一読して非常に違和感がありました。
何よりこの人は理論易学者、つまり感染症の感染者数を数理的に予想する専門家なのに、このインタビューには数理的な話が一切出てこず「オリンピックをやめる事によるアナウンス効果」など効果の数理的な評価が殆ど不可能な話を持ち出して「オリンピックを中止するべき」と言い続けている事です。
このインタビューで西浦教授は、ひたすら行動制限による感染防止を呼び掛けています。
そして「オリンピックをテレビ観戦しても人流は減らない、だから中断しろ」というのです。
しかし自粛疲れによる感染拡大はオリンピック以前から始まっていた事であり、オリンピックが始まってから人流が増えたわけでもありません。
むしろ僅少ではありますが減っているのです。
そもそもスティホームと言われても、もう皆スティホームにウンザリしているのです。
そういう状態の人達をティホームさせるには、家にいたら楽しい事が必要なのです。
その点テレビのオリンピック観戦ってピッタリじゃないですか?
しかし西浦教授はそのオリンピックを中断することで、国民にコロナは危険だというアナウンスが必要だというのです。 でも自分は感染しても重症化しない事がわかっている若者達なら、オリンピックが中断されたら、家に帰ってもつまらないから帰宅途中で友達と騒ぐだけでしょう?
こういう逆効果は一切考えずに、ひたすらオリンピック中止とコロナ危機を煽り続けるのはなぜでしょうか?
この西浦教授は日本では数少ない理論疫学者という事で、昨年年初、コロナパンデミックが始まった当初は、西浦教授の活躍に大きな期待が寄せられました。
その期待の中で西浦教授が出した予想は、人流を8割削減しないと42万人の死者が出るという凄い物でした。
しかし人流の8割削減などそもそも不可能だし、42万人の死者というのも途方もない数字なので、多くの人から非難されました。
でもワタシはこの時は、西浦教授を非難するべきではないと思っていました。
なぜならこれは西浦教授が現在世界的に確立している理論疫学によって導いた数字であり、例え結果が外れてもそういう事で科学者を非難して言論を封殺するのは、学問の自由に反し、フェアではないと思ったからです。
実際同時期、世界中の理論疫学者達が、ほぼ同レベルの死者数を予想しています。 イギリスも40万人超、アメリカでは130万人の死者が出ると予想されていました。
そしてイギリスなどはこれで感染を放置して集団免疫を獲得するという方針を放棄して、厳しいロックダウンに入ったのです。
こういう状況を見れば、西浦教授の予想は理論疫学の学説に従った予想をしただけで、意図的に非常識な事を言って煽ったわけではないとしか言えないのです。
しかし幸いこの理論疫学の感染者数予想法に欠陥があったのか?それとも日本には現在の理論疫学では知られていないファクターがあったのか、西浦教授の予想は完全に外れて、現在までの死者の1万5千人で済んでいます。
だから専門家として科学者として西浦教授がやるべき事は、なぜ自分の予想がかくも完璧に外れたのか?その原因を突き止める事でしょう?
もしこれができればノーベル医学生理省に値するでしょう。
しかし西浦教授からそのような話は一切出てこず、予想が外れた後も、ひたすらコロナの危険と行動制限を煽り続けています。
というかマスコミがコロナの危険やオリンピック反対の扇動の為に西浦教授を引っ張り出して利用しているわけですが、彼はそれを理解しているのでしょうか?
因みに現在、デルタ株の発生で世界的に感染状況が変わっています。
リンク先でグラフを見てください。 デルタ株出現で感染者数死者数がこの一か月足らずでピューンっと跳ね上がっています。
こういうのを見ているとそもそもデルタ株の出現で、通常の行動制限による感染防止は不可能になったのは?と思ってしまいます。
しかしそもそも何の為に世界中の国々が行動制限を行ったのか?
それは医療崩壊を防ぐ為です。
つまりこのウィルスは高齢者など一部の免疫弱者を除いて致死率は非常に低いのですが、しかし感染症ですからあまりに患者が増えて医療のキャパシティーを超えてしまうと、助けられる人も助けられなくなります。
だから感染者の絶対数を一定以下に抑えるという事が必要だったのです。
行動制限による感染防止はその為でした。
ところがワクチン接種が進んでこの状況が、大きく変わっているのです。 ワクチンは感染を完全に防ぐ事はできないのですが、しかし重症化はほぼ完璧に防いでくれます。
それで西浦教授が理論疫学を学んだイギリスでは、ワクチン接種が進んで死者と重症者が激減したので、感染は増えるに任せて全ての行動制限を撤廃する方向に舵を切りました。 アメリカやイスラエルやシンガポールも同様の方向に進んでいます。
日本でも現在高齢者のワクチン接種率は一回目で85%、二回目でも73%まで進み、死者と重症者が激減しています。
重症化率も死亡率も高齢者は若年層に比べて20倍以上にもなりましたから、この世代が感染しなくなると、感染者数がこれまでの20倍ぐらいにならないと、死者や重症者がこれまでと同じにはならないのです。
その為、重症者病床も十分空きができている状況です。
それで東京都保険福祉局長も、東京都の福祉局長もマスコミに「いたずらに不安を煽らないで」と言っているのです。
ところが西浦教授の話にはワクチンの話も一切出てこず、また死者数や重症者数の減少も問題にせず、これまでと全く同様のレベルでひたすら感染者数の増加だけを問題にして、ひたすらなる行動制限を要求しているのです。
そしてその為には「政府はオリンピックを中止するなどして国民を脅しつけろ!!」というのです。
もう行動制限にはウンザリしている若者達、元気一杯で人生を謳歌したい人達が、こんな脅しに乗るという根拠は何でしょうか?
そもそもこれまでのような行動制限が、現在のデルタ株による感染防止になるという根拠もわかりません。
そのような西浦教授を反日左翼マスコミが反オリンピック扇動に利用しているのです。
因みに裏の桜さんが指摘されているように、このインタビュー記事を書いている記者も極めて犯罪性の高い人間です。
だからこの記者が正しく西浦教授の発言を伝えているかどうはわかりませんが・・・・・。
コロナパンデミックが始まって以降、日本の反日左翼マスコミはひたすらこれを政権打倒に利用してきました。
実は日本の死者・感染者は世界的には極めて少ない方ですが、しかしこのレベルの死者と感染者数の国としては驚くほど迅速にワクチン接種が進んでいます。
その意味では世界的に最高レベルで防疫に成功しているのです。
しかしそれでも感染者数の増加は不気味だし、行動制限にはストレスが伴います。
マスコミはこのストレスを梃に、ひたすらコロナ恐怖を煽り、オリンピック中止、行動制限の強化による経済破壊キャンペーンを続けてきました。
そして西浦教授や専門家会議の尾身博士などもこのキャンペーンに巻き込まれて利用されています。
「命が!!」「命が!!」式の恐怖キャンペーンの中では、「死者が減ったから行動制限はやめよう」など専門家と雖も言いにくいのはわかります。
彼等は学者であり、マスコミからの攻勢や反オリンピック左翼からの攻撃などへの対応などそもそも考えもいなかったのでしょう。
しかし行動制限もまた大きなリスクを伴うのです。
少なくとも日本のコロナ対策は最初はそれを踏まえて極めて冷静な対応から始まったではありませんか?
だから何とか科学者としての矜持を取り戻してほしいです。
科学の為にも、また日本と日本国民の為にも。