2015-02-15 14:22

女帝の肖像画 メルケル

 メルケル首相は執務室に非凡な才能と旺盛な行動力によってロシアの「啓蒙専制君主」として君臨した女帝エカテリーナ2世(1729~96年)の肖像画を飾っている。

 ドイツのメルケル首相は、今や「世界の首相」「欧州の女帝」と呼ばれているそうです。
 しかし執務室にエカテリーナ2世の肖像って・・・・・?

 メルケル首相は確か人妻で、ご主人はフンボルト大学の物理学の教授だったはずです。
 ご主人は妻がこんな女帝の肖像を執務室に飾っている事をどう思っているんでしょうか?

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 だってエカテリーナ2世は、夫殺しです。

 エカテリーナ2世は実はメルケルと同じ、現在はポーランド領で第二次大戦前はドイツ領だった、ポンメルン出身です。
 エカテリーナの父親はこのポンメルンの小貴族でフリードリッヒ大王の臣下でした。
 
 そして大王の意を受けて、ロシア皇太子ピョートルに嫁いだのです。

 しかしこのロシア皇太子は一種の異常人と言うか、発達障害でもあったのか、皇帝に即位すると無能をさらけ出します。
 その為これを危惧した臣下達がエカテリーナと、クーデターを起こしてピョートルを幽閉し、エカテリーナは帝位を簒奪しました。 
 そしてピョートルはその後間もなく獄中で暗殺されました。

 このようにしてロシア女帝になったエカテリーナですが、しかし君主としては大変有能でした。
 現在問題になっているクリミアと西ウクライナをロシア領にしたのも彼女です。

 またヴォルテール等啓蒙思想家のパトロンになり、啓蒙専制君主としての評価を得ます。 そしてそれまで西ヨーロッパの国々からは一段低い野蛮国と見られていたロシア地位を、ヨーロッパの一流国に押し上げました。

 彼女には多くの愛人がいました。 しかしこれらの愛人に政治に口を出させるような事はしなかったようです。

 だから彼女は今もエカテリーナ大女帝と呼ばれて、ロシア史上有数の名君とされています。

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 それにしてもエカテリーナはそもそもロシア生まれでも、ロシア人の血も引いていない、純粋なドイツ民族なのです。
 だからメルケルだってエカテリーナの肖像を飾るのでしょう。
 
 このドイツ女がロシア皇帝を殺して、帝位を簒奪してロシアに君臨したのです。

 だからメルケルがエカテリーナ大女帝の肖像を飾っている事に関しては、プーチンだってビビっていかも知れません。

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 ちなみにエカテリーナ2世と同時代に、君臨したもう一人の女帝マリア・テレジアもドイツ民族です。

 マリア・テレジアもまた啓蒙専制君主として優れた業績がありました。 しかし夫殺しのエカテリーナとは対照的に、相思相愛の夫と幸福な結婚生活を全うしました。

 メルケルもご主人の心情を考えて、執務室に飾るのはマリア・テレジアの肖像にしたら? 
 
 と思うけれど、同じドイツ民族でも、メルケルやエカテリーナのような北ドイツでプロテスタントのドイツ民族と、南ドイツやオーストリアのようなカソリック圏のドイツ民族では、随分気質が違うようです。

 気質が違うだけでなく、北ドイツの人達は南ドイツよりも、むしろデンマークやノルウェーなどの文化的な親近感を持っていると言います。 
 
 そして南ドイツの人達は、北ドイツのドイツ人よりは、オーストリアの方に親近感を持つと言うのです。

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 EUやユーロもこう言うヨーロッパの事情があってできたのでしょう。
 
 だからメルケルは第二のエカテリーナ大女帝を目指しているのでしょうか?
  1. ヨーロッパ
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コメント

つい数日前に、テレビで、エルミタージュや、エカテリーナのことを放送してましたね。ピョートルはドイツ好みで兵士にはネイビーの軍服を着せたりして、不満を持たれていたのだそうです。エカテリーナは、ロシア語を覚え、ロシアの緑の軍服を採用し、ロシア人らしさを目指したのだとか。国民からも、姑からも人気があったとやってましたが。夫は愛人を囲って彼女を愛さなかったとも。テレビの受け売りです。美術館は一度行ってみたいと思ってます。

 寒さがひどそうです。御自愛ください、低気圧だとよくないのですよね。
  1. 2015-02-15 17:49
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  3. Cherry Blossoms #-
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プーチンの愛娘

そうですか、メルケルの執務室にエカテリーナの肖像画が。メルケルもやはりヨーロッパの人間ですね。

ドイツというか神聖ローマ帝国内の領邦国家の王侯貴族はしばしば大国の宮廷に嫁いだり、或いは他国の王権を継承したりして、ヨーロッパ王家の婚姻政策の中では重宝がられていました。(英国王の継承などが代表例です。)しかし、エカテリーナの場合は出身母体の何とか公国があまりに小粒であり、しかも女の身でありながら大国ロシアの帝位を事実上簒奪したという「壮挙」にメルケルが共感を抱いているのかもしれませんね。

同居人さまの仰せの通り、それは確かにカトリックのマリア・テレジアの肖像画を飾る訳には参りませんでしょう。ドイツの与党ですら、プロテスタント・北ドイツのキリスト教民主同盟とカトリック・南ドイツのキリスト教社会同盟の二重構造になっている位ですから。嫁いでからのエカテリーナは政略上ロシア正教に改宗しますが、彼女の少女時代の家庭教師はフランスのユグノー出身だったそうです。エカテリーナは圧倒的にプロテスタントの雰囲気の中で育ちました。メルケルも多分一緒かと。

スイスのドイツ語地方の放送は隣のバイエルンで受信する時には字幕スーパーが付いています。標準語という物がないドイツでは隣の州に行くと話し言葉が通じないことがままあるようですよ(汗)
有名なドイツ国歌「世界に冠たるドイツ!」
ドィッチェランド・ユーバー・アルレスを万邦無比のドイツと訳すのは実は誤訳で、あれはライヒス(連邦)内のシュターツ(領邦)向けに、色々あっても何よりドイツが大切なのだ、と歌いかけているのだという説をドイツ人から聞いたことがあります。何となく納得。ヨーロッパどころか、ドイツを一つにまとめて置くのだって、メルケルには大変な努力がいるのですよ。

ところでプーチン大統領のお嬢さん(次女)がエカテリーナといいます。独身、27歳、抜けるような美貌の持ち主ですが、何とサンクトペテルブルグ大学の東洋学部で日本史を専攻したという。今や世界一ハードルが高い独身女性と云われておりますが、プーチンが義理のお父さんになると聞いただけで、並みの男ではおしっこチビりそうですよね。

そんなわけで、エカテリーナの肖像画がメルケルの執務室にあることに、プーチンは好感を抱いているのではないかと思います。
  1. 2015-02-15 18:01
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  3. レッドバロン #-
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3人目の偉大な女帝メルケル?

 確かに、最近のウクライナを巡る駆け引きの真ん中に居るように見えます。あの強かな皇帝プーチンと渡り合うとは、ドイツ女性は凄いですね。それに確実に米国の支配を徐々に外しているのも、羨ましいくらいです。どこまでやれるのか、楽しみでもあります。

 学生時代にアンリ・トロワイヤの「女帝エカテリーナ」を読みました。その時とても不思議なのは、ロシア人は何故ドイツ人女性を皇帝と認めたのか?終戦時のロ助の残虐な印象がありましたが、もしや寛容なのかと思ったりしました。なんだかんだと興味は広がり、ニコライ2世一家の記事やドキュメンタリーを漁ったりもしてました。「アナスターシア」も良かったです。
 エカテリーナ2世の本のなかで、なぜか気になったのがポチョムキンではなくグレゴリー・オルロフでした。気が良くて軍人としてはまあまあで、女帝に飽きられると子供のように追いかけてしまう。結局ポチョムキンの方が優秀で政治のセンスが有り、可哀想なオルロフは捨てられます。でも私の印象では、女帝は芯から嫌いにはならなかったようでした。良く分らなかったですが、「これが大人なんだ!」って思いました。

 マリア・テレジアも好きで、戦争の合間に子供を産んでいたなんて本当に女傑です。ハプスブルク家の健康の秘訣は、牛・豚・鳥・野菜などあらゆるものを確
か数日間煮たスープだそうです。残念ながらウイーンに行ったときには、飲めませんでした。残念です。

 現代に生きるメルケルもプーチンも裏の面が怖そうですが、マキャベリが讃えたチェーザレ・ボルジアのような人物と言えるでしょうか?どうでしょう?

 
  1. 2015-02-15 21:26
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  3. 都民です。 #-
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Re: タイトルなし

> つい数日前に、テレビで、エルミタージュや、エカテリーナのことを放送してましたね。ピョートルはドイツ好みで兵士にはネイビーの軍服を着せたりして、不満を持たれていたのだそうです。エカテリーナは、ロシア語を覚え、ロシアの緑の軍服を採用し、ロシア人らしさを目指したのだとか。国民からも、姑からも人気があったとやってましたが。夫は愛人を囲って彼女を愛さなかったとも。テレビの受け売りです。美術館は一度行ってみたいと思ってます。

 ワタシもロシアには一度行ってみたいです。  
 
>  寒さがひどそうです。御自愛ください、低気圧だとよくないのですよね。

 有難う御座います。 今年は寒さはそうでもないのですが、喘息が治らないので辛いです。
  1. 2015-02-16 14:03
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  3. よもぎねこ #-
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Re: プーチンの愛娘

> そうですか、メルケルの執務室にエカテリーナの肖像画が。メルケルもやはりヨーロッパの人間ですね。
>
> ドイツというか神聖ローマ帝国内の領邦国家の王侯貴族はしばしば大国の宮廷に嫁いだり、或いは他国の王権を継承したりして、ヨーロッパ王家の婚姻政策の中では重宝がられていました。(英国王の継承などが代表例です。)しかし、エカテリーナの場合は出身母体の何とか公国があまりに小粒であり、しかも女の身でありながら大国ロシアの帝位を事実上簒奪したという「壮挙」にメルケルが共感を抱いているのかもしれませんね。

 ドイツは面白ですね。 ヨーロッパ中に王様を供給していたのですから。

 しかしこういう「壮挙」に憧れる政治家と言うのは結構怖いですね。 そもそもエカテリーナ2世って徹底的に専制君主だし。

> 同居人さまの仰せの通り、それは確かにカトリックのマリア・テレジアの肖像画を飾る訳には参りませんでしょう。ドイツの与党ですら、プロテスタント・北ドイツのキリスト教民主同盟とカトリック・南ドイツのキリスト教社会同盟の二重構造になっている位ですから。嫁いでからのエカテリーナは政略上ロシア正教に改宗しますが、彼女の少女時代の家庭教師はフランスのユグノー出身だったそうです。エカテリーナは圧倒的にプロテスタントの雰囲気の中で育ちました。メルケルも多分一緒かと。

 メルケルはそもそも牧師の娘なんですよね。 だから結構信心深いのかもしれません。 
 
> スイスのドイツ語地方の放送は隣のバイエルンで受信する時には字幕スーパーが付いています。標準語という物がないドイツでは隣の州に行くと話し言葉が通じないことがままあるようですよ(汗)
> 有名なドイツ国歌「世界に冠たるドイツ!」
> ドィッチェランド・ユーバー・アルレスを万邦無比のドイツと訳すのは実は誤訳で、あれはライヒス(連邦)内のシュターツ(領邦)向けに、色々あっても何よりドイツが大切なのだ、と歌いかけているのだという説をドイツ人から聞いたことがあります。何となく納得。ヨーロッパどころか、ドイツを一つにまとめて置くのだって、メルケルには大変な努力がいるのですよ。

 なるほどそれなら納得がいきます。 ドイツは今でも州に学校の制度が違って、授業内容だけでなく年限だって違うぐらいなのです。
 でもスイスやベルギーのような小国でも、多言語なのですから、方言はあってもドイツ語でいるだけまだマシと言う所でしょうか?

> ところでプーチン大統領のお嬢さん(次女)がエカテリーナといいます。独身、27歳、抜けるような美貌の持ち主ですが、何とサンクトペテルブルグ大学の東洋学部で日本史を専攻したという。今や世界一ハードルが高い独身女性と云われておりますが、プーチンが義理のお父さんになると聞いただけで、並みの男ではおしっこチビりそうですよね。
>
> そんなわけで、エカテリーナの肖像画がメルケルの執務室にあることに、プーチンは好感を抱いているのではないかと思います。

 確かに娘と同じ名前なのは好意を持つでしょうが、しかしエカテリーナ二世にあやかってロシアを乗っ取ろうと思ってしまうのでは?
  1. 2015-02-16 14:14
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  3. よもぎねこ #-
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Re: 3人目の偉大な女帝メルケル?

>  確かに、最近のウクライナを巡る駆け引きの真ん中に居るように見えます。あの強かな皇帝プーチンと渡り合うとは、ドイツ女性は凄いですね。それに確実に米国の支配を徐々に外しているのも、羨ましいくらいです。どこまでやれるのか、楽しみでもあります。
>
>  学生時代にアンリ・トロワイヤの「女帝エカテリーナ」を読みました。その時とても不思議なのは、ロシア人は何故ドイツ人女性を皇帝と認めたのか?終戦時のロ助の残虐な印象がありましたが、もしや寛容なのかと思ったりしました。なんだかんだと興味は広がり、ニコライ2世一家の記事やドキュメンタリーを漁ったりもしてました。「アナスターシア」も良かったです。
>  エカテリーナ2世の本のなかで、なぜか気になったのがポチョムキンではなくグレゴリー・オルロフでした。気が良くて軍人としてはまあまあで、女帝に飽きられると子供のように追いかけてしまう。結局ポチョムキンの方が優秀で政治のセンスが有り、可哀想なオルロフは捨てられます。でも私の印象では、女帝は芯から嫌いにはならなかったようでした。良く分らなかったですが、「これが大人なんだ!」って思いました。
>
>  マリア・テレジアも好きで、戦争の合間に子供を産んでいたなんて本当に女傑です。ハプスブルク家の健康の秘訣は、牛・豚・鳥・野菜などあらゆるものを確
> か数日間煮たスープだそうです。残念ながらウイーンに行ったときには、飲めませんでした。残念です。
>
>  現代に生きるメルケルもプーチンも裏の面が怖そうですが、マキャベリが讃えたチェーザレ・ボルジアのような人物と言えるでしょうか?どうでしょう?

 メルケルは民主主義国家の首相だし、自分も民主主義は守る気でしょう。 でも東ドイツで育って独裁体制の恐怖の中を生き延びた人なので、他の民主主義国家の首脳とは根性の座り方が違うのではないかと思います。

 これはメルケルだけでなく旧東独出身者も同様で、民主主義がタダで守れない事を、身に染みて知っているので、極めてたくましく現実的なのだと思います。

 プーチンは逆でKGBとして民主主義を弾圧する側だったのですが、でも国家崩壊の危機を見ていますから、それまでのソ連共産党の首脳と比べても腹の座り方が違うのでしょう。
 それはプーチンを支持するロシア人達も同様でしょう。

 彼等がチェーザレ・ボルジアかどうかはわかりませんが、国民が国家崩壊や民主主義崩壊に危機感を持つことで、彼等が長く支持されてきたは事実でしょう。
  1. 2015-02-16 14:23
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  3. よもぎねこ #-
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 「民主主義が、タダで守れない事を知っている。」
 
 日本人は、綺麗な空気や水や平和も当たり前だと思っています。その違いが、露西亜・プーチンや独逸・メルケルのしぶとさに表れていいるのですね。腑に落ちました。
  1. 2015-02-16 15:29
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  3. 都民です。 #-
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Re: タイトルなし

>  「民主主義が、タダで守れない事を知っている。」
>  
>  日本人は、綺麗な空気や水や平和も当たり前だと思っています。その違いが、露西亜・プーチンや独逸・メルケルのしぶとさに表れていいるのですね。腑に落ちました。

 きっと日本だけでなく、ドイツ以外の欧米諸国も、民主主義を守る事に対する危機感が緩んでいるでしょうね。
 だから安易にユーロなんか作ってしまうのです。
  1. 2015-02-17 13:02
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  3. よもぎねこ #-
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