関門衝突事故 コンテナ船減速せず 貨物船追い越し 誘導と違う航路
2009年10月30日 14:24
関門海峡で海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」が衝突、炎上した事故で、
コンテナ船が前方の貨物船を左側から追い越すよう関門海峡海上交通センター(北九州市)から誘導を
受けた後も、ほとんど減速していなかったことが30日、第7管区海上保安本部(同)の調べで分かった。
7管は、コンテナ船が誘導とは違う右側から追い越す航路をとり続け、貨物船と急接近したために左へ
急旋回し、衝突につながった可能性があるとみている。
7管関係者によると、衝突の数分前、貨物船の右後方にいたコンテナ船は、センターから左から追い越すよう
誘導された。その際、貨物船は航路中央付近におり、左から追い越すには(1)左にかじをきり、対向するくらまの
進路に進入する(2)かじをきらずに減速し、貨物船が右に寄って左側が空くのを待つ‐の選択があった。
7管の調べで、船舶自動識別装置(AIS)などの記録から、貨物船は関門橋まで航路中央付近を航行し、コンテナ船は、
貨物船の2倍以上の速度をほぼ維持し、進路変更しないまま航行を続けていたことが判明した。
2船は関門橋の下付近で最接近。その際、コンテナ船の船首は、貨物船の船尾右側に位置していた。貨物船は、
航路中央を航行し続けて減速しながら右に進路変更し始めており、コンテナ船は貨物船に追突寸前となり、左へ急旋回。
前方から直進してきたくらまと衝突したとみられるという。
7管関係者は「貨物船が誘導後すぐに右に寄らなかったのは一般的には考えられない。ただコンテナ船が減速せず、
右から追い越すコースをとり続けたことが事故につながった可能性がある」とみている。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/131539
くらまの事故についての情報がまた少し出ました。 それで昨日あげた( くらま事故の続報です。)ログと、この新聞記事とあわせてみました。
韓国船は12~14ノットで進んでいます。 だから分速では370~430mです。 それを目安に上の図に黄色い字で韓国船の行動を書き込んでみました。
事故の起きる4分前、韓国船は上の図の左上隅のあたりにいたと思われます。 ここで海上保安庁は韓国船とパナマ船の追突を懸念して双方に衝突回避の指示を出します。
海保の管制は以下の通りです。
◆衝突まで4分間の交信内容
・センターから貨物船へ
「C号(コンテナ船)が接近している。注意して下さい」
・貨物船からセンターへ
「了解。左側を追い越させます」
・センターから貨物船へ
「航路の中央付近を航行しているので右側に寄って下さい」
・貨物船からセンターへ
「了解。右に避けます」
・センターからコンテナ船へ
「貨物船が右側に動いています。左側を追い越して下さい」「前方に自衛艦が接近しているので注意して下さい」
・コンテナ船からセンターへ
「了解。左側から追い抜きます」
・センターからコンテナ船へ
「カリナスター、注意して下さい。注意して下さい」
・センターからコンテナ船へ
「カリナスター、カリナスター」
・センターからくらまへ
「C号が貴船に異常に接近しているようです。避けて下さい」
・くらまからセンターへ
「(コンテナ船と)接触しました」
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20091029ddp041040027000c.html
4分前の交信で海保から「貨物船が右側に動いています。左側を追い越して下さい」「前方に自衛艦が接近しているので注意して下さい」と言われたのに、そのまま減速もせず、さらに左へも寄らずに進んだのです。
図の中で白い三角の辺りで事故の1~1.5分前です。
これを過ぎて初めて海保の指示に従って、やや左に寄ります。 しかしその時はもうパナマ船のお尻が目の前に来ていました。
そしてあっと言う間に追突しそうになります。
ビックリして、舵を大きく切ります。 そしてそのため今度は反対側の航路へ直進する事になります。 そして以下の記事につながります。
関門海峡で27日夜、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国のコンテナ船「カリナ・スター」(7401トン)が衝突した事故で、第7管区海上保安本部(北九州)は29日に記者会見し、コンテナ船が前方の貨物船を避けようと急旋回してから、「くらま」が衝突するまで数十秒だった事を明らかにした。
7管の野俣光孝次長は個人的な意見と前置きしたうえで、「急に目の前にコンテナ船が出てきたくらまにとって衝突回避は難しかったのではないか」と述べた。
7管によると、コンテナ船は急旋回してほぼ真横を向いた状態になり、対向する航路を進んできた「くらま」がぶつかった。急旋回を始めた時点で、関門海峡海上交通センター(北九州市)はコンテナ船に「反対側の船舶に注意して下さい。カリナ・スター、カリナ・スター」と無線で呼びかけたが、応答がなかった。針路をふさがれた「くらま」は、センターから「注意して避けて下さい」と伝えられ、逆進をかけたが間に合わなかったという。
野俣次長は「追い越しをかける角度をはるかに超えた急な曲がり方で、船の大きさ、速度を考えるとかじを切っても元の針路に戻ることはできない。衝突しなければコンテナ船は座礁していた」と話した。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20091030-OYS1T00248.htm
これでログと記事と海保の交信記録がピッタリあいますね。
もう海保の管制ミスでもなんでもありません。
韓国船のハチャメチャ操船です。
海保がパナマ船との追突を注意した時点から減速すると共に少し左へ寄せて航行していれば何事も無かったのに、海保の管制を無視し直進、いよいよやばくなってから、いきなり左急旋回してくらまと衝突です。
しかし韓国船側は、
「海保の管制のせいニダ!!!」
しかしそれにしてもここまで左に突っ込んだ事には疑問があるようです。
コンテナ船、左に急旋回 衝突直前、護衛艦の前に /headline FJZONE END NAME="MIDASHI"
FJZONE START NAME="HONBUN" 山口、福岡両県にまたがる関門海峡で海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船「カリナスター」が衝突、炎上した事故で、カリナスターが事故直前、急に大きく左側に針路を変更し、逆方向を航行中のくらまの前方に出たことが29日、分かった。第7管区海上保安本部(北九州市)が明らかにした。
7管は「「カリナスターの曲がり方は通常よりも急激で、前方の船を追い越す国的だったとは考えられない」(幹部)としており、韓国人船長らから事情を聴いている。
7管によると、カリナスターは前方の外国籍の貨物船に右後方から時速12~14ノットで急接近。貨物船の速度はカリナスターの半分程度だった。7管の関門海峡海上交通センターは事故の約4分前、貨物船に対しカリナスターに注意するよう伝達。カリナスターには「貨物船の左側を追い抜いてください」と誘導した。(07:00)FJZONE END NAME="HONBUN"