2014-04-12 11:49

舎弟 ヤクザさん

 夕べネットをしていて面白い記事を拾いました。 「韓国人との「兄弟の契り」の予想外」と言う記事ですが、読んでいて何で韓国人がやたらに日本と韓国を兄弟扱いして、日本を「弟」と言いたがるかが良くわかりました。

 ところでこれを読んでいて、ワタシは一つの思い出が甦りました。


 それはワタシが道東の街北見の超三流大学の学生だった時代の話ですから、今からもう40年ぐらい前の事です。

 ある年ワタシは夏休に実家に帰る為に、北見駅から札幌行きの夜行列車に乗りました。

 列車は7割ぐらいの乗車率で、ワタシが座れたのは、隣がワタシと同年配の女性、向かいには暴力団風のチョッと怖いサングラスの中年男性がいる席でした。

 汽車が北見を出て暫くすると、ワタシ達は何となくおしゃべりを始めました。 

 それでわかったのですが、ワタシと同年配の若い女性は、北大の学生で網走まで旅行した帰りでした。

 そして暴力団風の中年男性は、本物の暴力団員でした。 しかし彼は大変明るく饒舌で、しかもその話が大変面白かったので、ワタシと北大生の女性は札幌に着くまで10時間近く、殆ど彼の話を聞き続ける事になったのです。

 
 話によると彼は美幌の出身で関東の暴力団の中堅幹部でした。 

 ところが大事な舎弟が重い心臓病にかかって入院が必要しなければらなくなりました。 でも関東の病院はどこも満床で入院できませんでした。 それでも彼は何とかつてを探って、札幌の国立病院のベッドを見つけ出しました。

 しかし関東から札幌への移動が大変でした。
 病気の為飛行機は使えません。 しかも当時は北海道旅行が大流行だったため、汽車も寝台車は勿論指定席も全部満席でした。
 それで彼等義兄弟は自由席にのるしかありませんでした。 しかしそこも満席で座る事もできません。

 舎弟は病気の為、手足がむくんでバンバンに膨れがっていると言うのに・・・・。

 それで彼は車掌に泣きついて、何とか舎弟を車掌室に寝かせて貰ったそうです。 そして自分は東京から札幌まで立ちっぱなしだったそうです。 

 そうやってようたく札幌の病院にたどり着き、舎弟を入院させました。

 そして何日も病院に泊まり込んで舎弟に付き沿い看護しました。

 医者は病院食以外は絶対食べさせるなと言ったけれど、舎弟がどうしても寿司を食いたいと言うので、医者に内緒で寿司を食わせた。 でも幾らなんで刺激物は不味いだろうと思って、山葵だけは取り除いた。

 舎弟がタバコを吸いたいと言うので、これも少しだけは医者に内緒で吸わせた。 酒も欲しがったが、これは絶対医者にバレるだろうから諦めさせた。

 こんな看護を続けて、それでも舎弟の容体が良くなってきたので、彼は3日ほど故郷美幌へ行ったのでした。 
 
 そしてこれからまた札幌へ戻り、舎弟の看護を続けると言いました。

 彼はこんな話をごく普通に淡々と続けました。 彼はこれらの舎弟の為の大変な献身を、全く自慢するでもなく、またそれを苦労と思っているわけでもないようでした。
 こうして舎弟の面倒を見るのは、全く当然のことであると思っているようでした。

 ワタシはしかし内心非常に感動し、また驚きました。
 ヤクザの兄貴分弟分と言う関係が、本当にこんなに深い情愛で結ばれているとは・・・・・。 あれは演歌や映画だけの話ではないのか?
 
 それともこれは特別なのか?

 医者に内緒で病院の規則をドンドン破っちゃうのが、ヤクザさんなのでしょうが、しかし全くの他人にここまで親身に看護すると言う事は普通の世界ではないでしょう。

 暴力団に入るような人達は、不幸な家庭で育った人が殆どですから、このような人間関係のある世界に一度入れば、出たくないのは当然かも知れません。 或はそう言う物を求めて暴力団に入ってしまうのでしょう。


 しかしこのヤクザさんの話は、日本人のイメージにある理想の義兄弟、兄貴分と舎弟の関係その物です。
 だから韓国の義兄弟の話を読んで直ぐに何十年も前の思いでが甦ったのです。

 でもこれだと義兄弟の兄貴分になるのって、物凄い負担が重いです。 舎弟ができたと簡単に喜べるような話ではありません。

 彼はこの他にも暴力団員の生活のイロイロ話してくれました。 それも本当に面白い話でした。

 あの夜行列車の夜は本当に楽しかったです。 
 あれから40年、彼はどうしているのでしょうか?
 彼と舎弟の兄弟愛はあれからもずうっと続いたのでしょうか?

  1. 安倍バッシング
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コメント

ブログ主さん。自分は、その美幌の出身ですよ! コメントを入れ始めた頃に、道東の自衛隊駐屯地がある町の出身と書きましたが、その美幌町が自分の故郷です。 そして、ブログ主さん、やっぱり北見の大学に在籍していたんですね。自分の記憶する限り、道東で工業系の大学は、北見の大学しか思い当たらないので、前々から、もしかしたらと思っていました。 ブログ主さんが在学中のとき、自分は美幌町の小学生だったとは、なんとも奇遇な。
  1. 2014-04-12 12:38
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  3. 温泉猫 #-
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Re: タイトルなし

> ブログ主さん。自分は、その美幌の出身ですよ! コメントを入れ始めた頃に、道東の自衛隊駐屯地がある町の出身と書きましたが、その美幌町が自分の故郷です。 そして、ブログ主さん、やっぱり北見の大学に在籍していたんですね。自分の記憶する限り、道東で工業系の大学は、北見の大学しか思い当たらないので、前々から、もしかしたらと思っていました。 ブログ主さんが在学中のとき、自分は美幌町の小学生だったとは、なんとも奇遇な。

 そうです北見工大卒です。 だから道東は青春の思い出の地です。 美幌への行きました。 澄み切った自然が本当に美しい所だったのを覚えています。
  1. 2014-04-12 13:01
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  3. よもぎねこ #-
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消費税の件でコメした山部です。解説有難うございます。今日の2つの記事も大変興味深いものでした。この観点から南北朝鮮のニュースを見ると、また新たな発見があるかも、ですね。ところで、よもぎねこ様は理科系なのですね。何となく、納得です。シャープです。
  1. 2014-04-12 17:37
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  3. 山部 #-
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小生も同居人さんと同じように塾の教師をやってました。
塾と言ってもバリバリの進学塾それも中学受験という特殊な社会の住人でした。
その頃の経験ですが、父母面談をやると決まって何人かの母親が「主人が上司に相談したらオタクが良いというお話を聞いてこちらに参りました」という人がいました。その上司の方というのはまあ以前の塾での成功者なのですが、そちらから話を聞いたという。

こういう例が結構あったのです。その会社はまあ名前は伏せますがヤクザ屋さん系のフロント企業で結構大物と言われる方もいたようです。考えたら、母親同士じゃ怖くて話ができないだから情報が入らない、旦那が色々考える、そして対策を立てる、部下が上司に相談する、それで経験を伝えるということだったらしいのです。

ヤクザ屋さんは地元では名前がそれなりに知られてますからいろいろな意味で教育上よくないということで、都内の私立を目指す人が多かったのです。都内の私立となれば近県の細かい事情までは分かりませんから、父母の職業欄に「○☓興業取締役」だとか「ナンタラエンタープライズ営業部長」なんて書かれたら経営者や会社の責任者の家庭なのだろうとでも考えるのが落ちですので問題はなかったのでした。

それにしてもヤクザ会社の上司と部下が自分の子どもたちの進学先を会社でまじめに相談してるという図は結構想像してみるとおかしなものでした。そして接してみると家庭はすごくしっかりしてる、子供は親や先生の言うことをよく聞く、なかなかよい家庭が多いのです。

この辺りは実に新鮮な驚きでした。後政治家の家庭というのは予想に反して相当に堅実、その次が自営業者で、数は少ないですがいわゆる進歩的な仕事をしてる家庭は本当に問題が多かった、まあ最悪なのは学校の教師の家庭でした。この環境で良い学校に入ったという例は自分の世界では殆どありませんでした。

この辺りとてもよい経験をしたと思ってます。
  1. 2014-04-13 00:04
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  3. kazk #-
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Re: タイトルなし

> 消費税の件でコメした山部です。解説有難うございます。今日の2つの記事も大変興味深いものでした。この観点から南北朝鮮のニュースを見ると、また新たな発見があるかも、ですね。ところで、よもぎねこ様は理科系なのですね。何となく、納得です。シャープです。

 有難う御座います。 ワタシも青春時代を思い出して楽しく書きました。
  1. 2014-04-13 09:49
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  3. よもぎねこ #-
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Re: タイトルなし

> 小生も同居人さんと同じように塾の教師をやってました。
> 塾と言ってもバリバリの進学塾それも中学受験という特殊な社会の住人でした。
> その頃の経験ですが、父母面談をやると決まって何人かの母親が「主人が上司に相談したらオタクが良いというお話を聞いてこちらに参りました」という人がいました。その上司の方というのはまあ以前の塾での成功者なのですが、そちらから話を聞いたという。
>
> こういう例が結構あったのです。その会社はまあ名前は伏せますがヤクザ屋さん系のフロント企業で結構大物と言われる方もいたようです。考えたら、母親同士じゃ怖くて話ができないだから情報が入らない、旦那が色々考える、そして対策を立てる、部下が上司に相談する、それで経験を伝えるということだったらしいのです。
>
> ヤクザ屋さんは地元では名前がそれなりに知られてますからいろいろな意味で教育上よくないということで、都内の私立を目指す人が多かったのです。都内の私立となれば近県の細かい事情までは分かりませんから、父母の職業欄に「○☓興業取締役」だとか「ナンタラエンタープライズ営業部長」なんて書かれたら経営者や会社の責任者の家庭なのだろうとでも考えるのが落ちですので問題はなかったのでした。
>
> それにしてもヤクザ会社の上司と部下が自分の子どもたちの進学先を会社でまじめに相談してるという図は結構想像してみるとおかしなものでした。そして接してみると家庭はすごくしっかりしてる、子供は親や先生の言うことをよく聞く、なかなかよい家庭が多いのです。
>
> この辺りは実に新鮮な驚きでした。後政治家の家庭というのは予想に反して相当に堅実、その次が自営業者で、数は少ないですがいわゆる進歩的な仕事をしてる家庭は本当に問題が多かった、まあ最悪なのは学校の教師の家庭でした。この環境で良い学校に入ったという例は自分の世界では殆どありませんでした。
>
> この辺りとてもよい経験をしたと思ってます。

 ヤクザさんもそこそこ上の方になると、個人生活は随分マトモのようですね。 ちなみにこのヤクザさんは美幌でバスの運転手をしていたのですが、しかしギャンブルにハマってヤクザになったそうです。

 ギャンブル癖を除けばむしろ大変まっとうな人間だったのでしょう。  

 彼はお酒を飲まないので「組で花見に行くときは、いつも俺がバスを運転させられる」と言っていました。
 ヤクザさんも飲酒運転はしないのだな・・・・と感心したのを覚えています。

 ヤクザにはヤクザの善悪基準があって、それは結構真面目に守るようなのです。
  1. 2014-04-13 10:16
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  3. よもぎねこ #-
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