それは核兵器と言うのは、敵国からの攻撃を防ぐ抑止力として極めて有効だという事です。
この戦争でわかったのは、ロシア軍がこれまで考えられていたより遥かに弱い事です。 この分ならNATO軍がウクライナに加勢すれば、ロシア軍をウクライナから追い出すのは、至って簡単でしょう。
ロシア本土まで攻め込んでプーチン政権を潰すのだってあっという間かもしれません。
今回のロシア軍によるウクライナ攻撃は、文字通り絵に描いたような侵略戦争です。
ウクライナの安全はバルト三国やポーランドなど、ウクライナの隣国のNATO加盟国の安全保障に直結します。
しかもロシア軍は市民の無差別攻撃など非人道的な攻撃をしているのですから、本来であればNATO軍がウクライナ側に立って参戦するべきなのです。
米軍がウクライナを助けるために参戦し、あっという間にロシア軍をウクライナから追っ払ったら、バイデン大統領の支持率だって一気に上がるでしょう。 中間選挙近いんですよね?
この戦争でエネルギー価格が爆上げして、ガソリンが値上がりしてアメリカ人が皆ブチ切れています。 それでバイデンもとうとうシェールガス採掘を解禁しました。
でもアメリカが参戦したら、戦争の早期終結を見越して、エネルギー価格だって一気に下がるので、安心してシェールガス開発も止められて、バイデン支持者の環境団体が喜びます。
それでもバイデン大統領が「NATOは参戦しない」と言い続けています。
バイデンが、NATOが参戦しないと言い続けているのは、ロシアは世界最大の核保有国で、もしもNATOが参戦したら核戦争になる可能性が高いからです。
こうなるといくら米軍が強くても、どれほど悲惨な事になるかわかりません。
そしてロシア側はそれを見越して、再々核使用をほのめかす発言を繰り返しています。
だからNATOはウクライナを助ける為に参戦しないのです。
湾岸戦争を思い出せば、猶更違いが明確化します。
サダム・フセインがクェートを侵略すると、アメリカは速攻でイラクを攻撃しました。
しかしウクライナを侵略し、市民を殺害し続けるロシアは攻撃しません。
なぜならイラクには核兵器はなかったけれど、ロシアには核兵器があるのです。
核兵器さへ持っていれば、絶対にロシア本国は攻撃されない。
それどころかアメリカは対露戦争に参戦さへしない。
ロシアが追いつめられる心配はない。
これこそ抑止力!!
文字通り絵に描いたような抑止力ではありませんか?
逆に言えばウクライナは核兵器を放棄したばかりに、こんな攻撃を受けているのです。
ウクライナは元々ロシアに次ぐ核保有国でした。 しかしソ連から独立したときにそれを放棄しました。
同様にソ連から独立したカザフスタンとベラルーシも核兵器を放棄しました。 そして核を放棄したこれらの国々は核不拡散条約に加盟しました。
この時、核兵器を放棄したこれらの国々と、アメリカ・ロシア・イギリスがブダペストで話し合いをして、自国の安全を守る為にブダペスト覚書と言う協定を結びました。
ブダペスト覚書の内容は以下の通りです。
① ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重する[15]。
② ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する脅威や武力行使を控える。
③ ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える。
④ 「仮にベラルーシ/カザフスタン/ウクライナが侵略の犠牲者、または核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう」場合、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに支援を差し伸べるため即座に国連安全保障理事会の行動を依頼する。
⑤ ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する核兵器の使用を控える。
これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う[11][16]。
うわ~~!!
完璧に協定違反です。 ここまで無残な協定違反とはね。
④で、ウクライナが核兵器使用の脅威に晒される場合には国連安全保障理事会の行動を依頼する事になっているのですが、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが堂々の協定違反では、全く効力がありません。
勿論、ウクライナが核を放棄したのは、無邪気にブダペスト覚書を信頼しただけではないそうです。 核兵器の維持や管理、また自力での廃棄にも大変な費用と技術が必要で、ウクライナやカザフスタンやベラルーシは、自力では維持も管理もできなかったからだと言います。
しかしそれでも核兵器を放棄すれば、こんな形で侵略されても、ウクライナを助ける為に参戦してくれる国はないのです。
これはロシアからみれば大変な抑止力です。
ロシア軍の弱体化には明確な理由があります。
ロシアの国防予算は何と3兆円程で、これは日本の6割程です。
それでもロシアとすれば国民に大変な犠牲を強いて頑張っているのです。 だってロシアのGDPは韓国程度です。 そして国内にはハイテク産業など軍事技術を支える産業はなく、そういう産業を持った同盟国もないのです。
これじゃ幾ら兵士の給与等の人件費が低くても、世界第二の軍事大国の地位を維持するのは厳しいでしょう。
これで大量の核兵器を維持管理し、ウクライナ以外でもチョイチョイ、紛争に足を突っ込んでいるのです。
だから軍事予算をこれ以上増やすのもキツイし、予算だけ増やしても、ハイテク兵器の開発や導入を続けるのだって厳しいです。
こうなるとロシアは絶対に核兵器を手放さないでしょう。
だって通常兵器ではもう絶対アメリカに勝てない、それどころか日本にだって勝てないかもしれません。
それでもプーチンが安倍総理を小馬鹿にしていられたのは、結局核兵器を持っているからだとしか言えません。
これを見れば北朝鮮やイランなど、なんとしても核兵器を持ちたいという国は増えるばかりでしょう。
それにしても今回のロシアのウクライナ侵略は怖いです。
だって日本を取り巻く独裁国家の独裁者、プーチン、習近平、金正恩の三人の中ではプーチンが一番マトモで人間味がありました。
プーチンは自分の言葉で自分の自分の意見を述べる男で、あの脱炭素を馬鹿娘グレタを叱ったりなど、民主主義国家の指導者達が偽善に凝り固まった対応しかできないのと比べると、喝采したくなるような意見も再々述べていました。
だから西側でも結構人気があったし、ワタシもこの男は魅力的な悪党だと思っていました。
そのプーチンがいきなりトチ狂って、こんな侵略戦争を始めた挙句、核使用をほのめかしているのです。
これじゃ金正恩や習近平だって何をやらかすかわかりません。
一方、日本では3月28日、自民国防部会長・宮沢博行衆議院議員が、核シェアリングについてこんな事を言っています。
宮沢氏は核共有に関し、党内で議論した結果、「核を置いた時点で攻撃対象になることなどを考えると日本に核を持つ実益がない。唯一の核被爆国として核廃絶を主導する責務があるわけで、その理想、夢は絶対に捨ててはいけない」と述べ、党内の議論は終わったとの見方を示した。(自民国防部会長「核共有より拡大抑止に論点を」)
>核を置いた時点で攻撃対象になることなどを考えると日本に核を持つ実益がない。
??
これ何を根拠に言っているのでしょうか?
ロシアは攻撃されているんですか?
絵に描いたような侵略戦争を仕掛けても、通常兵力が至ってお粗末だという事がわかっても、核があれば攻撃されないのですよ。
なるほど理想や夢は美しいです。
でも理想や夢と言うの物は、実現しないから美しいのです。
政治家として国民を守る意思があるなら、現実を見てほしいです。