今日は札幌医大に行きました。
ワタシは持病で3ヵ月に一度、医大で診察を受けて薬を貰っています。 前は毎月行っていたけど、もう長い事病状が安定しているので、3ヵ月に一度で良くなったのです。
医大に着いて自転車を止めて、付属病院の玄関に向かって歩いていると、見知らぬ中年の女の人が一粒のドングリを見せて嬉しそうに声を掛けてきました。
「これ帽子をかぶっているから拾ったの。 沢山落ちているけど、皆落ちたら帽子が脱げてしまうの。」
札幌医科大学は街中にあり、狭い敷地の半分が大学の教室や研究棟、半分が付属病院です。
その間の通路は柏や楓やナナカマドなどの木が植えられて、遊歩道になっています。
いつもここでは車椅子で、或は点滴のポールを引っ張りながら、散歩している患者さんを見かけます。
極狭い小さな空間ですが、大切な場所なのです。
この遊歩道にドングリが落ちているのです。
医大の付属病院ですから、ここに来る患者さんは、皆厄介な病気を抱えた人ばかりです。
ワタシは一応難病患者でも、両親のお蔭で生活の心配はなく、病気をグウタラ人生に口実にしてる極楽トンボです。
しかしそんな人間は超例外なのです。
殆どの人は皆病気との闘いと、生活で苦労しています。
この人だって医大へ来るからには、ご自分が厄介な病気を抱えているか、或は入院中の家族の付添など大変な状況ではないかと思います。
けれどこの人は帽子を被ったドングリを見つけて、嬉しそうに他人に声を掛け、ドングリを撮んだまま玄関に入りました。
診察を終わってから、ワタシもドングリを探しました。
ドングリは沢山落ちていました。 けれど皆帽子が脱げていました。
それでも暫く探し続けると、帽子を被ったドングリがありました。 それから落ち葉の写真を撮っていると、また一つ見つけました。
ワタシは二粒のドングリを眼鏡ケースにしまいました。 帽子が脱げないように。
このドングリを持っていると、何か良い事がありそうな気がします。