
旭山動物園を出て間もなく、稲刈りを待つ田圃の向こうに雪を頂く山々が見えてきました。 この山々の最高峰が旭岳です。
ワタシは旭岳を見たのはこれが初めてなのです、それにしてもこれだけで大感動しました。
美しいと言うより、崇高なとか神々しいとか言うべき姿です。

車が旭岳へ向かう途中、中別ダムの向こうにその神々しい姿が見えるようになります。

旭岳はこの数日前に初雪が降り、山頂が純白に輝くようになっていました。

そしていよいよ旭岳が近づいてきます。
ワタシ達はロープウェーで旭岳に登る予定です。 そのロープウェーの駅へ向かう道は、かなり渋滞していました。
初冠雪の上に10年に一度の美しい紅葉が見られるとのニュースが流れていました。 その上この快晴で日曜日です。
行楽客が押し寄せるのも当然でしょう。
それでも旭岳はそんな俗事には関係なく、神々しく聳えます。

ロープウェーは標高1000mほどの所にあります。 そこから500mほどの所までをロープウェーで登る事ができます。
この標高1500m地点でロープウェーを降りると、目の前に山頂が迫ります。

そして旭岳を取り巻く山々も間近に見る事ができます。

ロープウェー駅の周辺にはアイヌの人々が「カムイミンタラ」(神々の遊ぶ庭)と呼んだ、花畑が広がっています。
ワタシ達はこの中を抜ける遊歩道を歩きました。 一周するのに大体1時間半程かかります。

ロープウェーへ向かう道が渋滞しているぐらいですから、ロープウェーは満員でした。
そして当然の事ですが、この遊歩道も人で一杯でした。

しかし旭岳の神々しさはそんなことで損なわれるようなモノではありませんでした。
ワタシは生まれてこの方、こんなにも崇高で美しい物を見たことがありません。

とても人間の世界とは思えません。 アイヌの人々が言うように、ここは本当に神々の世界のなのです。

妹は何度も言いました。
「これってこんなに人がいなくて、一人でここに登って、フクロウやヒグマにでも出会ったら、もう絶対神様だと思うよね。」

こんな話をしていたら、20mほど先に小さなシマリスが現れました。
ワタシだって一人でここを歩いていて、シマリスに会ったら絶対のこのシマリスは神様のお使いだと思うでしょう。

旭岳の姿は次第に大きくなります。

大勢の観光客にも拘らず、辺りの景色はこの上もなく清浄です。

もうお花畑のお花は皆枯れてしまいましたが、それでもやはり神々の遊ぶ庭は限りなく美しいのです。
旭岳への公共交通機関は無いも同然なので、妹達が誘ってくれなければ、ワタシはこの神々の庭には一生たどり着けなかったでしょう。
だからこの事は妹達にとても感謝しています。