これは君主論の中で、マキャベリが君主の統治について述べた言葉です。
マキャベリは言うのです。
君主が人民を統治するにあたって、愛されそして怖れられたらそれが理想だけれど、両方が無理なら愛されるよりも、むしろ怖れられた方が安全である。
なぜなら人間は利己的で偽善的な者なので、利益が亡くなれば離反する。 しかし君主を怖れている人達はそのようなことはしない。
このようなマキャベリズムは安定した現代の日本のような民主主義国家にいると、ピンときません。
な、何でこんな酷い事言うの？
愛を信じないの？
と思ってしまいます。
しかしワタシはこれ対韓国外交では、全くその通りだと思う農です。
韓国は二股外交を続けています。
今回は朴槿恵が、THAADの配備に同意しましたが、しかし韓国内に反対意見が強く、ホントに配備できるかどうか、わからない状況です。
韓国はその前にアメリカのミサイル防衛網MD配備は拒否しています。
元来、韓国防衛に必要なTHAADやMDに何で韓国が反対するのか？
それは韓国内の親北朝鮮反米勢力が強い事も問題ですが、それ以上に中国が怖いからです。
韓国のTAHHD配備に対して中国は強硬に反対し、経済制裁を行うと言い出しました。
■環球時報が中国政府に建議した「5つの対韓制裁」
（1）THAAD関連企業の製品の輸入禁止
（2）配備に賛成した政治家の入国禁止と、そのファミリービジネスの中国展開の禁止
（3）THAADにミサイルの照準を合わせるなどの軍事的対応
（4）対北朝鮮制裁の再検討
（5）ロシアとの共同の反撃
これは環球時報の提言ですから、中国政府の公式発表ではありません。 しかし環球時報って中国共産党の新聞ですから、ここにこのような「提言」が掲載されると言う事は、この提言が中国政府に採用される可能性は非常に高いのです。
それでなくても韓国政府のTHAAD配備決定以降、中国では韓流ドラマや芸能人が締め出されたり、韓国製品の輸出にトラブルが起きたり、事実上の経済制裁が始まっています。
元来TAHHD配備は韓国の国防上の問題で、幾ら中国にとって好ましくなくても、経済制裁などできる話ではありません。
そして普通の国なら、こうした政治上の問題で、民間の経済活動に制限を加えると言うのは、そう簡単にはできない事です。
しかしTHAADに限らず、中国は普通にこれをやります。
日本もレアメタルの輸出禁止とかやられましたし、また中国の官制反日デモで中国に進出した日本企業が大損害を受けた事がありました。
日本だけではありません。
ノルウェーは中国の民主活動家にノーベル賞を与えたと言う理由で、中国に鮭が輸出できなくなったり、フィリピンが南沙諸島の領有権問題で、バナナを輸出できなくなったり。
本来バナナも鮭も中国の民間企業が輸入契約を結んだものです。 それが輸入できなくなると、その民間企業が大きな損害を被ります。
だから普通の民主主義国家では、こうした経済制裁をするには、議会の承認など一定の手続きが必要です。
でも中国は独裁国家なので、自国の民間企業の損害なんぞ知ったことじゃない！！とばかりに即断即決で、こうした制裁を行います。
また中国政府が制裁しなくても、地方政府や企業側が「中央政府は韓国嫌いアル」と言う空気を読んだら、それで自分達の権限の許す限りの嫌がらせを始めます。
更に中国の一般人民までが、不買を始めます。
例えば韓国化粧品はこのTHAAD問題で、一期に売上を減らしたそうです。
これは中国への経済依存度が高い韓国にとっては致命的です。
中国は怖いのです。
ワタシは韓国の外交を一番的確に解説しているのは、鈴置高史氏の「深読み 早読み 朝鮮半島」と言うコラムだと思うのですが、しかしそのコラムの中で繰り返し鈴置氏が述べています。
韓国人は中国は大嫌い。 でも恐ろしいので逆らえない。
韓国は中国が恐ろしくて仕方がないのです。
確かにこうした中国の暴力的な対応を見ていれば、怖いのはわかります。
日本の財界人だって中国は怖いでしょう。
日本だけでなく世界中の財界人、特に中国関連ビジネスに資本や人を投下した人は、中国が怖くて堪らないでしょう。
何しろ中国は工場や市場だけでなく、中国に駐留する社員を人質に取るような事まで平気でやるのですから。
只多くの国々は、こうした中国を見て「ああ、この国はマトモじゃない。 こんな国にこれ以上資本を投下したらイケナイ。 工場だって早く引き上げるべきだ。」と、思うようになり、それを実行し始めているのです。
海外からの中国への資本投下は、この数年減り続けているのですが、それは現在紛争中の南シナ海や東シナ海の問題だけでなく、それ以前から中国政府がこの手の無茶苦茶をやり続けた結果でしょう。
しかしそれでも中国から離れられなかったのが韓国でした。
韓国はこれまでこうした他国の問題では、常に中国側に立つことによって、このような嫌がらせを免れてきました。
それどころか日本に対しては、中国と一緒に嫌がらせをしていたのです。 それも大喜びで。
そしてドンドン中国経済に深入りして行きました。 挙句にプーチンと朴槿恵が天安門に並んで、人民解放軍の軍事パレードを見物し、それを韓国のマスコミが大喜びで報道すると言う、アメリカの同盟国としてはあり得ない事までやったのです。
韓国はこのまま米韓同盟を捨てて中国の属国になるのか？
殆どここまで行きました。
それにしても何で？
なるほど韓国経済は貿易依存度が高く、とにかく韓国製品の輸出先を確保しなければなりません。
その意味では中国への依存は、ある程度仕方ないとは言えます。
しかし逆に言えばそれだからこそ、政治問題で簡単に経済制裁や嫌がらせをするような中国への深入りは自制するべきだったのでは？
そして経済を人質にされているからこそ、軍事面ではアメリカの保護が必要なのでは？
もしこれでアメリカが韓国を見捨てたら、中国は韓国に何をするかわかりません。 中国の横暴から韓国を保護してくれる者は何もなくなるのです。
ところが韓国はドンドン中国に引き寄せられていったのです。
これはもう鈴置氏が言うように「韓国は中国が怖い」からとしか言いようがないのです。
長い歴史の中で、韓国は日本なんかより遥かに中国の怖ろしさを経験しているのです。
だから中国は大嫌い。
でも、恐ろしいから逆らえないのです。
これに比べたらアメリカは全然怖くないです。
韓国の歴史認識では日本の朝鮮統治は悪魔のように恐ろしく、多くの朝鮮人が虐殺され、朝鮮の富は収奪され尽くしました。
で、このような歴史認識からすれば、その日本を倒し朝鮮を解放してくれたアメリカにはどんなに感謝をしても足りません。
しかし韓国は全然アメリカに感謝していません。 朝鮮独立運動なんて架空の話を持ち出して、アメリカの功績を消してしまいました。 架空の弾圧だから、架空の独立運動だって仕方ないのですけどね。
でも朝鮮戦争は事実でしょう？
アメリカは朝鮮戦争で5万人もの若者を犠牲にして、韓国を守ったのです。
もしアメリカが助けてくれなかったら、今頃韓国は金正恩に支配されていたでしょう。
韓国だってそれがイヤだから、今も世界有数の苛酷な徴兵制を実施して対北朝鮮防衛に励んでいるのでしょう？
そしてそれを全面的に助けてくれているのが、アメリカなのです。
でも韓国人はこれも感謝していないのです。
それどころか韓国での反米運動は日本以上に過激です。
何でここまで親切にしてくれたアメリカに感謝せずに、大嫌いな中国に引き寄せられるのか？
それはつまりはアメリカは中国程恐ろしくないからでしょう。
確かにアメリカは中国に比べて遥かに強大な軍事力も経済力も持っています。
しかしアメリカは中国のような無法な経済制裁はしません。 勿論民間人を無法に拘束して人質にとるような事もしません。
そしてホントに韓国を助けてくれるのです。
だから韓国人はアメリカが大好きです。
だから財閥オーナーや大統領の親族から売春婦まで、無数の韓国人が何とかアメリカへ移民しようとしています。
でもマキャベリが言うように「人間は利己的で偽善的な者なので、利益が亡くなれば離反する。」のです。
個人としてはアメリカ移民は利益になりますが、国家としては経済関係の利益は中国の方が大きくなりました。
そして中国は怖ろしいのです。
中国は怖いニダ。
逆らったら何をするかわからないニダ。
でもアメリカは逆らっても、経済制裁とか無茶苦茶はしないニダ。
だったら中国とアメリカが揉めたら、中国に着くニダ。
ウリが中国を怖がっているの知っているから、アメリカだって許してくれるニダ。
結局これが韓国の心情でしょう。
さらに言えば、日本はアメリカ以上に怖くありません。 韓国は日本を舐めきっています。
だから言いたい放題、やりたい放題です。
中国に苛められたストレスを、日本への嫌がらせで解消しているんじゃないかと思える程です。
でも日本とすれば対中国包囲網を作る都合上、アメリカに協力して対韓大甘外交を続けるしかないのです。
しかしマキャベリに言わせれば、これは間違っているのです。
韓国が中国に引き寄せられるのは、つまりは日米共に「愛されるより怖れられよ」と言う統治の根源を理解しないからです。
少なくとも韓国と言う国には飴よりも鞭の方が、有効なのです
韓国を中国側に行かせない為には、常に鞭で叩き続ける事が必要なのです。
事実、歴史を学べば韓国の統治者も、また中国が朝鮮を支配する場合も、常に鞭を使用してきたではありませんか？
鞭以外を使用した事はないではありませんか？
韓国人と言うのは、犬肉を食べるのに「苦しませた方が味が良くなる」と言って、犬をなぶり殺しにして食べる民族なのです。
こんなおぞましい民族を統治するのには、「鞭」しかないでしょう？
「鞭」を振るえないないら、韓国を同盟国として確保する事は不可能です。
でも民主主義国家であるアメリカにはそれはできないでしょう。
だからワタシは早晩、韓国は米韓同盟を捨てて、中国側に着くと思っています。
中国が早晩崩壊しない限りは・・・・。
今回日本政府は日韓通貨スワップ再開の協議の検討を始めましたが、韓国への善意は絶対に善意として帰らない事は覚悟するべきです。
そして韓国がいずれ米韓同盟を捨てる事も覚悟するべきです。
その上で日韓通貨スワップが、日本の国益になるかどうかを考えるべきなのです。
