロッパの殆どを征服したけれど、イギリスには上陸できませんでした。
 イギリス海軍が頑張ったと言うもあるけれど、結局ナポレオンにしても重要なのは地続きの国々なので、そっちを優先せざるを得ないのです。
 だからイギリスは気楽に海を越えて植民地獲得に邁進できたのです。
 
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 だったら、陸上の国境防衛の心配なくなった中国は?
 当然海洋進出を考えるのです。
 それに今は資源輸入国となった中国にとっては、輸送路の確保も死活問題になってきました。 
 そして国内には貧民が溢れているのです。

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 ちなみに現在アメリカは実は海洋、陸上共に世界最大の勢力を持っています。
 アメリカも大陸の国だけれど、国境を接するカナダやメキシコがアメリカにとって脅威になるはずもなく、海洋進出をする余力は十二分にあるのです。

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 中国はこのアメリカを目指しているのです。 
 中国には膨大な貧民がいますが、彼等は皆豊かになりたいのです。
 中国の富裕層は絶対に貧民に富を分けたくはありません。
 そうなると海外へ進出して、富と領土を増やそうと言う事で両者の意見が一致します。
 これって日本始め中国の周辺諸国にとっては実に厄介な話です。
 でもこの中国を止めないと、日本だって安全ではいられないのです。

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 観閲行進は続きます。 しかし雨と曇天で暗いのと、ワタシの技量に問題があって良い写真が撮れません。
 きっと軍オタさんにとっては、体が震える程凄い車両がドンドン出ているのでしょうが、ワタシには「何か凄いけど、良くわかない」としか言えません。
 完全に猫に小判です。
 でもやはり見ているだけで楽しいです。

  1. 札幌の四季
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コメント

こんにちは。
暫くです。

何時もながら、鋭い御観察には頭が下がります。

魚屋、自分の体重と同じように責任も重くなり、なかなかコメント等 出来ないでいまして・・・申し訳なく思っております。

あぁ、オイラもブログでも始めようかどうしようか悩み中で・・・
でも、更新できなきゃ恥ずかしいし・・・
  1. 2015-06-02 14:19
  2. URL
  3. 北の魚屋 #GLvzFY/o
  4. 編集

Re: タイトルなし

> こんにちは。
> 暫くです。
>
> 何時もながら、鋭い御観察には頭が下がります。
>
> 魚屋、自分の体重と同じように責任も重くなり、なかなかコメント等 出来ないでいまして・・・申し訳なく思っております。
>
> あぁ、オイラもブログでも始めようかどうしようか悩み中で・・・
> でも、更新できなきゃ恥ずかしいし・・・

 本当にお久しぶりです。 コメントを頂けて凄く嬉しいです。
 ブログは暇なときだけ更新なされば良いのです。
 でも開設だけしておくといつでも書けるので、便利では?

 お忙しいでしょうが、どうかまたコメントは下さい。
  1. 2015-06-02 20:13
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

書いてあることに間違いはないと思いますがいくつか誤解があるようです。

陸軍国の防衛は基本2通りです。

国境線の一線防御か、縦深配備の機動防御かという問題です。かつて陸軍国フランスは第一次大戦で国境要塞による国土防衛に曲がりなりにも成功し、その結果第二次大戦ではマジノ線という国境要塞を築くに至りました。

これがドイツの機甲師団による突破で用をなさなかったというのは歴史的事実ですが、大陸国家において国境の一線防御をやろうなどというのは例外です。首都が国境に近くどうしても守らな蹴らばいけないなどという事情がなければやりません。フランス人はベルサイユでドイツ皇帝の戴冠式をやられたことがよほど頭にきたのでしょう。

通常は縦深陣地を設け機動防御を行い敵を遅滞させつつ補給線を断ち切った上で包囲殲滅というのが正解です。かつて支那人が長城を築いたのは騎兵が長城を越えられない、ということが前提だったから成り立った戦略です。一線防御でよかったのです。昔の騎兵は補給がいりません。食糧だけなら現地徴発が可能です。

また北方の連中とうまくやれば一線防御がいりません。唐は長城に頼らぬ防衛を選択しましたがこれは節度使による機動防御が基本です。

だから機動防御が成り立たなければ今での大陸国家の防衛は大変です。70年代ソ連は中ソ戦争を3回は決意したと言われています、実際きちんと戦闘を行えば人民解放軍はさしたる抵抗は出来なかったはずだというのが現在の見方です。戦略ミサイルで北京を叩き指揮中枢を破壊できればいくら頭数が多くともなんとでもなったからです。

問題は戦闘の問題は難しくなくとも支那の占領地行政をどうするのかという問題です。これは畢竟、捕球力の問題になります。連中もここで二の足を踏んだらしい。この時にアメリカから馬鹿なことやるんじゃねえぞ、と脅しをかけられて秋ためたというのが経緯です。

その恐怖があったから支那は4つの近代化のはじめに軍事の近代化を持ってきました。これは大規模な非近代的陸軍から近代装備の精鋭軍への転換です。近代戦は速度が基本です。人民の海の戦略は特殊な場合以外成立しません。今、中露戦があるとすればシナ軍だって機動防御戦をするはずです。

支那が本土防衛に自信を持ったのはおそらくソ連邦崩壊後、急激なGDPの低下により旧ソ連軍が維持できなくなった時だったと思います。同時に大量の過剰人口をシベリアに浸透させるという戦略が可能になったことです。

連邦最盛期でさえシベリアの総人口は東京都と同じ程度と言われました。それが今では半減し600万と言われています。それに対して支那はどうかここ20年の間に人口は何億増えてるでしょうか中ロ国境に日本ほどの人口がる国が出現したようなものです。これが支那人が自信を持った基本です。

支那が海外に出ることを考えた最大の理由は何か、これは当たり前の話ですがエネルギーと食糧の純輸入国に転落した結果です。連中は気がついた時に海への道は二大海軍国が支配してることに気がついたのです。そこで何とかしようというのが尖閣を始めとする東シナ海の問題と、資源開発をめぐる南シナ海の問題です。

おそらく連中とするとラオスやカンボジア、ミャンマーを実質的な植民地としそこを海軍力でつなげパキスタン同盟国としてインドを牽制しアフリカに出てくというのが基本だったと思います。これが可能になったのはソ連邦の脅威が減ったことに過ぎません。

ではこの戦略は成功するか、必ず失敗します。陸軍国に海軍の運営はできなからです。海に出て海軍を運用する能力は海洋国家のみが持てる特権なのです。

フランス、ドイツ、ソ連が海軍国を目指しましたがことごとく失敗しました。歴史は冷徹なのです。
  1. 2015-06-02 23:42
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
  4. 編集

 中国が自国の環境や格差や少数民族等々を、他国を収奪することによって解決しようとしている訳ですね。迷惑千万な国です。健気に生きるよもちゃんから大好きなストーブの火を取り上げようと画策する残酷な野党を無視して、安保法制や諜報機関や憲法改正やいろいろとやらねばならぬ問題に政府は対処してほしいです。中国への備えは、喫緊の課題ですから。

 話は違いますが最近キャメちゃんの追っかけをしていたら、だんだんアライ様に見えてきました。185㎝の長身で絵に描いた様なエリート、普段は紳士然としていそうです。しかし不法移民問題での迫力に満ちた発言は、正に怒れるアライ様!!似ていませんか?
  1. 2015-06-03 10:42
  2. URL
  3. 都民です。 #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> 書いてあることに間違いはないと思いますがいくつか誤解があるようです。
>
> 陸軍国の防衛は基本2通りです。
>
> 国境線の一線防御か、縦深配備の機動防御かという問題です。かつて陸軍国フランスは第一次大戦で国境要塞による国土防衛に曲がりなりにも成功し、その結果第二次大戦ではマジノ線という国境要塞を築くに至りました。
>
> これがドイツの機甲師団による突破で用をなさなかったというのは歴史的事実ですが、大陸国家において国境の一線防御をやろうなどというのは例外です。首都が国境に近くどうしても守らな蹴らばいけないなどという事情がなければやりません。フランス人はベルサイユでドイツ皇帝の戴冠式をやられたことがよほど頭にきたのでしょう。
>
> 通常は縦深陣地を設け機動防御を行い敵を遅滞させつつ補給線を断ち切った上で包囲殲滅というのが正解です。かつて支那人が長城を築いたのは騎兵が長城を越えられない、ということが前提だったから成り立った戦略です。一線防御でよかったのです。昔の騎兵は補給がいりません。食糧だけなら現地徴発が可能です。
>
> また北方の連中とうまくやれば一線防御がいりません。唐は長城に頼らぬ防衛を選択しましたがこれは節度使による機動防御が基本です。
>
> だから機動防御が成り立たなければ今での大陸国家の防衛は大変です。70年代ソ連は中ソ戦争を3回は決意したと言われています、実際きちんと戦闘を行えば人民解放軍はさしたる抵抗は出来なかったはずだというのが現在の見方です。戦略ミサイルで北京を叩き指揮中枢を破壊できればいくら頭数が多くともなんとでもなったからです。
>
> 問題は戦闘の問題は難しくなくとも支那の占領地行政をどうするのかという問題です。これは畢竟、捕球力の問題になります。連中もここで二の足を踏んだらしい。この時にアメリカから馬鹿なことやるんじゃねえぞ、と脅しをかけられて秋ためたというのが経緯です。
>
> その恐怖があったから支那は4つの近代化のはじめに軍事の近代化を持ってきました。これは大規模な非近代的陸軍から近代装備の精鋭軍への転換です。近代戦は速度が基本です。人民の海の戦略は特殊な場合以外成立しません。今、中露戦があるとすればシナ軍だって機動防御戦をするはずです。
>
> 支那が本土防衛に自信を持ったのはおそらくソ連邦崩壊後、急激なGDPの低下により旧ソ連軍が維持できなくなった時だったと思います。同時に大量の過剰人口をシベリアに浸透させるという戦略が可能になったことです。
>
> 連邦最盛期でさえシベリアの総人口は東京都と同じ程度と言われました。それが今では半減し600万と言われています。それに対して支那はどうかここ20年の間に人口は何億増えてるでしょうか中ロ国境に日本ほどの人口がる国が出現したようなものです。これが支那人が自信を持った基本です。
>
> 支那が海外に出ることを考えた最大の理由は何か、これは当たり前の話ですがエネルギーと食糧の純輸入国に転落した結果です。連中は気がついた時に海への道は二大海軍国が支配してることに気がついたのです。そこで何とかしようというのが尖閣を始めとする東シナ海の問題と、資源開発をめぐる南シナ海の問題です。
>
> おそらく連中とするとラオスやカンボジア、ミャンマーを実質的な植民地としそこを海軍力でつなげパキスタン同盟国としてインドを牽制しアフリカに出てくというのが基本だったと思います。これが可能になったのはソ連邦の脅威が減ったことに過ぎません。
>
> ではこの戦略は成功するか、必ず失敗します。陸軍国に海軍の運営はできなからです。海に出て海軍を運用する能力は海洋国家のみが持てる特権なのです。
>
> フランス、ドイツ、ソ連が海軍国を目指しましたがことごとく失敗しました。歴史は冷徹なのです。

 有難う御座いました。

 しかしとにかく海洋進出をやる気満々と言うか、それ以外に進む道がない状況になっているのでは?

 本来なら地道に国民生活を向上させるような政策を続けるべきなのですが、しかし中国人の辞書に地道と言う文字はないようですから。

 だから当面日本とアメリカで抑え込むしかないでしょう。 これから結構大変な時代が続くと思います。
  1. 2015-06-03 22:21
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

>  中国が自国の環境や格差や少数民族等々を、他国を収奪することによって解決しようとしている訳ですね。迷惑千万な国です。健気に生きるよもちゃんから大好きなストーブの火を取り上げようと画策する残酷な野党を無視して、安保法制や諜報機関や憲法改正やいろいろとやらねばならぬ問題に政府は対処してほしいです。中国への備えは、喫緊の課題ですから。

 本当に喫緊です。
 本来なら馬鹿野党の神学論争なんか相手にしている場合ではないんですけどね。 と言うかこんな馬鹿野党がいなければ、中国だってここまでのさばらなかったでしょうに。

>  話は違いますが最近キャメちゃんの追っかけをしていたら、だんだんアライ様に見えてきました。185㎝の長身で絵に描いた様なエリート、普段は紳士然としていそうです。しかし不法移民問題での迫力に満ちた発言は、正に怒れるアライ様!!似ていませんか?

 ハハハ、そう言えば似てますね。
 育ちが良くて、大柄で。 アライ様にはこの前お会いしたのですが、パトカーさんの事で大変ご不快のようでした。
  1. 2015-06-03 22:25
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

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