★事態長期化を懸念=中国の真意確認急ぐ-中国漁船衝突事件・政府
沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、容疑者の中国人船長釈放を受け、同国が25日、謝罪と賠償を要求したことで、政府は事態の長期化に懸念を強めている。
中国の求めに応じて船長の身柄を返せば、収拾に向かうとみていたためだ。
政府は当面、中国の真意の確認を急ぎ、打開の糸口を探る構えだ。
「中国は、また同じことをしても釈放されると勘違いしかねない」。外務省幹部は25日、容疑者の船長を釈放したことに対し、中国側が態度を軟化させるどころか要求を強めたことに強い懸念を示した。
政府内では「船長の釈放で問題は解決する」との楽観的観測が支配的だった。
政府高官は「公務執行妨害の立件で得られる利益と、事態収拾による国益は比べようがない」と歓迎していたが、目算が狂った格好だ。
中国の謝罪・賠償要求について、外務省は「何ら根拠がなく、全く受け入れられない」とする佐藤悟外務報道官の談話を直ちに発表。(きぜん)とした対応を押し通す構えだ。
同時に、対立がさらに長引けば日中関係に深刻な影響を及ぼすとして、関係修復に向けて「ハイレベルでの会談」の可能性を探る方針。
ただ、船長釈放により中国が「日本は強気で押せば譲歩する」と受け止め、要求をエスカレートさせている側面もあり、強硬姿勢を容易には崩さないことも予想される。
対話の機会に関しても、10月下旬にベトナムで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の首脳会議までに設定するのは困難とみられ、外務省幹部は「すぐにめどが立つ話ではない」と指摘した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010092500299
まあ、多分こんな事だろうとは思っていましたが、政府はただ船長を釈放しさへすれば、これでこの問題のケリはついて、中国様はご満足くださるだろと信じて疑わなかったようです。
だから「船長釈放でもご満足下さらなかったら、どうしようか?」とか「次に無体な要求をする事はないだろうか?」なんて事は全然想定もしていなかったのです。
腰が抜ける程の馬鹿です。
昨日も書きましたが、この船長釈放で問題は船長の身柄の引渡し問題から、領土問題その物に格上げになり、中国側も益々譲歩が難しくなったのです。
船長の身柄で揉め続ければ、中国側は船長奪還で勝利宣言が出来たのですが、余りにも安易にそれが達成されたので「これはもっといける♪♪」とばかりに、領土問題そのものに踏み込んでしまったのです。
これではホントに「戦争の足音が聞こえる」事になってしまいました。
尖閣諸島
アメリカがこの問題の早期解決を望んだと言う説があります。 またアメリカはこれを日中間で解決するように期待する声明を出しています。
これは当然の事です。
ここは莫大な石油を埋蔵しているだけでなく、沖縄にも台湾にも近く両地域防衛の要衝ですから、アメリカだって無関心ではいられないでしょう。 しかしここは日本の領土なのです。
まず日本がこの問題の解決するため努力するのが筋です。
そしてまたアメリカも日本同様、中国とは深い経済関係がありますから、こんなゴタゴタに巻き込まれるのはごめんです。 早く片付けて欲しいのです。
ただいくらなんでも、日本がこんなにも愚かしく拙速なやり方で船長を返すなんて、想定外だったのではないでしょうか?
船長を返せばそれで事が収まる保障があるのか?
当然だけれど船長を返す前に、その保障を取り付ける交渉をするべきでしょう。
最低でも今中国にスパイ容疑で捕まっている4人の日本人の身柄の確保をしなければ、船長を返すべきではなかったのです。
彼らはスパイ容疑で逮捕されたのですから、船長を釈放したからって、釈放される保障なんかないのです。
人質の身柄を確保する前に、犯人の要求を呑んでしまえば、人質の解放なんか期待できません。
しかし呆れた事に検察幹部は
>検察幹部は釈放決定の一要因として、日本人4人が中国当局に身柄を拘束された事件を挙げ、「起訴することで国民をこれ以上危険にさらすわけにはいかなかった」と打ち明けた。
「検察「苦渋の選択」 起訴と人命をてんびん 中国人船長釈放」
なんて言ってます。
貴方達、人質の身柄も確保しないで、誘拐犯に身代金渡したら人質の命がどうなると思うの?
お巡りさんに聞いてみなさいよ!!
外交のやり方としても、せめてこの4人を口実に船長釈放まで時間を稼げば、中国の強硬姿勢で中国自身が困る事もあることを少しは中国にわからせてやれたのに。
しかし何度も書いているけど自国民の安全の確保と言う最低限の義務さへ政府は念頭になかったのです。
そしてその事で益々窮地に追い込まれているわけです。
前原は「法によって粛々と処理する」と言い、その裏で仙石が検察に圧力を掛け、そして那覇地検が権限もない外交を行い船長を釈放しました。
すると前原や岡田や仙石はこれを、「司法の独立」を尊重して「了」としたのです。
司法の独立って普通、司法機関が法を厳正に適用する事に、行政の圧力を掛けちゃいけない事だって、ワタシは塾講師だった頃、中学生に教えてましたけど・・・・・。
司法機関が勝手に外交政策とか、経済政策とか、自分の守備範囲でもない事に関係して、法を曲げちゃいけないって事だと思ってましたけど・・・・。
けれど高学歴政権の解釈は違うようです。
田舎の検事が勝手に外交問題に重要な決定をしても、政府はそれに従うって事になるです。
しかし彼らにすればこれで「法によって粛々処理して、船長を解放できた。 さすが東大法学部卒の弁護士仙石さんはアタマが良い♪」となるのでしょうね。
そしてこれ益々この問題が深刻化した責任は、「ぜん~~~ぶ、那覇地検の責任だ~~い!!」
と言うわけです。
これが民主党の「大人の対応」なのです。
ウチの猫が近所の猫と縄張り争いをする時でも、もう少し賢く振舞っているんですけど・・・・・。