ワタシは実は財務省解体派です。
だから財務省福田事務次官のセクハラ騒動が報道された時は、ヤッタ~~財務省解体\(^_^)/、と思いました。
しかし少しニュースをあさると「被害者不明」という何とも不可解なものでした。
そして福田事務次官は直ぐにこのセクハラを否定しました。
それにしても被害者不詳の被害などという物があるのでしょうか?
幾らワタシが財務省解体派でも、これはオカシイと思わざるを得ませんでした。
ところが野党とマスコミは直ぐに福田事務次官の解任だけではなく、麻生財務相の辞任までも要求し始めたのです。
しかし直ぐにセクハラの証拠だとされた音声テープが、加工編集された物であり、しかも「被害者」の音声は入っていないという事がわかりました。
そしてセクハラが行われた場所が、飲み屋、キャバレーなどである可能性が出てきました。
するとマスコミには「飲み屋の女性ならセクハラしてよいのか?」という人達が出てきました。
良いでしょう?
日本は元来禁欲社会ではないので、店の女性相手にこんな会話をして、少しくらいなら体を触っても構わないというサービスをする店だって合法だし、沢山あるのです。
福田氏がプライベートタイムに自費でそう言う店に行ったのなら無問題です。
こういう店でそのホステス相手にこうした会話をしてもセクハラとは言いません。
なぜなら彼女達はこうした会話の相手をすることで給料をもらっているからです。
だから財務省としては事実関係を確認するために、このセクハラ被害者に名乗り出るように呼びかけました。 勿論被害者の人権を考慮して、財務省に直接名乗るのではなく財務省側が用意した弁護士にです。
しかしワタシはこれは何とも不可解でした。
確かにセクハラ一般にはそうかもしれません。
しかしセクハラの定義は曖昧で、そのレベルも強姦に近い深刻な物から、イヤラシイ目で見たなどと言う至って軽い物まで非常に幅が広いのです。
そして今回のセクハラはイヤラシイ事を言われたというだけの至ってレベル低い物です。
この程度の猥談は、東大卒の高級官僚がするから問題なのであって、地位も教養もないオヤジがする分には誰も気にしないでしょう。
また前記のように、ピンクサロンやキャバクラなら普通の会話です。
ところで記者と言うのは、商売柄、上品な紳士だけを相手にしているわけにはいかないでしょう?
場末のピンクサロンや、それどころか暴力団関係者にだって取材に行かなければならないのではありませんか?
そういう職業の女性が、イヤラシイ言葉を掛けられただけで精神的にショックを受けて「家族にも言えない」と言うのは大変不思議です。
そんなにお上品で繊細な、ヴィクトリア朝の貴婦人のような女性に、記者が務まるのでしょうか?
一方、麻生財務相が言うように「福田にも人権がある」のです。
一人の人間から職と名誉を奪うと言うのは、非常に重い事なのです。
もし冤罪なら深刻な人権侵害になります。
だから財務省が事実確認の為に被害者に協力を呼び掛けるのは当然です。
なるほど被害者としては、自分は被害者だから一切のリスクを取る事なしに、加害者を処分してほしいと思うでしょう。
しかし強姦や強制猥褻の被害者でも、被害者自身が被害を届け出ない限りは、犯行の存在さへ認められません。
強姦や強制猥褻の被害はセクハラなんかよりもっとずうっと人に言いにくいです。
けれども被害者が中学生でも小学生でも、被害者が被害を届け出なければ、捜査も始まらないのです。
そして警察は容疑者同様、被害者にも厳しい取り調べを行います。
一人の人間に強制猥褻や強姦の罪を着せて処罰するというのは大変なことだからです。
万が一にも冤罪で人を葬ってはならないからです。
そして哀しい事に我々人間は、神のように直ちに真実を知る事はできません。 だから被害者・容疑者の両方を厳密に調べて行く以外に真実にたどり着けないからです。
その為に容疑者だけでなく被害者にも応分の負担をしてもらうしかないのです。
これは被害者にとっては非常に理不尽に思われるでしょう。
しかし無実な人が容疑者として取り調べを受けのはもっとずっと理不尽なのです。
けれども無実かどうかは取り調べをしなければわからないから、その理不尽に甘んじてもらうしかないのです。
これが冤罪を防ぎつつ、犯罪を処罰する為、人間にできる唯一の方法なのです。
セクハラには刑事罰はありません。 しかしセクハラ加害者とされれば、職も名誉も喪い社会的に抹殺されます。 家族も大変な思いをします。
セクハラ冤罪でも加害者は深刻な人権侵害を受けるのです。
だから福田氏をセクハラで処分するなら、まずその前に事実確認をするのは当然のことです。
麻生財務相の言う通り「福田にも人権がある」のですから。
ワタシがここで不可解だったのは、こうしてひたすら財務省を非難している連中の対応です。
彼等は福田氏には人権がないと思っているのでしょうか?
彼等はセクハラの風評が出たら事実認定もなしに処分せよというのでしょうか?
因みに今回の福田氏のセクハラはあくまで風評です。
福田氏のセクハラは一週刊誌の記事と、そこが公表したテープ以外に何の実態もないのです。
しかもこの種の週刊誌はこれまで何度も、捏造報道や誤報で人権侵害を行っています。
この後テレビ朝日が「被害者」は自社の記者と言い出したものの、未だに被害者自身は福田氏を告発してないからです。 これでは「被害者」が実在するという事さへ認定できないのです。
過去の冤罪は被害者の証言を重視して証拠を軽視した事で起きたのですが、「被害者」の証言どころか、被害者から告発さへもないのです。
こんないい加減なセクハラの風評だけで人を陥れる事ができるとは、あまりに恐ろしい社会です。
もし彼等がそれほど福田氏のセクハラに確信を持ち、彼の処分を望むなら、自分達が被害者の代理人になると申し出ればよいではありませんか?
幸い福田氏処分を要求している野党には弁護士や元検事の女性議員が多数います。 また女性弁護士達も多数財務省に抗議しているのです。
彼女達が「私達が被害者の代理人となって財務省と交渉して事実確認を行います。 被害者のプライバシーは完全に守ります。 だから被害者は私達のところに連絡してください。」と言えば良いのでしょう?
そうすれば被害者が直接財務省と対決させれらる事もなく、またプライバシーも守ったまましかものセクハラについての事実確認ができるはずです。
しかしなぜか野党からもまたこれら女性弁護士からもそういう提案はありません。
こうなるともう彼等には最初から冤罪被害を防ぐ意思は皆無、容疑者の人権を守る事の重要さ一切理解してないとしか思えません。
或いは野党にはそもそも何一つ現実的に対応する能力がないという事でしょうか?
こうしてワタシが呆れていると、事件は更に奇妙な展開になりました。
テレビ朝日がこの「被害者」は自社の記者だと申し出たのです。
そして自分達も被害者だとして、財務省に抗議しました。
しかしこれにはまた呆れました。
もし自社の記者が取材先でセクハラを受けたのなら、まずはその記者を担当から外したうえで、自社として相手側に抗議するべきでしょう。
それをしなかったのですから、テレビ朝日もまたセクハラの加害者なのです。
そしてもしこの「被害者」が本当にセクハラに憤っているなら、セクハラを放置した上司とのやり取りも録音して週刊誌に持ち込むべきではありませんか?
「被害者」は福田氏には憤っても、福田氏のところに自分を差し向けて、自分のセクハラ被害を隠蔽し続けた上司とテレビ朝日には憤らないのでしょうか?
しかし翌日にはさらなる珍事がおきました。
なんと翌日には民進党がこの「被害者」の実名の出た動画を配信してしまったのです。
民進党は被害者の実名がわかるとセカンドレイプが起きると言っていたのですが、民進党がそのセカンドレイプを扇動したのです。
実際これを皮切りに、「被害者」の写真や動画がドンドンネットに出てきました。 しかもその動画をテレビ朝日が削除し続けたので、この「被害者」で間違いないという事を確認してしまったのです。
もし民進党がホントに「被害者」の人権に配慮する政党なら、記者会見中に彼女の名前が出たところで、すぐ動画配信を止めて、一旦動画を削除するべきでしょう。
ところが彼等は平気で動画を配信してしまいました。 そしてネットに被害者の実名だけでなく写真や動画が溢れるようになってから、漸く気づいて動画を削除したのです。
しかし大変不思議なことに、これまで「被害者に名乗り出ろという財務省はケシカラン!!」と言っていた自称人権派からこうした民進党の対応を非難する声は聞こえてきません。
だったら彼等は一体何のために財務省を非難していたのでしょうか?
つまり彼等は福田氏の人権だけでなく、「被害者」の人権も実はどうでもよかったのです。
彼等はただ麻生財務相を辞職させたくて、その為に福田氏をリンチにかけようとしていただけだったのです。
こういう連中に対して「福田にも人権がある」と言った麻生財務省は、本当に立派だったと思います。
麻生財務相にはいろいろ批判もありますが、しかし彼は少なくとも「あいつを吊るせ!!」と喚く暴徒の群れに、断固として立ち向かう意思と勇気があるのです。
だから麻生さんには人望があるのでしょう。
今世界中で起きているMe Too騒動を見ればわかります。
どんなに立派な法があり人権擁護規定あっても結局、人権を守るのはこうした個人個人の勇気と良識なのです。
それが希薄だとあのMe Tooのような魔女狩りが起きてしまうのです。 逆に言えば欧米諸国が「人権」という言葉に執着するのは、こうした魔女狩りを何度も繰り返してきたからでしょう。
彼等は古来常に正義や人権の名においてこの手のリンチを行い、事後には大仰にそれを反省するのですが、しかしまた直ぐに同様のリンチを行うのです。
彼等は常に正義と人権で暴走しているからこういう事になるのです。
これは人通りの多い道を猛スピードで暴走する車が、人を撥ねる度に慌ててハンドルを切りってまた別の人を撥ねると同じです。
人を撥ねないためには、ハンドルを切るのではなく、暴走をやめるべきなのですが、しかし彼等はそれがわからないのです。
哀しいですね。