少し前の事ですがYou Tubeで偶然、フィンランド映画「The Winter War」を見つけました。 全編(19編)見られます。
ワタシはこの映画を10年ほど前、近所のビデオ屋で見つけて見ました。 その時始めてフィンランドとソ連が戦争をした事を知りました。 そしてフィンランドが枢軸国だと言う事も知りました。
この映画はそのフィンランドとソ連との戦争、通称「冬戦争」を描いたものです。
第二次世界大戦に先立つ1940年、ソ連はフィンランドに領土の割譲を要求しました。 当時ソ連はドイツと独ソ不可侵条約を結んでおり、その密約の中でフィンランド、バルト三国などはソ連が、ポーランド、チェコ等はドイツが分け取りする事になっていたのです。
しかしフィンランドにはそんな事は到底受け入れられません。
フィンランドがこれを拒否すると、ソ連は大軍を持ってフィンランドに侵攻しました。
フィンランドは断固これに応戦します。
フィンランドは長くロシアの支配を受けてきました。 そして1917年にようやく悲願の独立を達成したのです。 ここでソ連に屈服すれば、その独立をまた失いかねません。
しかし当時のフィンランドは現在の豊かな福祉国家ではなく、極貧国でした。
ソ連軍に抗戦するために大量の兵士を招集しても、軍服を全員に支給する事もできず、一部の兵士は私服に徽章だけを付けて従軍するような有様です。
それでもフィンランド軍は森と湖の国の地の利を生かして、善戦します。
この冬戦争 - Wikipediaとそれに続く継続戦争 - Wikipediaの概要はウィキを見ればわかりますが、国際社会の冷酷さと、その中で生き抜く事を厳しさを痛感させられます。
フィンランドが強大なソ連軍相手に幾ら善戦しても、所詮小国で極貧国です。 ソ連軍を追い出すことはできませんでした。
国際社会はソ連の侵略を批難はしても、殆ど援助してくれませんでした。 隣国ノルウェーやスウェーデンは中立を盾に、この僅かの援助物資の国内通過さへ拒否したのです。
追い詰められたフィンランドは敵の敵は味方の原則によって、ドイツと同盟を結びます。 そして枢軸国となったフィンランドに対して、当然連合国は更に過酷な対応をするのです。
そしてドイツの敗色が濃厚になり、フィランドがソ連と単独講和を結ぶと、今度はフィンランドはドイツと戦うハメになります。 そしてこのラップランド戦争によりラップランドは壊滅的な被害を受けます。
最終的にフィンランドは敗戦し、最初にソ連から要求された以上の領土の割譲と、莫大な賠償金の支払いを強いられました。
そして自国を戦場とした戦いでどれだけの惨禍を蒙ったかは想像に難くありません。
しかしフィンランド人はこの戦争を祖国防衛の戦争として誇りに思っているようです。
とにかくフィンランドは独立を守り抜き、政治的には共産圏に組み込まれながら、実際には資本主義と民主主義を守り抜き、そして極貧国から世界有数の豊かな福祉国家になったのですから。
この映画「The Winter War」を全編You Tubeにアップして、世界中が無料で見られるようにしているのも、この戦いを世界に知らせたいと言うフィンランドの心意気であり、また外国政策ではないかと思います。
同じく第二次世界大戦でのフィンランド映画、他作も全編見られます。
但し哀しいことにフィンランド語で、英語字幕です。 英語ダメ子にワタシは、字幕がでるたびに動画を止めて、暫く考えるしかありませんorz
でも戦争映画ですから、戦争の概要が解れば字幕が読めなくてもそれなり楽しめます。
悪天候の連休のお楽しみにどうぞ。