働いても生活保護レベルの収入しか無い人をワーキングプアーと言うそうです。 では生活保護費はどのぐらい貰えるのでしょうか?
ちなみに独身の場合は、札幌市では138000円+家賃補助です。 地域により差がありますが、だいたい14~16万ぐらい貰えるようです。
http://sakunokomitsu.no-ip.com/yosan.html
この金額は一般サラリーマンに手取りにあたる額です。 社会保険税その他は一切かかりません。 また医療費は完全に無料で、必要なら病院へのタクシー代や航空運賃まで出ます。
つまり全額生活費に使えるのです。
では一般勤労者はどうでしょうか?
国家公務員の給与と比べて見て下さい。
年齢 | 人員(人) | 平均給与(円) | 予想年収(16.4ヶ月) | ニッポンの平均年収 |
20 歳 未 満 | 415 | 154,820 | 2,539,048 | -- |
20歳以上 24歳未満 | 3,962 | 174,794 | 2,866,621 | -- |
24歳以上 28歳未満 | 12,132 | 211,223 | 3,464,057 | -- |
28歳以上 32歳未満 | 17,655 | 250,650 | 4,110,660 | 484万円(30代) |
32歳以上 36歳未満 | 25,527 | 299,277 | 4,908,142 | 484万円(30代) |
36歳以上 40歳未満 | 22,006 | 351,361 | 5,762,320 | 484万円(30代) |
40歳以上 44歳未満 | 20,964 | 408,375 | 6,697,350 | 589万円(40代) |
44歳以上 48歳未満 | 21,209 | 463,738 | 7,605,303 | 589万円(40代) |
48歳以上 52歳未満 | 17,610 | 506,181 | 8,301,368 | 589万円(40代) |
52歳以上 56歳未満 | 14,078 | 532,257 | 8,729,014 | 573万円(50代) |
56歳以上 60歳未満 | 10,915 | 541,260 | 8,876,664 | 573万円(50代) |
60 歳 以 上 | 95 | 610,532 | 10,012,724 | -- |
俸給表(一)給与平均月額 | -- | 383,541 | 6,290,072 | 589万円(40代) |
24歳までの国家公務員の手取りが、独身者の生活保護費と良い勝負です。 道内企業で女性の一般事務などでは手取り12~15万ぐらいです。
また母子加算廃止に反対して生存権裁判の原告となった佐賀光江さんは、4人家族で月額265820円の生活保護費を支給されていました。
年収3189840円です。 これは24~28歳までの国家公務員の給与と同じで、もし手取りで比較すれば28~32歳未満の国家公務員と同じでしょう。
そして日本の一般サラリーマン全体の平均所得(平成19年)は、男性542万円、女性271万円、全体で437万円です。 しかしこれは社会保険税込みですから、手取りはこの7~8割です。 つまり手取りの平均なら350万ぐらいにしかなりません。
そして一般母子世帯の平均年収(06年度で213万円)よりも、平均的な受給母子世帯の年間最低生活費(272万円)が高いのです。
ちなみに一般母子世帯は、勿論各種社会保険、年金等を支払い、さらに税も負担し、医療費も自費です。
つまり母子家庭は勿論、独身者、家族持ちそれぞれを比べてみれば、日本で中小企業などで働く人々の殆ど全てが、生活保護世帯に比べても貧しい生活をしているのです。
しかし生活保護世帯と違うのは、このような人々は税も社会保険も医療費も負担するばかりか、自分自身で老後資金や子供の教育費積み立て、そして不慮の事故に備えての保険等にも加入しているの事です。
また仕事をしていれば、服装を整えたり、冠婚葬祭などの経費がかかる事です。
簡単に言えば、日本の勤労者の大半はワーキングプアーです。
そして自立自助のために回すお金を抜いて、実生活費だけで比較すれば、殆どの勤労者がワーキングプアかも知れません。
これなら一度生活保護を受けた人間が、絶対のマトモに自立する意志を持つ事は無く、生涯生活保護に依存するのも道理です。
そしてこのような異常に気前の良い給付は、そうそう大勢の人にできるわけも無く、給付を受けられる人は限られてきます。
だから特定政党の議員とのコネや、自称被差別者団体の関係者だけが、この利権を独占するようになるのです。 そして本当に困窮する人々は生活保護を受給できなくなります。
つまり生活保護受給者は明らかに特権階級なのです。
昨日この事について 労働者を搾取する者でエントリーしたら、きじねこさんからこんなコメントを戴きました。
>今年初め みのもんたの「朝ズバッ」で札幌市在住の母子家庭を詳細に報道したことがあります。
障害のある長男と学童児との3人暮らしだったと思います。
母親曰く「13万の生活保護費で一日一食しか食べさせられないのです・・」と。
ボードをもたせ13万をどのようにやりくりしているか見せたのです。
生活最低基準を算定し そのあとで一類二類の支給以外の社会保障費は生活保護費の範疇ではなく支給される・・ということを悪用した完全なるヤラセでした。
実際は27~28万支給されていたということでした。
その母親は共産党が主導する「道生存権裁判」の8人の原告の一人でした。
区役所に電話して「日本の生活保護制度は生きていくことすら困難な制度と報道されていますよ・・現場を一番よく知っている保護課の方達こそマスコミの嘘に声をあげてください。」といくつかの区に電話しました。
1ヵ月以上過ぎてから番組の最後に取ってつけた様な「誤解を招く説明があったことをおわびします」と報道されただけです。
しかもその後もことあるごとに みのもんたは生活保護の母子加算削減は許せない発言をくり返しています。
>生活保護費を「お給料」と呼んでいるひともいるということです。「生涯公務員」にでもなった気分でしょうか?
健康保険料・年金の支払いが当然免除されているのです。
北海道では冬期間燃料手当がさらに加算されるのです。一番気になる病院代がただなのです。
「道生存権裁判」原告の数人が母子加算の報道で常連のようにマスコミに顔をだします。
このような母親などは「プロ弱者」といえるのではないでしょうか?
生活自立のための支援という本来の適正な生活保護の運用を切に望みます。
生活保護費は公金ですから、算定基準は厳密に決まっています。 役所に家族構成等を言えば、すぐに支給額を教えてくれます。
みのもんたがこれを敢えて隠してまで、奇妙な報道をする理由は何でしょうか?
そして「お給料」と呼ぶ人達って何でしょうか?
ワタシはこのきじねこさんのコメントを読んで思い出した事があります。
中世ヨーロッパにはプロ貧民と言うべき人達がいました。 彼らは普通都市の大きな教会に所属して、教会から手当てと住居を貰い、普段は教会内の雑用などをしています。 そして祭礼の時などに、参列する人々から「貧民」として施しを受けるのです。 何の事はない、唯の教会の職員です。
中世ヨーロッパに普通の貧民がいなかったわけではありません。 それどころか一説には19世紀半ばでもドイツの都市の人口の3分の2は、乞食や物乞いだったと言います。
その人々に比べれば「プロ貧民」は、遥かに豊かな生活をしていました。
しかしそれこそが「プロ貧民」の存在する理由だったのかも知れません。
キリスト教の教えを守れば富める人は貧しい人に施さねばなりません。 しかし膨大な数の貧民に施す金は無いし、あっても出したくありません。
だからだから一部の人間だけを「貧民」と決めて、彼らにだけ施すことで、教会のポーズを守るのです。
ワタシは現代日本のプロ貧民が生活保護世帯だと思いました。 そして生活保護世帯同様、所謂被差別者も同様でしょう。
もし共産党や民主党が本当に貧しい人々を助ける意志のある政党なら、もしみのもんた氏が母子世帯の困窮を見かねたなら、月額268520円の生活費では足りないと思うなら、それよりも遥かに少ない生活費しか使えない、一般母子世帯の救済を優先するはずです。
そして母子世帯でなくても、同様に少ない給与で頑張っている勤労者の援助を優先するはずです。
でも彼らにはそんな意志はありません。 膨大な一般勤労者の救済は不可能です。 それでは納税する人がいなくなります。
だから勤労者から搾取た税を、プロ貧民と言う特権階級に与え、それで自らの権威を守りその特権を守るのです。
生活保護の実態を知らない人々を騙し、貧しい人々を守り与党と戦うポーズを取れれば良いのです。
そして結果として特権階級の利益を守り、本当に貧しい人々を搾取するのです。