2014-04-23 12:53

ヘイトスピーチ 他者を傷つける自由?

どこまで許す?各国の苦慮[評者]五野井郁夫=政治学者

 日本は敗戦と講和を経て、現在まで自由民主主義の社会であり続けている。では、この社会で差別を煽動(せんどう)し人を傷つける言葉は、表現の自由の名のもとにどこまで認められるだろうか。本書は欧米の事例を広く渉猟することで、自由民主主義の社会における自由の擁護と差別の是正の間の緊張関係にせまる。本書の原題は「人種差別主義者になる自由?」だ。当たり前だが、他者を傷つけなければ成立しない自由など誰も持ち得ない。
 だが、近年この「当たり前」が危ぶまれている。東京都内では外国人観光客の多い銀座や浅草を狙った排外主義デモが頻発しているのだ。「ヘイトスピーチ(差別言論)」という術語が、排外主義の蔓延(まんえん)に警鐘を鳴らす意味で日本でも人口に膾炙(かいしゃ)するようになったのには、こうした背景がある。

 ヘイトスピーチの射程は、人種や民族に対する差別に留(とど)まらない。国籍や性別、宗教など、人が生まれ落ちたその瞬間、本人が選び取ることのできない先天的な事柄がすべて含まれる。自分の努力では変更不可能なことがらを理由に「殺せ」「出て行け」と罵声を浴びせられるのは不公正だからだ。
 どうすれば歯止めを掛けられるか。本書には各国の解決事例が網羅されている。イギリスのように一律に厳格な法規制で臨む国もあれば、米国のように州レベルで対応が異なる国もある。

 他方、日本では法整備が遅れている。それでも二〇〇九年に差別団体の在特会(在日特権を許さない市民の会)が京都の朝鮮学校に授業妨害を行った事件の民事判決では、京都地裁が在特会側に約千二百万円の支払いを命じた。また、排外主義デモがあるたびに、参加者の数倍もの良識ある市民らが毎回自発的に集まり排外主義と対峙(たいじ)する機運が、社会として生まれつつある。

 表現の自由をめぐる理論的背景から立法過程、市民運動まで網羅している本書は、差別と戦うすべての人々にとって強力な武器となるだろう。

(明戸隆浩ほか訳、明石書店・3024円)


032

当たり前だが、他者を傷つけなければ成立しない自由など誰も持ち得ない。

 これは反ヘイトスピーチを唱える人達が表現の自由や言論の自由を制限する理由として必ず持ち出す話です。

 で、根源的な疑問なのですが、「他者を傷つけなければ成立しない自由など誰も持ちえない。」のでしょうか?

 なるほど他者を傷つけるような事はなるべく避けるべきです。 しかしこの自由を持たないで人間が生きていく事ができるのでしょうか?

 この自由がなかったら、若く美しい女性など大変な事になります。

 だってこの自由がないと、誰から性行為を誘われても拒否できません。 そんな事をしたら誘った相手を傷つける事になるじゃありませんか?

 幾ら図々しい男でも、女性に拒否されたら傷つきますよね。

035

 「人を全て平等に扱い、差別しない」

 これは確かに良い心がけだし、現在の日本の一般道徳でもあります。 ワタシもこれを心がけています。

 しかし当然の事ですが、「差別」の定義は到って不明瞭です。

 一方人間は常に他者を好きな人・嫌いな人、尊敬する人・侮蔑する人、大事な人・どうでも良い人に分けています。
 そして自分以外の全ての人を、親族、恋人、親友、タダの友達、知人、アカの他人などと区別し、それによって相手への対応を変えます。
 
 人間関係と言うのはつまりそう言う事でしょう?

 その区別の基準はそれぞれの個人の自由で、しかも多くの場合理論よりも感情や感性によります。
 
 で、その基準が人種や国籍だったりすると「差別」だと言う人がいるわけですが、しかしこんな人間個人の感情に由来するような事を国家が禁止する事ができるのでしょうか?

038

 勿論日本国憲法では法の下の平等は保障しています。 だから日本国民を司法が差別するとか、また日本国民を差別するような法律を作る事は許されません。

 しかしそれを個人の他人に対する対応にまで強制できるのでしょうか?
 
 少なくとも差別禁止と日本国憲法が大好きな人々によれば、憲法と言うのは法の法であり、国家や行政を縛る物であっても、個人を縛るものではないはずです。

 そうなると個人に対して「差別禁止」を強制する法的な根拠はなんでしょうか?
 
 実はワタシはこれが大変気になって、何度も人権センターとかそう言った自治体や国が運営する人権関係の機関に電話で聞いてみました。

 ところが驚いた事に、電話に出た「相談員」は誰一人この疑問に答えてくれませんでした。

 それどころかそう言う質問を全く想定してなかったらしく、逆切れしたりするのです。

042

 これはトンデモナイ話です。

 自治体や国の運営する機関が、「差別は人権侵害」として個人の問題に介入するのに、実はその法律はない!!
 或はそう言う法律について説明できない!!

 法律的な根拠もないのに、自治体や国の機関が特定の個人を「差別主義者」として、圧力を掛けるなんてそれこそ人権侵害そのものではありませんか?

 一般道徳でいくら良い事でも、法律的な根拠もなしにそれを国家や自治体が個人に強制したり、圧力を掛けたりして良いわけはないのです。

 ところが人権機関の職員はそれを理解できないのです。

 これじゃ人権侵害機関です。

047

 この記事を読む限り、この政治学者先生はそう言う法律と一般道徳の区別など一切考えていないばかりか、一般道徳から言っても意味不明な事を書いているのです。

ヘイトスピーチの射程は、人種や民族に対する差別に留(とど)まらない。国籍や性別、宗教など、人が生まれ落ちたその瞬間、本人が選び取ることのできない先天的な事柄がすべて含まれる。自分の努力では変更不可能なことがらを理由に「殺せ」「出て行け」と罵声を浴びせられるのは不公正だからだ。 

 人種や民族はともかく、国籍や宗教って本人の意思で変えられます。
 宗教を変えられないならオウム真理教など、カルト団体は存在しません。 オウムの信者は皆自分の意思で入信したのです。

 国籍も変えられます。
 特に在特会が問題にしている特別永住許可のある在日韓国・朝鮮人は、一定の書類を提出するだけで日本国籍をとることができます。
 帰国に至ってはいつでも本人が好きな時にできるのです。

 そして現在東京新聞やこの政治学者先生の問題にしている在特会などの嫌韓デモは、人種や宗教や民族などを問題にしたことはありません。

 「帰れ!! 出ていけ!!」と言っているのは、在日韓国人・朝鮮人、在日中国人など日本国籍を持たない人達に対してだけです。 つまり本人の僅かな努力で変更可能な問題にかんしてだけ抗議しているのです。

065

 それでも日本では自分の努力では変更不可能なことがらを理由に「殺せ」「出て行け」と罵声を浴びせる不公正な人々がいる事は事実です。

 それは現在沖縄やその他在日米軍基地の周りで、米兵に「出ていけ!!」と喚き続ける人々です。

 米軍の兵士は来たくて日本に来たわけでもないし、また嫌になったから帰れるわけでもありません。 彼等は軍人ですから軍の命令で日本にある基地に赴任して、命令が無ければ何処への行くことはできません。

 勿論除隊だって自由にはできません。

 しかも米兵の犯罪率は沖縄県民の半分以下であり、一方東日本大震災では多くの日本人の生命を救ってくれました。

 それだけではありません。
 交通事故や心臓発作などで倒れた人を、その場に居合わせた米兵が助けてくれたと言う事例は沢山あるのです。 米兵達は救急救命訓練を受けていますから、迅速に適切な処置を取ってくれるのです。

 このような人々に対して「出ていけ!!」「帰れ!」と言うのは、道義的に全く許される事ではありません。 彼等に「出ていけ!!」「帰れ!!」と言うのは超悪質なヘイトスピーチです。

 ところがなぜかこの政治学者先生もまた東京新聞始め、嫌韓デモを非難するメディアは全く米兵へのヘイトスピーチを非難しないのです。

066

 韓国人や中国人に「出ていけ」と言うデモは非難する。
 
 しかしアメリカ兵に「出ていけ」と言うデモは全く非難しない。

 こういうのこそが本当の人種差別ではありませんか?
 
 こういう人達は最低限の一般道徳が理解できないようです。

テーマ:人種差別
ジャンル:政治・経済

  1. 差別ニダ!!
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コメント

数年前

デンマークの新聞がマホメットを揶揄する漫画を掲載し、イスラム世界から猛烈な批判(中には原理主義グループからの脅迫を含む)を浴びた時、ヨーロッパのジャーナリストは一致してこの新聞と漫画家を擁護しました。
勿論、他の宗教を揶揄・誹謗するのは好ましいことではありません。当然、その宗教の信者の心を傷つけることになります。ましてイスラムとキリスト教世界の間に問題が山積している時に余計なことをしてくれたと、ヨーロッパのジャーナリストも心の半分では思ったことでしょうね。

しかし、言論・表現の事由はヨーロッパ世界では何より重いのです。とりわけ宗教的な自由から始まった近代社会が、宗教やイデオロギー、すなわちそれぞれが信奉する「御本尊」様に対する批判精神を失ったら、ヨーロッパは中世に逆戻りしてしまいます。

貴方の言うことに自分は反対である、しかし、それを言う権利は自分が命を懸けて守る、それがヴォルテール以来のヨーロッパの批評精神ですが、わが国は日暮れて道遠しというか、物の軽重を弁えるという、大人として一番肝心要な事が理解できない人間がジャーナリズムを跋扈しています。
「ヘイスピーチ」を押し出せば泣く子も黙るとか、余りに幼稚過ぎて話になりませんです。
  1. 2014-04-23 16:13
  2. URL
  3. レッドバロン #-
  4. 編集

Re: 数年前

> デンマークの新聞がマホメットを揶揄する漫画を掲載し、イスラム世界から猛烈な批判(中には原理主義グループからの脅迫を含む)を浴びた時、ヨーロッパのジャーナリストは一致してこの新聞と漫画家を擁護しました。
> 勿論、他の宗教を揶揄・誹謗するのは好ましいことではありません。当然、その宗教の信者の心を傷つけることになります。ましてイスラムとキリスト教世界の間に問題が山積している時に余計なことをしてくれたと、ヨーロッパのジャーナリストも心の半分では思ったことでしょうね。
>
> しかし、言論・表現の事由はヨーロッパ世界では何より重いのです。とりわけ宗教的な自由から始まった近代社会が、宗教やイデオロギー、すなわちそれぞれが信奉する「御本尊」様に対する批判精神を失ったら、ヨーロッパは中世に逆戻りしてしまいます。
>
> 貴方の言うことに自分は反対である、しかし、それを言う権利は自分が命を懸けて守る、それがヴォルテール以来のヨーロッパの批評精神ですが、わが国は日暮れて道遠しというか、物の軽重を弁えるという、大人として一番肝心要な事が理解できない人間がジャーナリズムを跋扈しています。
> 「ヘイスピーチ」を押し出せば泣く子も黙るとか、余りに幼稚過ぎて話になりませんです。

 全くその通りなのです。 「他者を傷つける自由など無い」と言うなら、宗教なんて成立しません。

 だって「我々の神様を信じないと地獄に落ちる」などと言われたら、信仰の違う人は大変傷つきますが、それを言わない宗教はないのですから。

 今既にヨーロッパは自分達が移民として受け入れたイスラム教徒の勢いに押されて、完全に自分達が血みどろの宗教戦争の末にかちえた「言論の自由」を失いつつあります。

 このまま行くとホントに中世に戻っちゃいますよ。
  1. 2014-04-23 17:25
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  3. よもぎねこ #-
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五野井郁夫氏は市民運動も研究対象にしています。昨年の新大久保のデモではまじかにデモ参加者の写真を撮るということもしており在特会の動画に本人がしっかり写りこんでおります。しかししばき界隈から生活保護詐取容疑が出た途端いつもは威勢のいいツイッターが一時静かになりました。研究者というよりしばき界隈を支持する運動家のような存在です。公正さとは程遠い人間で常日頃からその言動を苦々しく思っております。ヘイトスピーチが人種・宗教・国籍などに対する「偏見」にもとずく憎悪・煽動表現とされておりますが偏見でなくて事実を取り上げただけでもヘイトと騒ぎます。そしてそういう人間は共通して反日であり共産党支持者も多いのです。
  1. 2014-04-23 18:50
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  3. ねこ #cEGG0q7Q
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Re: タイトルなし

> 五野井郁夫氏は市民運動も研究対象にしています。昨年の新大久保のデモではまじかにデモ参加者の写真を撮るということもしており在特会の動画に本人がしっかり写りこんでおります。しかししばき界隈から生活保護詐取容疑が出た途端いつもは威勢のいいツイッターが一時静かになりました。研究者というよりしばき界隈を支持する運動家のような存在です。公正さとは程遠い人間で常日頃からその言動を苦々しく思っております。ヘイトスピーチが人種・宗教・国籍などに対する「偏見」にもとずく憎悪・煽動表現とされておりますが偏見でなくて事実を取り上げただけでもヘイトと騒ぎます。そしてそういう人間は共通して反日であり共産党支持者も多いのです。

 なるほどシバキ隊の仲間ですか。 文字通り自作自演ですね。
 それにしても東京新聞も毎日も朝日もこの先生を出しているのですよね。 人権に関する専門家は他にもいるでしょうに。
 最初から誰かが仕組んでいるプロパガンダなのが見え見えではありませんか?
  1. 2014-04-23 22:11
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  3. よもぎねこ #-
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