何とも呆れた話ですが、ダイアモンドプリンセス号の姉妹船はまだ何隻も世界中でクルーズ中です。
この船は、名前からわかる通り、ダイアモンドプリンセス号と同じ会社、カーニバル社が所有運航する船です。
この船は、ニュージーランド周航中に、乗客乗員13人がインフルエンザ症状を示したので、3月19日にシドニー入港中にインフルエンザの検査し、更に習近平ウィルスの検査をしたところ、乗客3人と乗員と1人が陽性になりました。
ところがオーストラリア当局は19日に乗客全員の下船と、次の航海への出航の許可を出したのです。
その為、2700人の乗客がそのまま下船しました。 そして陽性の乗員と、新たに乗り込んだ乗客1100人がそのまま次の航海にでたのです。
3月19日にはこうした豪華クルーズ船の主要な客である欧米諸国全てで、感染が爆発が明確化し、WHOも緊急事態宣言だけでなく、パンデミックも宣言した後です。
そういう最中に、クルーズ船の運航を続ける船会社、また乗船する乗客、そして何より運航を認める政府にも驚き呆れます。
これがまたシドニーに戻ったらどうなるのでしょうか?
しかしオーストラリアは他にクルーズ船を抱え込んでいるのです。
実は同じオーストラリアのメルボルン港には3月19日からゴールデンプリンセス号が入港しています。
この船は10日にニュージーランド周航クルーズに出航したのですが、船内に習近平ウィルス感染の疑いのある症状を示す客が出たため、ニュージーランド側が下船を拒否して、19日にメルボルンに戻ったようです。
同じオーストラリア国内で、メルボルンは下船拒否して、検疫をしようと言うのに、シドニーは検査で陽性になった乗客乗員がいるにもかかわらず下船許可、更に次の航海への出航も認めるって、一体どうなっているのでしょうか?
クルーズ船の何が怖いかは、ダイアモンドプリンセス号を見ればわかります。
コロナウィルスと言うのは、インフルエンザウィルスのように空気感染するわけではありません。 感染者の唾液などの飛沫から感染します。
それでただ感染者の傍にいれば感染するわけではないけれど、大勢の人が感染者の体液の飛沫を浴びたり触ったりする条件が揃うと、大規模な集団感染を起こします。
具体的には換気の悪い場所での立食パーティ、スポーツジム、ビュッフェ、ライブハウスなどです。
ところがクルーズ船と言うのは、この全てが揃っていて、数千人が連日これを楽しみながら10~20日間過ごすのですから、最強の集団感染製造機なのです。
ダイアモンドプリンセス号の場合、16日間の豪華クルーズ中に、たった一人の感染者から712人に感染が広がりました。
このうち333人は無症状でしたが、残りは症状があり、しかもクルーズ船は別名「浮かぶ養老院」と言われるぐらいで、乗客のほとんどが高齢者である事から、多くが重症化して肺炎を起こしました。
3月22日現在では、576人が退院しましたが、今もまだ132人が入院中です。
その為、一時は横浜港に近い首都圏の第二種感染症指定医療機関の病床の殆ど全部を、ダイアモンドプリンセス号様御一行が占領してしまい、軽症者や無症状の感染者は愛知県や長野県まで搬送しなくてなりませんでした。
日本全体でも第二種感染症指定医療機関の病床は1715床しかなかったのですから。
つまり一隻のクルーズ船が、一国の医療資源を食い尽くして、医療崩壊の引き金を引きかねないのです。
それでも日本では厚生労働者が1月から、感染爆発を予想して第二種感染症指定医療機関以外の一般病院での受け入れの根回しをしいました。
だから自衛隊病院が200人余の入院を引き受けたり、開院前だった愛知県岡崎市の藤田医科大学付属病院が、やはり無症状の感染者200人余を受け入れいる事ができたのです。
またこの時期はまだ日本国内で入院中の感染者が僅少だったのです。
こうした幸運と感染拡大を予見しての周到な準備があったかこそ、大きなトラブルもなく対応できたのです。
それじゃ総人口が2600万人で、今日現在既に1350人の感染者を抱えたオーストラリアは、ゴールデンとルビーの二隻のクルーズ船の重症者をどうするのでしょうか?
オーストラリア政府が入港を認めざるを得なかったのは、オーストラリア発着と言う事で、乗客の大多数がオーストラリア人だったからでしょう。
しかしそれだと20日にルビープリンセス号からシドニーで下船した連中の大半が、オーストラリア国内で感染を広げる事になります。
そしてルビープリンセスから20日に下船組、20日からクルーズに出発した連中、そしてゴールデンプリンセスの乗客の半分がオーストラリア人だと考えても、乗客だけで1000人以上が感染して、そのほとんどが重症化して一ヶ月以上病室を塞ぐ事になるのです。
それにしてもこのルビープリンセス号とゴールデンプリンセス号が、この航海に出る前に、既にアメリカではグランドプリンセス号で大騒ぎになっていました。
ダイアモンドプリンセス号の件を、全部「日本政府が悪い!!」と言う事にして、クルーズ船は安全なんて考えるのは不可能だったはずです。
一体オーストラリア政府は何を考えていたのでしょうか?
この国の危機管理って何でしょうね?
ところでそのグランドプリンセス号ですが、この扱いも何だか無茶苦茶でした。
グランドプリンセス号がサンフランシスコ沖に到着したのが3月4日ですから、そこからスッタモンダが始まり、乗客の下船が完了したのは3月15日です。
なにこれ?
ダイアモンドプリンセス号の船内隔離期間とそう変わらないじゃん。
確かに隔離施設の用意があったのは日本より良かったんですよ。
アメリカ政府、2月1日に中国からの渡航拒否を決めた時から、在中アメリカ人7万人の帰国を想定してアメリカ各地の基地内に隔離施設を建設していましたから。
でもその隔離施設まで大勢一緒にバスに押し込んで何時間もかけて移動したり、隔離施設のトイレが壊れていて共用せざるをえなかったり(糞口感染するんですけど)、検温などの健康管理がマトモにできなかったり・・・・・。
一方隔離された方もたまらないのでしょう。
トラビス空軍基地に隔離された乗客の3分の2が検査拒否です。
そりゃそうでしょうね。
ダイアモンドプリンセス号の乗客は日本で2週間の船内隔離が終わる直前にチャーター機でアメリカに戻ったのですが、陰性の人まで全部2週間の隔離を強制されました。 しかもそれが終わった後もまだ地元の反対で隔離施設から出られないのです。
だったら隔離された側とすれば、何としても一刻も早く隔離施設から出る事しか考えませんよね?
それにしてもアメリカは検査や隔離についての法制度どうなっていたのでしょうか?
このプリンセス姉妹を所有しているカーニバル社など、アメリカには大手のクルーズ会社がいくつもあり、常に万人単位の人が乗船しているのです。
しかもクルーズ船での集団感染は以前にもノロウィルスでやっています。
そしてダイアモンドプリンセス号の件では、国を挙げて日本政府の対応を非難していたのです。
だったらクルーズ船での感染に対応できるような法の整備をしておくべきだったでしょう?
因みに日本政府はダイアモンドプリンセス号の船内隔離が終わった後、直ぐ乗客を下船させて、公共交通機関を使って自宅に帰る事を認めました。
これにつて欧米メディアは「日本は防疫の概念がない!!」と猛烈な非難をしました。
実際、この時下船した客が、後から発症した例はいくつかあります。 しかし彼等からの二次感染は未だに一例もありません。
そして現在どの国でも感染の疑いが濃厚な人でも、軽症ならば自宅待機を薦めています。
そもそもこのウィルスは、厳しい隔離が必要なほどの感染力はないのです。
つまり日本以外の国々がダイアモンドプリンセス号の乗客をチャーター機で「救出w」し、更に長期隔離したことは、乗客や一般国民に無意味な恐怖感を煽り、結局その後の感染防止への対応を難しくしただけなのです。
しかしこのグランドプリンセス号の騒動の最中に、同じアメリカで出航したクルーズ船があるのだから驚きです。
NY州知事が緊急事態宣言を出したのは3月7日ですよね?
グランドプリンセス号のサンフランシスコ~メキシコクルーズの客の中に、習近平ウィルスに感染して死んだ乗客がいる事がわかって、サンフランシスコ~ハワイクルーズ中のグランドプリンセス号がクルーズを中断してサンフランシスコに戻ったのが3月4日ですよね?
それでCDCが必死になって、サンフランシスコ~メキシコクルーズの客のトレースをしている最中でしたよね?
サンフランシスコの到着したグランドプリンセス号を、カリフォルニア州知事が入港拒否したので、食料や水が尽きる中、行く先も決まらずサンフランシスコ沖合100キロの海上で停泊をしていた時期ですよね?
その最中に同じアメリカ国内で、わざわざ同じことやるか?
な、何で早くクルーズ船の運航止めないないんだ?
アメリカの会社が運航しているんだから、アメリカ政府が止められるだろう?
こ、コイツラの危機管理って一体何なんだ?
ダイアモンドプリンセス号の問題で、なぜか日本政府は欧米諸国からボコボコに叩かれました。 そしてアジア諸国の多くや日本人の中にも、保守派の論客の中にも、それに便乗して日本政府を叩いた人が多数いました。
あの船はイギリス船籍のアメリカ船なのに!!
あの船は横浜に寄港しただけなのに!!
だから横浜に入港しても、日本政府が船内での感染防止策には何の権限もないのです。
日本政府の権限はただ検疫期間が終わるまでは、下船を認めない事だけだったのです。
それでも日本政府は人道と、そして防疫の為に極めて誠実に対応しました。
ところがなぜか欧米諸国のメディアはひたすら日本政府の対応を罵倒し、更にはアメリカCDCもその世論につられてか日本を非難し始めました。
しかしその非難は実は至って支離滅裂で、非科学的で、それどころか中世に生きる人々のような完全に迷信的とさへ言えるものでした。
だって連中は船内隔離が始まると、「隔離するのは人権侵害だ!!」と喚き、次に検査の結果から感染者が多数いる事がわかると、根拠なくこれを船内隔離の為だと言い出しました。
だったら日本政府に防疫を任せず、直ぐに出航すれば済むはずです。
豪華客船は船足が速いので、一日航海すればグアムかサイパン、4~5日航海すればハワイにつきますから、そこで直ぐに下船させるなり、完璧な隔離をすれば済む事です。
しかし連中はそうはせずに、船内隔離が終わり下船する直前になって、「救出」と称してチャーター機を寄こし乗客を連れ帰り、その後長々と隔離したのです(あれれ、人権は?)。
そして船内隔離が終わった乗客をそのまま下船させた日本政府を「防疫を理解しない」と非難したのです。
こんな連中の同調して「日本政府は危機管理ができない」と喚いた日本人って何なのでしょうね?
マジにこの習近平ウィルス対応について、今もまだ日本政府の対応を「後手後手」と非難している連中がいます。
でもだったらそういう連中はいつ何をすればよかったというのでしょうか?
そして欧米メディアが日本を叩いて大はしゃぎしている間にも、習近平ウィルスは彼等の本国で感染拡大を続けていたのです。
コイツラ、自分の家が火事になっているのに、他人の家に花火を投げ込んで、その家の家人が消火に苦労しているのを嘲笑していたのです。
それにしてもアメリカやオーストラリアの危機管理能力がここまでお粗末だったとは、想像もしませんでした。
ワタシは2月からマニアックにこのウィルスに関する情報を追っていました。
しかしそれにしても西欧先進国でここまで感染を拡大させるとは想像していませんでした。
少なくとも武漢のような医療崩壊は、途上国で独裁国家で、人民の生命に一切関心のない中国だからこそ起きる事だと思っていました。
しかし今や全ての西欧先進国が医療崩壊まっしぐらです。
現時点で所謂西欧先進国中、日本より感染者が少ないのはアイルランド・ルクセンブルグ・フィンランドだけです。
アメリカのような医療費高額の自由主義そのもの国も、医療費を全額無料にしている高福祉国家も同じです。
でも仕方ないですよね?
このクルーズ船の対応を見てもわかるけど、結局コイツラの危機管理って、完全に的外れで支離滅裂なパフォーマンスだけだったのですから。
この種はド派手なパフォーマンスは、株式や金融市場や戦争など人間を相手にする場合には、頗る有効なのですが、残念だけれどウィルスはディールにもブラフにも全く反応してくれないから仕方ありません。
オマケ
3月19日にルビープリンセス号から下船した乗客から更に130人に習近平ウィルス陽性反応がでました。
そして24日には一人が死亡しました。
>船の行き先が感染数の少なかったニュージーランドだったことから感染のリスクが低いと判断され、乗客らは検査結果が出る前に下船を認められていました。
オーストラリア政府、アタマ大丈夫?
船の行き先の感染数がいくら少なくても、船に感染者が乗り込んでいれば、船内でドンドン感染が広がる事がわからないのかい?