よもちゃんが膀胱炎をやった日に、獣医さんでお薬を10日分貰いました。
それからわたしは毎日、毎日忘れずによもちゃんに飲ませたのです。 自分の薬はチョイチョイ飲み忘れるのに、よもちゃんのお薬だけは、絶対に忘れないで飲ませたのです。
お陰でよもちゃんはあれからすっかり元気になり、快食快便の日が続いています。
しかし不機嫌なのです。
よもさん、何怒ってるのよ?
・・・・・。
何でそんなに不愛想なのよ?
何で不愛想って?
それこっちが聞きたいわ。
同居人こそ何でそんなに意地悪なのよ?
意地悪?
そうよ。
今朝、ベーコンくれなかったじゃない。
ワタシだってベーコン食べたかったのに。
だって、あんな塩辛い物!!
腎臓に悪いわよ。
だって前はくれたじゃない?
ベーコンだけじゃなくて、ニシンの塩焼きも、ボラの塩焼きもくれたじゃない。
あれ美味しかったわ。 だからもう一度食べたいのよ。
だからあ!!
あんなもの食べたから膀胱炎になったんでしょう?
獣医さんで聞かれたのよ「食べ物買えませんでしたか?」って。
それで思い出したら、あの膀胱炎の前によもさんはニシンの塩焼きとボラの塩焼きとベーコンを鱈腹食べたでしょう?
だからもうダメ!!
また膀胱炎やったら困るでしょう?
もういいわ!!
そういう屁理屈で、美味しいモノは独り占めしたいんでしょう?
違うわよ!!
よもさんが心配なのよ!!
ああ、もうホントにケチで意地悪んだから。
あのニシン、4匹200円だからワタシの猫パウチより安いじゃない? それなのに分けてくれないなんて・・・・・。
ワタシはずうっと一番安い猫パウチで満足して、無理に御馳走をおねだりしたこともないし、病気だって滅多にしないように健康にも気を付けてるわ。
それなのに同居人は、ベーコンもニシンも分けてくれないっていうのよ。
これがフェアだと思う?
ねえ、クロッカスさんどう思われますか?
よもさんは膀胱炎が再発してもいいんですか?
それに腎臓病は心配じゃないんですか?
猫は腎臓が弱くて、猫の寿命は腎臓で決まると聞きました。
よもさんは大丈夫ですか?
・・・・・・。
だって・・・・・。
よもさん、クロッカスさんの言う通りですよ。
健康であってこそ、春の美しさも楽しめるのです。
膀胱炎が再発したら、トイレのことしか考えられなくなりますよ。
マジ、相談した相手が悪かったわね。
だってクロッカスさんも桜さんも心は優しいけれど、美味しいモノが食べられない辛さなんて知らないものね。
よもちゃんはなんだか意気消沈して帰宅しました。
よもさん、どうしたの?
外で何かあったの?
何も・・・・・。
あのね。 わたしだってよもさんにはベーコンでもニシンの塩焼きでも好きなだけ食べさせてあげたいのよ。
でもよもさんももう若くないし、腎臓を悪くしたら大変でしょう?
だから心を鬼にするしかないのよ。
わかってよ!!
同居人はもともと鬼よ。
な、なによ?
だったら、よもさんは食い意地に負けて、病気になっての良いの?
そういう自制心の乏しい猫だったの?
わかったわ!!
ワタシ、我慢するわ!!
さすがよもさん!!
立派ね。
まあ、仕方ないわ。
ワタシはいつも同居人を見て「ああいう自制心のない存在にはなりたくない」と思い続けていたの。
だって同居人ったら自制心の乏しさがそのまま体重の増加に直結してるんだからさ。
あれを見て自制心の重要性に目覚めないなら、もう猫として終わっているわ。
そんなわけで、よもちゃんは何とか機嫌を治してくれました。
しかし本心は結構辛い物があるようです。
ああ、同居人は今朝もベーコンをくれなかったのよ。
そりゃワタシは自制心があるから、腎臓に悪そうなものは我慢するわよ。
でもワタシの前で食べなくてもいいじゃない?
そうですね。
それは悪かったです。
これから気を付けます。