97年の橋本内閣の消費税増税で、それまで年間2万人程度だった自殺者が、一期に3万人を突破しました。
そしてその後現在に至るまで一貫して自殺者は暫増を続けています。
だからこの橋本消費増税で増えた自殺者の総計は15万人を超えました。
橋本内閣の消費増税は3%から5%への2%アップでした。
それにしてもたった2%の増税で何で自殺者が1万人もふえたのでしょうか?
消費税と言うのは元来全ての国民が、均等に負担する大変公正な税制だったはずではありませんか?
本当に全ての国民がその所得の中から2%分だけ増税される事になるのなら、全然問題はないはずです。
けれど考えてみれば現実にはそんな事にはならないのです。
なるほど可処分所得を全部消費に回さないと生きていけない低所得者は、きっちり2%増税になります。
しかし可処分所得の数割程度しか国内消費をしないですむ高額所得者にとっては2%分の増税にはなりません。
一方たった2%の増税と言っても、ネットカフェ難民や国民年金だが収入の高齢者などには、大変な負担です。
本来こんな人達から税金を取るのは鬼のような話なのですが、そう言う人達にも課税するのが消費税なのです。
もし今後予定通り消費税が増税されたら、ネットカフェ難民も10%の消費税を払う事になります。
しかし新聞や経団連は自分達は減税とか非課税とか言っているのです。
コイツラ悪魔です。
しかし中小の製造業者や小売業者などもっと深刻でしょう。
例えば橋本増税以前、消費税込みで103円の商品を売っていた業者を考えます。
すると業者は3円を消費税として国に納めて、残り100円が売り上げになります。
消費税が5%に上がった時、商品を105円に値上げできれば問題はありませんでしたが、しかしあの当時もまだ不況からは脱出していませんでした。
だから103円ままで価格を据え置くしかなかったのです。
そうなると業者の取り分は98円になります。
100円の物が98円でしか売れなくなったのと同じ事になるわけです。
単純に値下げ分を考えればたった2円です。
だったら問題はないのでは?
しかし考えてみればわかりますが、製造業者にしても小売業者にしても、利益と言うのは商品価格の数割なのです。
消費税の増加分を商品価格の値下げで吸収する場合は、その利益を減らすしかありません。
だって消費税が増えたからと言って、製造コストも仕入れコストも店の運営費も減るわけではないのです。
利益が商品価格の8割もあるようなボロイ商売をしている所はともかく、利益が1割とか2割で何とかやっている業者だったらどうなるのでしょうか?
100円の商品を売って、10円儲けて居た会社が、商品を98円にして、8円しか儲けられるなるのです。
2%の増税が20%の利益減になってしまいます。
だったらそれでなくても利益が出るか出ないかカツカツとか、赤字だったところは?
もう倒産しかないでしょう?
或は冷酷な経営者なら消費税分の経費を削る為に、人件費を下げる場合もあるでしょう。
しかし人権費が商品価格に占める割合は、これまた数割です。
100円の商品のうち人権費分が3割30円として、その商品を2円値下げする為に人権費を下げると、人権費は28円になります。
そうなると30人いた従業員の2人を解雇するとか、或は給与を7%余減らす事になります。
これまた2%の消費増税で死活的な影響を受ける人達が出てくるのです。
或はyuyuさんが危惧しておられるのですが、流通段階を飛ばすと言う方法を取る所も出て来るでしょう。
http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/3194867/
つまりこれまでメーカーから小売りまで何段階かあった、幾つか減らすのです。
それで多少の不便はあるでしょうが、この際仕方ありません。
そうなると流通業者の何割かが減益、或は倒産に追い込まれます。
確かに何段階もの流通業者と言うのは、不合理とも言えます。 だから流通の合理化自体は悪くないでしょう。
しかし不況時にこれをやって失業者を出すと、どうなるのでしょう?
不況時に失業すると転職先はないのです。
福祉予算を確保する為に消費税を増税すると言いながら、それまで納税していた人達も生活保護に転落させ、福祉予算を増やすだけでしょう?
或は自殺させるか?
では消費税分を全部価格に上乗せ出来たら?
勿論上乗せできる業者もあります。
しかし消費者の所得は増えて居ないのです。 食料など生活必需品の価格が上がればその分は何処かで節約するしかありません。
外食を控えるとか旅行を諦めるとか、車や家電製品の買い替えを止めるとか・・・・・。
新聞の購読を止めると言うのも良いかも知れません。
食料や光熱費などは減らせないので、それ以外の贅沢品を諦める事になります。
そうなると外食産業などが大きなダメージを受けます。 そしてそれらはまたパートや派遣労働者の雇用先でもあるのです。
せっかく安倍内閣成立以来上がり始めたパートの賃金は大幅に下がるでしょう。 そもそも雇用が減るでしょう。
勿論雇用主側だって辛いのです。
いずれにせよ消費税増税分は絶対に国に納めなくてはならないのです。
一方不況は続いており、消費税増税分を値上げできなくて消費増税分を実質値下げして利益を減らす、或は値上げして総売り上げを減らすかしか選択肢はありません。
そしてその負担は結局全部弱い所に集中するのです。 商品価格の値下げ分を均等に2%ずつ全てのコストに振り分ける事は不可能なので、弱い所に集中して値下げを要求するしかないのです。
だから全て国民が等分に2%の増税分を負担したのではないのです。
全国民が本当に公正に均等に消費増税分を負担するなら問題はないのです。
しかしそうでないので負担の集中した企業が倒産する、解雇される人が出る、と言う形になったのです。
これなら自殺者が一気に増加したのも当然ではありませんか?
確かに所得税には所得自体を把握し辛いとか、いろいろ問題はありました。
しかし消費税の場合は一見非常に公正に見えながら、現実には弱い所に負担が集中すると言う悪魔の税制になるのです。
少なくとも消費増税分を価格に転嫁できない不況下の消費増税は、弱者を殺す税制になります。
そう言えば消費増税に賛成している連中って、消費税増税分を負担する気はないのミエミエじゃないですか?
コイツラが橋本増税で15万人殺したのです。
そしてこれから更に殺そうとしているのです。