fc2ブログ

2015-02-16 18:24

日韓通貨スワップ打ち切り?雑感

日本政府、日韓「通貨スワップ協定」を延長しない方針固める

日本と韓国が、緊急時に通貨を融通しあう「通貨スワップ協定」について、日本政府が、延長しない方針を固めたことがわかった。
日韓関係の悪化が影響したものとみられる。
日韓両国は、国際金融市場が混乱したときなどに、通貨を融通しあう「通貨スワップ協定」を結んでいる。
2011年には、韓国通貨ウォンの急落などを受け、融通枠を700億ドルに拡大したが、その後、枠は縮小され、残った100億ドル分は、2月23日に期限を迎えることになっていた。
政府関係者によると、韓国側は、日本への融通枠の引き上げを提案し、延長を求めていたが、日本政府は、期限を延長しない方針を固めたという。
通貨協定が途絶えることで、両国関係の冷え込みが強まる可能性もあり、経済や外交面への影響が懸念される。


2015y02m16d_183327381

 日韓スワップ協定打ち切りの記事は他でも沢山出ていますが、しかしなぜか他のソースでは、上記の記事の赤字部分を報道していませんでした。

 日韓スワップはアキヒロの竹島上陸以来、期限切れが来たものが次々と打ち切りになって、この最後の100億ドルになりました。

 しかし今までは日本側が「韓国からの要請が無い限り延長しない」と言ったのを、韓国側が延長要請しないかったので打ち切りになったのです。

 ところが上の記事では、「政府関係者によると、韓国側は、日本への融通枠の引き上げを提案し、延長を求めていたが、日本政府は、期限を延長しない方針を固めたという。」とあります。

 だから今回は日本政府は韓国から要請にも関わらず延長を拒否したことになります。

 でもホントでしょうか? いままで他ではこれは他では報道がありませんでした。

 ところが今日WSJでこんな記事が出ました。
 
2015y02m16d_183024843

日韓通貨スワップ協定、延長が望ましい=韓国政府高官
2015 年 2 月 16 日 14:15 JST
 
 韓国は、来週23日に期限を迎える日本との100億ドル規模の通貨スワップ協定の延長を望んでいる。韓国企画財政省のソン・インチャン国際金融局長が16日、ウォール・ストリート・ジャーナルの電話インタビューで明らかにした。足元では、韓国との関係が冷え込んでいることを理由に、日本側は同協定の延長に消極的との観測がある。

 ソン局長は、韓国の外貨準備高は3600億ドルを超えるため、この100億ドルというスワップ枠は「大きな額ではない」と述べた。

 ソン局長は「必要に迫られているわけではないが、この協定は両国が今後も続けるべき二国間協力を象徴するもの」だとし、「可能であれば通貨スワップ枠を維持することが望ましい」と述べた。

 ソン局長は、日韓当局による通貨スワップ協定延長の是非をめぐる交渉は最終段階にあり、近いうちに結果が発表されると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 日韓が最初に通貨スワップ協定を締結したのは2001年で、スワップ枠は最大で700億ドルまで拡大された。だが、1910年〜45年の韓国併合をめぐるさまざま対立で両国関係が悪化し、現在は100億ドルまで縮小されている。

 週末には、韓国から通貨スワップ協定の延長要請がない限り、日本は同協定を終了させることを検討中だと報じられた。

 小国で開放経済を導入している韓国は、不安定な海外資本の動きに翻弄(ほんろう)されやすい。急激な海外資本の流出に見舞われた1997年と2008年の2度にわたり通貨危機を経験している。

 韓国はこれとは別に、中国との間で64兆韓国ウォン・3600億人民元規模の通貨スワップ協定を維持している。


2015y02m16d_183217017

 日本政府が14日既にスワップ打ち切りの方針を発表しているのに、16日に韓国政府の国際金融局長がWSJのインタビューで「韓国は、来週23日に期限を迎える日本との100億ドル規模の通貨スワップ協定の延長を望んでいる。」と明言したのです。

 スワップ協定が必要に迫られる状態であることが世界の金融市場に知られると、それだけキャピタルフライトの原因になるので、幾ら必要に迫られても必要とは言えません。

 しかしこうして日本側が既に「延長しない」と発表して、それが広く報道されている状態でなを、「延長を望む」と言うのは尋常ではないです。 しかもそれを日本の交渉担当者にではなく、アメリカのメディアに言うのですから。

 普通に考えると、これはもう韓国側の国際金融担当者が、本当に切羽詰って殆ど泣きそうになってるんじゃないでしょうか?

2015y02m16d_183200395

 理由はわかります。

 なにしろ韓国の沢山ある事になっていると言う外貨準備は、殆どが怪しいハイリスク金融商品で簡単に売ってドルに換えることができません。

 更に韓国が日本以外にスワップ協定を結んでいる国々は、中国・インドネシア・マレーシアなどで、その国の通貨とウォンのスワップで、イザとなってもドルにはならないのです。

 ちなみに韓国は昔はアメリカともスワップ協定を結んでいたのですが、そこで得たドルを為替介入に使って、アメリカから愛想を尽かされてスワップ協定を結んでもらえなくなりました。

 こうなるとまとまってドルを工面してくれそうな国は日本しかないのです。

2015y02m16d_183248161

 その上今は韓国はウォン高に苦しんでいます。 ウォンを下げるには為替介入するか、金融緩和をするしかありません。

 しかし今の韓国はヘタにウォンを下げると、キャピタルフライトが起きて、また経済破綻に追い込まれる可能性があります。
 それを防いで金融緩和をするには、いつでも十分なドルをゲットできる保障が必要です。
 
 その保障が日韓通貨スワップなのです。

 韓国は2011年に民主党政権から700億ドルの通貨スワップ協定を取り付けて、それをネタにウォン安政策を断行しました。 それで韓国の輸出企業は大いに潤ったのですが、競合する日本企業は大変なことになりました。

 そうやって日本企業が苦しんだお返しが李昭博の竹島上陸と天皇陛下侮辱発言でした。

 だから韓国としてはもう一度スワップ延長を切望しているのはわかります。

 でも日本だって学習しました。
 それにスワップの延長やまして枠の拡大って、首脳会談もせずに決められるような事じゃないのです。

 それを日本政府が延長打ち切りの意思を発表してから覆すってあり得ないでしょう?

2015y02m16d_183304660

 それにしてもこんな事書いていて自分でも驚きます。

 ワタシは元来三流工科大学卒で、金融の事なんか全く興味もありませんでした。 この世に通貨スワップなんてモノがある事さへ近年まで知らなかったのです。

 けれども韓国絡みでスワップの話が繰り返しネットで話題となったので、それを読むうちに知らず知らずにイロイロなことを覚えたのです。

 通貨スワップだって昔日経取っていた頃には、書いてあったのかも知れません。
 でも普通に新聞で読んでも全然わかんないんですよね。 元々金融に知識がないので、説明を読んでも全然イメージが湧かないのです。

 しかし我が尊敬するご隠居さんはじめ、他の博識なブロガーや2チャンにカキコを見ていると、記事の影に「アイゴー!!」と泣き叫ぶ韓国の姿がありありと浮かびます。

 そうなると大変難解なスワップが、まるで命を持った生き物のように明瞭に感じられるのです。

 日本は韓国以外にも多くの国々とスワップ協定を結んでいますが、しかしこれで韓国のようにミットモナク騒いでくれる国は他にないのです。 
 
 だから我々低学歴ネトウヨがスワップなどに関心を持ち、楽しんで理解できるようにしてくれる国は韓国以外にはありません。

 皆さんだってそうでしょう?
 軍事・経済・国際関係に関して韓国を通じて学んだ事は沢山あるでしょう?

 だから韓国にはこれからもこの路線で頑張ってもらいたいと思います。 
  1. 特亜
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2015-02-16 16:36

曽野綾子アパルトヘイト騒動

 産経新聞の曽野綾子氏のコラムが、アパルトヘイトを肯定したとか言って、エライ騒動になっているようです。

 それでこんな街宣をする連中が出たようです。

2015y02m16d_153214778.jpg

 安倍首相の元アドバイザー「人種隔離政策のススメ」 産経新聞社前で抗議 

 有志たちが、きょう、産経新聞本社前で抗議の声をあげた(主催:憂国我道会、徹通塾)。民族派の主催だが、リベラル系左派も参加した。

 別の男性(22歳)は『田中龍作ジャーナル』のインタビューに「曽野綾子を保守の論客と紹介するのは間違い。アパルトヘイトは保守の伝統ではない」と答えた。

 選挙では共産党に投票するという男性(神奈川県在住・40代会社員)は次のように話した。

 「単なる機械の代わりとして入れて、自分たちとは別の所に住まわせてというのは諸々の災いになる。暴力の呼び水になる。昔のアメリカやアパルトヘイトと同じだ。21世紀にもなって・・・」。


 
 それにしても薄汚い人達ですね。 街宣は人前にでるのだから、少しは身なりを整えたら良いのに。 傍に行くと悪臭がしそうです。
 これじゃホームレス利権を要求するサヨク団体と間違われてしまうでしょう。

 それにしてもこの記事を書いてる田中龍作氏は、こんな少人数の聞いたこともない団体の街宣予定をどうやって知るのでしょうか?

 とても不思議です。


 ところで騒動の元になった曽野綾子さんのコラムってこれです。

e916fd95.jpg

 海外メディアまで「アパルトヘイト肯定」と言うから、どんな事を書いてあるかと思ったら、南ア政府がアパルトヘイトを止めた後で現実に起きた問題を紹介しているだけなのです。

 この曽野綾子さんと言う人は、良くも悪くも所謂知識人や言論人の尊崇する理念や道徳には囚われずに、現実の問題をハッキリと言う人なので、移民の問題でもこのように現実的な意見を書いたのでしょう。

 常に現実よりも理念先行で、「アパルトヘイト絶対悪」と言う発想しかない人間からすれば、アパルトヘイトを止めた事で問題が起きなどと言うことは、絶対認められないのでしょう。
 
 だから曽野綾子さんの真意が何であれ、曽野綾子さんがこの問題を明記したこと自体が許せないのでしょう。

 そしてそれは南ア政府がその典型です。
 南ア政府はこのコラムの件で、曽野さんと産経新聞に抗議したそうです。
 
 南ア政府はアパルトヘイト禁止を目標に黒人政権を作ったのですが、しかし現在の所治安の悪化や生活環境の悪化に関して言えば、アパルトヘイト禁止の理念は全然上手く行かなかったのは明白なのです。

 だからこそ何が何でも曾野さんのコラムような言論には、抗議して黙らせたいのでしょう。

 でも幾らアパルトヘイトが倫理的に悪でも、それを理由に現実に起きている問題を黙殺しても、人種差別はなくなりません。

 曾野さんをアパルトヘイト肯定のレイシストと非難する人々が、黒人が一杯で水道が使えなくなったマンションに喜んで移住するんだったら別ですよ?

 でもそれをしないで自分は黒人など絶対に入ってこない所で暮らして、曾野さんを非難するんだったら悪質な偽善者でしょう?

 そしてそういう偽善を続けてたら人種差別なんか絶対になくらないのではありませんか?

 アパルトヘイトが幾ら悪でも、それを止めた事によって問題が起きているなら、まずその問題がある事を認めない限り、問題は解決しません。
 
 人間はゴミが散らかっているのを認識して、初めてゴミを片付けるのです。

073

 今回の騒動はどうやら朝日がお得意の放火をしたことで、世界中のマスゴミに曾野さん=アパルトヘイトの騒動になったようです。

 ここで騒いでいるマスゴミ各社の南ア特派員は、黒人住民一杯のマンションに住んでいるのでしょうか?

 彼等が何の為にこうした放火を繰り返すのでしょうか?

 彼等の目的が何であっても、こうした騒動は結局人種差別の解消にはマイナスにしかならないでしょう。
 
  1. レイシスト
  2. TB(0)
  3. CM(18)

2015-02-15 14:22

女帝の肖像画 メルケル

 メルケル首相は執務室に非凡な才能と旺盛な行動力によってロシアの「啓蒙専制君主」として君臨した女帝エカテリーナ2世(1729~96年)の肖像画を飾っている。

 ドイツのメルケル首相は、今や「世界の首相」「欧州の女帝」と呼ばれているそうです。
 しかし執務室にエカテリーナ2世の肖像って・・・・・?

 メルケル首相は確か人妻で、ご主人はフンボルト大学の物理学の教授だったはずです。
 ご主人は妻がこんな女帝の肖像を執務室に飾っている事をどう思っているんでしょうか?

020

 だってエカテリーナ2世は、夫殺しです。

 エカテリーナ2世は実はメルケルと同じ、現在はポーランド領で第二次大戦前はドイツ領だった、ポンメルン出身です。
 エカテリーナの父親はこのポンメルンの小貴族でフリードリッヒ大王の臣下でした。
 
 そして大王の意を受けて、ロシア皇太子ピョートルに嫁いだのです。

 しかしこのロシア皇太子は一種の異常人と言うか、発達障害でもあったのか、皇帝に即位すると無能をさらけ出します。
 その為これを危惧した臣下達がエカテリーナと、クーデターを起こしてピョートルを幽閉し、エカテリーナは帝位を簒奪しました。 
 そしてピョートルはその後間もなく獄中で暗殺されました。

 このようにしてロシア女帝になったエカテリーナですが、しかし君主としては大変有能でした。
 現在問題になっているクリミアと西ウクライナをロシア領にしたのも彼女です。

 またヴォルテール等啓蒙思想家のパトロンになり、啓蒙専制君主としての評価を得ます。 そしてそれまで西ヨーロッパの国々からは一段低い野蛮国と見られていたロシア地位を、ヨーロッパの一流国に押し上げました。

 彼女には多くの愛人がいました。 しかしこれらの愛人に政治に口を出させるような事はしなかったようです。

 だから彼女は今もエカテリーナ大女帝と呼ばれて、ロシア史上有数の名君とされています。

021

 それにしてもエカテリーナはそもそもロシア生まれでも、ロシア人の血も引いていない、純粋なドイツ民族なのです。
 だからメルケルだってエカテリーナの肖像を飾るのでしょう。
 
 このドイツ女がロシア皇帝を殺して、帝位を簒奪してロシアに君臨したのです。

 だからメルケルがエカテリーナ大女帝の肖像を飾っている事に関しては、プーチンだってビビっていかも知れません。

031
 
 ちなみにエカテリーナ2世と同時代に、君臨したもう一人の女帝マリア・テレジアもドイツ民族です。

 マリア・テレジアもまた啓蒙専制君主として優れた業績がありました。 しかし夫殺しのエカテリーナとは対照的に、相思相愛の夫と幸福な結婚生活を全うしました。

 メルケルもご主人の心情を考えて、執務室に飾るのはマリア・テレジアの肖像にしたら? 
 
 と思うけれど、同じドイツ民族でも、メルケルやエカテリーナのような北ドイツでプロテスタントのドイツ民族と、南ドイツやオーストリアのようなカソリック圏のドイツ民族では、随分気質が違うようです。

 気質が違うだけでなく、北ドイツの人達は南ドイツよりも、むしろデンマークやノルウェーなどの文化的な親近感を持っていると言います。 
 
 そして南ドイツの人達は、北ドイツのドイツ人よりは、オーストリアの方に親近感を持つと言うのです。

046
 
 EUやユーロもこう言うヨーロッパの事情があってできたのでしょう。
 
 だからメルケルは第二のエカテリーナ大女帝を目指しているのでしょうか?
  1. ヨーロッパ
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2015-02-14 13:22

中国は卵を立てられなかった

 短足おじさんがタイにある博物館を紹介しくれました。

 嵐で沈んだ中国船(ジャンク)を復元展示した博物館です。 船内の様子や積荷が良くわかるようです。

 古くから中国で使われたジャンクは、見かけは鈍重ですが、しかし船として大変優秀でした。

2015y02m14d_115435131.jpg
 
 船体中央を支える構造材である竜骨(キール)が無く、船体が多数の水密隔壁で区切られていることによって、喫水の浅い海での航行に便利で耐波性に優れ、速度も同時代のキャラック船・キャラベル船・ガレオン船と比べ格段に優った。

 帆船の性能を見る目安に、風上への航行能力、所謂切り上がり性能があります。
 ところがこれもまた優れていたのです。

 また、横方向に多数の割り竹が挿入された帆によって、風上への切り上り性に優れ、一枚の帆全体を帆柱頂部から吊り下げることによって、横風に対する安定性が同時代の竜骨帆船と比べ高く突風が近づいた時も素早く帆を下ろすことを可能にしている。この二つが大きな特徴である。 

2015y02m14d_115611634.jpg

 有名な鄭和の航海にもこのジャンクが使われました。 この時の使われたジャンクについても、短足おじさんが紹介してくださっています。

 鄭和の宝船の大きさ

 全長150m!! 現在のイージス艦並みの巨大船だったのです。

 鄭和の航海は1405年から1433年までの間に7回の航海をしています。 
 
 ヨーロッパの所謂大航海時代はこれより遅れて、コロンブスのアメリカへの航海が1492年、ヴァスコダ・ガマの喜望峰回航が1497年、マゼランの世界一周は1519~1522年です。

 ヴァスコダ・ガマのサン・ガブリエル号もコロンブスのサンタマリア号もマゼランのビクトリア号も、キャラックでした。 
 キャラックは甲板が高く頑丈なので、海賊に襲われたときの防御力は高く、大砲を積むのにも良いのですが、しかしこの為船体自体が、大きく風を受ける事になります。

 その為ジャンクに比べたら、切り上がり性能も、操船性も、速度も劣り、強風下では制御不能になって沈没する原因になりました。

 しかし中国には船の性能だけでなく、長期航海には優れた技術・・・・習慣と言った方が良いモノがありました。

 ヨーロッパの帆船の食糧は、塩蔵した肉類と豆類とチーズ、そしてカチカチに焼いたパンぐらいしかありませんでした。 長期間保存できる食品がそれぐらいしかないので仕方ありません。

 その為航海が数か月に及ぶと、ビタミンCの欠乏による壊血病が蔓延する事になります。 ヴァスコダ・ガマの航海では壊血病が続出しました。

 この問題が解決したのは1766年のキャプテン・クックの航海以降です。

 キャプテン・クックの航海は当時未知だった南半球の地理的調査や、航海術の技術革新の為の実験を行う、一種の学術実験航海でした。
 そしてオーストラリア大陸の発見や、経度問題の解決など多大な成果をあげました。

 この航海では壊血病対策も試みられました。 つまりライムやレモンのジュースを持っていき、それを毎日船員に呑せたのです。 このジュースは腐敗や発酵防止の為、大量の砂糖を入れてありました。

 これが成功したため、以後長期航海には、ライムやレモンのジュースを持っていく事が常識になりました。

 ところが中国では昔々からもやしを食べる習慣がありました。 それで航海中も豆をもやしにして食べていたのです。
 豆がもやしになると、ビタミンCができるので、もやしを食べていれば壊血病にはならないのです。

 こうしてみると近代以前は、中国の方がヨーロッパよりも、航海に関しては遥かに進んでいたと言えます。 実際、鄭和は大航海時代以前に、208隻なんてあり得ない程の巨大船団を率いてインド洋を超えて、アフリカ東海岸にまで到達しています。

 だから中国人の誰かがその気になってれば、喜望峰を回って大西洋に出る事も、ヨーロッパに到達する事も、また中国から南下してオーストラリアに達する事も出来たはずです。

 鄭和の航海が7回で中止になったのは、余りと言えば余りにお金がかかり、さすがの大明帝国永楽帝もスポンサーを続けかねたからです。

 そりゃあ、あんな大船団を送るのでは皇帝の懐だって痛むでしょう。 
 上の宝船の図の下に鄭和の航海とヴァスコダ・ガマの航海の船団の数と船の乗員数が書いてあるでしょう? 

 余りと言えば余りに違うのでのけぞってしまいます。

 ガマの航海に先立つ5年前に行われたコロンブスの航海はスペイン女王イザベラがスポンサーで、レコンキスタ成功の記念事業でした。  
 それでもこの船団はキャラック3隻と言う貧弱さです。 旗艦のサンタ・マリア号が全長18mですから、他の二隻も同様で、乗員も総勢100程度だったでしょう。
 でもこれで十分目的は達したのです。

 実は探索や冒険航海では、巨大船団や巨大船はあまり意味がありません。 船が巨大になると停泊できる場所が限られてきます。 幾らジャンクの喫水が浅くとも全長150mもの巨大船では、河を遡ったり小さな港に入港する事はできません。

 更に船は大きければ安全と言うわけではありません。 船体に受ける波や風や潮流の力は、船体の大きさに応じて大きくなります。 だから強風で帆が張れなくなる、或いはマストが折れるなどして、それに対抗するだけの推力が確保できなくなると、コントロール不能になり非常に危険なのです。

 また乗員が増えると、その分水や食料も必要になります。 人数が少なければ小さな島でも簡単に人数分の水や食料を得られるでしょうが、2万7千人!!なんてベラボウな数になるとそうはいきません。

 だからコロンブスの船団程度で十分なのです。 それでも後の探索航海には、キャラックよりもより更に小型のキャラベルが使われるようになったぐらいです。

 正直言ってワタシは鄭和の航海が何の為に行われたか良くわかりません。 凄い事をやったのはわかりますが、合理性がないからです。
 大船団でアフリカの東海岸に到達したのに、キリンを連れて帰っただけで、アフリカに植民地を作る事も考えていません。

 しかしもし同じ時代に永楽帝が、イザベラ同様の意思を持って、世界の果てを探索する気だったら?
 鄭和の航海一回分の費用で、南北アメリカ大陸も、オーストラリアも、ニュージーランドも、全部中国の物にできていたでしょう。
 これをやっていれば、今頃領土問題で苦労する事はなかったのに・・・・・。

 けれどもそれをしなかったので、中国は世界を支配するチャンスを失いました。

 なぜ中国人が鄭和の大船団をアフリカの東海岸にまで送りながら、その先を探求しようとしなかったのかわかりません。
 一方それを考えたら、なぜヨーロッパ人があんな貧弱な船団で、大西洋を越えようと思ったのか、世界一周をしよとしたのかもわかりません。

 つまりこれが民族の違いと言う事なのでしょうか? 
 ともかく中国は卵を立てる事ができなかったのです。
  1. レイシスト
  2. TB(0)
  3. CM(22)

2015-02-12 21:12

表現者の行きつく先

 9条教徒の機関紙に「安倍話法」なるモノが出ていました。
 全部コピペするのは面倒なので、基幹部分だけを紹介します。

082

「安倍話法」という詐術 - 鈴木耕

 ネット右翼のひとつの特徴に「相手が言ってもいないことを、あたかも言っているようにあげつらって、それを批判する」という手口がある。いわゆる“マッチ・ポンプ”ってやつだ。

 ぼくの文章を批判してくる人の中にも、そういう特徴は垣間見える。こちらが言ってもいないことを取り上げて、それはおかしい、などと批判されたって、こちらには反論のしようもない。「だって言ってないよ、そんなこと」と苦笑するしかない。

 こういうのが、小さなコラムやツイート上などでのことであれば、まあ苦笑でやり過ごせるけれど、ことが政治の場ということになると、問題は苦笑では済まされない。

 安倍の国会での答弁などを聞いていると、この国の最高の政治舞台では、もはや「議論」というものが成立しなくなってしまっている、と考えざるを得ないのだ。

 典型例が、今回の人質事件をめぐる衆院予算委員会(2月3日)での、共産党の小池晃議員の質問に対する安倍首相の“逆切れ”ぶりだ(要旨)。

小池議員:拘束されていると知りながら演説をすれば、ふたりの日本人に危険が及ぶかもしれない、という認識はなかったんですか?

安倍首相:私たちは過激主義と戦うアラブの国を支援することを表明したんです。いたずらに刺激することは避けなければなりませんが、同時にテロリストに過度な気配りをする必要はない、と思うわけであります。

小池議員:過度な気配りをせよ、などと私は一言も言っていないですよ。総理の言葉は重いわけです。

安倍首相:小池さんの質問は、まるでISIL(イスラム国)に対して批判してはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに屈することになるんだろう、と思うわけであります。

小池議員:そんなことは言ってない…。(この後、場内騒然)


 ね、わけ分からないでしょ?

 小池議員が唖然とするのも当然。だって、オレ、そんなこと言ってないも~ん…なんだ。

 「テロリストに過度な気配り」なんてことも「ISILに対して批判してはならない」なんてことも、議事録を見ても、確かに小池議員は発言していない。それを安倍首相は、まるで小池議員の言葉のように“捏造”して逆切れ、小池議員に噛みついた。

 こんなやり方だったら、もう安倍首相は向かうところ敵なしだろう。なにしろ、相手が何を言ってきたって、中身は聞かずに勝手に想像してやり込めてしまう。言い合い(議論ではない)に負けるはずがない。まさに「安倍話法」の面目躍如である。

 そして危なくなったら、「私が最高責任者です。責任は私が引き受ける、と思うわけであります」と、得意の「…と思うわけであります」を連発して、相手を黙らせてしまえばいい。むろん、この最高責任者がなにか「責任をとった」なんて聞いたこともないけれど。

 何の責任も取らないのに、「責任は私にある」と言い続けるのも「安倍話法」のひとつ。とりあえずこう言っておけば、相手もそんなに突っ込めない。


085

 共産党小池と安倍総理のやりとり、わけわかりませんか?

 ワタシは普通にわかりますけど。

 確かに小池は「テロリストに過度の気配り」とか「ISILを批判してはいけない」とは、言っていません。

 しかしそれでは何の為こんな事を聞いたのでしょうか?

拘束されていると知りながら演説をすれば、ふたりの日本人に危険が及ぶかもしれない、という認識はなかったんですか?

 安倍総理が「認識があった」と言えば、小池は「だったら演説は中止するべきだった。」と言ったでしょう。
 安倍総理が「認識はなかった」と言えば、小池は「人質への配慮がなかった。」と言ったでしょう。

 小池としては上手く総理を追い込める質問のつもりだったのです。

091

 しかし総理すればどちらでも関係ありません。
 「人質の命が危ないから総理が演説を止める」なんて、これ以上テロへの屈服はありません。  身代金を払うよりももっと悪いです。

 だから総理としては、人質が取られていると言う事実を無視して、外交予定をこなすしかなかったのです。 
 
 本来首相が無視するべき事実を「認識があったか?」などと聞く事自体が、テロリストへの屈服を示唆しているのです。

 小池の質問が「テロリストへの過度な配慮」でも「ISILを批判するな」と言うことも意味しないのなら、小池は共産党はこの問題で、いかにテロリストに屈しないかを説明すれば良いのです。

 しかしそれができないので、「そんなこと言ってない・・・・」と絶句するしかなかったのです。

 そもそもテロリストへの対応を考えたら質問してはいけない事を、質問したのだから、それでマトモに反撃されたら一言もないのです。

095

 9条教徒が安倍総理に閉口する理由はよくわかります。

 今までの総理って、小池や辻元みたいな超のつく馬鹿は、マトモに相手にせずに、馬鹿な質問をされても「適切に判断しました」などと決まり文句で押し通して適当に流していました。

 そうすると彼等はそれで「ハイ、論破」と決め込んで自分達の勝利と言うことにして、はしゃいでいたのです。

 ところが安倍さんは結構シビアにやり返すのです。 
 馬鹿の自尊心を容赦なく踏み潰すのです。

 これは惨いです。 小池や辻元には、こうした愚劣な言葉遊びで、政権を追い詰めた気になるぐらいしか存在感を示せないのに、それをこんな風にに苛めちゃうんですから。

097
 
 しかし彼等は今回の人質事件で政府批判が盛り上がらないのが、大変不満のようです。
 no-risuさんに言わせれば「我ハ表現者、政権批判スル者ナリ」ですから。
 
 9条教徒等、日本の自称リベラリスト達って、いつでも政権は批判しなければならないと思っているのです。 
 政権批判は権力に逆らう事で、凄くカッコイイ事だと信じているのです。

 だから政権のやる事には何でも反対します。

 そうすると政権がマトモなことをやると、彼等はヘンなことを言うしかありません。
 政権がマトモなことをやり続けると、彼等はヘンなことを言い続けるしかありません。

101

 政権は政治の当事者ですから、情報も色々入って、正確な判断を下すには、野党や表現者wなんかよりも遥かに有利なのです。

 それを理解しないで、ひたすら政権批判だけを目的にしていると、行きつくところは馬鹿かキチガイです。

 小池や辻元は行きつく果てに行きついているのです。
  1. 戦後民主主義
  2. TB(0)
  3. CM(24)

2015-02-11 17:34

絶好調!!

 この数日札幌は随分冷え込みました。  先日は最低気温が-11℃にまで下がりました。
 しかしよもちゃんは元気一杯です。 


16489688141_4837836ecd_z.jpg


  おお、何と明るい青空!! 

16498238062_7dd68a4578_z.jpg


 ヤッホー!! 青空だ~~!! 

16311766320_f37e8e6484_z.jpg


 ヤッホー!! 登山よ!!

16313323107_d441bbedb2_z.jpg


  雪捨て山が、こんなに高くなって!! 

16498246602_a75bc1e493_z.jpg


  近所の人達が、家の周りの雪を一生懸命積み上げた結果だわ。
 愚公移山と言うけれど、人は努力すれは、山のないところに山を作る事だってできるんだわ。 
 ワタシもお手伝いするわ。

16312940079_c1f9dab65f_z.jpg


  ああ、しかし何と爽やかな空だろう!! 何と言う明るさだろう!!
 札幌の二月は一年で一番明るい季節よ。
 宇宙の果てまで見える程済んだ青空が広がり、純白の雪が太陽に輝く季節よ!! 

16313389677_2f4c1f14b3_z.jpg


  この輝く青空を見ていると、札幌オリンピックが成功した理由もわかるし、北海道のスキー場が大人気になる理由もわかるわ。
 だって冬にこんなにも明るい太陽が輝き、しかもこんなにも美しい雪はふんだんに降る土地は世界中に他にないのよ。 

15876697634_3e68d41109_z.jpg


  街中でさへもこんなキラキラしたパウダースノーが厚く降り積もるのよ。

無題


  それなのに快晴日は多くて、日照時間は長いのよ。 だって北海道の緯度はイタリアのトスカーナと同じなのよ。
 ヨーロッパアルプスや北米じゃこうはいかないわ。 だってあちらでスキー場のあるところは、遥かに高緯度だから冬は日照時間が短くて、太陽の光も弱いのよ。 

無題


  ああ、それなのに、同居人ときたらスキーどころか、雪かきも満足にしないで、勿体ないったらありゃしない。
 それに喘息がまだ治らなくて、昨日も夜じゅう咳を続けるから、一緒にいるとウンザリするのよね。

無題


  お正月には建国記念日のデモと集会には出るつもりでいたけれど、結局諦めたのよね。 だってあんなに酷い咳をしていたら、隣の人が大迷惑だものね。 
 だから今年は紅白饅頭が食べられないって泣いていたわ。 

2.png


  でも良いのよ。 同居人が家で幾ら泣き言を言っていても、日本は無事に建国2675年を迎えたのよ。
 日本国民として、ネコウヨとしてこれを喜ばずにはいられないわ。

15879254843_e43a5652c3_z.jpg


  おお、お日様!! 
 皇紀2075年、おめでとうございます。

16497696911_57cbc8955b_z.jpg


 よもちゃんは絶好調です。
  1. 猫の生活
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2015-02-10 21:33

ドアが違う

 先日ネットでこんな動画を見つけました。

 ドアを開けたら雪の壁!!



 イヤ~~大変ですねえ。

 でも我が家ではこれはありません。 日本の住宅ではこれはまずないでしょう。 
 なぜなら日本の住宅ではドアは外開きになっているからです。

035

 だからドアを開けたら雪の壁と言うことはないのですが、代わりに雪が沢山積もったらドアが開かなくなります。
 それでそういう場合は、仕方がないので窓から出て、ドアの前の雪を除雪して、ドアが開くようにします。

 この冬は今までに2回これをやりました。 風向と回りの建物の加減で、我が家の玄関が吹き溜まりになるので、少ない雪でも玄関が埋まる事があります。

030

 それでドアを開ける為には、頑張って除雪するのですが、この冬は喘息でヘタレているので、玄関前を全部除雪するような元気はありません。 ドアを開ける分だけ除雪するのが手一杯でした。
 だから玄関から続く通路とは大きな段差ができてしまいました。

2015y02m10d_201115744

 一方欧米の建物のドアは原則皆内開きです。 家に入るドアだけでなく、部屋のドアもトイレのドアも皆内開きです。
 なぜ、内開きにするのか?
 それは内開きだと、ドアの前に家具など重いモノを置けば、外からドアをこじ開ける事が出来ないからです。
 外から暴漢が入るのを防ぐのには、大変有利だからです。

2015y02m10d_201139072

 だから日本でも城門のような物は内開きになっています。
 しかし城門が内開きであるが故の悲劇もありました。

2015y02m10d_201218874

 2002年にヨーロッパ旅行をして、ウィーンの近くドナウ川河畔のハインブルグと言う街を見物した時に、ガイドさんから聞いた話です。

 1683年、この町はオスマン帝国の第一次ウィーン包囲の時、トルコ軍に襲われて陥落しました。 街はウィーンへの進軍路にあったので、行きがけの駄賃のように襲われてしまったのです。

2015y02m10d_201302151

 街は城壁に囲まれていたのですが、総人口が2000人程ですから、20万とも言われたオスマントルコの大軍の前にはなすすべがありませんでした。

 トルコ軍が来て間もなく山側の城門が破られました。

 街の人々はパニック状態になって、ドナウ川側の城門に殺到しました。 ここから出てドナウ川を船で逃げようとしたのです。

 しかし城門は内開きです。

2015y02m10d_201326128

 城門にたどり着いた人々は、後から後から押し寄せる人々に押されて、城門を開ける事ができませんでした。

 そこにオスマントルコの軍勢が襲い掛かりました。 城門の前で身動きできなくなっていた人々は、撫で斬りにされるだけでした。 
 この城門に通じる通りは、現在でもブルトガッセ(Bultgasse)「血の小路」と呼ばれています。

 街の住民はこの時ほぼ全員が虐殺されました。

 日本の家のドアが皆外開きなのは、実はこのような事態を防ぐためのようです。 つまりパニック状態で外へ出ようとするとき、内開きでは開けられない場合があるのです。

2015y02m10d_201353034
 
 実はこの町は1529年のオスマントルコの第一次ウィーン包囲の時にも、同様のパターンで住民のほぼ全てが虐殺されています。

 街の城壁は今もほぼ完璧に残っています。 高さ10m弱、幅は小型車が一台通れる程もあります。
 そして数十メートル置きに塔が建っています。 
 勿論城門も残っています。

 城門は今も全部内開きです。

 城門だけでなく街の家のドアも、ワタシが泊まったホテル(14世紀に建ったゴチック建築!!)のドアも全部内開きでした。

2015y02m10d_201411431

 ブルトガッセのような悲劇はあっても、外開きでは外から簡単に開けられてしまうので、城壁の役には立ちません。 そして侵入者への恐怖が、習慣となって内開きのドアが続いているのでしょう。

 外開きのドアと言うのは、つまり外から押し入ろうとする暴漢のような者の存在を想定していないのです。

 ヨーロッパの古い街は皆城壁に囲まれていました。
 そしてどの街も皆包囲戦を経験した歴史があります。 勇敢に包囲戦を戦った市民は伝説となって、その後街のお祭りなどで繰り返し顕彰されます。

2015y02m10d_201434770

 包囲戦に勝ち抜き敵が撤退した後に、市民がまず行うのが、城壁の修理と補強です。
 包囲戦で破壊された部分を直すだけでなく、包囲戦でわかった欠陥を直す為の増改築をします。

 包囲戦を戦う事は経済的にも大変な負担なのですが、それでもまず城壁の補強を優先するのです。
 
 それをやらないと次にまた包囲戦になった時に、敵は弱点だった部分を攻めて、今度は必ず陥落します。
 
 だからどんなに苦しくてもまず城壁の修理と改築をするのです。 それをやり通した街だけが生き延びる事ができるのです。

2015y02m10d_213137897

 ワタシはドイツが第二次大戦後早々と国軍を建て直し、最近まで徴兵制を実施していたのは、本来このような大陸諸国の歴史と、それに養われた国民性によるのだと思います。

 ドイツが敗戦を蒙ったのは別に第二次大戦が初めてではありません。 ドイツのように強国と言われる国でも、歴史的には何度も敗戦を体験しているし、大量虐殺だって何度も体験しているのです。

 こうした経験を繰り返せば、全ての国民が戦争や国防に対して極めて現実的な考えを持つようになるでしょう。

 日本には街を囲む城壁はありません。 家のドアは全部外開きです。
 これで安心して暮らせる人間達が、現実的な国防意識を持つには、ひたすら理性により歴史を、日本史だけではなく世界史を学ぶしかありません。
  1. こけつまろびつヨーロッパ
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2015-02-10 13:48

ジャーナリストは自己責任を理解できない

 今回のISILの人質事件について「自己責任」と言う意見が多く出ている事に、マスゴミ関係者とジャーナリスト達が、大変な不満をもっているようです。
 
 しかしそれに関する彼等の意見を読んでいると、呆れてしまいました。


世耕氏「3回止めた」発言 ネットの自己責任論を煽り立てた

 越度(おちど)のある者は助けなくていいというなら、もともと国家も行政権力も要らない。危険なところに自ら赴いた者は“非国民”というなら、政府は二度と登山家や宇宙飛行士を称えてもらいたくない。


「イスラム国へ行った人は自己責任」に潜む大問題

 似て非なる例をもう1つ挙げてみましょう。例えばA国の閣僚や外交団がB国を訪れたとして、テロリストの爆弾で命を落としたとしましょう。このとき「バカ大臣の自己責任で勝手にやられた」という表現が成立するでしょうか?

 多分そういう話にはならないですね。

 では、民間人なら自己責任で、内閣総理大臣の個人的な意思であれば国の責任にさせられるのでしょうか・・・?

山と飛行機事故

 全く別の例を挙げてみましょう。毎年のようにゴールデンウイークなどに、登山などで行楽地に赴き、そこで遭難する事故の報道があります。

 あれこそ、まさに自分の責任で観光などに赴いてトラブルに巻き込まれるわけですが、そういう文脈で「自己責任」という言葉が使われるでしょうか?

 遭難者の救助には、地元レンジャーはじめ多くの人が協力し、税金も少なからず投入されます。「自己責任だ。税金の無駄遣いはやめよ」といった議論が捲き起こるのは、あまり目にしないように思います。



 自称でも何でもジャーナリストを名乗り、新聞や雑誌に記事を書くほどの人間なら、一応の社会常識はあるものと思っていたのですが、彼等には全くそれがないようです。

 まず登山事故や海難事故は完全に「自己責任」とされます。 多少でも登山をする人は皆心得ています。 
 登山で遭難して救助されると、後のその費用を請求されます。 地元のレインジャーや登山家達が捜索に協力した場合は、その日当を出さなければなりません。

 海難事故の場合は、海保や自衛隊の捜索救助は無料ですが、しかしその後必ず海難審判を受ける事になります。 そして遭難者の不注意や判断ミスと言う結果になれば、相応の刑が課せられます。 
 遺体の捜索は全額遺族持ちです。

 「怪我と弁当は自分持ち」

 これがアウトドアスポーツの原則です。 自称でもジャーナリストなら、こうした事故の取材や報道も見ており、こんな事は当然知っていると思うのですが、それを知らないと言うのには呆れます。

 更に呆れるのは、公務の意味が解ってない事です。
 
 この自称ジャーナリストは宇宙飛行士は、自分で勝手に宇宙船に乗ると思っているのでしょうか?

 日本の宇宙飛行士はJAXAに所属する公務員です。 その公務員の仕事として、宇宙ステーションに行き、そこで働く事を命じられるのです。 命令されないと、幾ら自分が宇宙に行きたくても行けません。

 閣僚の外国訪問も公務です。 首相のような場合は命令する人がいないので、自分の判断で行くことになるのですが、しかし公務である事には変わりません。 ちなみに遭難救助を行う自衛隊員や県警の救助隊員も、現場では隊長が自分の判断で行動する事になるのですがこれも公務です。

 公務は原則公の為に行うモノですから、自己責任原則からは除外します。
 これは小学生でもわかると思います。

 それにしても「公」と「私」の区別がつかないと言うのはどういう事でしょうか? これでは社会問題全体に対してマトモな判断ができるわけがないではありませんか?

 
 そして常日頃思うのですが、自称リベラリストやそれに賛同する自称ジャーナリストって、ホントに自己責任が嫌いですね。 
 リベラリズムって自由主義のはずなのに・・・・。
 
 なんか話をヘンな風にヘンな風に持って行って、必死に自己責任を回避しようとしているのです。 
 こんな感じです。

 「危険だとわかった上で行くのだから、自己責任はあります。だからと言って、『国に迷惑をかけやがって』と言う、この風潮は危険だと思います。このモノサシで見ると、例えば、ニートや高齢者などまで『迷惑なものでしかない』ということにもなりかねない。これが自己責任論の先にあると思う」

 いいえ何と言おうと、後藤さんは日本政府だけでなく、ヨルダン国民にまで大迷惑をかけたんですよ。
 そして高齢者やニートを考えればわかるでしょう?

 彼等を保護しなければならないと言う道義的義務は、実は彼等には一人前の人間としての責任能力がない人々とみなされてるからです。
 自分を守る責任能力が無いとみなされた人間は、誰も自己責任を要求されません。 そして責任能力のある人々には、彼等を保護する義務があるのです。

 例えば認知症の老人が、無謀で非常識な行動の結果事故に遭っても、それどころか犯罪を犯しても、誰も彼の自己責任など問いません。
 責任を問われるのは、この老人を介護していた人達です。

 その代りこのような状態になったら自由も喪います。 認知症の老人を介護する人達が、老人の外出を禁止しても、禁治産者として老人の財産権を奪っても、老人にはどうしようもありません。
 
 自由と責任はセットなのです。
 だから後藤さん達の自己責任を問う意見が多いと言うことは、実は日本人は個人の自由を尊重していることでもあるのです。 

 危険な目に遭っても、人質にされてもそれは自分の責任であって、国や政府の責任ではないと、言うことを明確化できれば、危険な地域で入って取材活動もできます。
 
 しかしいかなる場合も政府が人命救助の責任を果たせと言われたら、救助不能なところへ行くのは権力を使って阻止するしかありません。

 ところが自称リベラリスト達は、ひたすら自己責任を回避する一方で、危険に遭えば政府の助けが無い事を非難するのです。
 これでは自分の状況を理解できずに、暴れまわる認知症の老人と同じではありませんか?


 ちなみに現在世界的にテレビ局や新聞は、この後藤さんのように、政府勧告を無視て危険地域に入って取材した記者の記事や映像は使わないようにしようと言う事になっています。
 またISILのようなテロ組織が配信する映像や画像も使わないとようにしています。  
 これらは間接的にテロ支援になりますから。

 ところが日本のテレビや新聞だけが、これを使い続けています。 これは当然世界的に問題になります。

 だから「自分達が危険を冒す事で、日本人は情報を得られるんだ。 云々」と言う恩着せがましい意見には全然意味がありません。
  1. マスゴミ
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2015-02-09 13:57

情けない近況

 先日からコメント欄で、よもちゃんの写真のリクエストを何度もいただきました。
 皆さんよもちゃんの事を心配して下さっているようです。 

16293163329_82e62ba02d_z.jpg


  有難う御座います。 よもちゃんは元気一杯です。
 毎日、快食・快眠・快便の日々です。 

15856897724_3a73de46ca_z.jpg


  今日も朝ストーブをつけると直ぐにストーブの前に陣取って、天賦猫権の行使に務めています。
 それでも写真のアップが滞ったのは、わたしがヘタレていたからです。

 わたしは昨年の12月半ば過ぎから、喘息が出て連日酷い咳が続いています。 病院にも行きましたが、全然咳は収まりません。
 わたしは同じ喘息を2013年の4月にもやりました。 

16477690621_66bc0b35f3_z.jpg


  その時も一か月半も咳が続き、すっかりヘタレてしまって、外出もできなくなり、写真を撮るのもサボりました。
 だから今回も一か月半はダメかなあ・・・・・と諦めていました。
 けれど一か月半過ぎてもまだ収まりません。 

15856901544_cfdab28626_z.jpg


  それでも一日寝込んでいるわけでもなく、大体は起きてネットなどしています。 それからよもちゃんの外出に付き合わされます。
 あんまり寒い日は、よもちゃんは一人で外へ出るのを嫌がって、わたしに着いてきてくれろと言うのです。 

15859325853_9168fa01eb_z.jpg


  気持ちはわかりますよ。 あんまり寒い日は、何か怖いような気がするのです。
 それでもそんな物凄く寒い夜中に、パトカーさんが一人で歩いているのも見かけましたからね。 よもちゃんとパトカーさんでは根性が違うのでしょう。

 ちなみにパトカーさんはこの頃は、殆ど我が家にはいらっしゃいません。 でもなぜか相変わらず丸々とお太りです。
 だから最近ではヒョットしてパトカーさんには別宅があるか、或いは本宅が別にあったのかと疑っています。
 いずれにせよ今は猫の恋の季節だし、立派なタマタマをお持ちのパトカーさんとしたら、どんなに寒くともストーブどころではないのでしょう。 

16292005550_1efb90308f_z.jpg


  一方根性無しのよもちゃんは、少し寒いとか吹雪くとかだと、わたしに付き添いをさせるのです。
 それでわたしも咳をしながら、よもちゃんに着いてゆきます。 
 そうやって外に出ると、雪の世界が無性に美しく見えます。

16477688551_ee1b7270e7_z.jpg


  でもまだそれ以上の外出はできません。 1月までは近所の生協へ行くのが手一杯でした。 2月になってからは、生協よりは少し遠いスーパーに行けるようになりました。 でもそのスーパーより少し先にある西友も、また激安店にも行けません。
 だからせっかくの雪祭りも行けないし、建国記念日のデモも参加できそうにありません。  

16453436986_7c73e3bcf9_z.jpg


  なんとか一日も早く咳が収まって欲しいです。 咳さへ収まれば、発寒川へ鴨を見に行くこともできるし、雪景色の写真を撮りに行くこともできます。
 去年、喘息が始まる前に、鴨の為に安い食パンを買ったのですが、まだそのまま寒い場所に置いたままです。 

16479443185_8aef478278_z.jpg


  こんな状態なので、よもちゃんの写真のアップもサボっていました。 ニュースを見て腹の立つ事に対する意見は、条件反射で書けますが、よもちゃんの楽しい話は元気にならないと、頭に浮かびません。
 でも皆さんが応援してくださるので、これからはまた頑張ります。 

16478479242_41f7ab0886_z.jpg


  それから2月5日にわたしは誕生日を迎えました。 妹がケーキと御馳走をいろいろ持ってきてくれました。 
 お蔭でこんな状態なのに、とても幸せな誕生日になりました。 

16293184919_e57d13a0c4_z.jpg


  同居人、とりあえず良かったね。

  1. 猫の生活
  2. TB(0)
  3. CM(12)

2015-02-07 21:21

テレビが頼り 共産党小池

人質事件 小池氏追及
危険及ぶ認識あったか
首相中東訪問 答弁回避に議場騒然

 日本共産党の小池晃議員は3日の参院予算委員会で、過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件について、安倍晋三首相の中東訪問(1月16~21日)をはじめとする政府の対応をただしました。

 小池氏は冒頭、湯川遥菜さん、後藤健二さんの家族と関係者に哀悼の意を表明。「イスラム国」の犯行に対しては「残虐で卑劣なテロ行為を怒りを込めて糾弾する」とし、国連安保理決議に沿って国際社会が結束する必要性を訴えました。

 その上で小池氏は、安倍首相がエジプトで「ISIL(イスラム国)とたたかう周辺各国に2億ドル、支援を約束する」と表明した演説(同17日)で、「非軍事の人道支援」と説明していなかったことを指摘。2人の日本人の拘束を昨年から政府が知りながら、「演説で危険が及ぶ認識がなかったのか」と首相をただしました。

 首相は「テロを恐れるあまり脅かしに屈するような態度をとれば新たなリスクが発生してくる」「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない。これは今後も不動の姿勢だ」と断言しました。

 小池氏は、「テロに屈する」ことと「慎重に言葉を選ぶ」ことは違うと指摘。殺害予告が出された後の会見(同20日)で首相が「2億ドル支援」を「人道支援」と説明を変えていることをあげ、重ねて2人の命の認識を追及しました。

 首相は「小池氏の質問はまるでISILを批判してはならないような印象を受ける。それはまさにテロに屈することになる」などと質問に答えず暴言を吐きました。野党理事が委員長席に詰め寄り、議事が止まるなど議場は一時騒然となりました。

 小池氏は、紛争地の取材で命の大切さを伝えてきた後藤さんの言葉も紹介しながら、「テロとのたたかい」で多くの命が奪われてきたことに言及。「『テロに屈しない』の一言で批判や懸念に耳を傾けない姿勢でいいのか。慎重な発言が必要だった」と冷静な検証を求めました。

 さらに小池氏は、2000人以上の犠牲者を出したパレスチナのガザ地区への攻撃で国際的批判を浴びるイスラエルを首相が訪問(同18~20日)し、軍事交流を深めたことを指摘。中東諸国に与える影響をどう考慮していたのかと質問しました。首相は「アラブの国々からむしろ評価いただいている」と正当化しました。

 小池氏は「二度と事件が起こらないよう政府の対応を検証するのが国会の役割であり、それに応じるのが政府の責任だ」と強調しました。



 衆議院予算委員会では、全野党予算審議なんぞそっちのけで、ISILの人質問題の政府対応の検証とやらに血道を上げております。
 
 しかし共産党だけではありませんが、実にお粗末な人達です。

 その上で小池氏は、安倍首相がエジプトで「ISIL(イスラム国)とたたかう周辺各国に2億ドル、支援を約束する」と表明した演説(同17日)で、「非軍事の人道支援」と説明していなかったことを指摘。2人の日本人の拘束を昨年から政府が知りながら、「演説で危険が及ぶ認識がなかったのか」と首相をただしました。

 ふうん共産党小池は、安倍首相のエジプトでの演説では非軍事の人道支援と説明しなかったので、ISILが軍事支援と誤解して、人質を取ったと言いたいようです。

 しかしISILはこの支援を非軍事と明確に認識していたのです。

 「イスラーム国」は日本の支援が「非軍事的」であることを明確に認識している

 まずISILが最初に日本政府を脅迫した動画を見てください。 下のアドレスをクリックしたら見られます。 全部で2分足らずの動画です。

 https://ia802602.us.archive.org/13/items/msg_p/ms.mp4

 実はこの動画の最初の部分はNHKのワールドニュースで、NHKのアナウンサーが英語で安倍総理の中東訪問について説明してます。 ISILはここに自分でアラビア語の字幕を付けています。

 15秒程で今度はBBCのアラビア語ニュースの動画に変わります。 ここにISILは自分で英語字幕を付けています。
 ISILの動画は全部、アラビア語と英語が併用で、英語の動画にはアラビア語の字幕を、アラビア語の動画には英語の字幕を自分でつけるのです。

20150203010727ebd.png

  Non-Military Aid !!

 おお、英語ダメ子のワタシにだってわかるじゃないですか?

「Abe Pledges Support for the War against Islamic State with Non-Military Aid (安倍がイスラーム国との戦いに非軍事的支援を約束した)」 

 つまりISILは自分の脅迫動画で、ちゃんと安倍総理の提唱する支援が Non-Military Aid だと書いているのです。
 
 それなのに共産党小池が「安倍総理がエジプトでの演説で日本の支援を非軍事だと明確しなかった」と言うって・・・・・。

 実は日本のテレビはどこも、ISILの脅迫動画の前半部分は放映時に省略してしまいました。 だからテレビだけ見ていると黒覆面男が後藤さん達と並んで話す部分しか見る事はできないのです。

 でもネット配信されているのですから、動画を全部見ようと思えば誰でも簡単に見る事はできるのです。
 そして動画を全部見ていれば(全部見ても2分足らず)、ISILが安倍総理が中東訪問で約束した2億ドルの支援は、非軍事であることを、ISILは完全に認識していたことは、その場でわかるはずなのです。

 つまり共産党は今回の事件に関して自分の目で、脅迫動画そのものを確認する事もせず、テレビ情報だけを頼りに国会質問をしていたと言うお粗末な話なのです。

 しかし同様にお粗末なのは民主党辻元・細野・福山などみんな同じレベルなのです。 

 コイツラ政務調査費は一体何に使っているんでしょうか?
 ネットが苦手でも、多少の日当を出せば、ISIL関係の動画を探してくれるバイトや、また英語やアラビア語を翻訳してくれるバイトを使えそうなものですけどね。

 ついでに言うと今回の安倍総理の中東歴訪はパレスチナからも歓迎されています。 
 だからイスラエル訪問で云々と言う小池の言いがかりは意味がありません。

 そもそもISILはヒズボラからさへも非難されているテロ組織です。 まして一般のパレスチナ人から支持されているような連中ではありません。
 
 支援が非軍事であれば、人質を解放するような連中なら、最初からジェノサイトなんかしないでしょう。
 それを非軍事、非軍事と言うのは、日本のサヨクの中でだけ通用する平和妄想でしかないのです。

 それにしてもこんなお粗末な連中が、今回の事件の政府対応を検証するって、一体何をするつもりなんでしょうか?
  1. 戦後民主主義
  2. TB(0)
  3. CM(11)