ロシアのウクライナ侵略戦争について、この戦争で得をするのはアメリカと言う人達が沢山います。
特に親露派と言うか、プーチン支持派がこれを言います。
この記事なんか典型です。
ワタシもこの戦争でアメリカが得をするのはその通りだと思います。
そしてワタシはこの戦争で「アメリカって凄い!!」「アメリカ最強!!」と思う事が何度もありました。
細かいことで言えば、この戦争でロシア製兵器のポンコツぶりが明白になってしまいました。
一方ジャベリンなどアメリカ製兵器の優秀さが明白になりました。
これから戦線が東ウクライナに中心になり、ロシア軍を標的にしてアメリカ始めNATO諸国が支援した榴弾砲コンテストになります。
旧式兵器の在庫処分を試みる国も多いのですが、アメリカは気前よく最新式の榴弾砲を大量に送り込みました。 だからこのコンテストの結果が楽しみでしょう。
こうやってロシア軍がボコボコにされるのは、ロシアの兵器産業は甚大な損害でしょう。
現在ロシアの近代産業は兵器産業と宇宙産業ぐらいしかないのに、その兵器産業がボロボロになってしまいます。
そしてそれはそのままロシアの外交力の減退につながります。
そもそもロシアはGDPは韓国程度で、今やマトモな同盟国もほとんどない国なのです。 それでもそれなりに大国面していられたのは、世界第二位の軍事力と言う看板があったからです。
しかしウクライナ如きに大苦戦では、この看板は全く偽りだったことになります。
ロシア軍弱い。
兵器はポンコツ。
だったらもうロシアなんか付き合う意味はないじゃん。
それでカザフスタンなどロシアの同盟国だった国々も露骨にロシアから離れ始めています。
さらに言えば、元々ロシアがここまでのさばって堂々の侵略戦争まで始めるようになったのは、ロシアが資源国で、ドイツ始めNATO諸国がロシアにエネルギーを依存するようになったからです。
それでこれまではチェチェンとかクリミア侵略では、NATO諸国も毅然とした対応はしてきませんでした。
それどころかロシアがジワジワと周辺国へ侵入している間も、欧米は「脱炭素」なんて妄想に血道を上げて、ドイツに至っては原発まで廃炉にすることを決定しました。
アメリカはシェールガス開発のお陰で、実は現在では世界一の産油国なのですが、これもバイデンが大統領になると、わけのわからない規制をかけて開発不能にしました。
これだとロシアの石油と天然ガスを止められると、欧米はエライ事になります。
冬なら大量の死人が出ます。
プーチンがこんなの見れば「こいつらの首根っ子はオレが握っているんだから、何をやっても逆らえないだろう。 ウクライナを全部オレの物にしても、コイツラ何も言うまい。」と確信しちゃうの当然でしょう?
だから安心して侵略戦争を始めたのです。
でも考えてみれば、欧州はともかくアメリカにはシェールガス・シェールオイルがあるのです。 しかも世界一ともいわれる程あるのです。
だからイザとなればアメリカ政府もこれらの資源の開発と使用に本腰を入れるでしょう。
そうなったらロシアの石油も天然ガスもどうでもよいのです。
それどころかロシアの石油を締め出す事で、産油国としてのアメリカの地位は一段とあがります。
因みにサハリン2とかロシアの油田や天然ガス田の開発には、西側企業の技術が絶対に必要なのです。 ロシアが自力開発できる油田はもう老朽化して使えないのです。
ホントにアメリカ最強でしょう?
ソ連崩壊後、ロシアも随分頑張って経済成長をしたし、国民生活も向上したのですが、しかし結局ソ連時代同様に、天然資源依存経済のままでした。
工業技術などむしろ更にアメリカに水をあけられました。
致命的なのはIT技術が全然育たなかった事でしょう。
今ロシアは精密誘導ミサイルも戦車も作れなくなっています。 経済制裁で半導体など兵器製造に必要な部品が入らないからです。
そりゃ今どき半導体なしでは、兵器は作れません。
プーチン政権内には、今後ロシアは嘗ての共産圏のようなロシア中心の経済圏を作るのだと言っている人達もいるようですが、それじゃコイツラ、どこから半導体を調達する気なのでしょうか?
コイツラ、ロシアは半導体も作れないし、半導体製造装置も、半導体製造材料も全く作れない事がわかっているのでしょうか?
尤もアメリカだって半導体はかなり外国に依存してはいます。
それどころか米軍の兵器に中国製半導体が入っていたと言って騒ぎになった事もあります。
反グローバル派の人達がいくら怒っても、現在の世界は完全にグローバル化されているのです。
しかしそのグローバル化した世界で、アメリカは自国の同盟国から必要な物を全て調達できるのです。 だから製造費をケチらなければ、中国製の怪しい半導体を使う必要はないし、アメリカ国内で製造することだって可能なのです。
今回クァッドで来日する前、バイデン大統領は韓国に行きサムスン電子の工場を訪問しました。
これは実はサムスンにアメリカに半導体工場を作らせる為だと言われています。
これは韓国が中国に寝返った時の用心でしょう。 そしてアメリカに工場ができたら、雇用と技術がついてきます。
バイデンはアメリカの大統領としては至って不出来だと思うんですが、しかしそれでもこういう事はきちんとやるのです。
アメリカと言う国は自国の市場を世界に開放し、それで同盟国を引き付けるのですが、しかし一方こうやって同盟国の企業に頭を下げてアメリカに工場を誘致して、アメリカの雇用と安全保障に必要な生産力を育ててきました。
それを思うとプーチンって何だったんでしょうね?
ソ連が崩壊した後の経済混乱を収めたのは見事だと思います。
そして混乱を収める事でロシアの経済が発展し始めて、国民生活が向上したのも事実です。
民主主義は素晴らしいけれど、民主主義と言うのは国民の圧倒的多数が民主主義を理解して「民主主義でやっていこう」と思わなければ上手くいきません。
だから民主主義的な憲法を作り、政治制度を作ればそれでOKと言うわけにはいきません。
それで清教徒革命やフランス革命でも、安定した民主主義国家になるまでには、何度も政変を乗り越えてこなければなりませんでした。
また戦後独立アジア・アフリカ・中東諸国もすんなりと民主化などできていません。
だからソ連崩壊後、ロシアが一発で完全な民主主義国家になる事ができず大混乱して、それをプーチンの独裁で何とか混乱を乗り切ったのはプーチンの功績と考えるべきです。
しかし混乱収拾後にプーチンがやり続けた事は「ソ連を取り戻す!!」ための紛争でした。 お陰でロシアは制裁を食らい続けて、クリミア侵攻以降は経済成長も完全に止まってしまったのです。
プーチン!!
オマイがやるべきことは、サムスンやトヨタの社長に頭を下げて「ロシアに工場つくってくれろ」と頼む事だったんだよ。
トランプだって、バイデンだって、江沢民だって、皆そうやって頑張って自国に雇用と技術と経済力を呼び込む努力を続けていたんだよ。
そもそもソ連が何で崩壊したと思っているんだよ?
ソ連の経済力が全然伸びなくて、アメリカとの軍拡競争についていけなくなったからだろう?
それがわかっていたらまずはロシアの経済力をつける努力をしろよ!!
でも今の状況を見ていると、プーチンにはそれは全然わかっていなかったとしか思えません。 コイツは小狡い駆け引きは無類に上手くて、それで安倍総理だって嵌められたけど、でもそんな小狡い駆け引きいくら上手くやっても、ロシアの国力は全然つかないし、国民生活はよくならないのです。
ところがコイツは小狡い駆け引きが何度かうまくいったことで、自分の能力もロシアの国力も考えずに、ウクライナ侵略戦争なんて馬鹿をやってしまったのです。
この戦争はウクライナ人がロシア軍を歓迎してくれない限りロシアの敗戦しかありえなかったのです。
普通侵略する側は防衛する側の5倍の兵力が必要だと言います。
ウクライナ軍は19万ですから、ロシア軍は95万必要だったのです。
でも95万なんて国家総動員をかけないと集められません。
この戦争の最初の頃、ロシアでこの戦争に徴集兵、つまり職業軍人ではなく兵役義務で徴兵された若者達が動員されている事が問題になりました。
「特殊軍事作戦」なんて言われたら、誰だってスペツナズみたいな職業軍人の特種部隊だけでやると思うじゃないですか?
でも実際には徴集兵も3割程動員されていたのです。
なぜなら徴集兵まで動員しないと、ウクライナに送った19万人が揃わなかったからです。
でもロシアの兵役は1年なので、徴集兵は現代戦を戦える兵士としては、全然訓練が足りなかったのです。
それでもロシアは彼等を動員するしかありませんでした。
しかしプーチンは未だに国家総動員体制を作るどころか、自国民に対してこの戦争を戦争と言う事さへできないのです。
国家総動員体制を作らないと勝てない相手との戦争を「特殊軍事作戦」と言い続けなければならない状態で勝てるわけないでしょう?
でもやってしまった「特殊軍事作戦」はやめられません。
止めたらこれが間違った作戦だったという事になります。
だから止められないのです。
イヤ、間違いは間違いでしょう?
この戦争はプーチンが首を吊れば終わるよ。
プーチンが首を吊れば、残った連中はこの戦争の責任を全部プーチンに被せて、自分達は逃げるよ。
それでプーチンが死んで、プーチンの取り巻きが全部逃げたら、そのあと残った連中がちゃんとウクライナと講和するし、NATOとの関係も改善するから。
それでもプーチンが首を吊らないのは、我が身が可愛いからでしょう。
自分の権力を守る為なら、ロシアの若者がいくら死んでも構わないと思っているからでしょう。
オマイ、最低だよ。
プーチンがいつ首を吊るかはわかりません。 自分で首を吊らなかったら見かねた誰かに吊るされるんじゃないでしょうか?
いずれにせよこの戦争でロシアの国力は一段と衰えます。
さしあたりはこれはアメリカ、そして自由世界の利益です。
特に日本には嬉しい話です。
自由世界の最大の敵はロシアではなく中国なのです。
しかしこれにロシアが加わると二正面作戦を強いられる事になるので、一段と厄介でした。
今回のロシアのウクライナ侵略戦争はロシアが苦戦しているので、中国は大人しくしていますが、もし上手くっていたら、中国は速攻で台湾を取りに来たかもしれません。
だからこそ今回の訪日でバイデン大統領も繰り返し「中国が台湾に侵攻したら軍事介入する」と言ったのです。 ボケたふりをしていったことではあるんですが。
でもこれでロシアがヘタレてくれたら二正面作戦の心配はなくなります。
ホントにありがたい話です。
逆に言えばロシアがこれ以上国力を消耗したくなければ、一刻も早くウクライナから撤退するべきなのです。
戦争が長引くことはウクライナ自身もアメリカもNATO諸国も望んでいません。
だからロシア軍が撤退すれば戦争はすぐ終わります。
だったら「この戦争で得をするのはアメリカだ!!」と喚く人達も、ロシアに「早く降伏しろ」と言うべきなのですが、しかしなぜか全然言わないから不思議です。
できるだけ長い間、アメリカが得をし続ける事を望んでいるのでしょうか?
ワタシはロシア軍が一刻も早く撤退して、兵士達が家族の下に帰れる事を願っています。
戦場で何をやったとしても、プーチンの妄想で戦場で駆り出されたから自制心を喪って無茶苦茶やったわけで、そんなことがなければ健康な若者としての未来が待っていた人達なのです。
プーチンはこの人達の未来を奪い、凶悪な侵略者として死なせたことの責任を取るべきでしょう。