2014-05-12 10:59

船長と救命筏 韓国フェリー事故

救命いかだ、検査せず「良好」 韓国沈没船、20年未交換か


 救命いかだが取り付けられたまま沈没するセウォル号=4月16日、韓国・珍島沖(韓国海洋警察提供・共同)

 【ソウル共同】韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、ことし2月に救命いかだの安全点検を行った整備会社が、実際には全く検査せず、いかだの状態は「良好」とする書類を作成、政府から管理を委託された業界団体に提出していたことが11日、合同捜査本部の調べで分かった。

 救命いかだは、船が建造された20年前に取り付けられ、交換されず使用。固定器具がさびていた上、船体を塗り直した塗料で甲板にくっついて使えなかったとみられている。イ・ジュンソク船長(68)=業務上過失致死容疑で逮捕=らは、いかだが使えないことを認識し、発覚を恐れて乗客に退避を命じなかった可能性がある。

2014/05/11 21:46 【共同通信】


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 このフェリー事故ですが、事故の当初から「船長と船員達が乗客を放置して自分達だけ先に避難した」と報道されていました。

 それでワタシはてっきり船長と船員達だけが救命筏に乗って船を離れたものとばかり思っていました。 それで今までそのつもりでこの事故についてのエントリーをしていたのですが、これは完全な間違いでした。

 船長と船員達は実は海洋警察の救助艇が来るまで船の操舵室にいたのです。

 そして彼等はそれまでの間、誰も救命筏に触っていません。

 この事に関して今「救命いかだは、船が建造された20年前に取り付けられ、交換されず使用。固定器具がさびていた上、船体を塗り直した塗料で甲板にくっついて使えなかったとみられている。イ・ジュンソク船長(68)=業務上過失致死容疑で逮捕=らは、いかだが使えないことを認識し、発覚を恐れて乗客に退避を命じなかった可能性がある。」と言われているのですが、これは大変奇妙です。

 なぜなら救命筏が管理不備で使用不能であることなど、救助艇が来れば、或いは船が沈めば必ず発覚します。

 だって本来船が沈没するときに使うべきものですから、船が沈没しそうだからと救難信号を出しながら、使っていなければ誰でもオカシイと思うでしょう?

 また救命筏は本来、船が沈んで一定の深さまで水没すれば、自動的に膨らんで浮上するものです。 だから船が沈没しても救命筏が浮上しなければ、これまた救命筏の不備はバレるのです。

 しかしそれ以前にもし船長達が、自分の命可愛さに、乗客を捨てて逃げるような連中なら、船が横転した時は救命筏の不備を誤魔化すどころではなかったはずです。

 だって船が横転して救難信号を発した時は、この後いつ船が沈むか、救助艇がいつ来るのかなどわからないのです。

 もし救助艇が来る前に船が沈めば、操舵室の船長も船員達も他の乗客と一緒に死ぬしかありません。

 唯一逃れる方法は、自分達だけが救命筏に乗って逃げる事です。

 だからワタシが船長達なら、救命筏の管理不備がわかっていても、片っ端から使えるかどうかを試してみます。 唯の管理不備なら沢山ある救命筏のうち一つぐらいは使えるものがあるかも知れませんから。

 船員は15人しかいないので、使えるものが一つ見つかれば、全員それに乗って逃げればよいのです。

 ところが彼等はそうはしませんでした。
 
 と言うことはつまり彼等は少なくとも海洋警察が来るまでは、乗客を捨てて自分達だけが逃げようと言う行動は起こしていなかったと言うことになります。

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 一方海洋警察が来てからの退船、それだけなら必ずしも船長の職務放棄とも言えませんし、それ以前の乗客への指示も完全に間違っているとも言えません。

 だってこの船の操船要員は15人しかおらず、しかも船長はじめ大半が非正規雇用で、雇用期間も非常に短いのです。

 船全体としての究明訓練など全くやった事がありません。

 そういう人間が15人で450人以上の乗客を誘導するのは大変難しです。 乗客の中の数人がパニックを起こせば、それで全体がコントロール不能になる事も予想されます。 そうなれば傾斜したデッキからの落水者も続出するでしょう。

 船の沈没まで時間があると考えれば、海洋警察等専門の救助機関の到着を待って、海洋警察に乗客の誘導を任せる方が安全との判断も一定の合理性はあるのです。

 そして海洋警察としては、救助現場で船長や船員の所在を確認できなければ、船の状態や中の乗客の状態を自分達で確認するべきでした。

 しかも船の乗客数と事故現場の状況を見れば、乗客が多数船内にいる事は明らかなのですから、とにかく自分達が乗客を避難誘導するしかないのです。

 ところが海洋警察は誰一人、船内に入っていません。

 操舵室から船長達を救出しながら、代わりに海洋警察職員が操舵室に入って船内放送をすることさへしていません。

 確かに傾いた船に入るのは嫌でしょうが、しかしこれは酷すぎます。

 実はワタシはこれまで海洋警察が事故現場に来たのが遅く、到着した時には既に中に入るのは不可能な状態になっていたと思っていたのですが、実は海洋用警察は救難信号発信後35分で現場についているのです。
 そしてすぐに船長達を救助しているのです。

 でもこんなに早く現場についたのなら、中に入って乗客の誘導はできたはずです。

 それで思うのですが、もし船長達が正直に海洋警察に身分を明かして「自分達だけでは乗客の避難誘導はできませんから、皆さん手伝ってください」と言っていたら、海洋警察はどうしたのでしょうか?

 制服を脱いで身分を隠して逃げた船長達の行動は許される事でありませんが、しかしそれに関しては海洋警察は何か隠しているのではありませんか?

 ちなみにこの事故と対比されるマルエーフェリーありあけの事故の時は、海上保安庁の職員の一人が救援ヘリからありあけに乗り込んで、船長船員とともに乗客の避難や操船を手伝って、最後に船長達と一緒に救命筏で脱出しています。

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 フェリーありあけ事故 海上保安庁

 そして救命筏の問題ですが、記事では「20年も前の救命筏を交換もせず使っていたのが問題」と言っています。
 
 これはセウォル号が建造された1994年に取り付けられたモノをそのまま使っていたからです。 けれどこの船が韓国に売られて韓国で運行し始めたのは2013年からです。

 それまではこの船は日本のマルエーフェリーで使われていました。 

 日本では救命筏は4年に一度の定期検査を行い、更にその間に必ず中間検査を行います。 だから二年に一度は検査を行けているのです。

 検査は救命筏のメーカーに委託して、その時に問題が見つかった筏本体や部品等に問題があれば交換します。

 このようにきちんと検査が行われているので、前出のフェリーありあけが荷崩れによる傾斜座礁事故を起こしたときも、救命筏は完全に機能しています。

 フェリーありあけはセウォル号と同じマルエーフェリーの所属でした。 

 と言うことはセウォル号の救命筏も日本で使われていた間は完全に機能したはずです。 建造時から計算すると最後に日本で定期検査を受けたのが2010年で、その後に中間検査を受けてなくても、4年前までは救命筏の機能に問題はなかったはずです。

 つまり救命筏が20年前の物だと言うのはそれ自体は全く問題はないのです。

 それが何で今回の事故でほとんどの救命筏が使えないと言う事態になったのでしょうか?

 こういう状況を考えるとなを「船長達は救命筏の管理不備を誤魔化すために乗客を船室に待機させた」と言う報道に疑問を感じます。

 非正規雇用でセウォル号への乗船歴が浅い船員達が、救命筏の管理状況をちゃんと知っていたのでしょうか?

 韓国ですからちゃんとした管理をしていることなんか期待していないにせよ、日本から買い取って日の浅い船です。 かりの救命筏は使えると期待する方が当然ではありませんか?

 一体韓国に売られてから救命筏に何があったのでしょうか?

 しかし船を買い取った韓国の会社が救命筏に何をしても、それを非正規雇用の船長や船員が知るわけもないでしょう?

 何よりも非正規の船員達が、船会社の救命筏の管理不備を隠蔽する為に命を懸けるとは思えないのです。


 それにしてもこの話、ドンドンドンドン、ヘンなものが湧いてきますね。
 そしてヘンな話がドンドン湧く事で、一番重要な問題がかすんでいるように思えてなりません。
  1. 特亜
  2. TB(0)
  3. CM(4)

コメント

こんばんは… 報道内容にいちいち真剣に論理性を求めて分析することは、ことアノ国に関しては無駄で徒労ですね。アノ国在住の日本人のブログによると、報道統制されているし、前航海士のインタビュー動画なども次々消されているようです。ただ確かなのは関連機関が悉く職務怠慢、面子のための隠匿だそうです。そして最も肝心な所は国が隠匿とか。よもぎねこ様が分析力を発揮しても、真相は今後も闇の中のようです。とにかく、嘘つき捏造面子隠匿見栄、無反省無恥無努力、妄想の国ですから。形は人間でも、きっと何か異なる生き物の国かと思います。
  1. 2014-05-12 23:10
  2. URL
  3. ことちゃん #-
  4. 編集

Re: タイトルなし

> こんばんは… 報道内容にいちいち真剣に論理性を求めて分析することは、ことアノ国に関しては無駄で徒労ですね。アノ国在住の日本人のブログによると、報道統制されているし、前航海士のインタビュー動画なども次々消されているようです。ただ確かなのは関連機関が悉く職務怠慢、面子のための隠匿だそうです。そして最も肝心な所は国が隠匿とか。よもぎねこ様が分析力を発揮しても、真相は今後も闇の中のようです。とにかく、嘘つき捏造面子隠匿見栄、無反省無恥無努力、妄想の国ですから。形は人間でも、きっと何か異なる生き物の国かと思います。

 それはその通りです。 あの国には論理は通用しません。 あの国のインテリの書く記事を読んでいると唖然とすることがよくあります。

 学問とか教育と言うのは、人間から常識や知性を奪う場合もあるのだと痛感させられます。
  1. 2014-05-13 11:48
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

どこにもプロがいなかったということでしょう。

論理的ではないなどということはわかってますがそれでも考えてみます。

この連中おそらく皆がパニックになったのではないかと小生は考えています。パニックは一般に危機に際して群衆が狂乱状態になり自己防衛のためにとんでもない行動をとることを指しますが、それだけではなくなにも効果的な行動がとれなくなることも当然起こります。

錯乱知って何もできないという状態です。事故の経過をみると初動から船員たちはまともな行為を撮れていません。そこで自己保存本能に従って一番安全なトップデッキに自分たちは上がってしまったということでしょう。そこで何をしてよいかわからぬままに救出を待っていただけだろうと推測します。

乗客の中で健全なパニックを起こし自己保存本能に従った人々はそれでも高いところに出ればよいと考えこれも助かってます。問題はパニックを起こし何もできなくなった連中にその場で待機、などと言えば混乱は起きませんがまともな救出がなければ助かるわけがないことになります。

戦前、海軍が戦艦を使った実験をやったことがあるそうです。戦艦には注排水装置があり10度くらいまでの傾きはなおすことができます。この時に5度傾けただけで、経験の浅い水兵の4割以上がはもう駄目だと思った、といいます。
だから傾きが10度くらいまでのうちに逃げた連中は助かったのでしょう。

そして傾きが15度を超えたらもうまともな行動はできなかったはずです。これが被害者側の要因でしょう。



海洋警察の側にしてみてもおそらく同様のパニックを起こしていたのだろうと思います。ご指摘のように船に乗り移り、mとも名放送や救援活動を症とした連中が見えません。連中もどうしていいかわからないというのが実態だったんじゃないでしょうか。

だからクレーン船を呼ぶなどという馬鹿をやりつつ日米の救援を断るという信じられないことを平然とやるのです。


だからおそらくはどこにもプロがいなかったということが問題だったのでしょう。
  1. 2014-05-13 19:52
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  3. kazk #-
  4. 編集

Re: どこにもプロがいなかったということでしょう。

> 論理的ではないなどということはわかってますがそれでも考えてみます。
>
> この連中おそらく皆がパニックになったのではないかと小生は考えています。パニックは一般に危機に際して群衆が狂乱状態になり自己防衛のためにとんでもない行動をとることを指しますが、それだけではなくなにも効果的な行動がとれなくなることも当然起こります。
>
> 錯乱知って何もできないという状態です。事故の経過をみると初動から船員たちはまともな行為を撮れていません。そこで自己保存本能に従って一番安全なトップデッキに自分たちは上がってしまったということでしょう。そこで何をしてよいかわからぬままに救出を待っていただけだろうと推測します。
>
> 乗客の中で健全なパニックを起こし自己保存本能に従った人々はそれでも高いところに出ればよいと考えこれも助かってます。問題はパニックを起こし何もできなくなった連中にその場で待機、などと言えば混乱は起きませんがまともな救出がなければ助かるわけがないことになります。
>
> 戦前、海軍が戦艦を使った実験をやったことがあるそうです。戦艦には注排水装置があり10度くらいまでの傾きはなおすことができます。この時に5度傾けただけで、経験の浅い水兵の4割以上がはもう駄目だと思った、といいます。
> だから傾きが10度くらいまでのうちに逃げた連中は助かったのでしょう。
>
> そして傾きが15度を超えたらもうまともな行動はできなかったはずです。これが被害者側の要因でしょう。
>
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>
> 海洋警察の側にしてみてもおそらく同様のパニックを起こしていたのだろうと思います。ご指摘のように船に乗り移り、mとも名放送や救援活動を症とした連中が見えません。連中もどうしていいかわからないというのが実態だったんじゃないでしょうか。
>
> だからクレーン船を呼ぶなどという馬鹿をやりつつ日米の救援を断るという信じられないことを平然とやるのです。
>
>
> だからおそらくはどこにもプロがいなかったということが問題だったのでしょう。

 そうですね。 転覆直後から救助船が来るまでの間35分の船員達の行動は意味不明です。
 自分達が助かる為の行動も、乗客を助ける行動もとっていないのです。

 船内の高校生が動画を撮っているのですが、これを見ると以外にも誰もそれほど怖がっておらず、むしろ何か面白い事のようにはしゃいでいます。 船はもう45度以上傾いているのですが。

 それで誰も逃げる事は考えず、船内放送の指示を聞いておとなしくしていたようです。
 きっと問題があれば次の指示があることを信じてうたがわなったのでしょう。

 逆に言えばデッキに出ろと言う指示さえあれば、おとなしくゾロゾロでていたでしょう。
 
 あの時デッキに出ろと言う指示さへあれば、殆どの乗客は死なずに済んだのに、本当に無残な話です。

 だから船内に入って乗客の誘導をしながった海洋警察の責任も重いのですが・・・・。
  1. 2014-05-14 09:16
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  3. よもぎねこ #-
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